いまよりも遥か先のアメリカ合衆国。国民は荒廃した土地から追い込まれ、限られた土地の中で肩身の狭い生活をしていた。ストレスに見舞われた街には暴力・殺人・麻薬といったさまざまな犯罪が横行していた。これらを取り締まる役として結成された最強の司法官組織「ジャッジ」は選ばれた者しかなることができない。毎日犯罪が留まることのないこの土地で今日もジャッジによる裁きが行われる。
映画『ジャッジ・ドレッド』 作品情報
- 製作年:2012年
- 上映時間:95分
- ジャンル:SF、アクション
- 監督:ピート・トラビス
- キャスト:カール・アーバン、オリビア・サールビー、ウッド・ハリス、レナ・ヘディ、ドーナル・グリーソン etc…
映画『ジャッジ・ドレッド』 評価
- 点数:40点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★☆☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『ジャッジ・ドレッド』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ジャッジ・ドレッド』のあらすじを紹介します。
舞台は未来のアメリカ。国土の荒廃によって狭い土地に暮らさざるを得なくなった国民は、さまざまな苛立ちを我慢できなくなり、若者たちによる目に余る凶悪犯罪や麻薬の横行が日常的に行われていた。
治安が悪くなる一方のこの都市で最高の権力を握っていたのはジャッジである。ジャッジとは最強の司法官のことであり、若者たちによる犯罪を取り締まり、法を科する役目を担っていた。ジャッジ・ドレッドはそのメンバーの1人である。
ある日、ドレッドは1台の暴走車を追いつめ、女性に銃を向けていた男の顔面を焼き尽くす。
会社に戻ったドレッドはカサンドラという女性が部下になることを知る。彼女はジャッジ・アカデミーには落第したが特殊能力があり、大いに役に立つ存在だという。
コンビを組んだドレッドとカサンドラはドラックの密売所に潜入する。彼らが潜入したビル「ピーチツリー」には悪党のボス、ママが住んでいた。2人の侵入に気付いた彼女はビルを閉鎖し2人を一斉に殺害するように部下に命じる。逃げる2人を追うママの部下達。途中で、ママとつながりのある裏切り者のジャッジの登場やカサンドラが悪党に捕まり、ひやひやさせられる。
はたして、ママとの最終決戦はどうなるのか。
映画『ジャッジ・ドレッド』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ジャッジ・ドレッド』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
作品に対する熱は仮面から?!
この作品は1995年にもアメリカで映画化されているイギリスのコミックである。1995年の前作品では、シルヴェスター・スタローンが主演を務め、本作品はカール・アーバンが主演である。カール・アーバンは原作のコミックに登場するジャッジを忠実に再現するために、仮面が決して外れないことを何度も確認したという。これは、前作のシルヴェスター・スタローンでさえも見逃していた点である。
さらに、劇中に登場しているオートバイにも自ら乗るといって聞かなかったようであり、あの映像は彼が実際に運転しているのである。
カール・アーバンの役者熱を感じとられる作品である。
1995年版作品とのコラボレーション
ドレッドとカサンドラがピーチツリーに潜入するシーンで、司法所のホールにはメガシティ1で確認されている全ての犯罪をコンピュータスクリーンに映し出している。第1のスクリーンでは、1995年版の作品で主人公の1人であるジャッジ・ハーシーに託された犯罪が出てくる。
また、本作品の長さ96分は1995年版の作品を同じであり、監督のちょっとした計らいがユーモラスである。
ピーチツリーの由来とは?
悪党の拠点というのに「ピーチツリー」って可愛い名前じゃない?と思った人は少なくないはず!この名前はイギリスのシュルーズベリーにあるレストランの名前を使っている。ここで映画脚本家のアレックス・ガーランドと原作者のジョン・ワーグナーが映画を作成するに当り、初めて会合を開いたのである。
アメリカの新たな国旗?!
ピーチツリーの部屋の中やショッピングモールなどのシーンでは、メガシティを現す6つの星を掲げたアメリカ国旗が登場する。
現在の星条旗には星が50個ちりばめられており、アメリカ国内の州の数と一致している。
本作品では、国土が荒廃し、人間の住める場所が限定されている設定であるので、その設定を考えると6つの州(地域?)しか人間が住めないということが分かる。
最新テクノロジーが駆使された未来は安全で安心な幸せな世界になっていると、未来への夢と希望を込めて描かれる作品が多い中、今作は未来は荒廃しきっているという設定。それだけでも興味をそそられるのに、描写が想像以上に過激でかなりグロテスクだったので、個人的には大満足でした。
悪に対する制裁や罰がしっかり描かれているので爽快感があり、映画だからこそ楽しめる世界観がとても良かったです。特に男性にオススメしたい作品です。(女性 30代)
映画『ジャッジ・ドレッド』 まとめ
非常に映像演出がグロテスクであり、顔面崩壊や脳みそが頭から出ているシーンなど、グロテスク映像が苦手な個人としては見ていて吐き気のする作品であった。こういった映像を好まれる方には分かりやすく、爽快感があり、良いのかもしれないが。
また、いくら、不正で悪質な横行が多いとは言え、ジャッジが取る行動も容赦なく、いかにも「正義と悪」といったストーリーに恐怖を感じた。逆に言えば、コミックが原作であるからこそ、こうした明確な悪と正義の区別を付けているのかもしれない。
舞台は未来のアメリカ合衆国であるが、未来に夢を与える映画もまた良いが、本作品のように、非道で残虐な横行がはびこる世界を指し示す映画もまた必要であろう。
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