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映画『完全なる報復』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『完全なる報復』の概要:クライドは愛する妻と娘と共に幸せに暮らしていた。だがある日、強盗に襲われ妻と娘を殺されてしまう。そして、さらに担当検事ニックの勝手な判断により、主犯格の男が司法取引を行い刑が軽くなった事を知る。絶望したクライドは司法取引に関与した人物達を次々と殺害していく。

映画『完全なる報復』の作品情報

完全なる報復

製作年:2009年
上映時間:108分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:F・ゲイリー・グレイ
キャスト:ジェイミー・フォックス、ジェラルド・バトラー、レスリー・ビブ、ブルース・マッギル etc

映画『完全なる報復』の登場人物(キャスト)

ニック・ライス (ジェイミー・フォックス)
強盗犯によるクライド一家の殺傷事件を担当した検事。野心家で自身の有罪検挙率に拘る。
クライド・シェルトン(ジェラルド・バトラー)
自身の目の前で妻と娘が強盗犯に殺害される。担当検事が勝手に主犯格の男と司法取引を行った事により、復讐心を燃やしていく。
ジョナス・キャントレル(ブルース・マッギル)
地方検事でニックの上司であり友人。
サラ・ローウェル(レスリー・ビブ)
ニックの部下。ニックに仕事を教わる。
ダニガン捜査官(コルム・ミーニイ)
クライドが起こした連続殺人事件を捜査する。
ケリー・ライス(レジーナ・ホール)
ニックの妻。

映画『完全なる報復』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『完全なる報復』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『完全なる報復』のあらすじ【起】

クライドは自分の作業をしながら、娘がママのネックレスを手作りしている様子を眺める。娘は嬉しそうに作業中のネックレスを見せてくれた。妻が誰か来たので玄関を開けてと叫んでいるのが聞こえた為、クライドは玄関へと向かう。ドアを開けると、突然木製のバッドで殴られた。異変を感じた妻が来て、クライドの様子を見て悲鳴を上げる。2人組の男達に手を縛られ口を塞がれていると、クライドは「運命には逆らえない」と男に囁かれお腹を刺されてしまう。その為、横で同じように縛られている妻を見る事しか出来なかった。その時、娘が部屋から現れてしまう。クライドは助けに行けない辛さを感じながら、ダービーと呼ばれた男が娘に近づくのを見ていた。

検察官のニックは野心家で、加害者が幼いので有罪が難しい案件を同僚のジューンに回し、自身の有罪率96%を守っていた。上司のブリンガムに対しても、自分はもっと上の地位に行くと言ってしまうほどだった。

キャントレル地方検事がニックに会いに来て、クライド事件の進捗具合を聞く。ニックは証拠に問題が有り、裁判に負ける可能性がある事を伝える。その為、司法取引をしようとしていた。キャントレル検事は少女を殺したのにと非難するが、ニックは裁判で負けるよりも有罪にするべきだと譲らなかった。キャントレル検事はクライドが来ている事を伝え、説明するようニックに指示を出す。

ニックはクライドに会い、司法取引についての説明を行う。ダービーが仲間のエイムスについての証言をし、彼の死刑が確定となる。だが、ダービーは最長でも禁固5年の刑期になってしまう。クライドはダービーが主犯だから、奴の刑期が軽くなる司法取引をするのは止めてくれと涙ながらに訴える。だが、ニックはすでに司法取引をした事を伝える。そして、今は納得できなくてもこれが勝訴だと分かると伝える。クライドは落胆しながらその言葉を聞いていた。

バーチ判事の元、ニックは司法取引を成立させ相手の弁護人レイノルズと握手を交わす。ダービーは用紙にサインをしながら、エイムスは罪を償うべきだと言い、「運命には逆らえない」と言葉を残す。

ニックはキャントレル地方検事に会い、たとえ周りが責めても決めた事を悩むなと言われる。励ましの言葉を貰った後、多くの報道陣の元に向かう。そこに手錠で繋がれたダービーが現れ、ニックに握手を求める。ダービーは小声で司法取引の感謝を述べ、司法制度は素晴らしいと言って去って行く。その様子を遠くからクライドが見ていた。

ニックは鬱々とした気持ちを抱え、家に帰宅する。妻ケリーに何があったのか聞かれるが、話す事は出来ない。その代わりケリーのお腹の赤ちゃんに向かってしゃべりかけ、2人で笑い合った。

