映画『ミッション:インポッシブル』の概要:CIAの中でも特殊な任務を遂行するIMF所属の凄腕スパイ“イーサン・ハント”は、裏切り者の汚名を晴らすため、自ら本当の裏切り者を暴き出す。トム・クルーズが製作と主演を務めた娯楽性の高いスパイ・アクション。興行的に成功し、シリーズ化された。
映画『ミッション:インポッシブル』の作品情報
上映時間:110分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:ブライアン・デ・パルマ
キャスト:トム・クルーズ、ジョン・ヴォイト、エマニュエル・ベアール、ヘンリー・ツェーニー etc
映画『ミッション:インポッシブル』の登場人物(キャスト)
- イーサン・ハント(トム・クルーズ)
- IMF(CIAの特殊作戦部)の秘密工作員。変装が得意で、あらゆる人物に変装できる。生え抜きの工作員が集まるチームのリーダーで、頭も切れるし、身体能力も高い。
- ジム・フェルプス(ジョン・ヴォイト)
- IMFのリーダーで、現場で動くイーサンたちに指示を与える。
- クレア・フェルプス(エマニュエル・べアール)
- ジムの妻で同じくIMFの工作員。
- フランツ・クリーガー(ジャン・レノ)
- CIAを解雇された元工作員。屈強な肉体を持ち、力仕事やヘリの操作を得意とする。
- ルーサー・スティッケル(ヴィング・レイムス)
- CIAを解雇された天才ハッカー。コンピューターの魔術師と呼ばれ、NATOのシステムを破ったこともある。
- マックス(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)
- 東欧に潜入するCIAの情報員リスト(通称NOC)を盗もうとしているチェコの武器商人。見た目は普通のおばさんだが、裏の世界の大物。
- ユージーン・キトリッジ(ヘンリー・ツェニー)
- CIAの上官。組織内の裏切り者を暴こうとしている。
映画『ミッション:インポッシブル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ミッション:インポッシブル』のあらすじ【起】
IMFに所属するジムは、移動中の機内でCIAのキトリッジから指令を受ける。プラハの米国大使館員のゴリツィンが、東欧に派遣されているCIAの情報員リスト「NOC」の暗号名の部分を盗み、さらに明晩のパーティーで本名の部分を盗むつもりにしており、ジムたちは証拠を掴んでゴリツィンを尾行し、一味を一網打尽にするのが任務だった。
プラハへ入ったジムは、イーサン・ハントをチームリーダーとする5人の工作員に仕事の内容を説明する。イーサンたちは大使館でのパーティーに潜入し、それぞれの持ち場で仕事を始める。しかしハッカーのジャックと監視役のハンナが何者かに殺され、モニターで様子を見ていたジムは作戦の中止を決める。しかしイーサンは命令を無視して、サラにゴリツィンを尾行させる。
ジムは敵がこちらの無線を全て傍受していることに気づき、外へ出てイーサンを止めようとする。しかしそのジムも銃で撃たれて川へ転落し、サラとNOCを盗んだゴリツィンまでも、無残に殺されていた。クレアが乗った車が大破したのを見たイーサンは、必死で逃げて公衆電話からキトリッジに連絡する。キトリッジはなぜかプラハにいて、1時間後に会おうと場所を指定してくる。
映画『ミッション:インポッシブル』のあらすじ【承】
イーサンは、現場にIMFの別のチームがいたことに気づいており、それをキトリッジに話す。実は2年前からIMFの内部情報が外部に漏れており、今回の作戦の本当の目的は、組織内の裏切り者をあぶり出すことだった。裏切り者は武器商人のマックスという人物に買収されていることまで、CIAは掴んでいた。イーサンの銀行口座には身に覚えのない12万ドルもの大金が振り込まれており、キトリッジは完全にイーサンを疑っていた。それを察したイーサンは、ガム爆弾を使って店を爆破し、チームのアジトへ逃げ帰る。
イーサンは裏切り者の暗号名“ヨブ”を名乗り、マックス宛に“ブツは偽物、極めて危険、使用するな”というメールを送ってみる。その時、死んだと思っていたクレアがアジトに戻ってくる。クレアは命令通りに動いただけだと話す。
