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映画『ミシシッピー・バーニング』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『ミシシッピー・バーニング』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ミシシッピー・バーニング』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『ミシシッピー・バーニング』の結末までのストーリー
  • 『ミシシッピー・バーニング』を見た感想・レビュー
  • 『ミシシッピー・バーニング』を見た人におすすめの映画5選

映画『ミシシッピー・バーニング』の作品情報

ミシシッピー・バーニング

製作年:1988年
上映時間:126分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:アラン・パーカー
キャスト:ジーン・ハックマン、ウィレム・デフォー、ブラッド・ドゥーリフ、フランシス・マクドーマンド etc

映画『ミシシッピー・バーニング』の登場人物(キャスト)

ルパート・アンダーソン(ジーン・ハックマン)
FBI捜査官。南部の出身で町の保安官なども経験してからFBI捜査官になったベテラン。現場至上主義で、現実的に捜査を進める。
アラン・ウォード(ウィレム・デフォー)
FBI捜査官。大学出のエリートで内務省からFBIへ入った。かなり年下だがアンダーソンのボス。経験が浅く、インテリの発想で事件を解決しようとする理想主義者。
クリントン・ペル(ブラッド・ドゥーリフ)
地元警察の保安官補。人種差別主義者で、 裏ではKKK団の一員として黒人に暴力を振るっている。
ペル夫人(フランシス・マクドーマンド)
ペルの妻。町の美容院で美容師をしている。生まれも育ちも南部だが、黒人に対しても優しく接する賢明な女性。
ティルマン町長(リー・アーメイ)
この町の町長。直接事件への関与はしていないが、事実は全て把握している。FBIの介入を迷惑がっている。
レイ・スタッキー(ゲイラード・サーティン)
地元警察の保安官。人種差別主義者で、3人の行方不明事件は公民運動家たちが仕組んだことだと主張していた。
クレイトン・タウンリー(スティーヴン・トボロウスキー)
自称事業家だが、KKK団のスポークスマンで事件の黒幕。
フランク・ベイリー(マイケル・ルーカー)
KKK団の中で最も血の気が多く暴力的。黒人に対して残酷な仕打ちをする。
レスター・コーエンズ(プルイット・テイラー・ヴィンス)
KKK団の一員。アンダーソンの囮捜査の罠にはまる。

映画『ミシシッピー・バーニング』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『ミシシッピー・バーニング』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ミシシッピー・バーニング』のあらすじ【起】

1964年6月21日。ミシシッピ州フィラデルフィアの田舎町。黒人1名と白人2名の公民権運動家が乗った車は後続車に煽られ、側道へ入る。後続車がパトカーだったことがわかり車を停車させるが、3人は後続車の男たちに銃殺され、行方不明となる。

FBI捜査官のアンダーソンとウォードはこの行方不明事件を解決するため現地へ向かう。まだ若いがエリートのウォードがボスであり、ベテランのアンダーソンは窮屈だった。地元警察は昼間3人をスピード違反で逮捕し、夜の10時には釈放したと報告していたが、ウォードは公民権運動家の3人が釈放後すぐに事務所へ連絡しなかったことに違和感を感じる。地元警察はFBIの介入を迷惑がっており、捜査には非協力的だった。

南部の人種差別の現実を知らないウォードは、町のレストランでいきなり黒人のホリスに話しかける。ホリスは怯えてすぐに席を立つが、その夜には覆面をしたKKK団に襲撃され、見せしめとして町の表通りに放り捨てられる。この町では町長や警察でさえも公然と差別発言をしており、町の人々は報復を恐れて何も話そうとはしなかった。

ウォードはアンダーソンが止めるのも聞かずFBIから大勢の応援を呼び、町の中心に捜査本部を置く。アンダーソンは地道な聞き込み捜査を続けていた。

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映画『ミシシッピー・バーニング』のあらすじ【承】

町外れの沼で3人の車が発見される。しかし車内に3人の姿はなく、ウォードは海軍予備隊に応援を要請して大規模な沼ざらいを始める。“戦争が始まるぞ”というアンダーソンの予言通り、町では次々と黒人の集会所や教会が焼き払われ、事態はどんどん悪化する。町にはマスコミが殺到し、この行方不明事件を大体的に報道し始める。

黒人少年のアーロンから“話すべき奴は保安官事務所にいる”というヒントをもらい、2人は夜間にペルの自宅を訪ね、事件当日のアリバイを聞き直す。アンダーソンはペル夫婦の結婚写真に写っていた仲間がKKK団のポーズをとっているのを目ざとく見ていた。ペルは自宅にいたと証言しており、夫人もそう供述していた。

