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映画『完全なる飼育』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『完全なる飼育』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『完全なる飼育』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『完全なる飼育』の結末までのストーリー
  • 『完全なる飼育』を見た感想・レビュー
  • 『完全なる飼育』を見た人におすすめの映画5選

映画『完全なる飼育』の作品情報

完全なる飼育

製作年:1999年
上映時間:96分
ジャンル:ラブストーリー
監督:和田勉
キャスト:竹中直人、小島聖、北村一輝、沢木麻美 etc

映画『完全なる飼育』の登場人物(キャスト)

岩園貞義(竹中直人)
営業マン。女子高生の邦子を襲って監禁する。体と心が一致した完全な愛を求める男で、邦子を飼育してその願望を果たそうとする。基本的には優しい人間だが、歪んだ愛への執着心は異常。
樺島邦子(小島聖)
女子高生。貞義に襲われて、監禁される。徐々に貞義に心を許し、体も許す。やがて貞義との房事に溺れていく。明るい性格で、気が強い。
吉川咲子(渡辺えり子)
貞義のアパートの管理人。未亡人で、若いボクサーの恋人がいる。お節介で、お金の管理には厳しい。せっかちなところがある。
森山(塚本晋也)
セールスマン。貞義の部屋の下に住む男。かつて、マリファナで捕まったことがある。同じアパートの川又というおじさんと体の関係がある。
川又(泉谷しげる)
貞義のアパートの住民で、競輪場の掃除係。同じアパートの住民である森山という若い青年と関係がある。噂好きのおじさん。
津田乙彦(北村一輝)
貞義の隣人。学生で、皿洗いのバイトをしている。性欲が強く、貞義と邦子の営みの音を聞いて楽しんでいる。あまりにうるさいため、咲子に文句を言う。欲求不満の若者。

映画『完全なる飼育』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『完全なる飼育』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『完全なる飼育』のあらすじ【起】

女子高生の樺島邦子が河川敷をランニングしていると、何者かに襲われてしまう。犯人は岩園貞義という名前の中年の男で、彼は邦子を自宅へと連れ去る。

部屋で目を覚ました邦子は、全裸にされていた。さらに、手錠までされている。レイプが目的だと思った邦子だったが、貞義の態度は穏やかで優しく、決して手をだそうとはしない。

貞義は、自身の過去を邦子に語る。家族が経営する会社で働いていた貞義は、会計係の女を好きになる。しかし、その女には婚約者がいたため、貞義を相手にしないでいた。ある日、貞義はその女をレイプする。結局その女と結婚した貞義だったが、女の気持ちは一回も貞義に向くことはなかった。その女はやがて、家を出て行ってしまった。

貞義は邦子をレイプするつもりはないと言う。完全な愛が欲しいと言う貞義は、そのために邦子を飼育すると言う。

翌日、貞義は邦子に朝食を食べさせる。再び邦子の手に手錠をかけた後、貞義は会社へと出勤する。

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映画『完全なる飼育』のあらすじ【承】

営業の途中で抜け出して自宅へと戻った貞義。邦子に食事を与え、再び手錠をかける。しかし、足はもう縛らないと言う。窓から飛び出して逃げると言う邦子に、そんなことをしたら危ないと優しい言葉をかける貞義。結局邦子は逃げ出すことはなかった。

アパートの管理人である咲子が住民の森山から、森下が見つけて商品化したというボトルの水をもらう。それを飲んだ咲子は、腹を下したと暴れる。咲子の恋人が駆けつけて森山を殴るが、ただの食あたりだったと判明し、恋人は森山に謝りに行く。そこには、同じアパートの住民である川又というおじさんがおり、二人は体を寄せ合っていた。

貞義の隣人である津田は、雨の日にお金で女を買おうとしていた。貞義はそれを見かけ、軽蔑の目を送る。

貞義と邦子の生活は何日も続いていた。いつの間にか、二人の関係は親しくなっている。そんなある日、貞義は邦子に温泉旅行を提案する。外出できることと、貞義が買ってきたセーラー服に邦子は喜ぶ。

映画『完全なる飼育』のあらすじ【転】

咲子が貞義の部屋を訪ねて来る。女物の靴を見つけた咲子に貞義は、今度姪っ子が来るのだと説明する。邦子は、逃げるチャンスにもかかわらず黙って部屋に隠れている。

親子だと旅館に嘘をつき、貞義と邦子は温泉旅行へと出かける。久しぶりに手錠を出す貞義。邦子は、手錠ごっこと言って貞義の手に手錠をかける。邦子はその隙をついて、荷物をまとめて部屋を出て行ってしまう。

