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映画『恋の渦』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『恋の渦』の概要:劇団ポツドールの主宰、三浦大輔による同名舞台を『モテキ』『バクマン。』などの大根仁が映画化した群像劇。ある若者たちの恋模様を、それぞれの視点でリアルに描き出す。

映画『恋の渦』の作品情報

恋の渦

製作年:2013年
上映時間:140分
ジャンル:ラブストーリー
監督:大根仁
キャスト:新倉健太、若井尚子、柴田千紘、後藤ユウミ etc

映画『恋の渦』の登場人物(キャスト)

コウジ(朝倉健太)
出会い系メールのサクラで生活費を稼ぐフリーター。恋人であるトモコの行動に常に苛立ちを隠せない。
トモコ(岩井尚子)
コウジの彼女。思慮が浅く、あまり言動に責任感が無いため、そのことについてコウジに度々叱られている。
カオリ(柴田千紘)
トモコの友人。ルックスが良く、男たちからよくモテる。ナオキと浮気している。
ユウコ(後藤ユウミ)
トモコのバイト先の同僚。彼氏がいないため、出会いの場としてトモコの家に招かれるが、自身のルックスには自信がない。
ユウタ(松澤匠)
コウジの友人。タカシと同居している。クールな性格で、あまり感情を表に出さない。
ナオキ(上田雄揮)
コウジの弟。サトミと同棲している。サトミを愛する一方で、カオリと浮気している。本人に罪悪感は無い様子。
タカシ(澤村大輔)
ユウタの学生時代からの友人。ユウタの家に居候している。お調子者で、その性格を周囲には疎ましがられている。カオリのことが好き。
オサム(圓谷健太)
コウジ、ユウタの友人。彼女がいないことを、二人からよくからかわれている。
サトミ(國武綾)
ナオキの彼女。ナオキを愛するあまり疑心暗鬼に駆られ、メールが来るたび誰からか確認せずにはいられない。

映画『恋の渦』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『恋の渦』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『恋の渦』のあらすじ【起】

コウジとユウタは、友人のオサムに彼女を作らせる名目で、コウジとトモコが同棲する部屋で合コンを開く。トモコも賛成し、トモコの友人であるカオリとユウコ、ユウタの友人であるタカシ、コウジの弟とその彼女であるナオキとサトミらも参加することに。オサムには、同様に彼氏のいないユウコを紹介するつもりでいた。

トモコから「ユウコは篠田麻里子に似ている」と聞かされ、ユウコの到着を心待ちにしていた男性陣だったが、現れたユウコは篠田麻里子に似ても似つかず、お世辞にも可愛いとは言えない容姿をしていた。

そこへ遅れて現れたオサムが加わる。コウジとユウタは何とか場を盛り上げようと、いつも以上にオサムをからかうが、彼らのしつこさにオサムは激怒、最悪な雰囲気のまま合コンは終了する。

合コンが終わり、それぞれの部屋に帰って行く若者たち。コウジは、サトミが周囲に溶け込めず暗い表情であったことをトモコに話し、なぜ女であるお前がフォローしてあげなかったのかと叱責する。

コウジとユウタは電話でユウコのルックスについて散々罵倒し「オサムにも埋め合わせをしなければ」と話す。しかし、オサムとユウコはその夜急速に惹かれ合い、密かに付き合うことになっていた。

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映画『恋の渦』のあらすじ【承】

タカシは居候先のユウタの家で、思いを寄せるカオリに告白するべきかどうかユウタに相談する。しかしユウタは興味の無い様子で、彼の話を適当にかわす。タカシは一か八かカオリに告白することを決意。部屋にカオリを呼び出す。

カオリがユウタの部屋を訪れ、気を利かせたユウタが買い物に行き、部屋にはタカシとカオリだけが残った。タカシはカオリに告白する。するとカオリも照れた様子で承諾し、二人は付き合うことになる。

合コンの夜から付き合い始めたオサムとユウコ。はじめのうちこそ紳士的に振る舞っていたオサムだったが、慣れてくると徐々に態度を一変。ユウコを夜中にコンビニへ走らせたりと傲慢な態度を取り始める。

コウジはナオキとサトミが同棲する部屋を訪れ、合コンでサトミに寂しい思いをさせてしまったことを詫びる。サトミは全然気にしていないといい、バイト先へと向かう。コウジはナオキに、日頃感じているトモコへの不満をさらけ出し、いつ別れてもいいと告げる。

映画『恋の渦』のあらすじ【転】

カオリに告白し付き合い始めたタカシだったが、その日以来カオリと連絡が取れなくなり、日に何度もカオリに電話をする。そんな様子を不快そうな表情で眺めるユウタ。あまりにもしつこく電話をかけるタカシにユウタは激怒し「お前のそういうウザい性格が周りを不快にさせるんだ」と言ってしまう。

