映画『L change the WorLd(デスノート)』の概要:Lとキラの激しい戦いが幕を閉じて23日、デスノートに自らの名前を書いたLの死は決定していた。しかし、名探偵であるLにはまだ解決すべき事件が残っていた。そんな中、日本にはとある危機が迫っていた。Lの最期の事件を見逃すな。
映画『L change the WorLd(デスノート)』の作品情報
上映時間:128分
ジャンル:サスペンス
監督:中田秀夫
キャスト:松山ケンイチ、工藤夕貴、福田麻由子、南原清隆 etc
映画『L change the WorLd(デスノート)』の登場人物(キャスト)
- L(松山ケンイチ)
- 数多くの難事件を解決してきた名探偵。キラとの勝負を制したが、デスノートに名前を書き込んだため、23日後に死ぬことが決まっている。
- 久條希美子(工藤夕貴)
- Lの部下でありながら、増えすぎた人類を減らそうと強力なウイルスを開発した女性。
- 二階堂真希(福田麻由子)
- 公彦の娘。父の遺言に従いLを頼る。実は、ワクチン開発の鍵となる少女でもある。
- 二階堂公彦(鶴見辰吾)
- 新種ウイルスの研究に没頭し、そのワクチンを開発した人物。ワクチンを守るため自ら命を絶つ。
- 的場大介(高嶋政伸)
- ブルーシップという環境保護団体に所属する男性。ウイルスを使って一儲けしようと企んでいる。
映画『L change the WorLd(デスノート)』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『L change the WorLd(デスノート)』のあらすじ【起】
Lは、歴史に名を残す名探偵である。そんなLは、歴史的犯罪者であるキラと長年にわたる勝負の末、とうとうその正体を暴いてみせた。しかし、その代償として、Lはデスノートに自らの名前を書き込むことになるのだった。
デスノートとは、名前を書かれた者を必ず死に陥れるという恐ろしい死神の道具である。デスノートに名前を書き込まれたLは、23日後、心不全にて穏やかな死を迎えることが決定づけられていた。しかし、世界最高峰の探偵であるLには、まだまだやるべきことがあった。そして、Lは残された時間を使い、未解決の難事件を次々と解決していくのだった。
一方、その頃日本には密かに危機が迫っていた。新種のウイルスが日本に持ち込まれたのである。そのウイルスの調査を進めていたアジア感染症センターの二階堂は、そのウイルスが日本を破壊し得る恐ろしいものであることを突き止める。なんと、そのウイルスはあのエボラの約100倍もの感染力を誇り、さらに、ワクチンを作ろうにもウイルス自体が急激に進化しており、ワクチンも作ることができないのだった。
映画『L change the WorLd(デスノート)』のあらすじ【承】
しかし、実はそれは表向きの言い分だった。実は二階堂は、既にワクチンを作り上げていたのだった。では、なぜ二階堂はそのことを公表しないのか。実は、二階堂にはワクチンを日本に持ち込んだ犯人に心当たりがあったのだ。それは、『ブルーシップ』という環境保護団体だった。
二階堂の部下である九條希実子は、環境を守るため、増えすぎた人類を減らそうと考えたのである。実は、希実子はLの部下でもあり非常に高い知能を持っていた。そして、その知能を元に、彼女はこの恐怖のウイルスを作り上げたのだった。ブルーシップは、そのウイルスを使って大金を手に入れようとしていた。
そんな彼らの思惑を知った二階堂は、彼らの手にワクチンが渡らないようにしていたのだ。そして、二階堂は自分の娘である真希に、一つのSDカードを託し、これをとある人物に渡すよう伝えるのだった。その人物とは、Lの右腕であるワタリである。しかし、ワタリはキラとの戦いの途中命を落としている。一方、希実子は二階堂がワクチンを完成させたことに薄々気がつき始めていた。そして、希実子は二階堂の元へと向かうが、二階堂は頑なに口を割らず、そして、自ら死を選ぶのだった。
映画『L change the WorLd(デスノート)』のあらすじ【転】
ワタリを探していた真希は、とうとうLの元へとたどり着く。しかし、ワクチンが入っていると思われたそのSDカードには、例のウイルスのデータが入っているだけだった。二階堂はワクチンそのものを渡すよりも、データを誰か、ワクチンを開発できるであろう人物に託す方が安全だと判断したのである。
しかし、希実子は真希がワクチンを持っていると思い込んでいる。そして、希実子はワクチンを手に入れるためLのアジトに乗り込んでくるのだった。希実子は真希にとって、父を死に追いやった憎き相手でもある。そして、なんと真希は希実子に復習を果たすため、自らの身体にそのウイルスを打ち込んだのである。
