映画『カンフーハッスル』の概要:圧倒的売り上げを記録したコメディアクション。とにかくくだらない、くだらないがそのくだらなさがクセになる。最強決定戦、ここに開幕。あなたは本当のカンフーを見たことがあるか。
映画『カンフーハッスル』の作品情報
上映時間:103分
ジャンル:アクション、コメディ
監督:チャウ・シンチー
キャスト:チャウ・シンチー、ユン・ワー、ユン・チウ、ドン・ジーホワ etc
映画『カンフーハッスル』の登場人物(キャスト)
- シン(チャウ・シンチー)
- かつて正義の心を持っていたが、いじめられた過去から悪の道に走るようになる。間が抜けていて、憎めない一面を持つ。
- 楊過(ユン・ワー)
- 小龍女の夫で、カンフーを極めた達人クラスの使い手の一人。
- 小龍女(ユン・チウ)
- 猪籠城塞の大家である一方、カンフーの達人という顔を持つ。
- 斧頭会組長(チャン・クォックワン)
- 誰もが恐れる斧頭会の組長。斧頭会を辱めた猪籠城塞に復讐を誓う。
- 火雲邪神(ブルース・リャン)
- 暗殺界において、No.1の実力を持つとされる中年男性。
映画『カンフーハッスル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『カンフーハッスル』のあらすじ【起】
1930年代の上海。当時の上海は、斧頭会という暴力団が覇権を握っており、日々恐ろしい事件を起こしては人々を恐れさせていた。一方、煩雑な街の一角に、猪籠城塞と呼ばれる集落があった。猪籠城塞に暮らす人々は貧しい者ばかりだったが、そこは活気に溢れる賑やかな場所だった。
しかし、ある日そんな猪籠城塞に斧頭会を名乗る二人の男性が現れる。そして、男達は斧頭会の名前を振りかざし、住民達を脅すのだった。しかし、普通警察ですら恐れるはずの斧頭会の名前を聞いても、猪籠城塞の住民は一切反応を示さないのだった。怒った男達は、住民に喧嘩を吹っかける。すると、なんと住民達は華麗な体術を用い、反対にその二人を撃退してしまったのだ。
先程までの威勢はどこへやら、なすすべもなく住人に打ち負かされる二人。実はこの二人は、斧頭会の名前を勝手に借りて悪さを働いている、ただのチンケなチンピラだったのだ。しかし、そこにたまたま本物の斧頭会が通りすがった。
映画『カンフーハッスル』のあらすじ【承】
チンピラ二人と住民の戦いは、偶然その通りすがりの斧頭会を巻き込んでしまう。そして、怒った斧頭会のメンバー達は、一斉に住民達に襲いかかる。子供に油をかけ、火をつけようとしたその時だった。猪籠城塞で暮らす、3人の男性が名乗り出た。そして、彼等は圧倒的な力でその場にいた斧頭会を倒してしまうのだった。実は彼等は、中国武術の使い手だったのだ。
こうして猪籠城塞には再び平和が訪れるが、黙ってやられる斧頭会ではなかった。彼等は2人の暗殺者に3人の抹殺を依頼する。一方、その頃冒頭で斧頭会を名乗っていたチンピラ、シンは、流れで本当に斧頭会に入ることとなる。
シンはかつてはカンフーに憧れ、正義の心を持った少年だった。彼は少年時代、謎の老人に声をかけられ「お前にはカンフーの素質がある」と、如来神掌という武術の教科書を売りつけられた経験があった。シンは日々真面目にその教科書を見ながら修行に励んだが、結局強くはなれず、真面目でいることに馬鹿らしさを感じ悪の道に走ったのであった。
映画『カンフーハッスル』のあらすじ【転】
そしてその夜、斧頭会に雇われた暗殺者2人は猪籠城塞に姿をあらわす。琴を用いる特殊な暗殺術に長けた2人は、容赦無く3人に襲いかかる。3人は善戦するものの、暗殺界でNo.2の腕を誇るというその刺客達にはなすすべもなく敗れ去ってしまう。
