この記事では、映画『キリング・グラウンド』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『キリング・グラウンド』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『キリング・グラウンド』の作品情報
出典:https://video.unext.jp/title/SID0033323
製作年 | 2016年 |
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上映時間 | 88分 |
ジャンル | ホラー サスペンス |
監督 | デイミアン・パワー |
キャスト | アーロン・ペダーセン イアン・メドウズ ハリエット・ダイアー アーロン・グレナン |
製作国 | オーストラリア |
映画『キリング・グラウンド』の登場人物(キャスト)
- スコッティ・シェパード(アーロン・ペダーセン)
- 通称「ジャーマン」。婦女暴行の逮捕歴がある猟師。「バンジョー」という犬を連れている。
- トッド・ファウラー(アーロン・グレナン)
- 通称「チョーク」。婦女暴行の逮捕歴がある猟師。ジャーマンの相棒。
- イアン・スミス(イアン・メドウズ)
- ストーニー・クリークを訪れる若者。医者。
- サマンサ・ショー(ハリエット・ダイア)
- 通称「サム」。イアンの恋人。
映画『キリング・グラウンド』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『キリング・グラウンド』のあらすじ【起】
クリスマス。
オーストラリアにあるガンジリー滝、そのふもとの「ストーニー・クリーク」にある家族がキャンプ目的で訪れた。
長女のエムは10代半ば、弟のオーリーはまだ歩けるようになったばかりだ。
翌日、父のロブと母のジェスはオーリーをつれて森林浴に出かける。
残ることにしたエムは家族のジープに乗り、うたた寝をしてしまう。
そんな彼女を見つけたのは、2人の猟師だった。
チョークは若手の男性で、中年のジャーマンはバンジョーという犬を連れていた。
2人は普段、地域内で野生化した黒ブタの駆除をしている。
しかし眠っているエマを見つけると、2人はよこしまな感情を抱くのだった。
2人の猟師に気付いたエムは、助けを呼ぶためにジープのクラクションを鳴らした。
それを聞いたロブはいち早く駆けつけ、ジェスもオーリーをテントに置いて合流する。
しかしエム・ロブ・ジェスは、ジャーマンに銃で脅され捕まってしまうのだった。
チョークとジャーマンはエムたちを縛り、ジープの鍵を捨ててしまう。
エムたちは脅されながら、森の奥へ向かわされるのだった。
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映画『キリング・グラウンド』のあらすじ【承】
チョークとジャーマンはロブの頭の上に缶を乗せ、撃ち落とそうとする。
それが上手くいかないことに腹を立てたチョークが、まずはロブを射殺。
さらに、ジェスとエムも撃ち殺してしまうのだった。
その後、2人の猟師は家族がもう1人いることを知る。
しかし、どれだけ探しても赤ん坊のオーリーが見つからない。
実はオーリーは、テントから抜け出て森をさまよっていたのだ。
ガンジリー滝に、イアンとサムのカップルが訪れる。
途中で雑貨店に寄り、その隣には「バンジョー」という犬が乗るトラックが駐車していた。
その運転手・ジャーマンに、イアンはガンジリー滝への道を聞く。
ジャーマンは『その車だと滝には行けない』と言い、代わりにストーニー・クリークを勧めるのだった。
ジャーマンのトラックがついてきているように感じ、不気味がるイアン。
しかしトラックが彼らの車を通り過ぎたので、安心してストーニー・クリークに到着する。
ジープが停まっていて、オレンジ色のテントが張られていた。
先客がいると思いながら、イアンたちは青色のテントを張るのだった。
映画『キリング・グラウンド』のあらすじ【転】
ジャーマンはチョークに、新しいキャンプ客が来たことを報告する。
その夜、黒ブタに倉庫を荒らされるジャーマンたち。
その腹いせに、イアンたちも痛い目に合わせようと考えるのだ。
テントの中で新年を迎えたイアンたちだが、その翌日、車のタイヤがパンクしていることに気付く。
さらに、先客のテントの横に赤ん坊が倒れているのを見つける。
2人は、赤ん坊の家族は森の中にいるかもしれないと考えた。
携帯電話の電波を求めて、イアンは場所を移動する。
やがて車に乗ったチョークと出会い、2人で森を捜索することに。
しかしイアンが森の中で見つけたのは、一家の遺体。
イアンはもちろん驚くが、家族を殺したチョークも驚くことになる。
ジェスがまだ生きていたからだ。
彼女は赤ん坊の名前を教えた。
そのタイミングで、チョークがジェスを射殺してしまうのだった。
一方、サムのもとにジャーマンがやってくる。
そのタイミングで森の方から銃声が鳴り響き、サムは警戒する。
