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映画『風が強く吹いている』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『風が強く吹いている』の概要:毎年正月に行われ人気の高い大学駅伝、箱根駅伝を舞台にした青春スポーツ映画。一度は挫折した二人の大学生ランナーが、仲間と共に箱根駅伝を目指し、箱根を走り切るまでを描いている。直木賞作家・三浦しをん原作。

映画『風が強く吹いている』の作品情報

風が強く吹いている

製作年:2009年
上映時間:133分
ジャンル:青春、スポーツ
監督:大森寿美男
キャスト:小出恵介、林遣都、中村優一、川村陽介 etc

映画『風が強く吹いている』の登場人物(キャスト)

ハイジ(小出恵介)
寛政大学4年生。高校時代は期待されるランナーであったが、脚の故障により本格的な陸上競技からは離れていた。学生寮である青竹寮にて食事や掃除など管理人兼監督者のような立場を担っている。
カケル(林遣都)
寛政大学の新入生。ハイジに誘われ青竹寮に入寮する。有名なランナーであったが、高校陸上部でのトラブルから大学で本格的に競技に打ち込むつもりはなかった。
王子(中村優一)
青竹寮の寮生。漫画を好み、一人で押し入れに篭ってばかりいる。好きなことへの情熱は人一倍強い。
神童(杉山高志)
青竹寮の寮生。田舎育ちで、幼少期は何をしても周りより抜きん出ていたため神童と呼ばれていた。

映画『風が強く吹いている』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『風が強く吹いている』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『風が強く吹いている』のあらすじ【起】

春、新入生のカケルは大学で野宿していたところを初対面のハイジに見つかり、突然一緒に食い逃げをさせられる。その食い逃げは、実はハイジがカケルの走りを見るために、定食屋に頼んだ嘘の食い逃げだった。

走るカケルの姿を見て、自分の待っていた人物が現れたと確信するハイジは、カケルを自分の住む青竹寮に誘う。
見るからに古い青竹寮には、新入生から4年生まで個性的な9人の寮生がいた。

実は青竹寮は陸上部員専用の寮で、寮生は入寮と同時に本人の同意なく陸上部に入部させられていた。
青竹寮では、月3万円という格安の寮費と引き換えに、毎朝5km走ることが義務づけられていた。しかし、ハイジに知らされるまで何年も自分が陸上部員とされていることに気づいていない寮生もいた。

ハイジはカケルの歓迎会で、これから寮にいる10人全員で箱根駅伝を目指すことを発表する。それまで食事や掃除など全て一人で担ってきたハイジに頭の上がらない他の寮生は、それを承認する。むちゃな挑戦と感じたカケルも、とりあえず他の寮生と共に練習することにする。

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映画『風が強く吹いている』のあらすじ【承】

毎日の朝練から練習を始めた10人。毎朝5㎞走っていただけあって、ほとんどの部員はカケルの想像以上の走りを見せる。しかし1人だけ、他のメンバーのペースに全くついていけない部員がいる。オタク気質の王子だ。箱根に向け少し期待を持ったカケルも、王子の姿を見るとやはりそれは夢物語であると感じてしまう。

ハイジは全員のレベルにあった練習メニューを考え、それをもとに部員たちはそれぞれ練習を続ける。

初めて参加した記録会で、王子を除く9人は目標タイムをクリアする。その記録会において、かつては期待されたランナーであったハイジとカケルは、それぞれの高校時代のライバルとの再会を果たす。

記録会の雰囲気や、ライバルとの再会で箱根への気持ちが高ぶるハイジとカケル。記録会を境に練習量も増えていく。あくまで冷静で仲間に優しいハイジと対照的に、カケルは仲間に苛立ちをぶつけてしまう。カケルの暴走を止めようとするハイジだったが、それまでの多忙な生活に加え練習量を増やしていたことで、過労により倒れてしまう。

ハイジが倒れたことをきっかけに、カケルは自分の“走ること”への姿勢を再考し始め、王子をはじめ他の仲間たちも一層の努力を始める。

映画『風が強く吹いている』のあらすじ【転】

箱根10区を走る最少人数しかいない青竹寮の仲間たち。周囲からの期待も薄かったが、本気で箱根を目指し予選会に出場する。

各チーム10人が一斉に走り合計タイムで競う大会で、出場選手の誰よりも早くゴールに姿を現したのはカケルだった。ハイジも上位で走り終え、他のメンバーも次々にゴールする。予選会9位ぎりぎりで、箱根出場を決める。大学や地元商店街、さらには報道陣まで寛政大学チームに注目し始める。

しかし、予選会でゴールした直後から、ハイジはかつて痛めた膝を気にするようになる。ハイジは高校時代は期待された選手だったが、自分の父親でもある監督に足の違和感を伝えることができず、一度陸上を諦めた過去があった。

