この記事では、映画『レッド・グラビティ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『レッド・グラビティ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『レッド・グラビティ』の作品情報
出典:https://video.unext.jp/title/SID0073206
製作年 | 2020年 |
---|---|
上映時間 | 86分 |
ジャンル | アドベンチャー SF |
監督 | ロマン・キロット |
キャスト | ヒューゴ・ベッカー ジャン・レノ ポール・アミー リヤ・ウサディ=リセ |
製作国 | フランス |
映画『レッド・グラビティ』の登場人物(キャスト)
- ポール・W・R(幼少期:ダリウス・ギャリビアー / 大人:ヒューゴ・ベッカー)
- 宇宙飛行士。エリオットの弟。子供の頃雷に打たれたことで、特殊な体質になった。父から渡されたペン型の注射器を毎日打っている。オーロラ計画のシミュレーターで、赤い月の磁場を抜けることができた唯一の人物。人類の救世主ともよばれる。
- エリオット・W・R(幼少期:ジーン・バプティスト・ブラン / 大人:ポール・アミ)
- ポールの兄。幼い頃から兄弟仲は良好だったが、その反面弟に対して強いコンプレックスを持っている。
- アンリ・W・R(ジャン・レノ)
- エリオットとポールの父。最愛の妻を亡くした悲しい過去を持つ。赤い月のエネルギーを利用して、病気の妻を治療しようと試みた男。
- エルマ(リヤ・ウッサディ=レッセル)
- 個性的な少女。荒野にあるトレーラーハウスに住んでいる。母を亡くし、アルコール中毒者の父親と共同で店を経営している。少し生意気だが、頭の回転が速く賢い。
映画『レッド・グラビティ』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『レッド・グラビティ』のあらすじ【起】
ポールは子供の頃、度々未来の夢を見た。地球の資源が枯渇し、空には見たことのない赤い月が現れる。人類は赤い月の光をエネルギー源として活用。しかし赤い月は突然軌道を変え、地球に向けて突進を始める。唯一赤い月を壊せるといわれた宇宙飛行士は、打ち上げ直前に消えた。そんな夢だ。
2050年、地球は1000日間も雨が降らない状態が続いていた。車は宙に浮き文明は進化しているが、街は退廃し貧しい人々で溢れている。ポールが幼い頃に見た夢と同じく、随分前に赤い月が現れた。そして最近になって突然軌道を変え、地球に接近しているのだ。赤い月は、あと7日で地球に衝突する。
ポールは古道具屋で車を買い、街から離れた。あらゆる所に偵察ドローンが飛び回り、若き宇宙飛行士ポール・W・Rを捜している。地球人が生き残るには、彼が必要なのだ。
ポールはまだ幼かった頃の兄エリオットの言葉を思い出す。兄は「真実は森の中にある。怖がらないで恐れに打ち勝つんだ」と言った。宇宙飛行士ポールは、赤い月を爆破する予定だった。しかし何かを恐れ、逃げてしまったのだ。
映画『レッド・グラビティ』を無料視聴できる動画配信サービスと方法については、以下の記事をご覧ください。

映画『レッド・グラビティ』のあらすじ【承】
ポールは荒野の中延々と車を走らせていた。車のバッテリーが切れ仕方なく車を押していると、小さな店を見つける。
店内に入ると、少女エルマが店番をしていた。バッテリーが届くまでに3日かかる、エルマはそう言った。店内のテレビでは、宇宙船で赤い月の磁場を通り抜ける「オーロラ計画」の実況中継をしている。宇宙船は30分前に打ち上げられており、飛行士としてポールの代わりに兄が乗っていた。磁場に入ると兄は、救助を求め苦しむ。そして通信は途絶えた。がっくりと肩を落とすポールを見て、エルマは彼にスマイルマークの缶バッチをあげる。
エルマはこの店を、アルコール依存症の父と共同で経営している。エルマは、救世主の宇宙飛行士がついさっき会った男だと気づき、通報した。
兄エリオットの脱出ポッドが発見された。重傷を負っていた兄だが無事回復し、ポールを捜そうと決意する。
ポールの居場所を知った兄は、エルマの店を訪ねた。店番をしていたエルマの父は、兄から心を読まれる。帰還後、兄には奇妙な力が備わっていた。妻や子を虐待してきたエルマの父は、自責の念に駆られ銃で自殺する。それ見たエルマは悲鳴を上げた。
映画『レッド・グラビティ』のあらすじ【転】
ポールは兄が乗ってきた車を見つけ、エルマを乗せ出発する。兄が自分を追っているとは思っていなかった。