ジャーマンが彼女を捕まえようとするが、サムは彼をナイフで刺し、赤ん坊と共に逃げるのだった。
映画『キリング・グラウンド』の結末・ラスト(ネタバレ)
チョークは逃げるイアンを追っていたが、誤ってジャーマンを撃ってしまった。
死にかけの彼の頼みで、チョークはとどめを刺す。
その遺体にバンジョーが寄り添った。
その後チョークは赤ん坊を茂みに叩きつけ、サムを捕まえる。
イアンはジャーマンの遺体から、車の鍵を見つけるのだった。
チョークはエンジン音を聞きつけ、サムと共に車に乗り込む。
その時サムは、『赤ん坊はイアンが保護した』と考える。
しかしイアンは1人で森を抜け、警察に通報していた。
到着した警官はチョークに撃たれ、イアンも重傷を負ってしまう。
チョークはサムにパトカーを運転させ、イアンも助手席に乗ることに。
サムがイアンに赤ん坊のことを聞くと、彼は『知らない』と言う。
イアンは赤ん坊を優先して逃げたわけではなく、単にサムを見捨てて逃げていたのだ。
激怒したサムはわざと車を暴走させ、無理矢理止めさせる。
チョークは運転席のドアを開けようとするが、サムが反撃して彼を倒すのだった。
サムとイアンはその後、病院で再会する。
2人が黙って目を合わせ、物語の幕が閉じる。
映画『キリング・グラウンド』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
自然の中の静寂がこれほどまでに恐ろしいとは思わなかった。序盤の穏やかなキャンプ描写から一転、狂気が忍び寄る展開が絶妙。特に家族が襲われるシーンは、予想以上に生々しく、見ていて息が詰まった。加害者側に一切の救いがないところもリアルで、胸糞悪さが後を引く。現代版『悪魔のいけにえ』とも言える作品。(30代 男性)
とにかくリアルな恐怖が終始続く作品だった。ホラーというよりスリラーに近く、人間の狂気をこれでもかと見せつけられた。被害者が無力であることが強調される演出が多く、観ていて辛いけれど目が離せない。子供の命も容赦なく奪われる展開に、現実感が増してしまい、しばらく気分が沈んだ。精神的にキツいけど、名作。(20代 女性)
淡々とした描写が逆に恐怖を引き立てていた。人間がいかに無力で、助けを求めても届かない場所で何が起きるかが描かれている。救いのなさが際立っていて、観終わった後に何とも言えない後味が残る。子どもが泣きながら草むらを歩くシーンが頭から離れない。作り物とは思えないくらい生々しい映画だった。(40代 男性)
スリラー好きには刺さる作品だと思うけど、苦手な人には強くは勧められないタイプ。暴力描写もかなり直接的だし、サバイバル感よりも無慈悲な現実を見せつけられる感じ。女として、女性被害者の描かれ方には賛否あると思うけど、逃げるでも戦うでもなく、ただ巻き込まれる構図がリアルだった。(30代 女性)
編集と時間軸のズラし方が非常にうまい。観客が何が起きているのかを把握した時には、もう後戻りできない状況になっている。特に途中で入る過去パートの切り替えが効果的で、「あのテントは…」と気づいた時の絶望感は強烈だった。エンタメというより、現実の地獄をのぞかされるような作品。(50代 男性)
こういう映画にありがちな「最後に正義が勝つ」みたいな展開がなく、むしろ被害者がどこまでも追い詰められる展開に衝撃を受けた。普通のカップルが、ただキャンプに来ただけで地獄に落とされるのが理不尽すぎて、逆にリアリティがある。終盤の緊張感は息もできないほどで、手に汗握るとはこのこと。(20代 男性)
母親の視点で見ると、本当にキツい作品。子どもを守れなかった無念や、理不尽な暴力に対する無力感に胸が締めつけられた。サイコパスたちが無差別に命を奪っていくのを見て、「現実にもこんなことがあるのかも」と思ってしまい、トラウマになりかけた。作り物だけど、心に大きな爪痕を残す映画。(40代 女性)
観る前はB級感を覚悟していたけど、想像以上にしっかり作られていて驚いた。静かな場面でも常に不安がつきまとうような演出がうまい。自然の美しさが対照的に使われていて、恐怖が倍増する。悪人たちに動機があるわけでもないのが逆に怖い。人間の本質的な残酷さを描いている気がした。(30代 男性)
こんなに後味の悪い映画、久々に観た。誰も助けてくれない、正義も救済もない。むしろ「どうしようもない現実」に向き合わされる感じがあった。特にラストのあの子供の表情が忘れられない。あれだけの出来事を目撃した小さな子が、生きていくという意味がどうなるのか…とても考えさせられる。(50代 女性)
アウトドア好きとしては、自分もこういう状況に巻き込まれたら…と想像してしまって、めちゃくちゃ怖かった。ああいう誰もいない自然の中では、本当に何が起きても不思議じゃない。リアルすぎる恐怖と、緊迫した展開で一気に引き込まれた。観終わった後は、しばらくキャンプに行く気になれなかった。(20代 男性)
映画『キリング・グラウンド』を見た人におすすめの映画5選
エデン・レイク(原題:Eden Lake)
この映画を一言で表すと?
