映画『愛しき人生のつくりかた』の概要:パリで暮らす平凡な一家の人間模様を描いたヒューマンドラマ。どこにでもあるような家族や夫婦の問題を明るいタッチで綴っており、本国のフランスでは大ヒットした。高齢の祖母を抜群の距離感で支える孫と不器用な息子の対比が面白い。
映画『愛しき人生のつくりかた』の作品情報
上映時間:93分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ジャン=ポール・ルーヴ
キャスト:アニー・コルディ、ミシェル・ブラン、シャンタル・ロビー、マチュー・スピノジ etc
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映画『愛しき人生のつくりかた』の登場人物(キャスト)
- マドレーヌ(アニー・コルディ)
- 85歳になるパリ在住の老婦人。夫の死後、子供たちの勧めで嫌々ながら老人ホームに入る。自由を愛する独立心の強い女性。9歳の時に戦争が始まり、故郷の小学校を卒業することができなかった。
- ロマン(マチュー・スピノジ)
- マドレーヌの孫。大学の文学部に通いながら、夜勤のアルバイトをしている。実家を出て、友人と暮らしている。心の優しい青年。
- ミシェル(ミシェル・ブラン)
- マドレーヌの息子でロマンの父親。郵便局を定年退職し、覇気のない日々を送り始める。母のことを常に心配しているが、あまり頼りにしてもらえない。妻を「自分の全てだ」と言い切るほど愛している。
- ナタリー(シャンタル・ロビー)
- ミシェルの妻。22歳の時、初対面のミシェルに「あなたは美しすぎる、2度と会いたくない」と言われ、恋に落ちた。教師をしている美しい女性。
映画『愛しき人生のつくりかた』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『愛しき人生のつくりかた』のあらすじ【起】
フランスのパリ。大学の文学部に通うロマンは、墓地の場所を間違え、祖父の葬儀に出席できなかった。父親のミシェルは怒っていたが、祖母のマドレーヌは寛大に許してくれる。
ロマンは実家を出て友人と暮らしており、夜勤のバイトを探していた。小さなホテルの経営者は、息子と同じと仕事のロマンを気に入り、フロント係に雇ってくれる。
ロマンは心の優しい青年で、独りになった祖母を気遣い、マドレーヌの家を訪れる。マドレーヌもロマンのことを可愛がっており、彼の訪問を喜ぶ。マドレーヌは、古いアルバムの整理をしていた。
40年間、郵便局で働いてきたミシェルは、定年退職の日を迎える。ミシェルは平気そうな顔をしていたが、内心は寂しかった。
ホテルでの夜勤を終え、アパートで仮眠をとっていたロマンは、ミシェルからの電話で起こされる。マドレーヌが突然倒れて病院に運ばれたらしい。ロマンはすぐに病院へ向かう。
幸いマドレーヌは軽症で、すぐに退院できそうだった。しかしミシェルは医師から「独り暮らしは無理だ」と言われてしまう。兄弟とも相談し「一時的に老人ホームへ入居したほうがいい」とマドレーヌに言ってみるが、彼女にその気はない。独立心の強いマドレーヌは、老人ホームのような場所が嫌いだった。
マドレーヌは渋っていたが、ミシェルは強引に老人ホームへの入居の手続きをする。入居の日、ミシェルはロマンにも来てもらい、マドレーヌをホームまで送る。ミシェルは落ち着かない様子で、車内でもしゃべり続けていた。
ホームの責任者の女性は、愛想よくマドレーヌを迎えるが、マドレーヌは無愛想だった。マドレーヌは施設内の案内を断り、早々に部屋へ入れてもらう。マドレーヌは独りになりたかったようで、ミシェルにも早く帰るように言う。ロマンは祖母の意思を尊重するべきだと考え、父親を連れて帰る。
映画『愛しき人生のつくりかた』のあらすじ【承】
妻のナタリーとレストランへ食事に来たミシェルは、なかなか注文が決められず、ナタリーを呆れさせる。ナタリーは趣味も多く、活き活きと日々を楽しんでいたが、ミシェルは生きる情熱を失い、ずっと元気がなかった。ナタリーは、そんな夫に苛立ちを感じる。
ロマンは大学やバイトの合間を縫って、マドレーヌに会いにいく。マドレーヌもロマンの訪問は喜び、ホームで見つけた奇妙な絵を見せる。その絵には、馬なのか牛なのかよくわからない動物が描かれており、2人はその絵を面白がる。
マドレーヌの85歳の誕生日の日。ミシェルは兄弟と一緒に、マドレーヌをレストランに連れていく。本当はこの場で「貯金が底をついたので家を売ろう」と言うつもりだったが、ミシェルはどうしても言い出せない。そしてマドレーヌは息子たちに感謝して、迎えに来たロマンの車に乗り込む。
ロマンはあの絵の作者を調べ、マドレーヌを彼の家に連れていく。作者の男性は、離婚した妻に絵の才能がないと言われ、もう10年も絵を描いていなかった。しかし、マドレーヌやロマンに「あなたのファンだ」と言われて喜ぶ。そして1枚だけ残っていた絵をマドレーヌにくれる。
マドレーヌは少しずつホームでの生活にも慣れ、殺風景だった部屋も、彼女の部屋らしくなっていく。マドレーヌの友人の葬儀に付き添ったロマンは、そこで可愛い女の子に一目惚れする。年頃のロマンは、早く運命の女性と出会い、恋をしたいと思っていた。
