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映画『河童のクゥと夏休み』あらすじネタバレ結末と感想

映画『河童のクゥと夏休み』の概要:2007年公開の日本アニメ映画。江戸時代の河童の子を化石で発見した康一。水をかけたら元に戻ったため家で飼うことに。そのうちマスコミが騒ぐようになり河童のクゥを守るために翻弄する物語。

映画『河童のクゥと夏休み』 作品情報

河童のクゥと夏休み

  • 製作年:2007年
  • 上映時間:138分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、アニメ
  • 監督:原恵一
  • キャスト:田中直樹、西田尚美、なぎら健壱、ゴリ etc

映画『河童のクゥと夏休み』 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

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映画『河童のクゥと夏休み』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『河童のクゥと夏休み』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『河童のクゥと夏休み』 あらすじ【起・承】

時は江戸時代。
河童の親子が役人に話をしに来た。
竜神沼に住んでいるその河童の親子は、埋め立てにより住処を失ってしまう危機に陥っているのだ。
しかし役人にそれを頼んだ時、父親は刀で切り殺されてしまった。
子供も切られそうになった時、突然地震が起こった。
子供河童は地割れに落ちてしまった。

康一は学校の帰り道、石の中に河童の化石があることに気が付く。
しかも水をかけたら生き返ったのだ。
すぐさま家に連れて帰り、家族に見せる康一。
クゥと鳴くことからクゥと名付けられた。

最初は渋っていた両親も餌を考えたり、体のことを考えたりと世話をしはじめる。
そんなある日康一はリュックにクゥを入れて、自転車で外に出かけた。
クゥのことは秘密である。

河童伝説は岩手県の遠野が有名だと聞いて、康一はクゥを連れて遠野に向かう。
もしかしたらクゥの他にも河童がいるかもしれないと考えたのだ。
しかし思うほど簡単に見つけることはできない。

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映画『河童のクゥと夏休み』 結末・ラスト(ネタバレ)

恐れていたことが起きる。
康一の家に河童がいるのでは?と噂が立ち始めたのだ。
写真が撮られてしまったため、康一の家は報道陣に囲まれてしまう。
しかし本当のことが言えない康一は友達とも上手くいかなくなっていった。

クゥはTV局にいた。
どうしても出演しなければいけなくなってしまったからである。
そこに一緒に出演した民俗学者が紹介したのが河童の腕のミイラだった。
何とそれはクゥの死んだ父のものだった。
取り乱したクゥはその手を持って逃げ出してしまう。

クゥは今や時の河童。
どこにいても騒がれるクゥは、東京タワーを上ってしまう。
真夏の暑さで弱ったクゥは飛び降りて楽になろうかと考える。
するとその時だった。
竜神が現れ、大雨が降る。
水を得て元気になったクゥは助けられ、無事に家に帰った。

クゥに手紙が届いた。
その差出人は沖縄に暮らすキジムナーだった。
キジムナーもまた現世界にはいない物体である。
クゥは行く決心をして沖縄に行かせてくれと頼んだ。

康一一家はそれを快諾。
また会おうと約束をしたのだった。

映画『河童のクゥと夏休み』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『河童のクゥと夏休み』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

もっとアニメ的な内容なのかと思っていた

本作品は実は見た目がアニメだというだけで、内容や描写はかなりリアルである。
特に可愛らしい河童の物語だと思って見始めた冒頭で、いきなり父親河童が役人に切り殺されるというシーンがかなりショッキングなものであった。
その後化石となり見つかった時も、思っていた河童の可愛い姿ではなくリアルにひからびており少し先も不安になる。

しかし主人公の康一ファミリーもまた、どこか現代に良くいるリアリズムなファミリーであり特に妹の河童への態度がまた良い。
最初に河童を見つけた時はきっと誰もがこんな態度に決まっているだろう。
いかにもアニメーションらしい可愛い雰囲気からはほど遠い作品であるこの映画は、子供向けといいよりは親子向けである。
台詞もきつく、汚い言葉も使うため小さい子供にはあまり見せたくないなと思ってしまうほどだ。

ETの模写

この作品を見て思ったことはまずETのようだということ。
特に男女の兄弟設定、康一がリュックに入れて自転車で出かけるシーンなどはまさに映画へのオマージュに感じる。
そう思ってみると河童の姿もETに似ているような気もしてくるから面白い。
ありがちではあるが、最後に江戸時代に戻らずに沖縄に行きたいというラストは良かった。
北京原人という映画が昔あったが、やはり現代で生きていくため暮らせる場所を探すというオチだった。
それにどことなく似ていると急に思い出してみたのである。


河童は妖怪の一種だと思っていた私にとって、今作に登場するクゥは予想以上に人懐っこいし、人間の生活にも直ぐに慣れていくしとイメージを覆されるものばかりでした。
子供向けの作品かと思いましたが、一つ一つの描写が妙にリアルで、ストーリーも意外としっかりしているので大人が見ても楽しめるでしょう。もし、自分の目の前に河童が現れたら、こんなリアクションをしてしまうだろうなとものすごく共感できる家族の表情が良かったです。(女性 30代)


絵柄が古く、リアルです。一癖ありますが慣れると味わい深く、心にこびりつきます。東久留米市を舞台としており、山や空、緑等の背景が綺麗で癒されます。江戸時代に生まれた河童が、現代に現れ人間と共存する。現実には生じ得ない、神秘的な世界にどっぷり浸ることができました。河童のクゥは礼儀正しくて純真、愛嬌があるためすぐに親近感が湧きます。キャラクターとして最高でしょう。しかし、人間のがめつさや身勝手さを如実に表現していますから、途中から重苦しい心持ちとなりました。(女性 30代)

映画『河童のクゥと夏休み』 まとめ

日本の長編アニメーションは優秀である。
アニメというよりもまさにドラマ。
素晴らしく内容もしっかりしていて、大人も楽しむことが出来るのが凄いところだ。

本作品もまさにそのくくりに入るアニメであり、河童についてファンタジー的な表現よりもリアルさを表現した作品となっているのが特徴的である。

最近あまりない河童を題材にしたアニメ。
設定を間違えると本当に子供向けになってしまうところを、目線を上げることで誰しもが楽しめる手法がさすがである。
日本の伝説を活かしたアニメを世界に知ってもらうには良い機会である。

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