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映画『累 かさね』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『累 かさね』の概要:大女優の娘の累は顔に大きな傷があるせいで化け物扱いされ、幼少期から劣等感の中で生きてきた。ある日、女優の丹沢ニナのマネージャー羽生田から声を掛けられ、彼女の代役をしてくれないかと頼まれるのだが……。

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映画『累 かさね』の作品情報

累 かさね

製作年:2018年
上映時間:112分
ジャンル:サスペンス
監督:佐藤祐市
キャスト:土屋太鳳、芳根京子、筒井真理子、生田智子 etc

映画『累 かさね』の登場人物(キャスト)

淵累(芳根京子)
大女優・淵透世の娘。顔に大きな傷があるせいで周りから蔑まれ、化け物扱いされて育った。透世からキスした相手と顔を取り換えられる不思議な口紅を貰っており、それを使って丹沢ニナと顔を交換し、舞台に立つ。容姿は悪いが、そのことで内に秘めた劣等感からくる卓越した演技力を持つ。
丹沢ニナ(土屋太鳳)
容姿端麗な女優。最近はスランプに陥っており演技にも影響している。累を代役にして名声を手に入れようと画策するが、次第に累に人生を乗っ取られていく。
羽生田(浅野忠信)
ニナのマネージャー。昔、累の母・透世に世話になったことがある。累にニナの代役の話を持ってくる。

映画『累 かさね』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『累 かさね』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『累 かさね』のあらすじ【起】

顔に大きな傷があるせいで子供の頃から化け物扱いされていた淵累。彼女の母親は絶世の美女であり大女優として名を馳せた淵透世だった。透世はすでに他界していたが、生前に累は母から不思議な口紅をもらっていた。

透世の十三回忌の時、累は羽生田という男に声をかけられる。彼は丹沢ニナという舞台女優のマネージャーで、一度舞台を見に来ないかと累を誘ってきた。累は舞台を見に行くが、スランプに陥っているニナの演技はお世辞にも褒められたものではなかった。

羽生田は累にある提案をした。それはニナの代役として舞台に立ってほしいというものだった。しかし、累の顔はニナとは全く違うし、皆から嫌悪される傷もある。だが、その問題は透世からもらった口紅で解決できた。累が渡された口紅には不思議な力があり、口紅を塗ってキスをすると相手の顔を自分の顔と取り換えることができたのだ。

累は大女優の娘だけあり演技も見事なものだった。だが、醜い顔のせいで常に劣等感を感じており、注目されることが苦手だった。顔を取り換えた時はさすがにニナも驚いたが、累の演技を見て代役にしてもよいと思いだす。累の演技力で女優としての名声を手にし、その後は累を捨ててしまえばよいのだと。

累は羽生田に、今まで感じたことのない世界を体験させてやる、母親のようになれと言いくるめられた。彼女は戸惑いながらも、丹沢ニナの偽物として演技をすることとなる。

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映画『累 かさね』のあらすじ【承】

累はニナの顔であってもオドオドしていた。逆にニナは大きな傷がある累の顔でも傷を隠そうとせずに堂々としていた。ニナにはどうしても得たい役があった。それは烏合零太という演出家の舞台『かもめ』の主役だった。ニナは以前に烏合と会っており、彼に憧れていた。

『かもめ』のオーディションに行った累は烏合の前で演技を披露する。外面と内面の違いに気がついた烏合は今まで出会ったことのない魅力から累(ニナ)を主役に抜擢する。ニナは喜び、累に厳しく演技指導するようになった。

口紅の効力は12時間で切れた。朝の9時にキスしたら21時には元の顔に戻ってしまう。正体がバレないよう必ず効力が切れる前に帰宅するように念を押される累。舞台の稽古が始まったが、累は今まで感じたことのない居場所があるという幸せから思わず涙を流す。

稽古後の交流会が開かれたが21時を回る前に累はバレないようにと早々に帰宅。烏合は累の不思議な魅力に惹かれ、君となら舞台を成功させられると大きな期待を寄せていた。烏合と仲良くなったと聞いてニナは嫉妬を強めていく。

ある朝、ニナは寝坊してしまうが寝ている間に累がキスし顔を借りていってしまった。それに怒ったニナは稽古場に現れ、自分が演技すると言って強引に顔を戻させた。だが、ニナの演技は酷く烏合に激怒されてしまう。ショックを受けたニナは飛び出し、自分を乗っ取るつもりだろうと累に食ってかかった。そこに羽生田が割って入り、説得されたニナはしぶしぶ累と顔を取り換える。

舞台ではキスをする演出があったが累は男性とキスをしたことがなかった。烏合は相談に乗ってくれたが、その時、彼は累にキスをした。それは演技指導ではなく、烏合は“ニナの顔を纏った累”に惹かれていたのだ。

その様子を見てしまったニナは自分が女優として舞台に立ちたいのではなく、烏合のことが好きだから彼の舞台に出たいのだと気がつく。累はニナが烏合に好意を寄せているのを知っていたが、烏合に恋をしてしまい、手放したくなくなってしまう。