しかし、なぜか真希はウイルスに感染しなかった。彼らはLの機転もあり、なんとかその場から逃げ出した。なぜ、真希はウイルスに感染しなかったのか。実は真希は昔から低血糖病に苦しんでいた。そして、このウイルスは糖をエネルギーにして繁殖していたのだ。そして、Lはウイルス学の権威である松戸浩一という人物に、ワクチンの作成を依頼するのだった。
映画『L change the WorLd(デスノート)』の結末・ラスト(ネタバレ)
しかし、真希が希実子によって拉致されてしまう。ちょうどその時、松戸がワクチンを完成させた。Lはそのワクチンを手に、真希の救出に向かうのだった。その頃、希実子はウイルスが蔓延するであろう日本から去り、アメリカへ向かおうとしていた。そもそもの希実子の目的は人口を減らすことであるため、最悪ワクチンがなくてもいいのである。
しかし、その時だった。共に連れて来ていた真希が発症した。彼女の低血糖病はウイルスの発症を遅らせてはいたものの、完全に消滅させていたわけではなかったのである。真希を感染源に、機内にたちまちウイルスが蔓延する。その中で、ウイルスを元に一儲けしようとしていたブルーシップの的場は命を落とした。
そこに乗り込んできたのがLだった。Lは持ってきたワクチンを次々と乗客に打ち、彼らを救うのだった。そして、Lは希実子と対峙した。Lは希実子に自らがあと2日で死ぬことを告げる。そして、彼女に生きるように告げるのだった。希実子はLの言葉に涙を流し、自らの行動を反省するのだった。
映画『L change the WorLd(デスノート)』の感想・評価・レビュー
デスノートの映画版完全オリジナル作品であり、Lをメインにしたスピンオフである。デスノートといえば、恐ろしい程狡猾な腹の探り合いが真骨頂だと思うのだが、この作品はそういう意味では少し方向性が違うので、デスノートらしさというものは期待してみない方が賢明だろう。しかし、Lという人間の不思議な魅力が楽しめるので、L好きであれば、
これ以上無い作品ではないだろうか。飄々としており、かつ、実は情熱的な部分もあるLの姿を楽しんで欲しい。(男性 30代)
この映画は「デスノート」のスピンオフ作品であるが、まったくの別物である。Lという頭脳明晰でとても独特な主人公が、だんだんと人間らしさを持っていくという、「デスノート」の続編などではなく独立した一つの作品である。
この作品はキラとの死闘の末、Lが死ぬまでの23日間を描いた話だが、だんだんと人間らしくなっていくLを見ると、死ぬことがわかっているが故に切なく寂しい思いになる。
一つの作品としてきちんと完成されているので、「デスノート」を観ていない人でも楽しめる作品だと感じた。(男性 20代)
デスノートのスピンオフにあたる本作品は、デスノートとは全く別物と思って鑑賞すると楽しめる作品でした。
印象に残ったのは、地球環境を蝕む人類の人口を減らすことが先決と考えたKがウィルスを使って人類を粛清しようとする設定です。いろんな映画で人類は地球を滅ぼす悪の存在って出てくるのだけれど、そう言っている本人はどう言う扱いなのだろうって感じてしまいます。全体的に人類を負の存在と捉えている印象を受ける本作品の中で、Lが前向きな姿勢を見せているのが救いと感じました。(男性 40代)
漫画を実写映画化するとキャラクターと俳優のイメージが合わないことがよくあるが、松山ケンイチさんはLのイメージにピッタリと合っていたと思う。演技力の高い俳優というのはこういう人のことを言うのだろうなと思った。
自分自身の余命を知りながら事件解決に邁進するLが、切なく感じつつも純粋にカッコ良いなと思った。Lのことがさらに好きになるような物語だった。ファンの人は特に視聴をお勧めしたいなと思う。(女性 30代)
好きな漫画の一つである『デスノート』。漫画版は「漫画」でありながら、ものすごく字数が多いので読むのに時間がかかりますが、頭で考えながら読めるのが本当に好きでした。
それを映画化し、大ヒットした藤原竜也主演の『デスノート』前編、後編共に大満足の作品でした。今作は、その『デスノート』のスピンオフ作品という事ですが、全くの別物として考えた方が良さそうです。
物語の主人公は松山ケンイチ演じる「L」。彼の独特な雰囲気が、ストーリーに含みを持たせていて最後まで飽きずに見ることが出来ました。(女性 30代)
キラ逮捕のため、自らの名前をデスノートに記したLの、最期の23日間を描いた作品。デスノートのスピンオフ作品ということで、前作のような頭脳戦を期待していたが、そこはイメージと異なりました。