イーサンはクレアにも状況を説明し、自ら本当の裏切り者を探し出す作戦を考える。マックスからはヨブ宛に接触方法を指示するメールが届く。
翌日、イーサンは指示通りに行動し、マックスのもとへ連れて行かれる。イーサンはヨブが手に入れたディスクが囮捜査用の偽物で、ディスクをパソコンに入れると即座にCIAが乗り込んでくるはずだと説明する。最初は半信半疑だったマックスも、実際にディスクを入れてみて説明通りの状況になったことから、イーサンを信用する。
イーサンは全世界のNOCのリストと引き換えに、1000万ドルの報酬とヨブを呼び出すことを要求し、マックスはこの取引に応じる。
映画『ミッション:インポッシブル』のあらすじ【転】
イーサンはこの作戦を成功させるために、CIAを解雇された天才ハッカーのルーサーに協力を依頼する。クレアは同じく元工作員のクリーガーを連れてくる。
全世界のNOCのリストを手に入れるには、厳重に管理されたCIA本部内の金庫室へ侵入し、そこのコンピューターから情報を読み取るしかない。金庫室に入室できるのはダンローという技術者だけで、室内は高度な音声探知機、温度変化探知機、圧力変化探知機で守られている。それでもイーサンは勝算ありと考え、4人でCIA本部へ向かう。
ルーサーは屋外でモニターを見ながらに指示を出し、イーサンとクリーガーは、火事騒動を起こして本部内に侵入。天井裏から金庫室のエアコンダクトを外し、イーサンが宙づりになってコンピューターに近づく。クリーガーは、ロープに繋がれたイーサンを天井裏で支える。クレアは女性職員のふりをして本部内に入り、ダンローのコーヒーに気分が悪くなる薬を混入する。コーヒーを飲んだダンローは吐き気を催し、トイレから出られなくなる。
何度も危ない場面はあったが作戦は見事成功し、イーサンはNOCのリストを手に入れ、ロンドンへ向かう。キトリッジは、この件を極秘事項として対策を立てる。
クリーガーを信用できないと見たイーサンは、ディスクをルーサーに預ける。キトリッジはイーサンの母親と叔父を偽の麻薬密売容疑で逮捕して、イーサンの連絡を待つ。
イーサンは公衆電話からキトリッジにアクセスし、自分がロンドンにいることをわざと知らせる。イーサンは、そこで思いがけない人物と再会する。それは死んだはずのジムだった。
映画『ミッション:インポッシブル』の結末・ラスト(ネタバレ)
ジムは自力で川から這い上がり、イーサンを尾行していた。“裏切り者はキトリッジだ”というジムの話を聞き、イーサンは全てを悟る。裏切り者はジムで、クレアとクリーガーもグルだったのだ。しかしイーサンはそれを伏せ、明日のマックスとの取引は、パリ行きのTGVの車内で行われることを伝える。
翌日、イーサンはロンドン入りしたキトリッジにもTGVのチケットを送り、列車に乗り込む。ディスクを入手したマックスは、秘書にその情報を転送させる。しかし近くに座るルーサーが電波妨害装置を作動させており、なかなか転送できない。その間にイーサンはジムに変装して、金の入ったケースのある荷物室へ行き、クレアと遭遇する。やはりクレアも裏切り者だった。
姿を現したジムは、金を渡すようイーサンに迫る。冷戦終結後、スパイは過去の産物となり、ジムは将来を悲観して、組織を裏切った。ジムはイーサンをかばおうとしたクレアを撃ち殺し、金を奪って列車の屋根へ登る。頭上にはクリーガーの操縦するヘリが来ていた。イーサンも後を追い、ジムの逃亡を阻止する。列車とヘリはトンネルに入り、イーサンはガム爆弾でヘリを爆破。クリーガーとジムは死に、イーサンは間一髪で難を逃れる。車内のマックスはキトリッジに逮捕され、NOCの情報も守られた。
後日、イーサンの母親と叔父は解放され、ルーサーは復職できることになった。イーサンは組織には戻らないと告げて飛行機に乗る。しかしそこで添乗員から渡されたのは、次の指令に関するビデオだった。
映画『ミッション:インポッシブル』の感想・評価・レビュー
脚本がよくできている。奥行きのあるパソコン、フロッピーディスク、ガラケーなど、ガジェット類に時代を感じるが、何よりもトム・クルーズが若い。その他のキャストも豪華で国際色豊か。音楽も気分を盛り上げてくれる。