そして、いよいよ命が絶たれようとしたその時、一行の間に2人の人物が立ちはだかった。猪籠城塞の大家である小龍女とその夫、楊過だった。すると何と、彼等はその暗殺者など足元も及ばないほどの強さを見せつけ、刺客を撃退するのだった。実は2人は武術家の中でも最高峰、達人と呼ばれる程の使い手だったのだ。
2人に助けられた武術家だったが、刺客に負わされた傷は深く、最後に達人に会えたことを喜びながら息尽きるのだった。自分のナワバリ、そしてそこに暮らす人々に手を出された小龍女と楊過は、戦いに決着をつけるため斧頭会のアジトへと赴く決心をする。しかしその頃、斧頭会も2人を倒すべくある男を監獄から脱獄させていた。彼の名前は火雲邪神、No.1と称される武術家だった。
映画『カンフーハッスル』の結末・ラスト(ネタバレ)
火雲邪神は、自らの敵となりうる者がいないこの世界に退屈し、自ら監獄を選んだというとんでもない男だった。No.1の座を欲しいままにするその男に対して、小龍女と楊過は苦戦を強いられる。しかし、2人は傷つきながらも、何とか火雲邪神を追い詰めるのだった。しかし、そこで火雲邪神は汚い手を使い反対に2人を窮地に追いやる。
小龍女と楊過にとどめを刺すように命じられたのはシンだった。しかし、シンの心の中の正義がそれを許さず、シンは適うわけがないと分かりながら火雲邪神に攻撃を仕掛けるのだった。案の定シンの攻撃は効かず、反対に瀕死レベルの深手を負わされてしまう。しかし、その一瞬の隙に小龍女と楊過はシンを連れ猪籠城塞へと一時退散する。
そして、2人は信じられないことを目にするのだった。何と火雲邪神の攻撃を受けたことで、シンの眠っていた潜在能力が芽吹いたのだ。覚醒したシンは、既に失われたはずの如来神掌を駆使し火雲邪神を圧倒する。火雲邪神は再び姑息な手を使うが、それでも最強となったシンには敵わないのだった。そして、猪籠城塞には再び平和が訪れた。武闘家として最強になったシンだったが、相棒と共に小さなキャンディショップを開くのだった。
映画『カンフーハッスル』の感想・評価・レビュー
単なるチンピラが伝説的な武術家に成長する物語。
子供の頃に憧れていた強い武術家も、夢を打ち砕く現実に主人公が道を外してしまう。
だからと言って、大物にもなれず、日銭を弱者から脅し取る日々を送っていたが、立ち寄った貧民街で運命的な出会いを果たす。
しっかりとしたドラマにカンフー映画のアクション、そこにコミカルなギャグ、そして、なんと言っても派手なCGによる、まさに「ありえねぇ~!」演出が冴え渡ります。
主人公を演じて、監督と脚本まで務めたチャウ・シンチーが影響を受けたカンフー映画に対するオマージュも散見される愛に溢れる作品です。(男性 30代)
少林サッカーに続く、チャウシンチー監督兼主演のコメディカンフー映画である。チャウシンチー作品は、真面目な部分はしっかりと真面目な展開になっているのだが、その後の突拍子も無いCG技術の使い方との振り幅が大胆であり、単なるB級作品として収まらないような面白さがある。この作品を観て、何か心に残るものはあるかといったら、そういうわけではないのだが、だからこそ花火のような潔い面白さがあるといえる。(男性 30代)
くだらなすぎて序盤で突っ込むのも飽きるようなグチャグチャっぷり。ここまでくだらなさを詰め込むと逆にそういうジャンルがあるように思えてくる。当然最後までくだらない上にストーリーに深みもなく、CGの使い方も雑だ。確かにある種の爽快感は得られるかもしれないが、訳の分からなさの方が大きい。「CGでこんな雑な使い方もしちゃうんだ!」「こんな変な戦い方もさせるんだ!」「この人のバックストーリーと行動の動機はこんな薄っぺらいんだ!」とある意味感嘆しながら見れることだろう。と、皮肉たっぷりに語ってしまったが、私自身本当にそのように思いながら最後まで見てしまったのだから退屈はしないのかもしれない。(女性 20代)
