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映画『億男』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『億男』の概要:身内が作った借金の返済に追われる一男は、ある日、宝くじで三億円という大金を当選させる。大金の使い道に迷った一男は、大学時代のかつての親友である九十九に会いに行き相談する。だが、その九十九は三億を持って行方不明になってしまった。

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映画『億男』の作品情報

億男

製作年:2018年
上映時間:116分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:大友啓史
キャスト:佐藤健、高橋一生、黒木華、池田エライザ etc

映画『億男』の登場人物(キャスト)

大倉一男(佐藤健)
兄が作った三千万の借金を返済しようとパン工場と掛け持ちで働く司書。そのせいで万佐子と娘のまどかとは別居している。大学時代は落研に所属し、九十九と共に100点コンビと言われて人気を博した。借金を返して再び家族で暮らせる日を夢見ている。
古河九十九(高橋一生)
一男の親友。大学を中退し、フリマアプリの“バイカム”を起業して億万長者となる。学生時代からお金の正体を知りたいと考えている。落研では“芝浜”を得意としていた。吃音がある。
百瀬(北村一輝)
バイカムのシステムを組み上げたスーパーエンジニア。飄々とした関西弁を使い、掴みどころがない。ギャンブルが好き。
千住(藤原竜也)
バイカム時代の九十九の同僚。バイカムの売却後はコンサル業と自己啓発セミナーの講師をして詐欺まがいの行為を行っている。
十和子(沢尻エリカ)
バイカム時代の九十九の秘書。今はお金に執着のない夫と質素な暮らしをしているが、実は襖や畳の下に大金を隠し持っている。
万佐子(黒木華)
一男の妻。貧乏でも幸せに暮らせていければ良かったが、借金のために一男が変わってしまったと感じて気持ちが離れていってしまった。

映画『億男』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『億男』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『億男』のあらすじ【起】

図書館で司書の仕事をする大倉一男は三千万円という借金を抱えていた。借金は兄が作ったものだったが、その兄は失踪し代わりに保証人となっていた一男が返済することになったのだ。司書の傍らパン工場で働き、せっせと借金を返す一男。

だが、そのせいで家族とは溝ができ始め、妻の万佐子、娘のまどかとは別居してしまっていた。一男は借金を全額返済できれば、再び家族三人で暮らせるはずだという希望を胸に抱いていた。

ある日、まどかと散歩に出た時、町内で福引をやっているのを発見する。まどかが当選商品の自転車が欲しいことに気がついた一男は、ひょんなことから手にした福引券を使って自転車を当てようとするが、当たったのは宝くじだった。

宝くじなど外れるとばかり思っていた一男だったが、手に入れた宝くじは見事に当選し、三億円という大金を手にする。借金の三千万を返済しても、億という大金が残るのだ。残った金をどうするか、金の使い道に悩んだ一男は大学時代の親友の古河九十九に相談しようと考えた。

九十九は大学の落語研究会からの仲で、今では億万長者になっていた。起業して“バイカム”というネット取引サイトを立ち上げて大儲けしたのだ。相談すると、九十九は三億を現金で全額引き下ろしてこいという。実際に目で見て、触ってみなくてはダメだとアドバイスされた一男は、言われた通りにした。

その夜、九十九はパーティを開き、大勢の客がやってきた。大金を手にした一男も浮かれて大いに酔って騒ぎまくった。ところが翌朝、目を覚ますと九十九がいない。そして、金庫に入れておいたはずの一男の三億円もそっくり無くなっていた。慌てた一男は九十九を見つけ出そうと部屋を飛び出していく。

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映画『億男』のあらすじ【承】

パーティの時に知り合ったあきらという女性に連絡した一男は、彼女に九十九の居所を知らないかと尋ねた。あきらは何も知らなかったが、バイカムの仕事仲間だったら居所を知っているかもしれないと言い、一男を百瀬という男の所へ連れていく。

百瀬はバイカムのシステムを作り上げたスーパーエンジニアだ。バイカムはすでに売り払われていたが、売却した金で百瀬たちは悠々自適な生活を送っていた。一男は競馬場で百瀬と対面する。事の成り行きを話しても百瀬は退屈そうにするばかり。そのうち、百瀬は賭けをしようと言いだし、一男にどの馬が来るのか選べと言いだす。一男は娘の誕生月から適当に選んだのだがその馬は一着となり、百瀬が賭けていた百万円は一瞬で一億円になった。

驚く一男に百瀬は次のレースの馬も選べと言う。しかし、次のレースは惨敗してしまった。全額賭けていたため、一億円は再び一瞬でゼロになった。だが、百瀬は最初から賭けなどしておらず、一男たちが浮かれたり落ち込んだりする姿が見たいだけだったのだ。百瀬は言う。それがカネの正体だ、無いものを信じ切って一喜一憂してしまうものだ、と。金で家族は帰ってこないとまで言われて一男は落ち込むが、百瀬は楽しませてもらったお礼にと自分とFacebookで繋がり、そこで九十九を知っている友達を探せと言ってくれた。