逃げられたと思い、愕然とする貞義。邦子は、駅のホームに着く。しかし、乗るはずの電車を見送って宿へと帰って行く。

貞義の家に戻った二人。宿の住民達は、叔父と姪っ子の関係だと思い込んでいた。二人は家に着いて早々に体を抱き寄せ合う。そのままキスをした二人は、ベッドで性交を始める。この営みが、二人の初めての房事だった

二人の関係は徐々に深くなっていき、仕事に影響が出るほど房事に溺れていく。隣人の津田は、壁越しに聞こえてくる二人の喘ぎ声を聞くことを楽しんでいた。

映画『完全なる飼育』の結末・ラスト(ネタバレ)

その夜も、いつものように貞義が帰宅して早々に営みが始まる。邦子は貞義に、飼育して欲しいと囁きながら房事をする。あまりにも激しくて回数も多い二人の営みに、始めは楽しんでいた津田も呆れ出し、寝れないと文句を言い始める。

二人の房事は激しさを増していく。貞義は邦子に、飼育は完成したと囁く。その頃、津田が咲子に、二人が毎日のように淫らな行為をしていると文句を言う。住民達も、二人の関係が叔父と姪ではないと気づき始める。

そんな中、邦子の両親が公開捜査に踏み切る。テレビでは、邦子の誘拐がニュースとなって流れている。

捜査中の刑事に保護された邦子。貞義も捕まってしまう。事情聴取が始まり、貞義は邦子を監禁した事実を告白する。しかし、邦子は監禁されたとは言わず、楽しく同棲して房事をしていただけだと言い張る。

死刑を望んでいた貞義だが、邦子が監禁されていたと言わなかったため、2年程度の刑で済むだろうと弁護士は言う。その頃、邦子は再び河川敷をランニングしていた。

映画『完全なる飼育』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

ジメジメしていてエロくて、古き良きロマンポルノを彷彿させる。
これぞ邦画、日本映画らしい映画です。
衝撃的な内容だけど理解できなくない、異常な愛だけれど純愛のようにも感じる。
とはいえ性犯罪ということは確かなので、あまり美化するのも良くはないのですが。

この映画で北村一輝を初めて観た。
顔の濃さに衝撃を受けるとともに、その存在感に目を奪われました。
映画をピリッと締める存在、そういう存在がいることで記憶に残る映画になります。(女性 40代)


ただの性描写が激しい映画にあらず。竹中直人演じる岩園貞義と、小島聖演じる樺島邦子との微妙な関係が切なくも面白い。そして、その関係性にどこか共感してしまうのだ。
監禁され、逃げ出せるのにそうしなかった邦子。歪んだ形ではあったが、愛というものが伝わった瞬間である。監禁が犯罪なのは当然なのだが、イレギュラーな男女の心の繋がりが垣間見ることができる。
異常な愛憎劇。日本映画ならではのどす黒いものが詰まった作品である。(男性 40代)


「日本」独自のエロティックでいやらしい雰囲気のある作品。竹中直人と小島聖の激しい性描写がありつつも、それは不快では無く「温かい」と感じてしまうような不思議な世界観でした。
竹中直人演じる貞義が望むのは完全な愛を自分に向けてくれる女。その女を「作り出す」ために、女性を監禁し飼育するストーリー。ここまで女性が簡単に心を許すとは思えませんが、貞義の「優しさ」は女性なら誰しも好感を持つと感じました。和田勉監督の世界観にハマってしまう作品でした。(女性 30代)


初めは衝撃的な誘拐・監禁事件としてスタートしますが、物語が進むにつれて少女・ちせの感情が変化していく過程に、単なる被害者と加害者という関係性を超えた奇妙な絆が描かれていて戸惑いました。倫理的には許されない状況なのに、彼女が逃げようとしなくなる展開は観ていて混乱します。テーマは重いが、心に残る作品です。(20代 男性)


被害者であるはずの少女が、加害者に対して心を開いていく過程に、女性として複雑な思いを抱きながらも、どこか共感してしまう自分がいて怖かった。孤独と家庭での居場所のなさが、彼女の心の隙間を作っていたのだと感じます。彼女が最後に彼をかばうシーンは衝撃的でしたが、ただの恋愛とも違う、痛ましい愛の物語でした。(30代 女性)


映像が淡々としている分、物語の異常さがより強調されていました。最初は誘拐犯に強い嫌悪感を抱きましたが、彼の不器用な優しさや、少女への接し方に人間味がにじみ、観ていて感情が揺れ動きました。ちせが自らの意思で彼のもとに戻ろうとする展開には、何とも言えないやるせなさが残ります。深く考えさせられる映画でした。(40代 男性)


