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映画『完全なる飼育』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『完全なる飼育』の概要:体と心が一致した、完全なる愛を求める男。彼は、その目的のためにある女子高生を襲って監禁する。自らその女を飼育して、完璧な愛を作り出すつもりなのだ。女子高生は、徐々に男との生活に愛を感じ始める。

映画『完全なる飼育』の作品情報

完全なる飼育

製作年:1999年
上映時間:96分
ジャンル:ラブストーリー
監督:和田勉
キャスト:竹中直人、小島聖、北村一輝、沢木麻美 etc

映画『完全なる飼育』の登場人物(キャスト)

岩園貞義(竹中直人)
営業マン。女子高生の邦子を襲って監禁する。体と心が一致した完全な愛を求める男で、邦子を飼育してその願望を果たそうとする。基本的には優しい人間だが、歪んだ愛への執着心は異常。
樺島邦子(小島聖)
女子高生。貞義に襲われて、監禁される。徐々に貞義に心を許し、体も許す。やがて貞義との房事に溺れていく。明るい性格で、気が強い。
吉川咲子(渡辺えり子)
貞義のアパートの管理人。未亡人で、若いボクサーの恋人がいる。お節介で、お金の管理には厳しい。せっかちなところがある。
森山(塚本晋也)
セールスマン。貞義の部屋の下に住む男。かつて、マリファナで捕まったことがある。同じアパートの川又というおじさんと体の関係がある。
川又(泉谷しげる)
貞義のアパートの住民で、競輪場の掃除係。同じアパートの住民である森山という若い青年と関係がある。噂好きのおじさん。
津田乙彦(北村一輝)
貞義の隣人。学生で、皿洗いのバイトをしている。性欲が強く、貞義と邦子の営みの音を聞いて楽しんでいる。あまりにうるさいため、咲子に文句を言う。欲求不満の若者。

映画『完全なる飼育』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『完全なる飼育』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『完全なる飼育』のあらすじ【起】

女子高生の樺島邦子が河川敷をランニングしていると、何者かに襲われてしまう。犯人は岩園貞義という名前の中年の男で、彼は邦子を自宅へと連れ去る。

部屋で目を覚ました邦子は、全裸にされていた。さらに、手錠までされている。レイプが目的だと思った邦子だったが、貞義の態度は穏やかで優しく、決して手をだそうとはしない。

貞義は、自身の過去を邦子に語る。家族が経営する会社で働いていた貞義は、会計係の女を好きになる。しかし、その女には婚約者がいたため、貞義を相手にしないでいた。ある日、貞義はその女をレイプする。結局その女と結婚した貞義だったが、女の気持ちは一回も貞義に向くことはなかった。その女はやがて、家を出て行ってしまった。

貞義は邦子をレイプするつもりはないと言う。完全な愛が欲しいと言う貞義は、そのために邦子を飼育すると言う。

翌日、貞義は邦子に朝食を食べさせる。再び邦子の手に手錠をかけた後、貞義は会社へと出勤する。

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映画『完全なる飼育』のあらすじ【承】

営業の途中で抜け出して自宅へと戻った貞義。邦子に食事を与え、再び手錠をかける。しかし、足はもう縛らないと言う。窓から飛び出して逃げると言う邦子に、そんなことをしたら危ないと優しい言葉をかける貞義。結局邦子は逃げ出すことはなかった。

アパートの管理人である咲子が住民の森山から、森下が見つけて商品化したというボトルの水をもらう。それを飲んだ咲子は、腹を下したと暴れる。咲子の恋人が駆けつけて森山を殴るが、ただの食あたりだったと判明し、恋人は森山に謝りに行く。そこには、同じアパートの住民である川又というおじさんがおり、二人は体を寄せ合っていた。

貞義の隣人である津田は、雨の日にお金で女を買おうとしていた。貞義はそれを見かけ、軽蔑の目を送る。

貞義と邦子の生活は何日も続いていた。いつの間にか、二人の関係は親しくなっている。そんなある日、貞義は邦子に温泉旅行を提案する。外出できることと、貞義が買ってきたセーラー服に邦子は喜ぶ。

