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映画『ロスト・ボディ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ロスト・ボディ』の概要:スペイン発の本格派サスペンス。死体安置所から資産家女性の死体が忽然と消えた。警察は彼女の夫が殺人を隠蔽するために持ち出したとみるが、夫は妻が生き返り自分に仕返しをしているのだと訴えた。

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映画『ロスト・ボディ』の作品情報

ロスト・ボディ

製作年:2012年
上映時間:111分
ジャンル:サスペンス
監督:オリオル・パウロ
キャスト:ホセ・コロナド、ウーゴ・シルバ、ベレン・ルエダ、アウラ・ガリード etc

映画『ロスト・ボディ』の登場人物(キャスト)

ハイメ・ペーニャ警部(ホセ・コロナド)
安置所から資産家女性の死体が消えた事件を調べる警部。アレックスが疑わしいと感じ、彼を尋問する。10年前に交通事故で妻を亡くしており、心の傷は今も癒えないでいる。
アレックス・ウジョア(ウーゴ・シルバ)
資産家マイカの年下の夫。妻が経営する製薬会社の社長であり、大学教授でもある。妻に操られる日々にストレスを感じ、愛人のカルラと一緒になるため、妻を心臓発作に見せかけて殺す計画を立てる。
マイカ・ビジャベルド(ベレン・ルエダ)
アレックスの年上の妻。親から膨大な資産を受け継ぎ、いくつもの会社を経営している。そのうちの一つ製薬会社は夫を社長にした。夫は自分のコントロール下にあるとし、常に高飛車な態度を取っていた。
カルラ・ミラー(アウラ・ガリード)
アレックスの愛人。彼が教授を務める大学の学生で、2人は師弟関係から互いに惹かれ合うようになる。奥さんと離婚しないのなら別れると涙ながらに訴えたことで、アレックスは妻の殺人を決行する。

映画『ロスト・ボディ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ロスト・ボディ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ロスト・ボディ』のあらすじ【起】

ある夜。法医学研究施設の警備員が何かを見て逃走し、車にはねられて意識不明になる事故が発生。ちょうどその頃、その研究施設の死体安置所で1体の死体が消えた。それは心臓発作で死亡した、製薬会社の社長夫人のマイカ・ビジャベルドの死体だった。

夫のアレックスは妻の死で塞ぎ込んでいるように見せかけ、実は愛人カルラの部屋を訪れていた。彼女の部屋で水割りを飲み、リラックスする彼だったが、警察から妻の死体が消えたとの連絡が入ると激しく動揺する。なぜなら妻に毒を盛って殺したのは彼だったからだ。

警察はマイカが強硬症で一時的な仮死状態となり、生き返ったとも考えた。しかし、ペーニャ警部はアレックスが殺人を隠滅するために、死体を持ち去ったという可能性を一番に疑った。安置所にやって来たアレックスは、マイカの所持品を探り、小さな瓶を発見して驚愕した。それは今朝、妻を殺害する際に使用した毒の小瓶だったのだ。そんな瓶がなぜ彼女の所持品としてここにあるのか。訳が分からず、彼は咄嗟に瓶をポケットにしまい込んだ。警部が彼のポケットから瓶を見つけると、彼への疑惑を強めていった。

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映画『ロスト・ボディ』のあらすじ【承】

アレックスはトイレに行くフリをしてカルラに電話をし、殺人計画が妻にバレていたのではと不安を漏らした。するとトイレの窓の近くに、「目覚めたらいつも一緒」と書かれた手紙を発見する。それは以前に彼とカルラが、密かにメールで交わした愛の言葉だった。彼はこのメールを盗み読んだ妻が、今自分に仕返しをしていると考えた。手紙を破って便器に捨てるアレックスだったが、水は停電で流れなかった。

その時、トイレの外で待っていた刑事が踏み込もうとしたため、アレックスは便器に捨てた手紙を取り出すと、無我夢中で口に含んで飲み込んだ。平然とした顔でトイレから出た彼は、刑事に連れられてメンテンス室へ行った。

