映画『マンハッタン殺人ミステリー』の概要:ニューヨークを舞台に隣人の突然死を不審に思った熟年夫婦が真相を暴こうと探偵さながらに調査を始める姿を描いたコメディ映画。ウッディ・アレン監督・主演作で、常連のダイアン・キートンが共演を務める。
映画『マンハッタン殺人ミステリー』の作品情報
上映時間:107分
ジャンル:コメディ、サスペンス
監督:ウディ・アレン
キャスト:ダイアン・キートン、ウディ・アレン、アラン・アルダ、アンジェリカ・ヒューストン etc
映画『マンハッタン殺人ミステリー』の登場人物(キャスト)
- ラリー・リプトン(ウッディ・アレン)
- 出版社の編集者。性格や趣味が妻のキャロルと異なり、隣人の死が殺人事件だというキャロルの主張にもなかなか耳を貸そうとしない。
- キャロル・リプトン(ダイアン・キートン)
- ラリーの妻。料理が上手で、レストランを経営したいと思っている。隣人の死を怪しみ、話に乗ってくれるテッドと真相を調べ始める。
- テッド(アラン・アルダ)
- ラリーとキャロルの共通の友人の劇作家。キャロルの推理に反応して、一緒に謎解きを楽しむ。実はキャロルに密かに惹かれている。
- マーシャ(アンジェリカ・ヒューストン)
- ラリーが担当する作家。ラリーに興味を持っているが、肝心のラリーはテッドとくっつけようとする。事件に関して名推理を発揮する。
- ポール・ハウス(ジェリー・アドラー)
- ラリーとキャロルの隣人。妻が心臓発作で突然死を遂げてしまう。実は愛人がおり、秘書とも緊密な関係を持っている。
映画『マンハッタン殺人ミステリー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『マンハッタン殺人ミステリー』のあらすじ【起】
ラリーとキャロルは同じマンションに暮らすハウス夫妻から自宅に招待される。翌日、映画から帰って来た2人は、心臓マヒで亡くなったハウス夫人が搬送されるところに遭遇する。ラリーとキャロルはテッドと食事をし、キャロルはハウス夫人が心臓を患っているという話をしていなかったことを不審がる。そして、殺人事件ではないかと盛り上がる。
ラリーとキャロルは手作りのデザートを手にポールの部屋を訪ねる。コーヒーを用意しようとしたキャロルはキッチンに骨壺が置かれていることに気付く。しかし、ポールが妻を埋葬したと説明したため、キャロルは益々ポールのことを怪しむ。キャロルはそのことをテッドに報告し、テッドは検視を恐れて火葬したのではないかと推察する。
キャロルはポールが外出するところに遭遇する。そこで管理人の部屋から鍵を盗んでポールの部屋に侵入する。キャロルは室内でポールが女とホテルに泊まった証拠を見付ける。しかし、そこに忘れものをしたポールが戻って来てしまい、キャロルは慌ててベッドの下に隠れる。そしてポールが愛人と電話するのを聞いてしまう。
映画『マンハッタン殺人ミステリー』のあらすじ【承】
ラリーは職場でマーシャと会う。マーシャはラリーの気を引こうとするが、ラリーは彼女をテッドに紹介することを思い付く。そこにキャロルから呼び出しの電話が掛かってくる。キャロルはラリーに一部始終を話す。そして眼鏡をポールの部屋に忘れてしまったことを明かす。仕方なく2人は再びデザートを持ってポールに会いに行き、眼鏡を受け取る。
テッドがポールの愛人の自宅を見つけ出す。テッドとキャロルは一緒に張り込みをする。2人は家から出て来た愛人を尾行し、劇場とポールと密会している現場を押さえる。テッドとキャロルはワインの試飲会に出掛け、テッドはキャロルへの思いを話す。キャロルはそれを大人の対応で受け流し、テッドは先に帰ることにする。一人残ったキャロルはバスに乗っているハウス夫人の姿を目撃する。
