映画『ケイゾク Beautiful Dreamer』の概要:TBSテレビドラマ「ケイゾク」の劇場版作品。捜査一課弐係に係長として帰ってきた柴田と、警部補の真山は依頼を受け、厄神島へと向かう。事件は解決に向かったが、その時、二人の前に黄泉の国が現れる。
映画『ケイゾク Beautiful Dreamer』の作品情報
上映時間:119分
ジャンル:サスペンス、ミステリー
監督:堤幸彦
キャスト:中谷美紀、渡部篤郎、鈴木紗理奈、徳井優 etc
映画『ケイゾク Beautiful Dreamer』の登場人物(キャスト)
- 柴田純(中谷美紀)
- 捜査一課弐係の新係長。事件を解決へと導く天才的な頭脳の持ち主だが、マイペースな性格で、身なりに無頓着なところがある。
- 真山徹(渡部篤郎)
- 捜査一課弐係の警部補。柴田の相棒のような存在。自殺した妹がいた。
- 木戸彩(鈴木紗理奈)
- 捜査一課弐係の庶務。班目の女であった。真山に好意を持っている。
- 野々村光太郎(竜雷太)
- 定年間近に係長を退任することになった捜査一課弐係の元係長。妻とは離婚調停中で、女子高生と不倫している。
- 班目重友(村井克行)
- かつての真山の部下であった。朝倉に人格を乗っ取られてしまう。
- 朝倉裕人(高木将大)
- 真山の妹をレイプし、自殺に追い込んだ人物。真山の宿敵。他人の人格を乗っ取ることが出来る。
- 壺坂邦男(泉谷しげる)
- 真山の元上司。遺体として発見される。
- 磯山章子(大人:大河内奈々子 / 子供:小西舞)
- 第七神竜丸の生存者である母の代わりに、厄神島へ向かうことになる。しかしその正体は、七海の双子の妹である美空であった。
- 霧島七海(大人:小雪 / 子供:後閑まや)
- 第七神竜丸で亡くなった霧島夫妻の娘。復讐の為、第七神竜丸の生存者達を厄島神へと招待した。双子の妹がいる。
映画『ケイゾク Beautiful Dreamer』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ケイゾク Beautiful Dreamer』のあらすじ【起】
定年退職を控えた野々村に代わって、捜査一課弐係に新係長として赴任してきたのは、柴田であった。赴任してすぐ、磯山章子と名乗る女性と、その母親とが依頼にやって来る。章子の母である早苗は、第七神竜丸沈没事件の生存者である。依頼の内容というのは、第七神竜丸で亡くなった霧島夫妻の遺族である七海から、厄神島への招待状が送られてきたというもの。心配なので、警察にも同行して欲しいというものであった。島へ向かう船には、母の代わりに章子が現れた。船には、同様に招待された7人の人物が乗っていた。
厄神島に到着した一行は、七海と顔を合わせる。食事会の後、余興と称されたトランプゲームが始まる。配られたトランプの数が大きい人が消えると告げられた。そしてその言葉通りに、一人目の犠牲者が出る。一人目となる犠牲者は、毒により血を吹き出して死に至った。七海は、自分の両親をこの場にいる7人に殺されたと告発する。認めようとしない7人に対して、一人一人殺していくと宣言する。
映画『ケイゾク Beautiful Dreamer』のあらすじ【承】
七海の言葉通りに、次々と殺人が起こっていく。二人目の犠牲者は、屋上から身を投げられたかのように見せかけられ、死亡。三人目の犠牲者は、泊まっていた部屋ごと人物が消えていた。この島は、物がよく無くなるという言葉通りに、様々な物が消えていく。
一方、東京では、壺坂の遺体が発見される。これは、朝倉の復活を暗示している。そして柴田達の同僚である彩も、かつて彩の恋人であった班目の手によって殺されてしまう。
事件は解決されていないまま、七海は首吊り死体として発見される。しかしこれで事件が終わった訳ではないと真犯人を解明していく柴田。
一連の事件の真犯人は、章子であった。そして章子の本当の正体は、七海の双子の妹、美空であった。双子は共謀して、殺人を行っていたのだ。しかし、罪悪感により復讐を辞めたいと言い出した七海を、美空は殺害した。幼少期から、美しい姉の七海にコンプレックスを抱いていた。そのことで養子に出された過去があり、姉のことを恨んでいたことも事実だ。