舞台の初日が迫った頃、烏合からどうしても夜に二人で会いたいと誘われた累。累はニナに連絡し、顔を換えるのを延長したいと伝える。ニナは稽古場にやってくるが顔を戻した後で累を裏切り、自分が代わりに烏合と一夜を共にすると言って二人で夜の街に消えていった。

失意の底に落ちた累の所に、ニナが朝帰りしてくる。烏合と過ごした夜を報告され嫌になった累はその場を去ろうとするが、その時、ニナが突然に倒れこんだ。実はニナはターリア病という病を患っていた。突如として気絶するように眠りに落ち、そのまま何日も眠り続ける病気なのだと羽生田から説明される。

ニナが寝ている間に顔を交換すればいいと羽生田は言うが、ニナの人生を乗っ取っているみたいだと累は言い、やめたいと羽生田に告げる。だが、醜い顔で奈落の底に戻りたいのか、と羽生田に責められた結果、累はニナと顔を交換し続けることを選択する。

映画『累 かさね』のあらすじ【転】

ニナが目を覚ました時には五ヵ月という月日が経過していた。その間に累は『かもめ』を成功させ、CMにも引っ張りだこ。次の舞台も決まっており、有名な演出家による『サロメ』で主役を演じ予定となっていた。

累はニナが目を覚ましたことを喜び、今までのことを報告した。ニナが烏合と出かけた時は何もなかったのだが、その後、累はニナとして烏合と会い、肉体関係を持っていた。しかし、累は女優業を優先するために烏合と別れた。烏合を好きだったニナは驚愕し、こんなことはやめたいと言いだす。だが、累は、もう丹沢ニナは私たちだけのものじゃないと言って聞き入れなかった。

累はニナの母親を呼び、累の顔をしたニナに紹介する。ニナは本当のことも言えず複雑な表情を浮かべていた。家族も女優業も累に乗っ取られ始めた事実にニナは声を殺して泣くことしかできなかった。

『サロメ』はサロメという女性がヨカナーンを愛するあまり、最後には彼の首を手に入れて口づけするというラストが有名なオスカー・ワイルドの名作だ。演出家は累のラストシーンの演技が気に入らず、もっとサロメにのめり込めと厳しく言った。

累の実家を訪れたニナ。そこでニナは累が大女優の透世の娘だと知って驚愕する。ニナは廃墟となった透世の豪邸にも足を運んだが、地下室で誰かが監禁されていた跡を見つけてゾッとした。

顔を換えることができる口紅は透世も使っていたのだ。彼女は美女を監禁し、顔を換えて大女優としての名声を手に入れていた。羽生田は若い頃に透世の世話になっており、累を第二の透世にしようと考えていたのだ。そのことを告げられた累は悩み始める。

帰ってきたニナは累について得た情報を話し出した。それを聞いて累は語り始めた。累は小学生の頃にイジメっ子だったイチカという女子と強引に顔を換えた。驚くイチカの代わりに舞台に立った累は、舞台で注目される快感を知ったという。舞台後、屋上でイチカは顔を返せとカッターを手に累を脅したが、累はカッターを口に咥え、今イチカの顔を傷つけたらどうなるかな、とイチカに言い寄った。怖くなったイチカは後ずさりし、その拍子に屋上から落ちて死んでしまった。累の顔の傷はその時にできたものだった。

ニナは累を罵って出ていけと言ったが、累は彼女のワインに睡眠薬を仕込んでいた。そのせいでニナは再びターリア病となり、何か月も眠り続けることになってしまった。累は大事な顔の持ち主であるニナを献身的に介護し、毎日口紅で顔を換え、稽古へと向かった。

映画『累 かさね』の結末・ラスト(ネタバレ)

『サロメ』の舞台初日が訪れた。累は口紅の効力を延長させるために、一度自宅へと戻ってニナにキスをしてから舞台へと立った。だが、実はニナは何日も前に目覚めていた。彼女は眠り続けているふりをして機会を窺っていたのだ。

上演中、会場にニナが現れる。ニナは累が失敗する姿を見に来たのだ。彼女は累に気づかれないように口紅を普通の物とすり替えていた。21時を過ぎたら、累は元の顔に戻ってしまう。ところが、時間を過ぎても累の顔はニナの顔のままだった。

サロメの出番が終わり、累は裏方へと姿を消した。驚いたニナは累を追う。追いついたニナは累から時計のトリックを教えられた。累はニナが目覚めていて口紅をすり替えたことにも気がついていた。ニナの策略を回避するため、部屋の時計を五分遅らせてあったのだ。

出番までにニナの顔で舞台に戻りたい累は口紅を塗ってニナにキスしようとした。もみ合った末、ニナは持ってきていた刃物で自分の顔を傷つけようとする。累は、醜い顔では生きていくのは辛いと自分の体験談を吐露するが、自分自身でいられるなら醜くてもいいとニナは言った。