翌日、キャロルはテッドと共にバスの終点まで歩き、途中でホテルを見付ける。テッドにキャロルを奪われそうだと感じたラリーはキャロルのために努力をしようとする。そしてキャロルと一緒にホテルの前で張り込みをする。するとそこにハウス夫人が戻ってくる。
映画『マンハッタン殺人ミステリー』のあらすじ【転】
キャロルとテッドはホテルに入り、ハウス夫人の部屋を訪ねてみる。部屋に入ると、ハウス夫人はベッドの横に倒れて死んでいた。2人は慌てて受付に戻り警察を呼ぶ。しかし、その間にハウス夫人の死体が消えてなくなってしまう。
キャロルとテッドは夜に再びホテルの部屋を確認してみる。しかし、エレベーターの故障で中に閉じ込められ、偶然にもエレベーターの天井裏に隠されていたハウス夫人の遺体を見付ける。エレベーターを降りて外に出た2人は何者かが遺体を積んで車で逃げ去るところに遭遇する。早速、その車を尾行し、ハウス夫人の遺体が工業用の釜で焼却される様子を目撃する。車を運転していたのはポールだった。マンションに戻った2人は秘書を連れて出掛けるポールとすれ違う。
ラリーとキャロルは、テッドやマーシャと食事をしながら謎解きをする。そしてマーシャが見事な推理を披露する。ハウス夫人と瓜二つの女性が亡くなり、何らかの利益を得るために夫人がその人物になりすましたのだ。その後ポールが愛人と逃げるために夫人を殺してしまったのだ。更にマーシャはポールを騙す策略を思い付く。
映画『マンハッタン殺人ミステリー』の結末・ラスト(ネタバレ)
テッドはオーディションを装ってポールの愛人を呼び出す。そして、愛人に様々な台詞を言ってもらい、それをテープに録音する。その後、ラリーとキャロルがハウス夫人の遺体を持っており、お金を要求しているという嘘の内容にテープを編集する。ラリーはその編集したテープを電話口のポールに聞かせ、愛人からの電話と思い込んだポールは遺体の話をすっかり信じ込む。
窮地に立たされたポールはキャロルを誘拐し、ラリーに遺体を引き渡すように要求する。ラリーはキャロルを助けるために劇場に向かう。そして、ポールの隙を突いて劇場の中に入り、拘束されていたキャロルを救い出す。一方、ラリーを追い掛けていたポールは秘書に撃ち殺される。実は秘書はポールに恋をしており、ポールが愛人に走ったことを恨んでいたのだ。
事件の真相はマーシャが推理した通りだった。実はハウス夫人には資産家の姉がいたが、夫婦の自宅を訪問中に心臓マヒで亡くなったのだ。そこでハウス夫人が遺産を狙って姉になりすましたが、ポールに殺されてしまったのだ。無事に事件を解決したラリーとキャロルは仲睦まじい関係に戻る。
映画『マンハッタン殺人ミステリー』の感想・評価・レビュー
ウッディ・アレンらしい軽妙なコメディ映画で、気軽に楽しめる作品に仕上がっている。キャロル役が当初予定していたミア・ファローからダイアン・キートンに交代しているが、キートンの方が明るくコメディ向きで今作の雰囲気に合っている。殺人事件の筋書きはかなり荒唐無稽で無理がある場面も少なくないが、そこはアレン作品ならではのご愛嬌だろう。4人の男女が織りなすちょっとした恋愛模様も作品の良いスパイスになっていた。(MIHOシネマ編集部)
長回しとか喋り通す感じとか、だいぶウディ・アレンの作品を観慣れた頃に観たのだが、やっぱり今回も相変わらず面白い。そしてダイアン・キートンのファッションが可愛くて勉強になるし、ジャズの取り入れ方もセンス抜群だ。
サスペンス的に展開されていくストーリーは、ユーモアも交えつつ語られるので全く飽きない面白さがある。こんな風にハラハラと面白さをバランスよく保ててしまう監督は、やはり流石であると思った。(女性 20代)
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