映画『賭ケグルイ』の概要:人気同名漫画を実写映画化。テレビドラマのシーズン2からの続編となっている。ギャンブルで階級が決まる百花王学園にて、反ギャンブルを提唱する集団とギャンブルを一括管理する生徒会との激闘を描く。
映画『賭ケグルイ』の作品情報
上映時間:119分
ジャンル:サスペンス
監督:英勉
キャスト:浜辺美波、高杉真宙、宮沢氷魚、福原遥 etc
映画『賭ケグルイ』の登場人物(キャスト)
- 蛇喰夢子(浜辺美波)
- 百花王学園2年華組に転入して来る。普段は清楚で天然なところがあるが、ギャンブルとなると人が変わるギャンブル狂い。涼太を気に入っており、いつも行動を共にしている。
- 鈴井涼太(高杉真宙)
- 百花王学園2年。賭け事の才能がほとんどないが、いざという時の洞察力が非常に優れている。時に夢子の考えを察することもあり、夢子に気に入られている。普段は負け犬然としているが、根性はある。
- 村雨天音(宮沢氷魚)
- 百花王学園3年でヴィレッジのリーダー。生徒会に従わず反ギャンブルを唱え、階級家畜を救済している。過去に桃喰との勝負で勝利したが、そのせいで姉を失い自分も右耳から頬にかけて傷を負う。カードの音と手元を見るだけで、相手のカードを先読みできる。
- 歩火樹絵里(福原遥)
- 百花王学園2年。桃喰と対戦し惨敗する。その後、村雨目的にヴィレッジへ入り、彼を貶めようと画策する。桃喰の圧倒的なまでの強さに心酔している。
- 犬八十夢(伊藤万理華)
- 百花王学園2年。賭場を荒らしている集団のリーダー。小柄でボーイッシュ。喘息持ちで常に吸入器を持っているが、いつも大声で話し暑苦しい性格。
- 桃喰綺羅莉(池田エライザ)
- 私立百花王学園、生徒会長。ギャンブルの統括者であり、学園一を誇るギャンブラー。白金の髪色で常に冷静沈着、品のある佇まいを崩さない。
- 木渡潤(矢本悠馬)
- 百花王学園2年。いつも調子が良く、金がある時はがめついが、ない時は萎れるという分かりやすい男子。悪知恵が働く方ではあるが、すぐに動揺する。負けて家畜になった後はヴィレッジに身を寄せている。
- 早乙女芽亜里(森川葵)
- 百花王学園2年。夢子ほどではないが、ギャンブルの才があり頭が切れる。夢子とタッグを組んだこともあり、仲間意識も高い。
映画『賭ケグルイ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『賭ケグルイ』のあらすじ【起】
政財界有力者の子女が多数通う私立百花王学園では、駆け引きと読心術、勝負強さと金が将来、人の上に立つ者として必要不可欠な要素だと考え、一般教養よりも伝統的にギャンブルを推奨。その成績によって階級制度が設けられている。ギャンブルの管理は一括して生徒会が行っており、一般生徒は上納金を納めるシステムとなっている。だが、上納金を納められない生徒は最低ランクの非協力傾向生徒、通称家畜へと成り下がり、その名の通り家畜扱いされていた。
この学園の2年華組に転入して来た蛇喰夢子は、転校直後から1カ月で生徒会役員に次々と勝利し、生徒会に巨額の負債を負わせたという最重要人物である。転校初日に彼女から助けてもらった鈴井涼太はその後、いつも彼女と行動を共にしているが、優れたギャンブラーである夢子の目的は未だ不明であり、様々な憶測が流れていた。
学園では現在、賭場を荒らす謎の集団と反ギャンブルを提唱する集団ヴィレッジが問題視されている。ヴィレッジは家畜の救済者として神聖視されており、その幹部には半年前、生徒会長の桃喰綺羅莉に敗北した歩火樹絵里が名を連ねている。リーダーは3年の村雨天音だった。
そこで、勢力を増し始めているヴィレッジを牽制するつもりなのか、生徒会は生徒代表指名選挙を行うと発表。全校生徒が強制参加とし、代表に選ばれた者には活動資金として3億円が授与され、意見を反映するための真っ白な人生計画表が与えられる。生徒会が独断で作成する人生計画表とは、一生徒の今後の人生が決定され逃れることのできない恐ろしいものだった。
代表への立候補者は原則2人1組。ギャンブルにて代表の座を競う。その他の生徒は立候補者に投票することになるが、投票と言う名の投資であり生徒会から全員に投資資金1000万円が支給された。更に立候補及び投票は義務とされ、選挙に参加しない者は即刻退学処分となる。