二人は再びもみ合いになり、通路の踊り場から落下。その様子を見ていた羽生田が駆けつけると、二人は重傷を負っていた。だが、累は、丹沢ニナは終わらせないと言うと、気絶するニナにキスして顔を奪い、舞台へと戻って行った。程なくして救急隊が到着し、ニナは病院へと運ばれていく。

ラストシーンがやってきた。累はヨカナーンの首を手に台詞を言ったが、それはまるでニナに言っているようにも聞こえるものだった。舞台は大成功し、会場は割れんばかりの拍手と歓声で埋め尽くされた。

映画『累 かさね』の感想・評価・レビュー

ある意味でどちらも悪女なため、感情移入という点ではできないというか、したくないと思う人が多いかもしれない。芳根京子よりも土屋太鳳のほうに比重が大きく、土屋の映画になっている印象。顔は換わるが中身は一緒というのは、二人が同じ演技をしなくては面白くないが演技に若干のズレが生じており、違和感がじわりじわりと募った。正直、どちらに転んでも後味は悪い作品だが、鑑賞後にいろいろと考えを巡らせる人なら楽しめると思う。(MIHOシネマ編集部)


この作品が実写化されると聞いたとき、さすがに難しいだろうと思った。
主人公は天才女優という漫画的にはありふれた設定ではあるが、それを実写化するとなると文字通り「天才的な演技」をしなくてはいけない。それがどれだけのプレッシャー、ハードルになるか。考えるだけでも恐ろしい。
しかし、主演の土屋太鳳と芳根京子はそれを演じて見せた。顔を盗むシーンはもちろん、物語が進むにつれて主演二人の演技がどんどん変化していくのを感じられる。それはもう、すさまじい演技力だった。
漫画では冊数を積み重ねて描かれている世界観を一本の映画に再構築していたのもよかった。漫画だけでは味わえない、命が吹き込まれた生々しい作品になっていた。
映画の「累-かさね-」として、非常に完成度の高い作品であったと感じた。(女性 20代)


原作は漫画家・松浦だるまの同名人気作品。今作の実写映画化にあたり、原作者は基本的にお任せという形を取っていたが、凄い映画ができたと絶賛している。
原作を読む限り映画化は非常に難しいのではないかと思っていたが、予想以上に素晴らしかった。土屋太鳳と芳根京子のダブル主演でどちらも二役を演じることになるが、その演技力たるや息を飲むばかりである。個人的には土屋太鳳の演技の凄まじさが印象に残っている。秀麗な顔と凄まじい演技力の奪い合いの果て惨劇へ至るわけだが、それこそ人間の醜悪な面でもある。原作を大切にしながら実写映画で作品を更に上のレベルへと上げた監督の手腕も凄い。(女性 40代)


土屋太鳳と芳根京子。今をときめく女優二人が「顔」を変え一人の女を演じる物語。芳根京子が演じるのは、大女優の娘でありながら顔にコンプレックスのある女「累」。土屋太鳳が演じるのは人気女優の「ニナ」。累が持つ不思議な口紅で顔を変えニナとなり演じる累の「心」が解放されたような様子は圧巻でした。
累の顔の傷や大女優であった母親のことなど、テンポ良くストーリーが進み謎が明らかになっていくのでとても見やすく面白かったです。(女性 30代)


容姿で辛い思いをしてきた主人公が、美しい顔をもつ女優と顔を入れ替え、舞台に立つダークファンタジー。
誰もが悩むテーマである顔の容姿について、ここまで真正面から向き合った作品は意外と少ないのではないでしょうか。
土屋さんと芳根さんの、お互いに入れ替わった演技が違和感なく、相当役柄のイメージを共有されたのだろうなと想像できます。最後まで羽生田の真の目的がよくわからず、感情移入しきれなかったのは、少し残念でした。(女性 20代)


漫画『累』を実写映画化した作品。原作ファンの私としては、観る前は不安が大きかったが、違和感なく映画として純粋に楽しめる作品であった。
小学生時代の物語から始まる原作とは違い、映画では既に大人になっている。実写化された映画の多くは1巻からそのまま忠実に、というものが多いように思うが、順番や流れを変えることで1本の映画として非常によくまとまっている。子供の頃から化け物のように扱われていた累役を、美人である芳根京子が演じるには少し無理があるように思っていたが、違和感を感じさせない独特の雰囲気を醸し出しており、キャスト、あらすじ共に納得の作品であった。(女性 20代)


口紅を塗ってキスすると半日、相手の顔が自分の顔となる。珍しい設定に釘付けになりました。口紅の使用量が多く、残量は大丈夫かが気がかりでしたが。スピーディな展開ながらも、嫉妬や軽蔑、劣等感等の人間の醜悪な部分を抉るように描いていて、ぐいぐいと引き込まれました。土屋太鳳の演技とダンスに見惚れてしまい、ほんの束の間、呼吸をし忘れました。彼女はカマトトぶるよりも、思い切り狂気じみた役柄の方が魅力が引き立つように思います。(女性 30代)

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