チャウ・シンチー監督兼主演の今作。どうも既視感があるなと思っていたら『少林サッカー』も彼が監督兼主演を務めていました。共通するのは、とにかくくだらないけど「クセ」になるところ。雑なCGや大袈裟な演技が多用されていてなんだこれと笑ってしまいますが、メインの「カンフー」シーンは意外と繊細に作り込まれています。
チンピラがカンフーを極め「最強」の格闘家になるストーリーですが最強になるまでの道のりがとにかくハチャメチャ。それが面白いので私は好きですが、真面目な作品を期待している方にはおすすめ出来ません。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
記事をご覧いただきありがとうございます。
動画配信一覧のほう、更新致しました。
懐かしー映画だなーっと思ってもう一度見てみて最後のシーンが何かの伏線なのか気になっていろんな記事見てたらここに行きついた。無料で見れる配信一覧にNetflixが含まれてなくてビックリ!今僕が見てきたところはなんとNetflixなんだよねー、しかも無料期間。2019年11月現在。更新してもいいと思うけどねー。
名前からしていかにも女性うけしなさそうな作品である。
実際かなりのくだらなさを想像して当時劇場へ足を運んだ。
しかし少林サッカーが好きならまあまあ見られるのかな?くらいの気持ちで。
ところが見てみると格好良さとくだらなさが調度良い。確かにくだらないのだが、なんというかハリウッドには真似できない良い案配のチープさがとてと好感を持てる。
チャウ・シンチーもよく見ると2枚目なのに何故だか3枚目役に徹しているのもよい。
下手なCGの使い方もタイの映画を彷彿させるようでファンも多いだろう。
見終わると意外にも面白さが残る後味の良い作品。
香港映画は面白い。
フランス映画やイタリア映画も独特な雰囲気があり、小さな世界を描いているスケールの小ささがある。そこが魅力であり、ファンが多いところでもあるだろう。
香港映画もまた同じところがある。
香港からあまり出ず、どこかわざとスケールを広げない傾向があるのだ。
しかしこれが心地よい。
チャウ・シンチー映画はジャッキー映画のように本気のカンフーではなく、あくまでギャグやCG主体。
その緩さが彼の良さを全面に出し、結果人気作品へと押し上げている。
実はいつも本気の映画を観たいと思っている人は少なくて、心がほだされるような調度良い作品を待っている人が多いのかもしれない。
チャウ・シンチー映画は実は内容が深いものが多かったりする。
一見くだらない馬鹿馬鹿しさが売りのように見せながら過去に傷を持つ主人公だったりと、結末でストーリーが繋がる繊細さもある。
本作も裏切られたことがある少年が大人になり、無敵になるという誰もが子供の頃夢見る純粋な夢物語。
これが意外とほっこりさせられてしまうのだ。
最後には心癒される方向に持っていかれる、これがこの人たちセンスなのかもしれない。
全く期待していない分「やられた!」という感情が湧き出てくるのがチャウ・シンチー映画の特徴。
侮って見てると心持ってかれてしまうと痛感させられる。
この映画の見所の1つはキャスト。
主人公チャウ・シンチーはもとより、大家のカンフーマスター夫婦が凄い人たちなのだ。
ジャッキーチェンやサモハンと同じ京劇の劇団出身でアクションには定評がある。
本物を使ったからこそ香港らしさが浮き彫りになったギャグ映画が作れた。
この人たちの共演を見られただけで満足してしまう。