テーマソングを聞くと、本作の代名詞ともいうべきワイヤーの宙吊りシーンを思い浮かべる。ガム爆弾を使った爆破シーンも見どころ。最後のTGVとヘリコプターのトンネルシーンは手に汗握った。20年以上前の作品だが、今観ても充分に楽しめる。(女性 40代)
トムクルーズが主演のミッションインポッシブルシリーズ第一作目。1996年の作品なので、登場する機器等も若干世代を感じるものがあるが、とにかく注目すべきはタイトルにもある不可能に近いミッションをトムクルーズ扮するイーサンハントが、思わず息を呑むようなアクションでこなしていく所である。スパイ映画というには大胆な所もあるが、それも含めてこの作品の魅力だと思う。(男性 30代)
伝説の始まりとなった作品である。ハラハラドキドキさせる展開や迫力のあるアクション、今となってはこの手の映画のスタンダードだが、当時としては新鮮だったのだろうか。公開から20年以上がたった今でも古さを感じない稀有な作品である。
このシリーズはトム・クルーズの魅力が溢れ出ている。もちろんトム・クルーズが素晴らしい俳優であり、演技がうまかったという事もあるが、イーサンとの相性がバッチリだったように感じる。イーサンはトム・クルーズが演じることにより最大限の魅力を発揮するのだ。(男性 20代)
大ヒットシリーズの第一作目です。今作でまず思い出されるのは、あの宙吊りシーンと、あの曲でしょう。これほど多くの人々に印象を強く植え付けた作品は近年あまり見られなくなりました。
スパイものとしてはアクション要素が大きくあり、小難しさを感じさせません。
トム・クルーズが主演と製作に絡み、監督がまさかのブライアン・デ・パルマという、夢のタッグです。シリーズものではよくある話ですが、この一作目がやっぱりテンポがよく楽しめました。(女性 20代)
人気シリーズを生み出した記念すべき1作目になった作品。ストーリーとしては、最初のミッションで自分以外の仲間が死んでしまったところから先が全く読めない展開で話に入り込むことができ、主人公の身体能力と推理力で犯人に近づいていく時は自分も犯人を見つけるために必死になって楽しむことが出来る作品です。
シリーズ1作目なのでトム・クルーズはとにかく若く新鮮な演技が観れるので、貴重な作品になっている。(女性 20代)
トム・クルーズによるトム・クルーズの為の人気シリーズ第一弾。「スパイ大作戦」というオリジナルがあるが、オリジナルをそれほどなぞっていないどころかまさかのジム・フェルプスの扱い方はオールドファンにはどう映っただろうか。しかしこれはトムによるイーサン・ハント物なのだと思えば十二分に楽しめる。アクションシーンはどこを切り取っても見応えがあり正直筋はそれほど分からなくても問題ない。登場するデジタル・ガジェット以外は25年も前の作品であることを感じさせない。トム・クルーズは良い遊び場所を見つけた。(男性 40代)
スパイ映画の金字塔で、観客をドキドキハラハラさせるアイディアや仕掛けに満ちている。TVシリーズの映画化ということらしいが、もともとを知らなくても映画としてちゃんと面白い。とはいえ、TVシリーズをちゃんと見ていた人達が受けた衝撃とは比べるべくもないが。
注目シーンを一つ上げるとすれば、変装を解くシーン。カメラワークとカットで違和感なく表現されていて、これは芸術の域ではと感動させられた。
それと音楽。テーマ曲が流れるたびにテンション爆上がりになってしまう。(男性 30代)
みんなの感想・レビュー
スパイ映画と聞いて思い浮かぶのは、背広を着た英国のスパイか、宙吊りになったCIAのスパイか、どちらかではないだろうか。
ところが、この作品以前は背広のスパイしかいなかった。
ひとつしかなかったものをトムはふたつにしたのだ。
たった一人で世界を変えてみせるそれこそがスーパースターなのだ。
アクションに目を奪われるうえ、展開や伏線の描き方が一瞬なのでストーリーの繋がりが分かりづらいが、このサイトで復習できやっと理解できた(笑)
ストーリー展開が私の記憶と違うのは以下2点。