一方、バイトでいないサトミの部屋に現れるカオリ。実は彼女は合コンの夜以来、ナオキと浮気関係にあった。ナオキは「彼女を愛する気持ちと浮気は全くの別物で、罪悪感は一切ない」と述べる。カオリは酔った勢いでタカシの告白を受けてしまったが、彼のことは全く意識していなかったため、着信拒否にしていた。

トモコは家にカオリとユウコを招き、女子会を開く。しかしそのことをコウジに言っていなかったため、後から「二人の部屋なんだから、俺の承諾なしに人を入れるな」とコウジに激怒される。

サトミは体調不良を訴え「もしかしたら妊娠しているかもしれない」とナオキに告げる。検査薬で調べた結果やはり陽性で、二人は今後について話し合う。サトミはナオキから子供を堕胎を迫られることを危惧していたが、ナオキは涙を流しサトミの妊娠を喜ぶ。二人は改めて、お互いの愛情を確かめ合った。

映画『恋の渦』の結末・ラスト(ネタバレ)

合コンの夜から、付き合っていることを隠し続けていたオサムとユウコだったが、ユウコがトモコに報告すると、オサムは機嫌を損ねる。理由を尋ねるユウコに向かって「お前がブスだから、付き合ってるなんて知れたらみんなにバカにされる」と告げてしまう。ユウコは激怒し家を飛び出す。自分の言動を反省したオサムはユウコに謝り、二人は仲直りする。

ユウタのもとを訪れるカオリ。実は彼女はユウタの元恋人だった。互いにまだ未練があることを確認し、復縁を迫るユウタだったが、カオリは「タカシにそのことを打ち明けてくれたらやり直してあげる」と告げる。

タカシに告げようとするユウタだったが、タカシの母が体調を崩し、急遽タカシは田舎へ戻ることに。これまで部屋に住まわせてくれたことを感謝するタカシに、ユウタは何も言い出せなかった。それでも復縁を迫るユウタだったが「約束は約束だから」とカオリは去って行く。

コウジのモラハラに耐えきれなくなったトモコは新しい恋人を作り、コウジのもとを訪れる。新たな恋人は実直なサラリーマンで、生活力の無いコウジは委縮し別れることを承諾してしまう。

サトミの妊娠が発覚してからも、悪びれる様子もなくナオキはカオリとの浮気関係を続ける。一方、カオリに去られたユウタは性欲を処理するためデリヘルを呼ぶ。そこに現れたのはサトミだった。

映画『恋の渦』の感想・評価・レビュー

ごくありふれた若者たちの日常の一コマ。誰でも経験したことのあるような宅飲みシチュエーションとその裏側が上手く浮き彫りになった映画。
一見仲良く楽しそうに過ごす人々の実際の心の描写が今どきっぽく、そのリアルさに引き込まれた。恋愛の駆け引きや男同士女同士の本音と建て前、交錯する男女関係。共感できる部分と、キャラクターそれぞれの屑っぷりのコントラストが分かりやすく、それぞれの立場から考えると背筋が寒くなるような場面がふんだんに盛り込まれているが、若干の伏線回収であるラストシーンは読めてしまった。ある種の衝撃をもたらす締め括りとしては良い仕上がりである。(女性 30代)


演劇畑の三浦大輔の脚本に、大根仁が監督を務めた意欲作。
とにかく登場人物全員がクズと思ってしまうほどゆがんでいる。しかし、そのうち「気持ちわかるよなぁ」と思ってしまうのは自分だけではないだろう。それほどキャラクターにウソがない。どれだけ隠していても本音がダダ漏れなのである。だからこそ、クズと思っても共感し、観入ってしまうのだ。それは緻密に計算された脚本のなせるワザである。
本音から逃げない、強気な大根&三浦作品をこれからも観たい。(男性 40代)


登場人物達が全員ゲスな性格をしており、終始若者達の悪乗りを見せられているような感覚だった。ここまでゲスしか集まらないと、いっそ清々しく感じる。あんまり登場人物達に感情移入はできなかったが、だからこそ客観的に映画として楽しめて良かったと思う。物語のラストは、ホラー映画並みにゾッとした。サトミがもっと最悪な状況に落ちていかないか心配になる。サトミの現状を知ったナオキがどのような行動を起こすのか、ちょっと気になった。(女性 30代)


「DQN」って最近聞かなくなりましたが、こういう作品を見ると懐かしいなあと昔を思い出してしまいます。自分自身はこの作品に出てくるキャラクターとは真逆の生き方をしていたので、彼らのように自由に自分らしく、好きなことをして生きているのは正直羨ましいと感じました。
嫌なことでも辛いことでもやらなければいけないし、それが当たり前なのは分かっていますが、自分の気持ちに素直に生きるのもたまには必要なのかなと思わせてくれる作品でした。(女性 30代)

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