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映画『マルコヴィッチの穴』あらすじネタバレ結末と感想

この記事では、映画『マルコヴィッチの穴』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『マルコヴィッチの穴』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『マルコヴィッチの穴』の結末までのストーリー
  • 『マルコヴィッチの穴』を見た感想・レビュー
  • 『マルコヴィッチの穴』を見た人におすすめの映画5選

映画『マルコヴィッチの穴』 作品情報

マルコヴィッチの穴

  • 製作年:1999年
  • 上映時間:112分
  • ジャンル:コメディ
  • 監督:スパイク・ジョーンズ
  • キャスト:ジョン・キューザック、キャメロン・ディアス、キャサリン・キーナー、オーソン・ビーン etc

映画『マルコヴィッチの穴』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

[miho21]

映画『マルコヴィッチの穴』 あらすじネタバレ(起承転結)

映画『マルコヴィッチの穴』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『マルコヴィッチの穴』 あらすじ【起・承】

ニューヨークで暮らす人形師のクレイグ・シュワルツ(ジョン・キューザック)は大きな舞台でショーをすることを夢見て路上で人形劇を続けていた。しかし妻のロッテ(キャメロン・ディアス)に苦言を呈され、求職活動を始める。

面接へ行ったレスター社はビルの8階と7階の間にあった。クレイグはレスター社長(オーソン・ビーン)に気に入られ、天井の低い風変わりなオフィスで働き始める。

ある日、レスターはロッカーの後ろに小さな扉を見つける。好奇心から扉を開けたレスターは、穴の奥へ吸い込まれる。その不思議な穴はなんと俳優のジョン・マルコヴィッチ(本人)の脳への入り口になっていた。

15分間マルコヴィッチを経験したクレイグは高速道路脇に投げ出される。この不思議な体験を片思い中のマキシン(キャサリン・キーナー)に話したところ、野心家の彼女は1回200ドルで変身願望を叶える商売を始めようと言い出す。

ロッテもこの話に興味を示し、マルコヴィッチの穴へと入っていく。ロッテは男性のマルコヴィッチになることに快感を覚え、自分は性倒錯者ではないかと考えるようになる。しかもマルコヴィッチを通してマキシンを愛してしまい、マキシンもマルコヴィッチになったロッテに恋をする。これにより夫婦でマキシンの奪い合いが始まる。

クレイグはロッテを檻に監禁し、マルコヴィッチになったロッテのふりをしてマキシンと愛し合う。他の人はマルコヴィッチの脳内へ入り込むことしかできなかったが、クレイグは人形を操る要領でマルコヴィッチを操ることに成功する。

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映画『マルコヴィッチの穴』 結末・ラスト(ネタバレ)

自分が何者かに操られていることを感じたマルコヴィッチはマキシンを尾行し、7と1/2階で穴の秘密を知る。怒ったマルコヴィッチは自ら穴へと入り、そこに自分の心の闇を見る。

マルコヴィッチは穴を永遠に封印するよう訴えるが、クレイグは再び穴へ入り完全にマルコヴィッチを支配する。この事実を知ったマキシンはロッテを裏切り、クレイグと2人でマルコヴィッチを乗っ取ることにする。

ロッテはレスター社長に助けを求める。レスター社長の中身は実はマーティン船長で、あの穴は彼が生き続けるための穴だった。船長は次に自分が入る器をマルコヴィッチに決めていた。

8ヵ月後。クレイグの操るマルコヴィッチはマキシンと結婚し、俳優を辞め人形師として大成功していた。しかし妊娠中のマキシンが誘拐され、彼女の命を助けたければマルコヴィッチから出ていくようレスター社長に脅される。

ロッテはマキシンの裏切りが許せず彼女を殺そうとするが、お腹の子供はロッテがマルコヴィッチになった時の子供であり、マキシンは今もロッテを愛していた。そしてマキシンのためにマルコヴィッチから出たクレイグは、結局マキシンに捨てられてしまう。マルコヴィッチにはレスター社長と仲間たちが入ってきて、再びマルコヴィッチは乗っ取られる。

7年後。マキシンとロッテは成長したエミリーと幸せに暮らしていた。しかしエミリーの脳内にはマルコヴィッチに戻ろうとして赤ん坊のエミリーの脳内に入ってしまったクレイグが閉じ込められたままになっていた。

映画『マルコヴィッチの穴』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『マルコヴィッチの穴』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

あなたも私もマルコヴィッチ!

