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映画『ロスト・リバー』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ロスト・リバー』の概要:映画マニアである俳優ライアン・ゴズリングが初監督を務めた一作。不況の影響で、人々が去っていき廃れた町。耐えがたい現実から抜け出したい一心で、貯水池の底に沈んだ街の呪いが原因だという噂を辿る少年の行動を追う。

映画『ロスト・リバー』の作品情報

ロスト・リバー

製作年:2014年
上映時間:95分
ジャンル:SF、ファンタジー、サスペンス
監督:ライアン・ゴズリング
キャスト:クリスティナ・ヘンドリックス、シアーシャ・ローナン、イアン・デ・カーステッカー、マット・スミス etc

映画『ロスト・リバー』の登場人物(キャスト)

ボーンズ(イアン・デ・カーステッカー)
経済的に追い込まれ、母と弟を糧に生きている少年。鉄くずを廃墟から盗み生計を立てていたが、町を支配する少年に目を付けられてしまう。
ラット(シアーシャ・ローナン)
ボーンズの近所に祖母と住んでいる。祖父の死後、生きた屍のようになってしまった祖母を守りながら、町の呪いを解けば現実は変わるのではないかと淡い期待をしている。

映画『ロスト・リバー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ロスト・リバー』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ロスト・リバー』のあらすじ【起】

「取ってこないと、誰かが食べちゃう」そう呟きながらボーンズの弟・フランキーは一人家を出る。年の離れた弟の面倒をよく見ているボーンズ。穏やかな二人の時間と相反して、町では様々な災難が訪れていた。その日も、早く町を出るようにボーンズに助言して、親しんだ隣人が町を出ていった。

ボーンズは空き家などから鉄くずを集めて生計を立てている。商売は思い通りにはいかない。教育を受けられない子供が溢れるこの町は、至る壁にカラフルな落書きがされている。ボーンズが必死に鉄くずを集めていると、「俺の街だ」と大音量でアナウンスをしながら車を走らせるブリーの声がした。町を仕切る権力を持っているブリー。存在に気づかれてしまったボーンズは、集めた鉄くずを置き去り走り出した。

一方で母親のビリーも生活に苦しんでいる。銀行に出向き、過去に組んだローンに関して交渉し、自宅を手放さない手段はないか試行錯誤していた。しかし、バンカーの反応は冷静で、家を売り寂れた町を出るべきだと助言を受ける。帰り際に、「仕事だ」と一枚のメモを手渡された。夜遅くまで出歩くボーンズを心配するビリーは、「愛してる」とだけ伝え一台の車に乗り込んだ。

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映画『ロスト・リバー』のあらすじ【承】

翌日、ボーンズの自宅は突然取り壊されてしまった。ビリーを問い詰めたところ、3か月ローンの返済が滞っていたというのだ。仕事はバンカーに紹介してもらったというビリーの表情は上の空で、ボーンズは不安を隠せずにいた。その足で廃墟を漁りに出たボーンズ。その日もブリーの監視の目は誤魔化せず、追われてしまう。必死に逃げた先に広がっていたのは、大きな貯水池だった。気を取り直して、取引をしているラリーの元を訪ねたボーンズ。しかし、もう取引はしてもらえないという。ブリーが手をまわしていたのだ。他にも取引していた少年がいたが、ブリーに目を付けられ唇をハサミで切り取られてしまったというのだ。

資金が必要だというのに、仕事がないことに頭を抱えるボーンズ。車の中で一人過ごしていると、近所に住むラットが訪ねてきた。テレビを一緒に見ながら、町には呪いがかかっていると祖母から聞いた話をするラット。昼間にボーンズが見た貯水池には、あるものが沈められているという。その頃、ビリーはバンカーに紹介された仕事へと向かっていた。

