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映画『エリザベス 神なき遺伝子』あらすじネタバレ結末と感想

映画『エリザベス 神なき遺伝子』の概要:禁断の領域である、クローン人間エリザベスを生み出したことから始まる混乱と悲劇の結末を描いたバイオサスペンスムービー。監督はビリー・セニース。原題は「CLOSER TO GOD」。

映画『エリザベス 神なき遺伝子』 作品情報

エリザベス 神なき遺伝子

  • 製作年:2014年
  • 上映時間:81分
  • ジャンル:ホラー、サスペンス、SF
  • 監督:ビリー・セニース
  • キャスト:ジェレミー・チャイルズ、シェリーン・ニューマン、シャノン・ホップ、デヴィッド・アルフォード etc

映画『エリザベス 神なき遺伝子』 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★☆☆☆☆
  • ストーリー:★★☆☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★☆☆☆☆
  • 演出:★★☆☆☆
  • 設定:★☆☆☆☆

映画『エリザベス 神なき遺伝子』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『エリザベス 神なき遺伝子』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『エリザベス 神なき遺伝子』 あらすじ【起・承】

世界初の人間のクローン、エリザベスを極秘に生み出したヴィクター博士のチーム。
しかし、人間クローン誕生の噂が広がってしまい、エリザベスの存在が世間に公表されることになる。

研究ばかりで家庭を顧みないヴィクターの妻クレアと2人の娘は、末期がんの子供イーサンに頭を悩まされているメアリーとリチャードに手伝いをしてもらっていた。
2人はヴィクター家の近くに住み、ヴィクターはイーサンの主治医をしていた。
しかしイーサンは常に家で暴れる、厄介な子供だった。

やがて世間では、エリザベスに関しての議論や批判が広がっていく。
エリザベスは高度な遺伝子治療を受けていたが、人間としての扱いはされていなかった。
見かねた女性スタッフのローラが情報を売り、エリザベスの情報が筒抜けになってしまう。
検査病棟には不審人物が出入りして警備が厳重になるが、クローン人間への批判が広がり、ヴィクター博士はエリザベスを連れて自宅に避難せざるを得なくなる。
しかしその情報も世間に筒抜けだった。

協力者のシドニーからの連絡で、州がエリザベスを取り上げるためにヴィクター逮捕を考えていると伝えられ、彼はショックを受ける。

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映画『エリザベス 神なき遺伝子』 結末・ラスト(ネタバレ)

世間では、クローン人間に関する様々な意見が飛び交っていた。
ヴィクターの自宅前には、クローン人間反対派の人々が集まり、エリザベスの存在を邪悪だと言って毎日騒ぎ立てるように。
ヴィクターは家族を連れて、こっそり避難することを決意する。
だが、エリザベスがヴィクターの自宅にやってきてから、手伝いに来ていたメアリーの様子がおかしくなっていた。

早朝、イーサンはメアリーを殺してしまう。
すべてはヴィクターの責任だと告げたリチャードは、イーサンを殺そうとするが失敗し命を落とす。

イーサンは、クレアも知っているクローン人間の失敗作だったが、手を下せなかったヴィクターの計らいで、メアリーとリチャードの家で最期を迎えるはずだった。
しかしイーサンは短期間の間に成長を遂げていた。

ヴィクターの自宅に押し入り、スタッフの一人とエリザベスの命を奪い、クレアとヴィクターを痛めつけるイーサン。
しかし一瞬の隙を付いて、歪な姿に成長したミルクを飲むような幼さのイーサンを殺害するヴィクター。
そしてヴィクターはエリザベスの亡骸を抱えたまま、自宅前の民衆の前に姿を見せ、銃殺されてしまった。

映画『エリザベス 神なき遺伝子』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『エリザベス 神なき遺伝子』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

お粗末なストーリー

現代医学ではタブーとされている「ヒトクローン」を扱った作品だが、ストーリーの要点や人物設定があいまい過ぎて、パッとしない作品。

ヒトクローンを作りだしたヴィクター博士が、世間から倫理観を疑われ、熱心な宗教家からは悪魔を生み出したと罵られ追いつめられる様子だけはリアル。
イーサンがクローン人間の失敗作であることや、その時点では何らかの形でクレアも関わっていたような回想シーンもあるが、確かなセリフがあるわけではなく想像するしかない。
イーサンに関する部分がストーリー上多く含まれているため、何となくこうだろう、と手探りで進むシーンだらけ。

映画のストーリーというにはあまりにもお粗末であり、マッドサイエンティストのような一面を持っていて家庭を犠牲にしつつ研究に没頭した博士が、研究をダメにされて自暴自棄になったというだけのストーリー。
博士を裏切って情報をリークする看護師の腹黒さ、自分が正義だと疑わずにエリザベスの存在を悪魔と言う人々の怖さはあるが、そこも中途半端にしか描かれていない。

イーサンの姿すら見せる気ゼロ

ヒトクローンのエリザベスは、出演しても見せ場は全くなく、額に謎の装置を付けたのもそれが何なのかわからないために面白味は無い。
また、終盤にようやく姿を見せ大暴れするイーサンの姿が、生まれた時は普通だったのに奇形児のように変化しているのがほんのりホラー。

全体的に映像が暗く、何が映っているのかわかりにくいシーンだらけ。
演出や映像技術にもこれといった見せ場が無く、だらだらと続く80分の作品にげんなりさせられるだろう。


遺伝子操作やクローンを題材にしていて、解釈を視聴者に委ねる部分が多い作品でした。テンポが良いとは言えず、終始暗いムードが漂いますから、万人受けはしないかもしれません。抗議する人々の言動が、エスカレートしていく様子が不穏で面白いです。また、多くの人の主張を聞きながら、私は遺伝子操作について現時点では反対と考えていることに気付きました。タイトルは、エリザベスよりイーサンの方がしっくりくるのではないかと思います。(女性 30代)

映画『エリザベス 神なき遺伝子』 まとめ

2014年のファンタジア国際映画祭脚本賞受賞作品で、短編映画では高い評価を集めているビリー・セニーズの初の長編映画。
主演のヴィクター博士役ジェレミー・チャイルズが製作にも携わったという、話題性だけはある作品。

中身はからっぽで、伝えたいことや何がしたかったのか、意味がわからないまま80分が過ぎていくというのが一番怖い映画だろう。
自分の信念を貫きすぎた人間のダークな一面が、嫌というほどリアルに描かれてはいるが、その他がお粗末過ぎてつまらない。

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