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映画『完全なる報復』のあらすじ【承】

10年後。

今夜、ニックの娘の演奏会があったが、ニックは仕事で行けなかった。ケリーは非難するが、娘はパパは仕事だから仕方がないと言う。ニックは娘に、自身の仕事を理解しているか確認のために問いかけ、娘はパパは平和の為に悪人退治をしていると答える。ケリーは娘に楽器の準備をさせに行かせ、まだ10歳の子に悪人や平和は分からないとニックに怒る。それでも、ニックは仕事を休む気は無かった。

ニックはエイムスの死刑執行を見届けに行く。共に訪れサラは、初めて見る死刑執行に緊張していた。エイムスは最後の言葉として、神に誓って殺人をしていないと述べた。そして、理不尽に殺される事を悲しんでいた。死刑執行の為、3つの薬品が順番に注入されていく。皆それを静かに見守っていると、3つ目の注入が終わった瞬間エイムスが突然苦しみだした。凄まじい苦しみ方に、ニックはサラを退出させる。

ニック達は外に集まり、何が起こったのか話し合う。死刑執行の装置は本来は無痛で行われる為、誰かの手が加えられた事が考えられた。そして、警察がやって来て、装置の後ろに「運命には逆らえない」と書かれた瓶が見つかった事が知らされる。ニックはダービーの事を思い出す。

ダービーはエイムスのニュースを愉快そうに眺めていた。その時、着信があり電話に出ると、ボイスチェンジャーを使った声でコカインと女がいるから、お前は終身刑だと言われる。ダービーは銃を持ち出し電話の主を探そうとするが、逆に電話の主から南側を見ろと言われる。急いで見るとパトカーが数台向かってくるのが見えた。ダービーは慌てて逃げ出し、パトカーに発砲する。電話の主が何故か助けてくれるのを疑問に思うが、警察が追って来ている為、慌てて指示された場所へ向かう。そこには眠らせれた警官がおり、銃を奪うと頭を殴って起こしパトカーを運転させる。

ダービーは川原に着くと、警官を降ろし殺そうとする。だがその時、着信が鳴った為、先に電話に出る。ダービーは助けられた事を感謝するが、目の前の警官からボイスチェンジャーを使った声が聞こえてくる。異変を感じ、慌てて引き金を引くが発砲できなかった。銃は細工されており、グリップから飛び出した毒針がダービーの手を刺していた。警官は変装を解いていく。そこに居たのはクライドだった。クライドはダービーに近づき、体は麻痺していても痛覚は変わらない事を伝え顔に袋を被せる。

クライドは連れ去ったダービーを台に括り付ける。心電図と点滴を付け、生かしたまま少しずつ体を切り刻もうとする。「運命には逆らえない」と言い、ダービーにも見えるように天井に鏡をセットする。その中央にはクライドの妻と娘の写真が貼られていた。ビデオカメラの準備が終わると、クライドは電動カッターを用意し電源を入れる。ダービーは悲鳴を上げる事も出来ず、荒い息を漏らし続けた。

クライドはパトカーのトランクを開け、縛られたままの警官に鍵を返すとその場を立ち去る。

映画『完全なる報復』のあらすじ【転】

ニックはエイムスの殺害がダービーによるものではないと思っていた。そんな時、ダニガン捜査官から電話があり、ダービーが発見された事を知らされる。ダービーは約25片に切り刻まれていた。ニックはサラ達と事件について話し合う。動機があるのはクライドで、遺体発見場所の倉庫所有者でもあった。また、2年前に資産を資金化しており工業用地が購入されていた事を知る。不審に思ったニック達は、詳しく調べる事にする。

クライドの家に警察官が突入し、無抵抗な彼を捕まえる。クライドは裸で娘の手作りのブレスレットをはめているだけだった。ニックは家の中に入り、ニックとダービーが握手を交わしている写真を使った新聞記事を見つける。

ニックの家に郵便物が届けられ、娘が荷物を受け取る。演奏会のDVDだと思いセットすると、流れた映像は括り付けられた男に刃物が向かっている様子だった。娘は怯えママと叫ぶ。

クライドが殺人を起こした証拠が無く、立証には自白が必要だった。ニックが対応するが、クライドは決定的な自白をしなかった。そして、クライドは自白をする条件として刑務所内のマットレスの交換を求めた。馬鹿馬鹿しい条件にニックは拒否するが、2人の様子を見ていたキャントレル検事は、自尊心を捨てて受け入れろとニックに訴える。