九十九は吃音だったのだが落語を話すときはそれが無くなった。得意とする落語は“芝浜”だ。14年前、一男は大学の落研で九十九と知り合ったのだが、二人合わせて100点コンビと言われて大人気だった。その九十九が三億を持っていなくなった。相談した時、彼は言っていた。君にお金というものを理解してもらいたい、と。

百瀬のFacebookからバイカム時代の同僚だった千住という男に行きついた一男は、彼に会いに行ってみた。千住はコンサル業の傍ら、自己啓発セミナーの教祖のような如何わしいこともやっていた。だが、千住も九十九の居所は知らなかった。バイカムの売却に反対していた九十九が自分たちに会いたいはずがないと千住は言った。

セミナーに集まった者の中には、一男のような身の上の者もいた。千住は彼らを焚きつけるように叫んだ。“あなたの夢は絶対に叶う、そのために金という紙切れから解放されましょう”。彼らは千住を信じて財布の中身を捨てたが、千住はそれを拾い集めて収益にするという詐欺まがいの行為をしていたのだ。呆れかえる一男に千住は安田十和子という女性を紹介した。十和子はバイカム時代、九十九の秘書をしていた女性だという。

映画『億男』のあらすじ【転】

万佐子と久しぶりに再会した一男は、以前から渡されていた離婚届にサインしてほしいと催促されて動揺する。まどかはバレエ教室に通っているのだが、借金で生活が苦しくなった時、一男は通わせるのを止めさせようとした。そのことで万佐子との関係はぎくしゃくしだしたのだ。一男は、三億を手に入れたので心配いらない、また家族で暮らそうと説得したが、万佐子は俯き、あなたには重すぎたと呟くばかりだった。

十和子は結婚し、公営住宅で質素な暮らしをしていた。彼女は売却で十億を手にしていたが、当時は周りからのやっかみで精神的に疲弊したという。バイカムを運営していた時に問題になったのは、女の子たちが自分に値段をつけて売り物にすることだった。運営側はそれらの削除に奔走したが、その売春行為は一向に止まらなかった。

お金に疲れた十和子は結婚相談所の紹介で今の夫と知り合った。お金に執着しない人だったというのが決め手だったという。十和子は一男の人柄を気に入り、自分の秘密を教えると言って部屋のあちこちに隠されている大金を見せてくれた。彼女は言った。誰でも貯金が好きで、貯めて使わずに死んでいく。貯めてあると安心する、それがお金の正体だ、と。

十和子と会話する中で、一男は学生時代に九十九と行ったモロッコ旅行のことを思い出した。現地で一男が具合を悪くし倒れてしまった時、店の商品をダメにしてしまい、クレームを付けられてしまう。だが、九十九はそれを相手の言い値で弁償した。法外な値段だったが、一男を一刻も早く病院に連れて行きたかったと説明した九十九。

旅の途中、九十九は突然に大学を辞めて起業すると言いだした。一男が、起業する金はどうするのかと尋ねると、バイトで得た金で株に投資して一億円あると言われる。九十九は、人や状況によって物の価値が変わるのだということを今回の旅行で確信したと言った。そういったものを根底にして、誰もが価値を決めて売買できるサイトを作りたいのだと。一男は寂しさを感じながらも、お金の正体を知りたいのだと語った九十九を送り出していった。

映画『億男』の結末・ラスト(ネタバレ)

まどかのバレエ発表会を見に来た時、一男は万佐子に記入済みの離婚届を渡した。もう一度考え直してくれないかと切り出したが万佐子は、あなたは借金のせいで生きる欲を無くしてしまったと言うばかり。どんなに貧しくても、年に一度、まどかの発表会に一緒に行けていればよかったのだと言われる。

バレエはまどかが初めて自分からやりたいと言いだしたことだった。一男は当時のことを思い出しながら、舞台で楽しそうに踊るまどかを見て思わず涙を流す。

ある日、電車の中で突然現れた九十九と再会した一男。九十九は三億円をそっくりそのままの状態で一男に返した。さまざまな体験をした一男には、三億の見え方は以前とは全く違っていた。大金があっても、手に入れたいものは手に入らなかったのだ。

一男は九十九が金を盗んで消えるとはどうしても思えなかった。彼は九十九を信じ、何か理由があるのだろうと考えていた。そして、ある答えに辿り着いた。それは九十九が自分に“芝浜”をしたのではないだろうかと。