“トンネルを抜けるとそこはマルコヴィッチだった”というわけのわからない設定がしっかりと成立しているのが本作のすごいところ。穴をくぐれば誰でもマルコヴィッチの脳内に入り込むことができ、マルコヴィッチを体感できる。

“あの人になってみたい”という願望は誰でも一度くらい持ったことがあるだろう。それを本作はマルコヴィッチ限定で実現していく。これが“誰でも好きな人になれる”だとさほど面白くない。あくまで“マルコヴィッチ限定”という縛りを作ったことが本作の重要なミソであり、なぜマルコヴィッチだったのかを一切説明しないところもセンス抜群だ。

自分とは?

普通の人はあくまでマルコヴィッチの意識で動いているマルコヴィッチを体感することしかできないが、主人公のクレイグは人形師なのでマルコヴィッチの操り方をマスターしていく。それにより姿形はマルコヴィッチだが中身はクレイグというニューマルコヴィッチができてしまう。

自分の意識を他人に乗っ取られるというのは非常に怖い。その間自分の意識は閉じ込められてしまうので、猛烈にストレスが溜まりそうだ。しかしふと“自分とは一体なに?”と、哲学的なことも考えてしまう。私たちは自分の意識で動いているはずなのに、“こんなことはやりたくない”とか“どうしてあんなことをしてしまったのか”などと様々なストレスを感じながら生きている。自分で自分を動かしているのに、なぜそうなってしまうのか…。バカらしいコメディに見えて、本作のテーマはかなり深いところにある。

マルコヴィッチ、マルコヴィッチ

マルコヴィッチ本人がマルコヴィッチの穴に入った時の世界がすごい。大人も子供もみんなマルコヴィッチ。レストランのメニューも全てマルコヴィッチ。巨乳のマルコヴィッチや少女のマルコヴィッチなどなど、気持ち悪いけれど爆笑してしまうマルコヴィッチな世界。シュールすぎる!


自分ではない他の誰かになってみたいという願望を一度でも抱いたことがある人は多いだろう。メインポスターにさえ強烈なインパクトを残す本作は、その結果を分かり易く奇抜な演出と共に描いている。

またこの作品には錚々たる俳優陣がカメオ出演しているのも面白い点だが、その中でもチャーリー・シーンの「ハゲ頭」には衝撃を受けた。コメディ作品として非常に見応えがあるので、他人になるという欲望を叶えたい人には是非おすすめしたい。(女性 20代)


なんとも不思議な映画。最初はユーモアたっぷりで笑えるのに、気づけばぞっとするような物語に変化していくのが見事でした。女性として特に興味深かったのは、レズビアン的な関係が描かれる中で、性別と身体、意識が交差していくところ。見終わったあとにモヤモヤと色んなことを考えさせられました。(20代 女性)


正直、理解できない部分も多かったけど、そういう「説明しきれない感覚」を味わう映画なんだと思う。人間の「なりたい誰かになる」ことへの欲望が、ここまで歪んで描かれるとは。特に主人公がマルコヴィッチの身体を乗っ取っていくあたり、怖さすら感じた。繰り返し観るほど味が出そう。(40代 男性)


自我とは何か、自由とは何かを深く考えさせられる作品でした。人の身体を通して意識を共有するという発想が衝撃的で、でもどこか現代のSNS社会とも重なるような感覚も。「マルコヴィッチの中のマルコヴィッチ」シーンは今でも夢に出てきそうです。カウフマンの脚本、やっぱり天才。(30代 女性)


こんなに変で面白くて怖い映画、初めてかもしれません。全体に漂うブラックユーモアが絶妙で、笑えるのに心の奥ではゾッとしている自分がいました。最後、少女の中に意識が閉じ込められてしまうラストが悲惨すぎて、誰にも説明できない気持ちに。マルコヴィッチの演技力にも脱帽。(20代 男性)


一見コメディ風なのに、物語が進むにつれ、どんどんダークで不気味になっていく展開がクセになりました。特に、意識の多層構造や身体の乗っ取りの描写が、まるで哲学のよう。マルコヴィッチ本人がここまで振り切って演じたことにも驚き。ラストの皮肉な結末がずっと心に残っています。(50代 女性)


夫と一緒に観ましたが、観終わったあと2時間くらい感想を語り合いました(笑)。「誰かになりたい」という気持ちは誰にでもあるけれど、それがここまで危険な形で描かれるとは思いませんでした。アイデンティティって何だろう、と深く考えさせられた作品です。女性にも刺さる映画です。(40代 女性)


