映画『皆殺しの流儀』の概要:悪党同士で殺し合いはするが、住民からは愛されている元ギャングの親父たちが、節操のない現代のギャングを一掃する。ロンドンを舞台にしたイギリス製のギャング映画で、親父たちの悪党ぶりが渋い。
映画『皆殺しの流儀』の作品情報
上映時間:94分
ジャンル:フィルムノワール、アクション
監督:サシャ・ベネット
キャスト:イアン・オギルビー、アリソン・ドゥーディ、スティーヴン・バーコフ、ジェームズ・コスモ etc
映画『皆殺しの流儀』の登場人物(キャスト)
- リッチー(イアン・オギルビー)
- 元ギャング。現在はギャングを引退し、スペインで優雅に暮らしている。年頃の娘がいる。兄のチャーリーを殺され、昔の仲間と一緒に若者のギャング団に復讐する。
- テイラー(アリソン・ドゥーディ)
- ロンドン警察の警部補。チャーリー殺し事件の捜査責任者。娘のローレンと2人暮らし。ローレンはE2ギャング団のリーダーに弄ばれ、ギャングたちにレイプされかける。
- リジー(リセット・エリソン)
- ロンドンで暮らすチャーリーの友人の女性。若い頃からリッチーのことを好きだった。
- チャーリー(スティーブン・バーコフ)
- リッチーの兄。弟とともに、一昔前のロンドンを仕切っていたギャング。レイプされそうになっていたローレンを助け、E2ギャング団に殺される。
- アーロン(ダニーボーイ・ハッチャード)
- ロンドンのギャング団「E2」のリーダー。仲間たちと極悪非道な悪さばかりしている。
映画『皆殺しの流儀』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『皆殺しの流儀』のあらすじ【起】
ロンドンのギャング団「E2」は、極悪非道な悪さばかりして、住民たちを困らせていた。警察は彼らを積極的に取り締まろうとせず、住民も報復を恐れて彼らの悪事を通報できない。そんな状況が続き、E2ギャング団はますます図に乗っていた。
スペイン在住のリッチーとロンドンで暮らすチャーリーは、一昔前のロンドンを牛耳っていた有名な元ギャングの兄弟だ。リッチーは、明日の兄の誕生日に再会できるのを楽しみにしていた。馴染みのパブで近所の友人たちと飲んでいたチャーリーは、リッチーから電話をもらい、今日は早めに帰ることにする。
パブを出たチャーリーは、E2ギャング団が若い女性をレイプしようとしている現場に遭遇する。チャーリーは大勢の若者相手に一歩もひるむことなく女性を助け、自分が若者たちに殺されてしまう。チャーリーと一緒に飲んでいたリジーは、路地裏でチャーリーの遺体を発見する。
通報で駆けつけたロンドン警察のテイラー警部補と助手に、リジーは“E2ギャングの仕業だ”と訴える。リジーは、路地裏から出てくるE2ギャング団を目撃していた。
チャーリーからリッチーの連絡先を聞いていたリジーは、リッチーにチャーリーの訃報を伝える。テイラーはE2ギャング団のリーダーのアーロンに昨夜のアリバイを聞く。チャーリーが死んだことを知ったアーロンは、レイプしようとした女性ローレンを脅しに行く。ローレンは、テイラー警部補の娘だった。
映画『皆殺しの流儀』のあらすじ【承】
ロンドンへ戻ったリッチーを、昔の仲間が迎えてくれる。2人はすぐにチャーリーが殺された路地裏へ向かい、現場検証をしていたテイラーたちと遭遇する。テイラーはリッチーに、“捜査の邪魔をしたら刑務所にぶち込む”と忠告する。
リッチーは、リジーの甥が見つけたという闇サイトの動画を見せてもらう。それは事件の様子を撮影した動画で、犯人の顔も確認できた。動画によって、チャーリーがレイプされかけたローレンを助けて殺されたことがわかる。リッチーは、この事実を警察には伝えず、自らローレンに会いに行く。
アーロンに脅されていたローレンは話すことを怖がっていたが、リッチーがチャーリーの弟だと知ると、アーロンと顔見知りのギャングの名前を教えてくれる。
チャーリーの葬儀には、昔馴染みの元ギャングが3人集まる。リッチーと3人の元ギャングは、E2ギャングの若者たちに自分たちの手で制裁を加えることにする。4人とも見た目は初老を迎えたおじさんだったが、殺しや拷問にかけては筋金入りの腕を持っていた。