「文明の薄皮が剥がれた先にある、本当の恐怖を描くサバイバル・スリラー」
どんな話?
静かな湖畔で週末を過ごすため訪れたカップルが、不良グループに嫌がらせを受け、次第に命の危険に晒されていく。美しい自然の中で起こる恐ろしい暴力と追跡劇が、観る者の神経を逆なでしてくる。
ここがおすすめ!
無抵抗な一般人が無慈悲な加害者に追い詰められる構図が『キリング・グラウンド』に通じる。リアルすぎる暴力描写と救いのない展開は後を引くが、それだけに観る価値がある。社会の暗部を鋭く突いた問題作です。
ファニーゲーム U.S.A.(原題:Funny Games U.S.)
この映画を一言で表すと?
「“観る”ことを突きつける、観客にも罪を問う異色の心理スリラー」
どんな話?
休暇で湖畔の別荘を訪れた一家が、突然現れた青年2人に拉致され、ゲーム感覚のような暴力に晒される。観客の“加害性”をあえて刺激するメタ的な演出が強烈な印象を残す一作。
ここがおすすめ!
ホラーやスリラーに慣れた人でも動揺させる構成が秀逸。『キリング・グラウンド』と同じく、残酷描写よりも精神的な不快感を狙っており、見る者の良心と感情に鋭く切り込んでくる。静かながら最恐の映画体験。
ザ・ストレンジャーズ/戦慄の訪問者(原題:The Strangers)
この映画を一言で表すと?
「理由なき暴力が生む絶望…静寂の中に潜む“本物の恐怖”」
どんな話?
ある夜、別荘に滞在中のカップルが見知らぬ仮面の人物たちに襲われる。逃げ場も助けもなく、彼らは容赦のない侵入者に追い詰められていく。なぜ狙われたのか、その理由すら明かされない。
ここがおすすめ!
本作の最大の怖さは“無意味な悪意”。『キリング・グラウンド』のように、ただ存在していたことが命取りになる恐怖が徹底して描かれる。音を排した演出が秀逸で、静かに進行する恐怖がゾクゾクさせてくれる。
ザ・ローバー(原題:The Rover)
この映画を一言で表すと?
「秩序なき荒廃世界での人間の孤独と執念を描く、無慈悲なサバイバルドラマ」
どんな話?
経済崩壊後の荒れ果てたオーストラリア。男は盗まれた車を取り戻すため、弟を置き去りにした犯罪者たちを追い続ける。荒野に広がる暴力と諦めの世界で、人間の本性が試されていく。
ここがおすすめ!
荒廃したオーストラリアの風景と、終末的な孤独感が『キリング・グラウンド』の空気と通じ合う。暴力の描写も容赦なく、道徳や秩序が崩壊した世界でどう生きるかが問われる。静かに心を削られるような映画体験。
レッド・ホワイト&ブルー(原題:Red White & Blue)
この映画を一言で表すと?
「ゆっくりと積み上げられる絶望と復讐の連鎖に震える衝撃作」
どんな話?
テキサス州オースティンを舞台に、孤独な女性、彼女に関わる複数の男たち、そして暴力の連鎖が静かに加速していく。後半、信じられないほど冷酷な復讐劇が観客を圧倒する。
ここがおすすめ!
『キリング・グラウンド』と同様、暴力がただのエンタメではなく、感情や因果に根ざした“重さ”を持って描かれている。前半の静けさと後半の地獄のコントラストが強烈で、一度見たら忘れられない問題作です。
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