少女の孤独と歪んだ愛情に胸が痛くなりました。家庭に居場所がない少女が、たとえ監禁という形であっても「自分を必要としてくれる人」に心を開いてしまうのは、現実でもあり得る話だと思います。タイトルの“飼育”という言葉が持つ意味の残酷さと皮肉がずっしりと響きました。衝撃的だけど、一度は観る価値があります。(20代 女性)


非常にセンシティブなテーマを扱っており、鑑賞後も心に重く残る作品です。ただのスキャンダラスな描写ではなく、少女の心理にフォーカスを当てた構成が印象的。監禁という異常な状況下で、心の拠り所を求める彼女の変化が、どこかリアルで怖かった。後味は良くありませんが、それこそがこの作品の狙いなのだと思います。(50代 男性)


人によって受け取り方が大きく分かれる作品だと思います。私自身は、少女が「逃げられない」のではなく「逃げない」選択をする姿に、強いショックを受けました。愛なのか依存なのか、彼女の心の動きがとても複雑で、最後まで正解が見つからないのがこの作品の魅力でもあります。演技力も素晴らしかったです。(30代 女性)


過激な設定ですが、そこに頼ることなく静かに人物の心情を描いていたのが好印象でした。ちせという少女が抱える家庭の問題が背景にしっかり描かれているからこそ、彼女の“歪んだ愛”にリアリティがありました。道徳的には受け入れがたい内容だけど、人間の弱さと孤独を突きつけられる作品として強く印象に残ります。(40代 女性)

映画『完全なる飼育』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『完全なる飼育』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

冷たい熱帯魚

この映画を一言で表すと?

平凡な男が狂気に巻き込まれ、壊れていく実録ホラー。

どんな話?

熱帯魚店を営むおとなしい男が、ある日出会ったカリスマ的な人物に徐々に支配されていく。やがて連続殺人事件に巻き込まれていき、狂気の渦中に引きずり込まれていく姿を描くサスペンス。

ここがおすすめ!

実在の事件をモチーフにした作品で、心理描写のリアリティが際立ちます。『完全なる飼育』のように、関係性の中で壊れていく人間の心が赤裸々に描かれており、圧倒的な迫力と衝撃が味わえます。

ベティ・ブルー/愛と激情の日々

この映画を一言で表すと?

愛がすべてを壊してしまう、激しすぎる恋の果て。

どんな話?

情熱的で奔放な女性・ベティと、彼女に惹かれる青年の愛の行方を描く。次第に精神を病んでいくベティを支えながら、彼はどこまでも彼女のそばにいようとする。

ここがおすすめ!

激しさと繊細さが同居する映像美と、破滅的な愛の行方が印象的。『完全なる飼育』同様、心のすき間を埋めるために“極端な愛”に依存する人間の姿が切なく描かれます。

ぼくは勉強ができない

この映画を一言で表すと?

不器用にしか生きられない青年の、淡く切ない成長物語。

どんな話?

成績は悪いがどこか魅力的な高校生が、さまざまな大人と出会いながら、恋と人生に揺れ動いていく青春群像劇。純粋で傷つきやすい心の葛藤が丁寧に描かれる。

ここがおすすめ!

性的な要素や依存にも通じる部分がありつつ、あくまで繊細な成長の一環として描かれるため、『完全なる飼育』のテーマに優しく触れるような一本です。伊集院静原作ならではの深みも魅力。

ロリータ(1997年版)

この映画を一言で表すと?

禁断の愛がもたらす破滅と執着の物語。

どんな話?

年の離れた少女に心を奪われた中年男が、その愛に人生を狂わせていく。社会的に許されない関係の中で、彼は愛と罪に引き裂かれていく。

ここがおすすめ!

『完全なる飼育』と同じく、道徳を超えた“想い”が中心となった作品。映像美と心理描写のバランスが素晴らしく、観る人に問いを突きつける挑戦的な作品です。

ラスト・コーション

この映画を一言で表すと?

愛と裏切りのはざまで揺れる、極限の心理戦ラブスリラー。

どんな話?

抗日運動に関わる若き女性が、任務のために敵の高官に近づき、やがて本心か演技かわからない関係にのめり込んでいく。身体と心の境界が曖昧になるスパイドラマ。

ここがおすすめ!

肉体的な繋がりが心を狂わせる過程が、『完全なる飼育』に通じる要素を持っています。重厚な映像と張り詰めた心理描写、そして揺れる感情が濃密に描かれるアート性の高い作品です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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