・ハンナは、ジムが作戦中止と言ってから車の爆発で亡くなる。
・クレアも消防士の格好で一緒に侵入し、途中で職員風に着替える。
人気テレビ番組「スパイ大作戦」の映画第一作目。今年2018年に最新作が公開されたが、本作が公開されたのは1996年と、なんと22年前ということで、改めて見ると、非常に歴史を感じさせる。組織内部の裏切り、イーさん本人への疑い、そしてヘリコプターでのチェイスと、なにかと本作と通じるものを感じさせた。通信手段としてのガラケーやテープレコーダーなど、1990年代を感じさせるものもあるが、爆発やアクションは今見てもスペクタクルなものばかりだ。個人的には、カメラ付めがねを使ったトリックによる騙し合いが好きだ。
イーサンが、ラングレーにあるCIA本部に潜入し、本物の諜報員リストを盗むシーンは、この映画の宣伝にも使われ見どころの1つになっている。後にこの映画の看板ともなっている『不可能を可能にするアクションシーンを劇中に挟んで観るものをハラハラさせる』作りはここから始まったといえるだろう。
だが一作目のこの映画の見どころは、目を奪うアクションシーンや最新のガジェットを多々使用したり、壮大なロケ地で撮影する数々の続篇とは一線を画している。あくまで原作となる『スパイ大作戦』に敬意を払った作りになっているのが一作目である。地味ながら見ごたえのあるサスペンス仕立てのストーリー展開になっている。
イーサンが、武器商人であるマックスとコンタクトを取りヨブの正体を暴き、真犯人を炙り出そうとするが、イーサンの無謀なやり方は組織の中で歪みを産む。
司令官のキトリッジはイーサンの家族に無理矢理嫌疑をかけイーサンをおびき出そうとするが、それはイーサンには通じない。だがイーサンはその時に死んだはずのフェルプスが生きているのを知り、薄々彼が真犯人なのではないかと悟り作戦を変更し始める。
ロンドン行きのTGVトレインで、イーサンはマックスにリストの入ったディスクを提供。マックスがリストをオンラインで送る事が判っていたイーサンはマックスのパソコンに妨害電波を送り彼女の陰謀を阻止する。
その後クレアは金のあるTGVの荷物室に向かうとフェルプスの姿があった。クレアは夫の姿を目の当たりにし、真相を語ってしまう。
しかしそれはフェルプスに変装したイーサンだった。
IMFに失望したイーサンが汚名返上した後にとった行動は察しがつくかもしれない。
一作目は、続篇に比べるとヒッチコックを思わせるミステリーサスペンス要素も強い作品になっているのが伺える。
この作品は、トム・クルーズとポーラ・ワグナーのプロダクションが初めて世に送り出した作品である。トム・クルーズとしては初めて自分で製作にとりかかり監督を選びそして主演したというのだから、自分で『映画』という名前の操縦桿を握れる様になったといってもいい。
それだけに、このシリーズの成功には、人一倍愛着はあるのだろう。
そんな彼を応援するかの様に、脇役も豪華である。一瞬しか出てこないIMFのメンバーにエミリオ・エステベスが出てきたり、敵役にヴァネッサ・レッドグレイプが出演する所などもそうだろう。
国際色、キャリア豊かなキャスティングも、この映画の魅力である。
テレビシリーズも、最初は2時間の『パイロット版』という特番形式のものを作り、視聴者の反応を見てから、1クールで打ち切るか2クール放映するか決める。この映画もまたしかり。第一作目が不作であれば続篇が作られる度にパワーアップしていないだろう。
しかも主演のトム・クルーズは、このシリーズの合間にも様々なジャンルの映画を製作し飛躍しているのだから、このシリーズは彼の俳優人生の礎になっていると言ってもいいと思う。
映画を観る時に、日本語吹き替えで観る人も居るかもしれない。
トム・クルーズは『デイズ・オブ・サンダー』の時に、自分の声の日本語吹き替えの担当者に声優の鈴置洋孝氏を推薦している。彼の日本語吹き替えが聞ける『ミッション:インポッシブルシリーズ』のDVDは、この第一作と続篇だけである。
シリーズものの途中で吹き替え担当が変わるという異例の事態ではあるが、昔のクルーズファンには鈴置氏の声の吹き替えのバージョンをお勧めしたい。