映画『賭ケグルイ』のあらすじ【承】
この報せに慌てふためいたのはヴィレッジと犬八十夢率いる集団である。しかも、選挙に参加しなければ旧校舎からも追い出されてしまうため、根城を築いていた彼らは愕然とする。その場には十夢に勧誘されていた早乙女芽亜里、夢子を捜していた涼太、涼太を追って来た夢子がいたが、十夢の言葉によりヴィレッジと犬八一派が一丸となり選挙への参加を表明。しかし、村雨は頑として参加しないと言い張る。
そこで、夢子は涼太をパートナーに立候補すると宣言。すると、芽亜里のパートナーとして木戸潤が名乗りを上げ、十夢もまたその場を去る。生徒会に恨みを抱える歩火も立ち上がり、村雨の元を去るのだった。
立候補者は50組。まずは予選が開始。予選は票争奪じゃんけんで、カードを20枚奪取すれば予選突破である。制限時間はたったの10分だった。誰もが必死にじゃんけんをする中、夢子は優雅にティータイム。残り時間5分前、芽亜里ペアが突破。続いて歩火ペアも予選を突破した。残り時間僅かとなり、相手のペアに涼太が騙されるというアクシデントが発生したものの、夢子の策によりたった1回勝負しただけで2人は予選を突破した。
予選が終了し立候補者は4組に絞られる。本戦は1時間後ということであったが、突如として犬八が失踪。パートナーがいなければ落選であるため、犬八は仲間達が探してくれることになった。
そうして、いよいよ本戦が開始。今回は支持率争奪ゲームで、1組ずつ対戦する。1から7、ジョーカーを含む8枚のカードを1枚ずつ場に出し、最も数字が高い者が勝利する。場に同じ数字のカードが出た場合はバッティングとなり無効。ジョーカーは好きな数字を選べるが、バッティングすると無効になる。バッティングが重なった場合は引き分けだ。
映画『賭ケグルイ』のあらすじ【転】
先に4勝するか、手札が残り1枚になった時点でゲーム終了である。そして、全校生徒による投票で賭けられた総額を支持率とし、勝利数と支持率を掛け算した数字が最終ポイントとなる。しかも、準決勝で勝利すると1臆円の賞金があるが、敗北すると1臆円の負債を抱える。現在の支持率は夢子チームが22%と不利な状況だった。
ところが、ゲーム開始直後から夢子チームが先んじて2連勝。次のターンで1勝を譲ってしまうも、4ターン目で勝利。最終ターンで夢子チームが4勝と勝利を得た。支持率は31%になっていたが、相手は1勝しかしていない。最終的に夢子チームが対戦に勝った。
次は芽亜里チームが対戦を行う。相手は歩火チームであったが、会場に犬八の姿はない。このままでは不戦敗である。だがその時、会場に村雨が現れ犬八の代わりになると言う。ルール上、許されないことであったが、桃喰の一言で彼の参加が許されるのであった。
そうして、ゲームが開始。村雨には相手が何の数字を選んだかが分かるという優れた洞察力と頭脳があった。それも、同時に3人のカードを先読みできるため、ストレートで4勝してしまう。支持率も大きく動き最終的には59%まで上がり、対戦に勝つのだった。
双方、準決勝を勝ち抜き、いよいよ決勝戦。夢子ペアと村雨ペアの対戦である。開始前の支持率は当然、村雨の方が高い。しかし1ターン目、なぜか夢子ペアが1勝を得る。そして、2ターン目も夢子が勝利。支持率が逆転する。
そこで、歩火が村雨の邪魔をしていると急に泣き出したが、夢子がしかめ面で指摘。彼女は歩火が全てを仕組み、村雨を賭場に引きずり出して惨敗させることが目的だと言う。すると、歩火は突如、笑い出し桃喰に仕えるための手土産だと叫ぶ。犬八を攫って拘束したのも彼女の仕業だった。そうなると、全校生徒は村雨が確実に負けると思い、支持率が大きく変動。
映画『賭ケグルイ』の結末・ラスト(ネタバレ)
そうして、3ターン目。歩火のせいで夢子ペアが3勝してしまう。ヴィレッジは歩火の裏切りで火が消えたように静まり返っていた。救助された犬八もまた肩を落としていたが、そこで芽亜里が立ち上がる。外では生徒会がヴィレッジを追い出そうと待ち構えていたが、犬八が復活。負け犬と呼ばれ続け徒党を組んだヴィレッジは、犬八の鼓舞により戦う意志を固めるのであった。