葬儀からの帰り道、マドレーヌが「家に行きたい」と言い出す。マドレーヌの家はミシェルがすでに売り払っていたが、マドレーヌはまだその事実を知らなかった。ロマンは仕方なく、マドレーヌを家の前まで連れていく。マドレーヌは、他人が暮らしている我が家を無言で見つめていた。ロマンは、祖母に無断で家を売却した父親のやり方に腹を立てる。
映画『愛しき人生のつくりかた』のあらすじ【転】
そのことがあってすぐ、マドレーヌは老人ホームから姿を消す。ミシェルは情けないほど狼狽し、ロマンを頼る。ミシェルは最近、ナタリーともうまくいっておらず、うつ気味だった。老人ホームも警察も頼りにならず、絶望したミシェルは、マドレーヌが死んだと決め込み「俺が母親を殺したんだ」と泣き出してしまう。
ロマンはミシェルを実家に送り、ナタリーと話をする。ナタリーは「今のパパとこれ以上一緒に暮らすのは無理よ」と息子に愚痴る。
しばらくして、ロマンのアパートにマドレーヌから絵葉書が届く。マドレーヌは、生まれ故郷の町にいるらしかった。ミシェルは、絵葉書が自分宛でないことに傷つくが、ロマンにその町まで行ってもらう。
マドレーヌの故郷は、ノルマンディー地方のエトルタという海辺の田舎町で、パリからは遠かった。車で向かったロマンは、途中で寄ったコンビニの店員に「どうすれば運命の人に会えるかな」と聞いてみる。店員は「待つのをやめて念じれば会える」と、頼もしい答えをくれる。
マドレーヌは、断崖のホテルに滞在していた。マドレーヌは、9歳の時までこの町で暮らしていたが、戦争で疎開することになり、町を離れた。マドレーヌがこの町に戻るのは、今回が初めてだった。
一方、パリのミシェルは、ナタリーに離婚を宣告される。ナタリーには、ハンサムな若い恋人ができたらしい。ミシェルはショックで目の前が真っ暗になる。
ロマンはミシェルに電話をかけ、祖母が独りで過ごしたがっていることを報告する。ミシェルは母親が無事で安心するが、今はナタリーとの離婚問題で頭がいっぱいだった。母親に若い恋人がいると聞かされ、ロマンも驚く。
映画『愛しき人生のつくりかた』の結末・ラスト(ネタバレ)
ロマンはもう少しマドレーヌに付き合うことにして、祖母が懐かしがっていた小学校へ行ってみる。そこで、ルイーズという女性教師と知り合い、彼女に恋をする。
ミシェルは、ナタリーの相手がヨガの先生だと思い込み、ヨガ教室へ乗り込んでいく。ナタリーはそれをいい傾向だと思っていた。
ロマンはルイーズに頼んで、マドレーヌを1日だけ小学校に入学させてもらう。マドレーヌは、戦争で小学校を卒業できなかったことを残念がっており、この機会を喜ぶ。子供たちも懐いてくれ、マドレーヌは楽しい1日を過ごす。ロマンもルイーズといい雰囲気になる。しかし、マドレーヌはホテルへ帰った直後に倒れてしまう。
救急車で運ばれたマドレーヌは、昏睡状態に陥る。ロマンは、自分が無理をさせたのではないかと悔やむ。知らせを聞いて、ミシェルは電車でエトルタへ向かう。しかしミシェルが到着する前に、マドレーヌは天国へ旅立ってしまう。
パリへの帰り道、ミシェルはロマンの勧めで、あのコンビニの店員にナタリーのことを相談してみる。店員は「現在がダメなら過去を思い出せ」と言ってくれる。パリへ戻ったミシェルは、彼の言葉にヒントを得て、出会った時と同じ言葉をナタリーにかける。ナタリーは喜び、夫婦は仲直りする。ナタリーは、ミシェルに情熱を取り戻してほしくて、嘘をついていたのだ。
マドレーヌの葬儀の日。あの画家もわざわざ来てくれ「あなたたちのおかげでまた描き始めた」と新しい絵をプレゼントしてくれる。そして葬儀が終わってから、墓地を間違えたというルイーズが来てくれる。ロマンは運命を感じ、彼女を飲みに誘う。ルイーズも同じ気持ちだったようで、2人はキスをする。
映画『愛しき人生のつくりかた』の感想・評価・レビュー
家族思いなロマンの性格がおおらかで優しく、彼の虜になりそうなくらいだった。それぞれ問題を抱えた家族がロマンの行動で変わりだし、前向きに進んでいく内容であったが、マドレーヌの寂しさや悲しさが伝わってきたり、ミシェルのどうしようもなくなってしまった精神的な病や、それにうんざりするナタリーの気持ちなどが共感した。マドレーヌの為に行動を共にするロマンが、恋に落ちた時はとても可愛い姿であった。また、コンビニ店員の助言が解決へと導いてくれるシーンも面白く、考えさせられた。(女性 20代)
年を取っても溌剌としているマドレーヌがとてもチャーミングで、自分もこんな年の取り方をしたいと思えるような人だった。ミシェルの優柔不断さや、自分勝手な行動にイライラさせられた。だが、母子という距離だからこそなかなか言い出せない思いや考えもあるかなと、理解できる部分もあった。ロマンは夢見がちなところはあるが、家族思いの優しい青年で好感が持てた。ロマンとマドレーヌの関係が素敵で、何気ない会話にほっこりした。(女性 30代)
大きな事件は無いし、とても盛り上がるシーンがある訳でもない。静かに穏やかに進んでいくけどそれが人生ということなのかなと感じさせてくれる素敵な作品でした。
フランス映画って雰囲気をとっても大切にしていて、セリフは多くないけど雰囲気で語るシーンとか、言葉じゃなくて行動で示すみたいなシーンが本当に上手ですよね。
いい人ばっかり出ているこの作品は、悲しいシーンもありますが、とても心が温かくなり、優しい気持ちになれました。(女性 30代)
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