刑事は入室の際の暗証番号が、犯人によって変更されていると言った。アレックスはその番号を見て驚愕する。それは彼とカルラが初めて出会った日付で、彼の研究室と同じ暗証番号であったのだ。彼はマイカが自分を追い込むために、あの手この手で罠を仕掛けているのだと確信する。さらに失踪現場にアレックスのタバコと同じ銘柄の吸い殻も発見され、彼は完全に容疑者となった。

映画『ロスト・ボディ』のあらすじ【転】

アレックスはマイカの仕返しに怯えていると、安置室から携帯電話の着メロが聞こえてきた。死体袋を開けて電話を取ると、相手はアラベスクという店の店員で、マイカが置き忘れた携帯電話からかけているのだと言った。

アラベスクはつい2週間前に2人で訪れた店。そこでマイカは結婚の財産分与について見直したいと打ち明けてアレックスを驚かせたが、それは彼女のいつもの悪質な冗談だった。しかしそのジョークを真に受けた彼は、彼女が自分に不利な条件に書き換える前に、殺人を決行しようと考えたのだった。

ペーニャ警部は交通事故で悲惨な死を遂げた妻のことを思い出した後、アレックスの尋問を始めた。アレックスはマイカとの最初の出会いを話すと、「僕は彼女を愛していた」と冷静に語った。警部は彼が過去形を使ったことで不信感を抱き、彼の嘘を見破った。

全てマイカの罠だと確信したアレックスは、次はカルラが狙われると心配して、隠れて電話をかけた。すると電話の向こうで彼女が車に轢かれるような音が聞こえ、愕然とするのだった。

映画『ロスト・ボディ』の結末・ラスト(ネタバレ)

アレックスは8か月前にカルラと出会い、妻と離婚することを求められたため殺人計画を立てたと警部に話した。使ったのは証拠が残らない毒薬で、飲むと8時間後に心臓発作になるというもの。しかしマイカは生きており、これは彼女の策略だと反論するアレックスだったが、容疑者として警察署に移送されることとなった。

その時、森でマイカの死体が発見されたとの一報が入る。アレックスは森に連行され、死体がマイカであることを確認。すると警部は彼に対し、カルラという女性は実在せず、妻を殺すためにお前が都合よく作り出した女なのだ、強く追及した。

ペーニャは逃げ出すアレックスに追いつくと、唐突に10年前に交通事故で死んだ妻の話を始めた。彼の妻は当て逃げ事故で殺され、犯人は救急車を呼ばずに去ったのだという。するとペーニャは「娘が犯人を見ていたのだよ」と言い、ある女性の顔写真をアレックスに見せる。それはカルラだった。

大人になったカルラは、アレックスを見つけると犯人だと確信して彼に近づいたのだ。母の復讐のために、不本意ながら愛人を演じ続けたカルラは、アレックスにマイカを殺させるところまで成功させる。そして今回の死体失踪事件は、父のペーニャ警部も加わっての犯行であった。

真相を知ったアレックスは、意識が朦朧となり倒れた。それは8時間前に、カルラの部屋で飲んだ水割りの毒が効き始める時間…。警部はアレックスの心臓が止まるタイミングに合わせて、「時間だ」と彼を見下ろすのだった。

映画『ロスト・ボディ』の感想・評価・レビュー

スペイン発のサルペンス映画で、随所に散りばめられた伏線を見落とさないように目を凝らして見ていたが、まさかの展開でラストは実に気持ちよく騙されてしまった。思わず見直したくなるのは必至で、2度目は伏線に納得しながら楽しむことができた。真犯人が誰だか最後まで分からず、誰もがそう見えるというミスリードの手法は見事で、オリオル・パウロ監督の他の作品も見てみたいと思わせてくれる作品だった。(MIHOシネマ編集部)

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