ポールたち2人は町へ着いた。ポールは町で傭兵に見つかるが、エルマによって助けられる。車に戻ったエルマは動揺し、少し泣いた。2人は再び車で1本道を走る。ポールは、エルマに少し気を許すようになった。
ポールがまだ子供の頃、父は赤い月で資源の採掘を始めた。ポールにはそれが過ちだと分かり、父にそのことを話す。父はポールにペン型の注射器を渡し、毎日服用させた。以来ポールは、子供の頃の記憶が曖昧である。
手掛かりは、子供の頃描いた森の絵だった。その森へ行けば、赤い月の考えが分かるかも知れない。そう思ったポールは、森を目指して車を走らせた。しかし出発後偵察ドローンから探知され、すぐに兄が追ってくる。ポールは、砂嵐に襲われながら追跡ドローンを爆破した。兄はポールを見失う。
エルマとポールは誰もいない古びた映画館を見つけ、中に入った。
映画『レッド・グラビティ』の結末・ラスト(ネタバレ)
映画館のスクリーンには、以前地球上に存在した動植物の映像が延々と映し出されている。「雨を見たことある?」エルマはポールに訊ねた。スクリーンにはポールが描いた森とそっくりな景色が映し出され、ポールは愕然とする。その森はもう存在しないのだ。
傭兵を引き連れた兄が追ってきて、エルマは腹部を撃たれた。ポールはエルマを車に乗せ逃げるが、それを追う兄の車と衝突してしまう。車から降りたポールは、兄を射殺した。
負傷したエルマを横たわらせ、ポールは砂漠の中を歩く。そして母親の墓を見つけた。そこで彼は自身の予知夢を描いた分厚い手帳を発見し、眺める。
記憶が蘇り、ポールは赤い月へ向かう決意をした。エルマは救急隊に運ばれ、ポールは宇宙船に乗り込む。ポール赤い月を爆破せず、少し離れた場所で宇宙船を自爆させた。赤い月の軌道が変わり、地球から離れていく。父はハッとした。体調が回復したエルマは、砂漠でこの様子を眺めていた。涙を流すエルマ。ポケットにはあの手帳が入っており、そこにはエルマとの思い出も、少年ポールの予知夢として描かれている。地球に雨が降り、エルマは赤い傘を差した。
映画『レッド・グラビティ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
近未来の荒廃した地球を舞台にした本作は、独特のビジュアルと雰囲気が印象的でした。特に、浮遊する車や赤い月の描写は、低予算ながらも創意工夫が感じられました。しかし、ストーリー展開やキャラクターの動機が曖昧で、観客を引き込む力に欠けていたように思います。ジャン・レノの出演も期待していましたが、彼のキャラクターが物語に深く関与していない点が残念でした。全体的に、ビジュアル面では評価できるものの、物語性においては物足りなさを感じました。(20代 男性)
視覚的な美しさと独自の世界観に魅了されました。赤い月の描写は幻想的で、荒廃した未来の地球という舞台にもリアリティがありました。ただ、物語のテンポが悪く、後半は展開についていけず混乱しました。エルマとポールの関係性も唐突で、感情移入が難しかったです。ジャン・レノの存在感は際立っていましたが、もっと活かしてほしかった。映像美重視のSFとしては一見の価値ありです。(30代 女性)
オリジナリティのあるビジュアルと音楽が素晴らしく、序盤は非常に引き込まれました。だが、肝心のストーリーが尻すぼみで、終盤の展開はやや強引だったように感じました。特に、赤い月に立ち向かう決断や装置の使用の背景が薄く、納得感に欠けます。それでも監督のビジュアルセンスには脱帽。今後の作品にも注目したいと思います。(40代 男性)
終末SFとしての設定は面白かったのに、ストーリーの構成が散漫で惜しい印象。キャラクターの背景があまり語られず、感情移入できないまま物語が進んでしまいました。映像と音楽は印象的だっただけに、脚本にもう少し工夫があれば傑作になったかもしれません。ジャン・レノの演技は安定感がありましたが、活躍の場が限られていたのが残念です。(50代 女性)
映像面は本当に素晴らしく、特に赤い月に引き寄せられるシーンは映画ならではの迫力がありました。ただ、脚本が粗く、特に登場人物の行動に一貫性がなくて、観ていて引っかかる場面が多かったです。感情的な盛り上がりも薄く、終盤の展開も唐突。映像美に重きを置いたSF作品として楽しめる方にはおすすめできます。(60代 男性)
映画館で観たとき、映像のインパクトに圧倒されました。フランス映画らしい芸術的なカメラワークも魅力でしたが、ストーリーは正直難解で、説明不足な印象を受けました。特にエネルギー装置の役割や、エルマの心情の変化が描き切れていなかったのが残念です。ジャン・レノの貫禄はさすがでした。(70代 女性)