冒頭の「7と1/2階」からすでにワクワクが止まらなかったです。奇抜で風変わりな世界観なのに、感情の流れやキャラクターの心理がリアルで、気がつくと引き込まれていました。特に登場人物が皆どこか自己中心的なのも、人間の本質を浮き彫りにしていたように感じます。(10代 男性)


子どもの頃に観て理解できなかった映画を、大人になって見返してようやく衝撃を受けた一本です。マルコヴィッチの中で自己実現する男と、それに巻き込まれる人々。特にマックスの「身体を通じて女性になりたい」という部分が、今見るとすごく時代を先取りしていると思いました。(30代 男性)


まるで夢の中のような映画体験でした。現実のようで非現実、コメディのようでホラーのようでもある。主人公のクレイグがどんどんモラルを失い、最終的には少女の中に意識が閉じ込められてしまうラストには震えました。単なるトリック映画ではなく、人間の本質に切り込んでくる傑作です。(50代 男性)

映画『マルコヴィッチの穴』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『マルコヴィッチの穴』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

エターナル・サンシャイン

この映画を一言で表すと?

愛の記憶を消す、それでも惹かれ合うふたりの物語。

どんな話?

別れた恋人の記憶を消す手術を受けた主人公が、自分の脳内で“彼女との思い出”と再び向き合う。記憶の中を旅するうちに、忘れたくない気持ちに気づいていく。斬新で切ないラブストーリーです。

ここがおすすめ!

『マルコヴィッチの穴』と同じ脚本家チャーリー・カウフマンによる、記憶と心の迷路を描く傑作。奇想天外な展開と、切ない人間関係の描写が心に残ります。観終わったあと、自分の記憶を大切にしたくなる作品です。

アダプテーション

この映画を一言で表すと?

現実と創作の境界が崩壊する、自己言及型メタ映画。

どんな話?

脚本家チャーリー・カウフマン(本人役)が、自分自身を主人公にした脚本を書こうとして混乱に陥る。現実と虚構が交錯し、自意識と創作の迷路に迷い込む、型破りなストーリーテリングが展開されます。

ここがおすすめ!

『マルコヴィッチの穴』にハマった人なら間違いなく楽しめる、超メタ視点のカウフマンワールド。観客の想像を飛び越えていく展開と、自己嫌悪すら笑いに変えるユーモアが絶妙です。知的刺激が欲しい方に最適。

サイコ(1960)

この映画を一言で表すと?

日常の裏に潜む狂気…予測不能の恐怖体験。

どんな話?

とあるモーテルに立ち寄った女性が忽然と姿を消す。捜索が進むにつれ、母と二人暮らしの管理人ノーマン・ベイツの恐るべき秘密が明らかに——。サスペンスの常識を覆したヒッチコックの代表作です。

ここがおすすめ!

『マルコヴィッチの穴』と同様、観る者の期待を裏切る構成とキャラクターの裏表が魅力。心理の裏側に隠された狂気が静かに暴かれていく構成は、知的なスリルを求める方にぜひ体験してほしい一本です。

インセプション

この映画を一言で表すと?

夢の中に入り、夢を盗む…意識の迷宮へ潜るSFスリラー。

どんな話?

人の夢に入り込み、潜在意識から情報を抜き取るという特殊スキルを持つ男が、逆に「アイディアを植え付ける」という危険な任務に挑む。夢の中の夢…層を重ねるほどに現実との境界が曖昧になっていく。

ここがおすすめ!

視覚的にも構造的にも脳をフル回転させて楽しめる映画。『マルコヴィッチの穴』と同じく“他者の意識に潜る”テーマを扱っており、哲学的な問いも刺激的。観るたびに新しい発見がある中毒性の高い作品です。

ホーリー・モーターズ

この映画を一言で表すと?

「これは映画か?夢か?」現実を脱ぎ捨てる体感型アートムービー。

どんな話?

リムジンで移動する謎の男が、1日に何度も“役”を変えながら街を演じて回る。あるときはホームレス、あるときは殺し屋…その目的も正体も明かされず、観る者を夢と現実の狭間に引きずり込んでいく。

ここがおすすめ!

『マルコヴィッチの穴』好きにはたまらない、「人格」「役割」「現実」について深く考えさせられる作品。奇抜さと詩的な美しさが融合し、まるで現代の幻想文学を読んでいるかのような唯一無二の映画体験です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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