そしてカケルも、高校時代に厳しい監督に反発し暴力をふるい、部を活動休止させた過去があった。けがをした他の部員を追い詰める監督の姿に怒りを爆発させてしまったのだ。問題を起こし、ランナーとして生きることを諦めても、走ることを辞められなかったカケルの素顔が明かされる。

映画『風が強く吹いている』の結末・ラスト(ネタバレ)

1日目に東京駅から箱根の往路、2日目に反対の経路を復路として走る箱根駅伝。走る区間は能力と性格両方を見てハイジが決定した。

1日目の各ランナーは自分の精一杯の走りを見せ、寛政大学は順調なレース展開を見せていた。しかし、往路最終走者は体調不良の神童。補欠のいないチームなので、神童が無理をして厳しい箱根の上り坂を走ることになる。大きく順位を下げてしまうが、神童は棄権することなくなんとかたすきを繋ぐ。
2日目のランナーたちも各々が全力の走りを見せる。9区はエースのカケル。他の大学やテレビ実況も驚くハイペースで走り続け、長い箱根駅伝の歴史の中で最も早い9区のタイムを記録する。

そして、最終10区はハイジ。快走を続けていたが、残り1kmのところで古傷の膝の痛みが耐えられず動けなくなってしまう。実はハイジはその日の朝、医者にランナーを続けたいなら箱根駅伝は棄権するように言われていた。しかし、自分の最後のレースとして、青竹寮の仲間たちと走る箱根をハイジは選んでいたのだった。

脚を引きずりながらも前に進むハイジ。ゴールで待つ仲間たちはレースをやめさせようとするが、ハイジの覚悟を知っているカケルだけはハイジを信じ、他のメンバーを止める。仲間の信頼に応え、ハイジはゴールする。

映画『風が強く吹いている』の感想・評価・レビュー

箱根駅伝を目指すストーリーとなっており、仲間たちとの絆や、信頼関係の大切さを全面に出していた。各々が葛藤する気持ちが身に染みるほど共感でき、また助け合って団結していくシーンはかなり感動した。一人一人が自己タイムを更新する必要性も大事であり、個人競技のように見えるが、チームとしての成績が一番重要である。それぞれの思いや練習の成果を、一人一人たすきをつなげあいながらゴールをする瞬間がたまらなかった。普段見ているテレビの駅伝中継の見方が変わる映画だと感じた。(女性 20代)


三浦しをんの小説が映画化するということで、楽しみにしていました。年始に盛り上がる駅伝がテーマの青春ストーリーで、10人の個性的なキャラクターが登場します。2時間という限られた時間の中で、キャラクターを深掘りすることは難しく、少々浅い部分もありましたが全体を通して爽やかで熱い気分になります。
カケル役の林遣都のフォームの美しさが特に印象的です。自分がゴールしたら終わりではなく、全員でゴールをすること。バラバラだったメンバーが全員で同じ目標に向かうというシチュエーションは、本当に素晴らしいものだと再確認しました。友情と青春が2時間に詰まっていて鑑賞後の爽やかさが心地よい映画でした。(女性 20代)


マラソンがあまり好きではない自分としては、そこまで頑張らなくては良いのではないかと正直感じてしまう部分があった。しかし、走ることへの熱意と仲間達への思いが丁寧に描かれていて、物語が進むにつれて熱い気持ちが沸き上がってきた。誰に何を言われようとも、一つのことをやり遂げようと頑張る姿は、純粋にカッコいいと思う。青竹寮に暮らす寮生達は、きっと大人になってもかけがえのない仲間として友情を育んでいくのだろうなと羨ましく思った。(女性 30代)


お正月の風物詩とも言える「箱根駅伝」。小さい頃から家族揃ってこの駅伝を見るのが恒例行事である家庭も少なくないでしょう。そんな「箱根駅伝」の出場を目指す大学生たちの汗と友情の物語である今作は三浦しをん原作ということもあり、かなり期待をしていました。
それぞれが「問題」を抱えながらも「駅伝」という一つの目標に向かって努力し、また挫折しながらも支え合い這い上がる姿は物凄く感動しました。
この作品を見るとお正月のあの「駅伝」に対する見方がかなり変わると思います。(女性 30代)


およそ1年間の出来事を、2時間に上手く凝縮しています。そして、林遣都のランニングフォームが大変美しいです。他のメンバーも全員、体を相当絞っており厳しいトレーニングに耐えてきたことは一目瞭然です。アオタケメンバー10人のキャラクターが確立していて、物語に馴染みやすい印象を受けました。駅伝は走っている時は一人ですが、一致団結しないと勝てません。どんなチームが強いのか、考えながら鑑賞しました。興味が湧いたので、秋や年末の駅伝を見ようと思います。(女性 30代)

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