原題の「LE DERNIER VOYAGE」にふさわしく、“最後の旅”というテーマはしっかりと伝わってきました。個人的にはビジュアルや音響に力を入れている点が高評価です。ただ、物語の核心となる部分にもう少し説得力が欲しかった。ビジュアルに対してストーリーが負けてしまっていたように感じます。(80代 男性)
終末感漂う演出や、赤一色に染まる空など、世界観の作り込みは本当に素晴らしかったです。CGではなく実写とミニチュアを組み合わせたような映像が逆にリアルさを生んでいました。ただ、肝心の登場人物たちのドラマが浅く、共感しづらかったです。ジャン・レノをもっと活かせていれば…という思いが残ります。(20代 女性)
舞台設定や美術、音響に関してはとても完成度が高かったです。特に赤い惑星の演出が印象的で、終始不気味な緊張感を持って観ることができました。ただ、その分ストーリーや登場人物に対する描写が弱く、もう一歩深みが欲しかったです。映像に心奪われるタイプの観客にはおすすめできる作品です。(40代 女性)
最近のSF映画の中でも、特にビジュアルに力を入れた作品だったと思います。赤い惑星が地球に近づいてくるビジュアルは、恐怖感と同時に美しさを感じさせました。しかし、主人公の行動の動機づけや終盤の展開が薄く、ややご都合主義に感じた部分もありました。雰囲気重視の映画として割り切れば楽しめるかもしれません。(30代 男性)
映画『レッド・グラビティ』を見た人におすすめの映画5選
マッドマックス 怒りのデス・ロード
この映画を一言で表すと?
極限の砂漠で繰り広げられる、息もつかせぬアクションと美学の極地。
どんな話?
荒廃した未来、資源を奪い合う人々の中で、独裁者の元から逃げる女性たちと、それを助ける男マックスの壮絶な脱出劇が展開される。緻密な世界観と圧巻のカーチェイスで、観る者を一瞬たりとも飽きさせない傑作。
ここがおすすめ!
実際にスタントで撮影された爆発やアクションが迫力満点。映像美と緊張感のある音楽、そして女性たちの強さが際立つ物語に圧倒されるはず。『レッド・グラビティ』に魅了された人には、このビジュアルとスピード感が刺さります。
ザ・ローバー ~奪還者~
この映画を一言で表すと?
無法地帯と化した未来で、孤独な男が繰り広げる静かなる復讐劇。
どんな話?
文明崩壊後のオーストラリアを舞台に、盗まれた車を取り戻すために無口な男と頼りない青年が旅を続ける。少ないセリフの中で描かれる緊張感と、荒涼とした風景が深く胸に残るディストピアドラマ。
ここがおすすめ!
演技派俳優ガイ・ピアースとロバート・パティンソンが織りなす無骨な演技が光る。余白のある演出が観る者の想像力を刺激し、『レッド・グラビティ』のような荒廃した未来と静かな怒りの描写を求める人にぴったり。
メッセージ(Arrival)
この映画を一言で表すと?
宇宙からの“訪問者”との対話を通じて、言語と時間の概念を揺さぶる知的SF。
どんな話?
突然現れた巨大な宇宙船。その謎を解くために言語学者が派遣され、異星人との意思疎通を試みる。コミュニケーションという普遍的テーマを軸に、やがて物語は時間を超える深い感動へと至る。
ここがおすすめ!
視覚と音響による演出が非常に美しく、静かながら圧倒的なスケール感がある作品。『レッド・グラビティ』のように、科学と人間の感情が絡み合うSF作品を好む方に強くおすすめできます。
コスモポリス
この映画を一言で表すと?
閉鎖空間で進む、終末都市の冷ややかな狂気。
どんな話?
超富裕層の青年が、自家用リムジンでNYの中心を横断する中、崩壊しつつある社会や自身の内面と向き合っていく。時間と空間がゆっくりと壊れていくような、哲学的なSFドラマ。
ここがおすすめ!
『レッド・グラビティ』と同様、近未来の閉塞感や人間の孤独を描いた作品。会話劇ながら緊張感があり、映像・音楽・間の使い方が秀逸。視覚と感情で“終末”を感じたい人におすすめです。
オブリビオン
この映画を一言で表すと?
美しい荒野に隠された、記憶と真実のサスペンスSF。
どんな話?
地球が壊滅した後、人類のために監視活動を行う男が、自らの過去と地球の真実に向き合うことになる。壮大なスケールの中で語られる、アイデンティティと選択の物語。
ここがおすすめ!
壮大な映像美、謎が少しずつ明かされていく脚本構成、そして孤独な男の旅。『レッド・グラビティ』のように、ビジュアルと世界観に惹かれた方には、オブリビオンの深いドラマ性も響くはずです。
みんなの感想・レビュー