リッチーは顔馴染みの前警視正に、警察の内部情報を回してくれるよう話しに行く。2人は昔、持ちつ持たれつの関係だった。E2ギャング団は、リジーやローレンに再び脅しをかける。テイラーは、娘の様子がおかしいことに薄々気づいていたが、まさかローレンがこの事件に関わっているとは夢にも思っていなかった。
映画『皆殺しの流儀』のあらすじ【転】
前警視正から受け取った資料により、1人のギャングの住所がわかる。リッチーたちは、彼を待ち伏せし、2人のギャングを拉致する。リッチーはアーロンの居場所を聞くが、彼らは威勢良く反発する。リッチーたちを怒らせたギャングはひどい拷問を受けて絶命し、“アーロンを呼び出す”と嘘をついたギャングは、リッチーに撃ち殺される。
2人と連絡が取れなくなり、アーロンは苛立っていた。リジーは、男らしいリッチーに30年前と同じような恋心を抱く。リッチーもリジーに好意を持っており、彼女を食事へ誘う。
リッチーはさらなる情報を求めて、再びローレンに会いに行く。レイプされている時の写真をネタに脅されていたローレンは、それをばらまかれることを恐れていた。リッチーは、穏やかに話をしてローレンを安心させてやり、彼女の電話番号を教えてもらう。しかし、そこへテイラーが現れ、リッチーはすぐに退散する。テイラーとローレンが親子だったことは、リッチーにとっても驚きだった。
リッチーたちは、駐車場で薬物を売っていたギャングを追い詰め、そいつを拉致する。逆さに吊るされたギャングにアーロンの居場所を聞くが、相手はなかなか口を割らない。調子に乗ってチャーリーを侮辱したギャングにリッチーは激昂し、そいつを殴り殺す。しかし興奮しすぎて心臓発作を起こしてしまう。
映画『皆殺しの流儀』の結末・ラスト(ネタバレ)
命に別状はなかったが、リッチーは入院することになる。リッチーは、E2ギャングとカタをつけるため、彼らを病院へ呼ぶことにする。リッチーから連絡を受けたローレンは、アーロンに尽くすふりをして、リッチーの入院先を伝えに行く。仲間が次々と消え、警戒を強めていたアーロンは、仲間全員分の銃を入手していた。
ローレンは、E2ギャング団を病院へ連れ出すことに成功する。しかしアーロンは用心のため、ローレンも一緒に連れて行く。
最初に病室へ行った2人のギャングは、待ち構えていたリッチーたちにあっさり撃ち殺される。E2ギャング団はかなりの人数がおり、病院内で壮絶な撃ち合いが始まる。エレベーターに閉じ込められていたローレンは、電話でテイラーに助けを求める。
病院には警察や機動隊の特殊部隊もやってくる。追い詰められたアーロンはローレンを人質にし、リッチーたちに銃を捨てるよう迫る。4人は銃を捨ててアーロンの前に出て行く。しかし、ローレンに恋していた仲間がアーロンを襲い、アーロンは銃を落としてしまう。リッチーはアーロンにわざと弾切れの銃を握らせ、警察に彼を射殺させる。
テイラーは、娘を救ってくれたリッチーに感謝し、4人を見逃してくれる。スペインに帰るとテイラーに約束したリッチーは、リジーをスペインに誘う。しかし地元を愛しているリジーは、迷いながらもその誘いを断る。
いろいろ考えたリッチーは、ロンドンに残ることにする。リッチーは悪党退治を天職だと感じており、他の3人もその意見に同意する。次は老人の金を奪った銀行を懲らしめようと、4人の親父は楽しそうに相談を始める。
映画『皆殺しの流儀』の感想・評価・レビュー
「伝説のギャングvs若者ギャング」街で悪さをする困った若者ギャングたちを、昔伝説のギャングとして恐れられたおじいちゃんたちが懲らしめる、そんなお話です。
この作品に出てくる若者ギャングは本当に生意気で、無駄にいきがっていて、殺人やレイプなど卑劣なことを、かっこいいと思ってやっているバカな姿に観ていて腹が立ちます。それに対するおじいちゃんたちは動きもスローで物腰柔らか。本当に大丈夫?と心配になりますが、そこは伝説のギャング。しっかり鉄拳制裁、リベンジしてくれました。
94分と短めの作品で、ストーリーもまとまっているので観やすいです。何よりおじいちゃんたちが渋すぎます。(女性 30代)
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