前作ではずっと室内のシーンだったLが外へ出て、人を訪ねたり、子どもを連れて走ったりと、新しい顔がたくさん見られて、Lのキャラクターをたっぷり楽しめます。
前作から一貫して、事件の解決や多くの人の命を優先し、迷わず自分を犠牲にする選択をとれるLの信念が今作でも感じられ、かっこよかったです。(女性 20代)
みんなの感想・レビュー
前・後編と続けて公開され大ヒットした映画「デスノート」の、もうひとりの天才であるLを主人公にし、残り23日を生きる彼の最後の事件を描いた作品。
人気漫画が原作の「デスノート」とは違い、オリジナルスピンオフ作品として製作されていて、中田秀夫監督がメガホンを取った。
作品としては独立したストーリーなので、「デスノート」を見ていなくても理解しやすいし、見ていれば二度美味しいといったものになっている。
背筋を正したLは違和感があるが、すぐに元に戻ってしまう姿には笑いが止まらないし、走って飛行機に飛び乗るシーンには拍手をしたくなる。
だが原作漫画とは全く違っていて、Lの後を引き継ぐ形で登場する「ニア」というキャラクターが、本作では生き残りの少年BOYがLに「ニア」という名前を与えられるので、違和感を覚える可能性もあるだろう。
①小ネタ満載のスピンオフ作品
大ヒットした「デスノート」の天才探偵役・Lを主人公にしたスピンオフ作品で、最後の23日間に人間として大きな成長を遂げるという設定。
またLが育った施設“ワイミーズハウス”の「F」、「K」といったキャラクターも登場し、原作ではLの意思を継ぐ探偵として登場する「ニア」だが、今作では終盤にワイミーズハウスに預けられたBOYがLの提案で「ニア」という名前を与えられる設定になっている。
回想シーンで夜神月が登場したり、キラ事件へ向かう直前のLの様子やFBI捜査官のナオミとレイのやり取り、ワタリが亡くなる場面とミサの様子、デスノートを燃やすシーンでは死神リュ―クが登場するなど、スピンオフだからこその場面も描かれている。
本編で使いたかったという「チェックメイト」という台詞や、月が食べていたポテトチップを部屋に置いておくといった小ネタもある。
しかし“死神”というフレーズにこだわりすぎていて、「人間が作り出した死神」という言い回しよりも単刀直入に“ウィルス”と言えばわかりやすいシーンが多い。
②なじみやすい設定だがグロテスクなシーンは見る側を選ぶ
天才と天才が頭脳戦を繰り広げるのではなく、それぞれの分野に秀でた人間が協力して何かを成し遂げるという設定のストーリーは感情移入しやすく、自分目線で作品を追っていける。
Lの背筋が伸びる瞬間にボキボキという効果音を鳴らしたり、それを見た真希とBOYが拍手をして歓声を上げたり、お菓子ばかり食べていては体によくない、と真希にしかられるシーンには共感を覚える。
感染力の高いウィルスという事で、グロテスクなシーンが多めに入っている。
目から血を流す久条などはゾッとするし、自らウィルスを注射した後に感電死を選ぶ二階堂教授の姿も残酷。
序盤の村ひとつ丸ごと、血塗れの患者であふれかえるという異様な光景にも驚きを隠せない。
抗ウィルス薬が完成しては復讐できないと考えた真希が、怒りに任せて単身で久条に向かっていく姿は、感情を押さえ込んだり偽ったりするキャラクターが多い「デスノート」や本作の中では最も自然なキャラクター。
Lの最期も過度な演出がされておらず、すんなりと受け入れられるものになっている。
デスノートファンには酷評で、すごくがっかりしています。私は、すごく良い映画だと思うのですが。
確かに、この映画は、デスノートと違って、ストーリーの展開に期待したり、ドキドキハラハラを楽しむような映画ではないかもしれません。しかし、感動や切なさという面で、この映画は一番心に響きました。
よくあるようなお涙頂戴感満載の映画とは違って、ほろりと自然に泣ける映画だと思います。多分、演出がくどくなくてあっさりとしているからだと思います。愛情を長い台詞で表現するのではなく、ちょっとした仕草で伝えています。例えば、お父さんの死のあと、泣いている女の子に、エルがお菓子を差し出すシーンがあります。あれは、普段、人間味のないエルなりの不器用な優しさなのだと感じられました。こういった、ちょっとした場面で、子供たちとエルとの距離が少しずつ縮まっていく様子がとても丁寧に描かれてました。また、愛情関係を、エルと子供たちの一つに的を絞っているため、とても感情移入しやすかったです。
この映画は、見た後に、本当に切なくなります。私は、感動的な映画を見てもあまり感情移入でず泣けないタイプなのですが、この映画だけはすごく感情移入できました。本当に、心に残る映画です。