ニックは妻から電話があり、恐ろしいDVDが届いたと聞かされる。妻と娘は怯えて泣いていた。それを聞いたニックは、仕方なくマットレスの入替を認める。

ニック達はクライドを調べるが、10年間雇用記録もなく所在も不明だった。その代わり国防総省がクライドに支払いを行った記録が出てくる。そして、不動産はパナマにある会社に所有権がある為、情報の開示が容易ではなった。

ニックは家に帰り、娘にDVDはやらせのホラー映画だと説明する。怯える妻を抱きしめ自分は大丈夫だと伝えるが、その表情は厳しかった。

クライドの保釈についての審理が行われる。ニックは犯罪の異常性と逃亡の恐れから保釈の却下を求める。クライドは弁護士を雇っておらず、自分で答弁を行う。過去の判例を使いながら証拠が無いので拘置は不当だと訴える。バーチ判事はそれを聞き、保釈請求を認めようとしたが、突然クライドが拍手をする。クライドは、バーチ判事はダービーの司法取引を見届けた人物ですべての元凶だと罵り、自身の保釈を認めるのも見当違いの判断だと侮辱する。バーチ判事の制止の声も聞かず、クライドは拘束されてもなお侮辱の言葉を言い続けた。

ニックはクライドに精神異常で逃れようとしているのではないかと問いかける。クライドは自白する気があると返す。そして、DVDのダービー殺害犯は自分だと言い、殺し方について詳細に話し始めた。ニックは自白が取れたので帰ろうとするが、クライドはレイノルズの命に関わる自白があり、代わりにステーキのケイタリングとiPodを要求する。

サラがレイノルズ家に電話を掛けると、妻からレイノルズが3日前から行方不明だと知らされる。ニック達は仕方なくクライドの要求を呑み、居場所を聞く事にする。だが、ニックはクライドが食事を1時に持って来るようにと時間指定した事を疑問に思う。所長達はそこまで気にしておらず、1時過ぎに食事を持って行く。クライドは同房と食事を楽しみ、同房が油断した隙に隠し持ったステーキの骨で同房を刺し殺す。そして、クライドは血で汚れたままベッドに横になる。その頃、ニック達はヘリに乗り指定場所に向かっていた。すると、レイノルズの鞄がぽつんと置かれているのを見つける。慌ててその下を掘ると、箱が埋められており酸素ボンベと点滴を付けられたレイノルズの遺体が発見される。

ニック達が酸素ボンベを調べると、食事を1時に運んでいれば助かるようになっていた。

クライドは独房へと移動になる。ニックが訪れ、レイノルズが死んだ事を話す。そして、同房を殺したのは何故か問いかけると、クライドは時間を守らなかったから殺した。死んだのはお前のせいだと言う。ニックはクライドから取り上げていたブレスレットを返し、妻と娘の名前で殺害しても喜ばないと諭す。だが、クライドは涙を浮かべながら妻達は死んだから何も感じないのだと言った。

ニックはキャントレル検事と共に、クライドの国防総省からの支払いについて知る人物に会う。その人物はスパイで、クライドが国の為に遠隔操作で殺害できる方法を考え発明する仕事をしていた事を話す。クライドは優秀な人物で、標的にされた人物は皆殺されると話し、彼を止める方法は殺すしかないと忠告する。

映画『完全なる報復』の結末・ラスト(ネタバレ)

ニックはサラに電話を掛け彼氏の家に避難しろと伝え、警察に自分の家を警護するよう連絡してくれと頼む。そして、バーチ判事に会い、規則を曲げでもクライドを独房から出さないように頼む。バーチ判事はそれを了承する。その時、バーチ判事の携帯電話が鳴ったので彼女が出ると、突然携帯が爆発し頭を打ち抜かれて死んでしまう。

ニックはクライドを訪れ復讐して何になると怒りを込めながら言うが、クライドはこれは復讐ではないと怒鳴る。ニックの家族の出勤時間などもすべて把握しており、復讐ならいつでも出来たと話す。そして、これは復讐ではなく法制度に対しての攻撃だと話す。もしも殺人を止めたいなら、明日の6時までに自身に関してのすべての告訴を取り下げるよう頼み、まだニックを信じていると話す。

ニックは刑務所内にクライドの協力者がいるのではないかと睨み、スタッフを呼んで調べさせる。ニックとサラは焦りを隠しながら必死に情報を見返していた。そんな時、サラはニックにダービーとの司法取引が正しかったのか問いかける。ニックは有罪を取る為には必要だったと話し、正しいと信じていた。しかし、サラはもしニックが“高い有罪率”に拘っているのだとしたらそれは虚しい事だと静かに吐き出す。ニックは何も返す事が出来なかった。