“芝浜”は酒乱で働かない魚屋が、河原で大金の入った財布を拾う話だ。大金に浮かれて仲間と大酒を飲んだが、翌朝、目を覚ました魚屋は女房から財布など拾ってきていないと言われて仰天する。どうやら全て夢だったらしい。そのことで改心した魚屋は酒をぴったりと止めて真っ当に生きるようになった。すっかり真面目になった数年後の大晦日、女房が真実を話し出す。実は財布は本当に拾ってきていた。だが、盗んだとなれば罪になるので女房はこっそりと届けていたのだ。女房は久しぶりの酒を勧めたが、魚屋は、また夢になるといけねぇと口を付けようとしなかった。

お金の正体を探るうちに、九十九は気がついていった。お金は人を変えてしまう。使う人で重くも軽くもなるものだと。九十九はお金の正体に近づくほど、大切なものを失っていったと語った。彼は99まで答えに近づいていたが、残りの1は一男が教えてくれたと言った。自分たちは学生時代から何も変わっていない、今も100点コンビだと囁いた九十九は電車を降りて行った。呆然と見つめる一男に向かって、夢になるといけねぇと呟いて。

一男は得た金を使って最初の買い物をした。それは、まどかに自転車を買うことだった。ある朝、まどかは玄関に自転車が置いてあるのを見つけて大喜びする。添えられた手紙を読んで、万佐子も思わず笑顔を溢した。

映画『億男』の感想・評価・レビュー

前半は面白いが、後半になると熱が冷めていく。お金の正体については、ある程度の年齢になったものならば自然と気がついてしまうものではないだろうか。いろいろとあった結果、最終的に自転車を買う訳だが、そこが少ししっくり来ないというか、結局はそこに行きついてしまうし、それは誰もが知っているものではないかと感じてしまう。ただ、各々の人物たちが語るお金についての話は説得力があり、お金のさまざまな側面や価値観を見せてくれるのは面白かった。(MIHOシネマ編集部)


原作は映画プロデューサーで小説家の川村元気の同名長編小説。借金を抱えた主人公が大金を手に入れたが、友人に持ち逃げされてしまい金の恐ろしさを知っていくという内容。
突如、大金を手にしてしまったら、人というのはまず戦慄する。あまりにも大金過ぎて恐怖を抱くからだ。その後は人それぞれだが、大抵は恐怖に呑まれるか舞い上がるかのどちらかになる。そこで、独断せず友人に相談した主人公は賢明だったと思う。金というのは、使い方次第で悪にも善にもなる恐ろしいものだということがきちんと描かれている。その上で主人公が思い違いしていることに気付くよう仕向けた友人の策が凄いと思わされる作品。(女性 40代)


この作品とこのための時間は皆買うべきでしょう。
「人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ」チャーリー・チャップリンの言葉です。これを主人公に教えた親友がキーパーソンとなっていきます。
わたしはこの作品を観るか迷っていましたが、観て良かったとすごく思っています。
本当に必要なものは何か、わからなくなっている人。価値観が揺らいでいる人は特に観るべきです。きっと少しか何か考えが変わるはずです。(女性 20代)


「芝浜」という古典落語を知っていますか?今作を見る際に、この「芝浜」を知っていると「なるほど!」と感じる部分が多く、とても面白かったです。
仕事には精が出ず、家に帰って来ては酒を飲み、ぐうたらしている男がある日、大金の入った財布を拾います。家に帰り、妻に財布を見せ「これで億万長者だ!働かなくていい!」なんて話をして。いつの間にか寝てしまっていた男は、妻に「財布は!?」と聞くと「そんな物は無いよ。」と。大金が入った財布はどうやら夢だったようです。
これが「芝浜」の冒頭部分。この後の展開を知ってから『億男』を見ると、何倍も楽しめるはずです。(女性 30代)


お金は大切、だけどお金だけが大切なわけではないという、当たり前のことを改めて実感させられる作品でした。
一男が出会う富豪たちは、お金についてそれぞれの立場から感じたことを伝えるが、もう少し深い話をしてほしいと感じました。そもそも、なぜ九十九が一男に現金化させパーティーを開くよう促したのか、なぜ持ち逃げしたのかの理由がはっきりとは描かれず、少しモヤっとしたまま終わってしまったのがもったいなかったです。(女性 20代)


競馬、怪しげなセミナー、モロッコでの出来事等、シチュエーションがどれもユニーク、かつ奥深いです。お金の捉え方について見直さざるを得ないほど、インパクトがありました。お金があれば安心を得られるし、何でも手に入ると思っていましたが、それは大いなる錯覚なのかもしれません。また、北村一輝、藤原竜也、高橋一生の演技の癖が強く、見応えが物凄いです。砂漠で落語するシーンでは、美しい友情や意思が伝わり、胸が切なくなり涙ぐみました。(女性 30代)

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