映画『完全なる飼育』のあらすじ【転】

咲子が貞義の部屋を訪ねて来る。女物の靴を見つけた咲子に貞義は、今度姪っ子が来るのだと説明する。邦子は、逃げるチャンスにもかかわらず黙って部屋に隠れている。

親子だと旅館に嘘をつき、貞義と邦子は温泉旅行へと出かける。久しぶりに手錠を出す貞義。邦子は、手錠ごっこと言って貞義の手に手錠をかける。邦子はその隙をついて、荷物をまとめて部屋を出て行ってしまう。

逃げられたと思い、愕然とする貞義。邦子は、駅のホームに着く。しかし、乗るはずの電車を見送って宿へと帰って行く。

貞義の家に戻った二人。宿の住民達は、叔父と姪っ子の関係だと思い込んでいた。二人は家に着いて早々に体を抱き寄せ合う。そのままキスをした二人は、ベッドで性交を始める。この営みが、二人の初めての房事だった

二人の関係は徐々に深くなっていき、仕事に影響が出るほど房事に溺れていく。隣人の津田は、壁越しに聞こえてくる二人の喘ぎ声を聞くことを楽しんでいた。

映画『完全なる飼育』の結末・ラスト(ネタバレ)

その夜も、いつものように貞義が帰宅して早々に営みが始まる。邦子は貞義に、飼育して欲しいと囁きながら房事をする。あまりにも激しくて回数も多い二人の営みに、始めは楽しんでいた津田も呆れ出し、寝れないと文句を言い始める。

二人の房事は激しさを増していく。貞義は邦子に、飼育は完成したと囁く。その頃、津田が咲子に、二人が毎日のように淫らな行為をしていると文句を言う。住民達も、二人の関係が叔父と姪ではないと気づき始める。

そんな中、邦子の両親が公開捜査に踏み切る。テレビでは、邦子の誘拐がニュースとなって流れている。

捜査中の刑事に保護された邦子。貞義も捕まってしまう。事情聴取が始まり、貞義は邦子を監禁した事実を告白する。しかし、邦子は監禁されたとは言わず、楽しく同棲して房事をしていただけだと言い張る。

死刑を望んでいた貞義だが、邦子が監禁されていたと言わなかったため、2年程度の刑で済むだろうと弁護士は言う。その頃、邦子は再び河川敷をランニングしていた。

映画『完全なる飼育』の感想・評価・レビュー

ジメジメしていてエロくて、古き良きロマンポルノを彷彿させる。
これぞ邦画、日本映画らしい映画です。
衝撃的な内容だけど理解できなくない、異常な愛だけれど純愛のようにも感じる。
とはいえ性犯罪ということは確かなので、あまり美化するのも良くはないのですが。

この映画で北村一輝を初めて観た。
顔の濃さに衝撃を受けるとともに、その存在感に目を奪われました。
映画をピリッと締める存在、そういう存在がいることで記憶に残る映画になります。(女性 40代)


ただの性描写が激しい映画にあらず。竹中直人演じる岩園貞義と、小島聖演じる樺島邦子との微妙な関係が切なくも面白い。そして、その関係性にどこか共感してしまうのだ。
監禁され、逃げ出せるのにそうしなかった邦子。歪んだ形ではあったが、愛というものが伝わった瞬間である。監禁が犯罪なのは当然なのだが、イレギュラーな男女の心の繋がりが垣間見ることができる。
異常な愛憎劇。日本映画ならではのどす黒いものが詰まった作品である。(男性 40代)


「日本」独自のエロティックでいやらしい雰囲気のある作品。竹中直人と小島聖の激しい性描写がありつつも、それは不快では無く「温かい」と感じてしまうような不思議な世界観でした。
竹中直人演じる貞義が望むのは完全な愛を自分に向けてくれる女。その女を「作り出す」ために、女性を監禁し飼育するストーリー。ここまで女性が簡単に心を許すとは思えませんが、貞義の「優しさ」は女性なら誰しも好感を持つと感じました。和田勉監督の世界観にハマってしまう作品でした。(女性 30代)

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