映画『ケイゾク Beautiful Dreamer』のあらすじ【転】
もう一度姉さんに会いたいと願う美空の前に、突如赤い煙と共に黄泉への入り口が出現する。美空は、姉や両親と共に、黄泉の世界へと誘われていく。同様に、柴田、真山の前にも黄泉への入り口は開かれ、今は亡き懐かしい人々と再会する。
柴田は、亡き父親、親友と再会する。自分の愛しい者たちのいる黄泉の国へ自分も行きたいと望む柴田であったが、父親も親友もそれを踏み止まらせる。「今のお前には、父親である自分よりも大切な人がいるだろう。夢は目覚めれば、消えてしまう」と諭す。
真山の前にも、亡き妹と真山のかつての上司であった壺坂、そして殺された彩が現れる。黄泉の世界では、みんなが一つになるのだという。死んだ者と永遠に一つになれる世界に誘われ、真山の気持ちが揺らぐ。しかしそんな世界を拒否するかのように、壺坂と妹は、黄泉の世界の中で、自ら死を選ぶ。真山は、朝倉に銃を向け「お前なんかと一つになれるか」という言葉と共に、引き金を引いた。
映画『ケイゾク Beautiful Dreamer』の結末・ラスト(ネタバレ)
再び赤い煙に包まれたかと思うと、目の前から父親と親友の姿が消えていた。悲しみに暮れ、意識が朦朧とする柴田の前に、真山が姿を現す。真山は、柴田を小さな船に乗せ、先に島から離れさせた。朝倉との対決を前に、自分も行くと言う柴田に対して、自分一人で行かせてくれと願い出る。
真山にとって朝倉という人物は、妹を自殺に追いやった因縁の相手である。何度殺そうとしても、殺せなかった。ついに朝倉との最後の決闘が始まる。それは互いの命をかけた決闘であった。
しかしその時、厄神島では大きな火山爆発が起こり、島は完全に消滅してしまった。遥か島より離れていた柴田は助かったが、真山が死んでしまったと思った彼女。海面を漂流する小舟の上、銃をこめかみに当て、自殺しようとする。「あなたとずっと一緒に」という言葉を残して。しかし、そこへ水面から真山が顔を出す。今度こそ、長きに渡った朝倉との因縁を終わらせることができたようだ。海の中、二人は強く互いを抱きしめ合う。
映画『ケイゾク Beautiful Dreamer』の感想・評価・レビュー
真山と柴田のコンビはテンポよく、前半の殺人事件をどんどん推理していく様子は面白い。
後半は現世と黄泉の世界が交差して、少しわかりにくい。
黄泉の国の入り口と繋がった後、朝倉が死んでいるのか生きているのか誰なのか・・・
この世界観がSPECに繋がっていくのかな。
映像はとても綺麗で海の中で抱き合う二人の姿が素敵だった。
私はドラマの方が好きだけど、不思議と繰り返し観たくなる作品。(女性 40代)
テレビドラマ史上ナンバーワンに挙げたいタイトル。その映画化されたのが本作だ。
堤幸彦監督による所々に散りばめられたギャグもクスクスと笑えるが、全体的に暗い演出がなされているのも観ている側の恐怖心も煽ってくれる。
そして、柴田と真山の最大の敵である朝倉との対峙。テレビシリーズから引っ張ってきた因縁の戦いに、ついに終止符が打たれる。
最後はオカルトっぽく終わるも、柴田と真山の絆が見られて大満足の映画だ。
ここからスペックへと続くと思うとワクワクできる。(男性 40代)
好きな人にはたまらないテレビドラマ『ケイゾク』の劇場版作品。テレビドラマが放送されていた当時、『ケイゾク』が好きと言うと少し大人になったような気持ちがしていました。オカルト的な要素とクスッと笑えるギャグ要素の良いバランスは劇場版でも健在で、真山と柴田のコンビは見ていて本当に飽きません。
後半は本当の世界と死後の世界が入り交じり、少し分かりにくい展開ではありましたが、それもこの作品らしいところでしょう。終わり方も最高です。(女性 30代)
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