映画『ロスト・リバー』のあらすじ【転】

夜露に濡れる中、車を走らせた先は小さなクラブであった。観客の拍手の中、舞う一人の女性。その姿に見惚れていたビリー。しかし、突如ナイフを持った男が現れその女性は無残にも殺されてしまった。動揺を隠せないビリーだが、周りの観客たちは大歓声で称賛する。実はマジックのようなショーであった。終演後、演じていたキャットと話をする機会をもらえたビリーだったが、特にアピールできる要素がなくあたふたとしてしまうのだった。

ボーンズはラットの話が気になり貯水池を見に行った。広く底の見えない場所に何かを感じながら、ラットの自宅へと向かう。初めてラットの祖母を見たボーンズは驚きを隠せなかった。生気を感じられない佇まいで、ダムの建設中に亡くなった祖父が写った映像を見つめているのである。

ビリーは新たに仕事を手にしていた。もちろん鑑賞したショーの仕事である。キャットからとある場所を案内された。想像もつかない施設を目の当たりにしたビリーは唖然と立ち尽くすのであった。その頃、ラットとボーンズは車を走らせて夜の町に出た。この町に留まる理由を聞かれたボーンズは、ビリーとフランキーを挙げた。実はラットがいることも大きな要因になっているというのは隠して。

映画『ロスト・リバー』の結末・ラスト(ネタバレ)

ビリーがステージで初仕事をこなす中、ボーンズはラットと買い物をしていた。その店に唇の無い少年が現れる。ブリーの使いだとわかったボーンズは立ち去るまで店内に身を隠した。外には案の定ブリーが居る。先に出たラットはブリーに声を掛けられ、ボーンズを逃がすために恐る恐る自宅まで送ってもらう。飼っているネズミのニックに気づいたブリーは、触らせてもらうも、即座にナイフで刻むように殺してしまった。走って追いかけてきたボーンズだったが、時はすでに遅く、ラットは耐え切れず一人自宅へ入っていった。

ビリーは仕事を終え、バンカーに車で送ってもらっていた。あからさまに身体を求められていることに気づいていたビリー。遠回しに断るが、金銭的に追い込まれているビリーは報酬をちらつかせるバンカーの言葉に揺らいでいた。翌日、忘れ物のバックを届けにビリーの職場を訪れたボーンズ。奥の不思議な一室に迷い込んだボーンズだったが、キャットに声を掛けられバックを預け車へ戻った。実はビリーは、バンカーに提案されシェルという特殊な実験に身体を提供していたのだ。母が身を挺して自分たちを守ろうとしていることに鬱々としたボーンズは、ラットの言う呪いを解くために貯水池へと向かった。その様子を見ていたブリーも後を追う。唇の無い少年は、ブリーの指示でラットの家に忍び込み火をつけた。真っ暗な貯水池の中で、沈んだ都市を探すボーンズだったが突如周囲の電気が一斉についた。ブリーが来ることを察し、貯水池の中で見つけた石像を手に車へ向かったが、時はすでに遅くボーンズの車は燃やされていた。猛スピードのバイクでボーンズに向かってくるブリー。しかしボーンズは冷静で、石像を使いブリーを撃退した。急いでラットの家へ向かうが、自宅は丸焼けで祖母は息を引き取っていた。そこへシェルから逃げ出してきたビリーも合流する。燃え盛る自宅を背に、3人は歩き始めた。

映画『ロスト・リバー』の感想・評価・レビュー

多くを語らない上に、設定が実にわかりづらい物語。しかし、なんだか張り詰めた時間がとても印象深く、鑑賞後は心臓をえぐられたような疲れ方をしていた。俳優として名をはせたライアン・ゴズリングが描く独特の世界観は、アーティスティックと言うと聞こえはいいが、イマイチはまり切れない部分も多い。呪い、シェル、沈んだ都市…ネオンが似合う廃れた町に疑問を抱き始めればきりがない。このファンタジーさは、多くの会社が倒産し廃墟が並ぶ死にかけの町でインスピレーションを得たというから、発想の転換とは凄いものだ。(MIHOシネマ編集部)

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