彼らは一斉に外へ出て生徒会一派と盛大な乱闘を繰り広げる。その頃、最後の投票タイムが終了。ゲームは4ターン目に突入する。ところが、夢子がわざと負けてしまう。彼女曰く、歩火が負けを目指しているので自分も負けを目指すらしい。今回のターンは村雨が勝った。
そして、5ターン目も村雨が勝利。6ターン目で夢子が精神的な揺さぶりをかけ、場に出したカードが3枚バッティングし村雨がまたも勝利した。これで互いに3勝である。7ターン目にカードを出せば残りが1枚になるため、ゲームが終了してしまう。
ここで夢子が更なる精神的な揺さぶりをかけ、誰もが追い詰められながらカードを出した。ところが、全てのカードがバッティングしてしまい、引き分けとなってしまう。あとは支持率で勝敗が決まるが、これまでの流れにより支持率は夢子ペアへと傾いていると思われ、桃喰はこの時点で会場を後にした。歩火も負けが確定したとほくそ笑んでいたが、公開された支持率はなんと村雨の方が若干上回っていた。これにより、最終ポイントでは村雨が勝利となる。
支持率が回復したのは、ヴィレッジの全員が村雨に全てを投票したからである。生徒代表に選ばれた村雨は、真っ白な人生計画表を手に会場を去って行く。彼は校舎から出ると通りかかった生徒会役員に人生計画表を手渡し、桃喰に渡せと言うのだった。
選挙に負け、2億の負債を被ってしまった涼太は酷く塞ぎ込んでいたが、実は芽亜里がゲームに赴く前、夢子が村雨に投票するよう頼んでいたため、2億円の賞金を得ることができていた。それで、借金を完済。彼女のお陰で勝ちはしなかったが、負けもしなかった。涼太はまたも、夢子に救われたのだった。
映画『賭ケグルイ』の感想・評価・レビュー
原作は人気を博す同名漫画で、テレビアニメやドラマも放映されている。今作は初の実写映画化となり、監督と原作者が共作して完全オリジナルストーリーとなっている。このシリーズの面白さはギャンブルのゲーム性やその中での心理戦にスリル、狂気めいたキャラクターにある。
原作の雰囲気をそのままに簡単なゲームでありながらも、深い心理戦を良く描けていると思う。簡単だからこそ奥が深いとでも言うべきか、きちんと抜け目なくフォローもされているため、負けて絶望で終わらないところがいい。若手俳優の起用で深みはないものの、前向きに挑戦する姿勢が見えるため、爽やかな印象の方が強い。(MIHOシネマ編集部)
『カイジ』や『ライアーゲーム』など人生や多額の賞金をかけた「ギャンブル」をテーマにした作品は沢山ありますが今作は学園内での勢力争いを「ギャンブル」で決めるという展開でかなり無理があります。期待していなかったのもありますが、正直な感想はかなり面白かったです。
若手俳優が揃うキャストは演技力がまだまだ未熟な部分はありますが「熱量」が凄いです。その熱さが作中のシーンにも反映されていて、劣勢だったヴィレッジ側が一気に優勢に傾くところは圧巻でした。終始ハラハラドキドキできるストーリーでとても楽しかったです。(女性 30代)
出演俳優が皆若く、エネルギーに満ちています。全員のキャラクターが濃く、狂気的な演技を披露しています。目力や顔芸には、何度も圧倒されました。さらには、演出までもダイナミックですから、ひたすら楽しく感じます。中でも、ヴィレッジという宗教のような集団に心惹かれます。地団駄を踏んで士気を高める彼等に、なぜか憧れのような気持ちを抱いてしまいました。ギャンブルの内容は、小難しいものは一切ありません。至極シンプルでありながらスリルも味わえますから、子供にも大人にもおすすめです。(女性 30代)
大人気コミック『賭けグルイ』の実写化作品。原作コミックやアニメ版は観たことはないが、同キャストで実写化されているドラマシリーズからすっかりハマってしまった。主演の浜辺美波をはじめ、福原遥、森川葵と演技が上手いメンバーが多いように思う。特に福原遥の終盤の豹変っぷりには衝撃を受けた。わざとらしい大げさな演技を含め、夢中になってしまう。ゲーム内の駆け引きも難しすぎず、軽い気持ちで観ることのできる大好きな作品。(女性 20代)
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