職員達が見守る中、時計の針が6時を差した。ニックは職員達に帰宅し体を休めるよう指示する。サラはニックに明るく挨拶し帰路に着く。すると、職員を乗せた車が次々と爆発し出した。サラは逃げ出そうとしたが車のドアが開かず、ニックの目の前で爆発に巻き込まれる。

ニックとキャントレル検事は市長の元を訪れ、刑務所内から殺人が起っているのを止められない事を詰問される。そして、市長は2人に警護をつける事を決め、早期解決を指示する。

ニックは娘達と別れの挨拶を交わし、ケリー達がパトカーで送られる姿を見送る。そして、クライドの元を訪れ、彼を殴りつけて怒りを露わにする。だが、クライドには殺人を止める気が無かった。

ニックとキャントレル検事は埋葬されたサラのお墓を訪れる。2人は自分達のせいではないかと後悔を滲ませていた。皆が警戒する中、車はゆっくりと走りだしたが、後方に居た車の電子システムが突如停止する。その時、誰かが無線で機械を動かし、後方の車めがけて銃が乱射される。その車にはキャントレル検事が乗っており、ニックは銃が止まった瞬間に助け出そうと車を飛び出すが護衛に止められる。そして、後方の車に爆弾が撃ち込まれ、車が爆破される。

ニックは市長の元を訪れ辞職を願い出るが、犯罪者に屈してはならないとキャントレル検事の後任を言い渡される。

市長は非常事態を宣言し、全市の封鎖と市民の移動を制限した。ニックはクライドの先手を打とうと資料を調べ直していた。すると、サラの恋人からメールが来ているのを見つけ、突破口を見つける。それは、サラが生前恋人に依頼した、クライドの会社の資産購入記録だった。

ニックは令状は無かったが、ダニガン捜査官と共にクライドの所有倉庫に侵入する。倉庫の奥には坑道が掘られてあり、奥には高性能プラスチック爆弾が大量に置かれていた。そして、警官などの衣装が置いてあった。さらに奥へと進むと、坑道は独房に通じておりクライドの姿が既になかった。ニック達は何か情報が残っていないか探し回っていると、警察署内の監視カメラが見れる部屋があり、そこに清掃会社の資料と市庁舎と入館証が残されているのを見つける。

ニック達は市庁舎に慌てて向かい、爆弾処理班などの応援を要請する。その頃、クライドは身体検査を掻い潜り、市庁舎内で爆弾の準備を行っていた。ニック達は市庁舎内に入るが、既にクライドはいなかった。ニックは会議が行われている階を聞き、爆弾が設置された場所に見当をつける。市長達が会議を行う部屋の下の部屋に爆弾があった。クライドは外の車から会議の部屋を眺めていた。

クライドが独房に戻るとニックが待っていた。ニックがもう殺人者と取引しないと言うと、クライドは喜ぶ。そして、ニックは爆弾を起爆させるとクライドの残りの人生が決まると忠告する。だが、クライドは計画を止める気が無く、爆弾を起爆させる。ニックは慌てて独房を出て閉めると、お前の残り時間は後25秒だと告げる。クライドのベッドの下に爆弾が移動されていた。クライドは諦めたようにベッドに座ると、娘からのブレスレットを眺めていた。

ニックは苦悩に満ちた表情で刑務所を後にした。そして、ケリーと初めて娘の演奏会を眺める。

映画『完全なる報復』の感想・評価・レビュー

ありふれた復讐映画のストーリーではあるが、殺害方法に趣向が凝らしてありそこが賛否の的になった映画。実際にできるかどうか、最適な手段かどうかはこの際無視するとして、普通に鉄砲かなんかで後ろから撃って復讐する映画になったら全然おもしろくないだろう事は理解してほしい。非常に計画的でありながらどこか間抜けともいえるこの暗殺方法、そして大真面目に実行するジェラルド・バトラーを面白く感じられれば十分に楽しめる。(男性 30代)


妻と娘の命を突然奪われた男が、犯人や事件に関わった人間を次々と殺害していく「復讐」の物語。
復讐に燃える孤独な男を演じるのはジェラルド・バトラー。彼と言うと刑事役を演じることが多いので、復讐を果たす為「殺人犯」になる展開はかなり珍しく、新しいなと感じました。そして、妻と娘を殺した犯人と司法取引をした検事を演じるのがジェイミー・フォックス。彼も復讐の標的になりますが、演技力の高い二人の戦いは本当に見応えがありました。(女性 30代)

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