アンダーソンはペルの留守を確認して、再び夫人から話を聞く。夫人はこの町では珍しく良心的な女性で、アンダーソンは彼女に期待していた。しかし夫人は供述を変えなかった。

KKK団はアーロンたちが集う教会を襲撃し、多くの黒人を袋叩きにする。温厚に捜査を進めていたアンダーソンもペルやその一味の横暴さに腹を立て、生意気な口をきいたフランクにヤキを入れる。これを受けてKKK団はラジオでFBI非難を流し続け、ウォードたちの立場は悪くなる。聞き込みもうまくできないウォードに注意され、アンダーソンもついに怒りを爆発させる。

映画『ミシシッピー・バーニング』のあらすじ【転】

騒々しい町の様子を見てペル夫人は胸を痛めていた。アンダーソンは夫人から何かを聞き出し、その夜ウォードと保安官事務所の張り込みをする。事務所からペルとスタッキーに見送られ、黒人青年が出て来た。手前に駐車していたトラックが発車し、黒人青年を拉致する。2人はトラックを追いかけたが犯人には逃げられてしまう。拉致された黒人青年は睾丸を切られ、大量出血していた。おそらく6月21日も同じ状態で事件が発生したのだろうとアンダーソンたちは予測する。

KKK団の襲撃を目撃した黒人少年が、アーロンの説得により犯人を暴く。犯人たちは逮捕され裁判となるが、判事は“これはよそ者のせいで引き起こされた事件であり、刑罰は軽いものにする”と言って、4人に執行猶予付きの判決を出す。これを受けて黒人たちの暴動が始まる。報復としてアーロンの家は焼き払われ、父親は首にロープを巻かれて木に吊るされてしまう。

アンダーソンは再びペル夫人を訪ねる。夫人はついに“あの夜主人も車で出て行った、3人の死体はロバーツの農場に埋まっている”と話してくれる。

映画『ミシシッピー・バーニング』の結末・ラスト(ネタバレ)

夫人の供述通り、農場から3人の死体が発見される。ペルはスタッキーから夫人が裏切ったと聞き、夫人を激しく暴行する。ひどい傷を負って病院に運ばれた夫人を見て、アンダーソンは頭に血がのぼる。ずっと自分のやり方にこだわっていたウォードもついに折れ、アンダーソンのやり方で一味を捕まえる許可を出す。

アンダーソンはすぐに経験豊富な仲間を呼び寄せ、黒人捜査官に町長を拉致させる。捜査官は身分を隠して町長を脅し、ついに実行犯を白状させる。この事件に関わっていたのは7人の男で、3人を殺したのはペルとフランクだった。現場にはレスターとフロイド、ウェスリーの3人がおり、スタッキーは別の場所にいた。計画の発案者はKKK団のタウンリーで、実行犯は彼の指示で動いていた。この州では7人の起訴が見込めないため、公民権違反で連邦裁判にかけることを目指す。

ウォードはアンダーソンの強引なやり方に抵抗があったが“きれいごとで済むか”という言葉を聞いて、アンダーソンのやり方に従う。アンダーソンはレスターに仲間から殺されると思い込ませる。レスターは身の安全を求めて裁判で真実を話し、犯人は次々と逮捕される。殺害の実行犯であるペルとフランク、さらに黒幕のタウンリーは懲役10年、フロイドとウェスリーは懲役7年、レスターは懲役3年の実刑判決を受ける。しかしスタッキーは無罪となった。全てを知りながら真相を隠していた町長は自殺した。

アンダーソンはペル夫人のことが気がかりだったが、ここで生まれ育った夫人はここで生きる道を選ぶ。事件は解決し、アンダーソンとウォードは町を後にする。

映画『ミシシッピー・バーニング』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

人種差別が文化として人間の意識に根付くことの恐ろしさを教えてくれる映画。この映画で描かれる差別は特段の悪意をもってなされているわけではないということが恐ろしい。
映画はこの無自覚な悪意と闘い続けた人間の勝利を描くが、この勝利の裏にはまだまだ多くの敗北が隠されているのだろう。名優たちの抑えた演技もよく間違いなく名作に並ぶ映画の一つだ。(男性 30代)


KKK(クー・クラックス・クラン)について知るならこの映画はマストでしょう。
これは実際に起きた事件、目を覆いたくなるような現実がそこにはありますが、決して目をそらしてはいけない問題です。
昔話と感じるかもしれませんが、実際にKKKはまだ存在するし、肌の色が白じゃないということが差別の対象ということは、地域によってはまだまだアメリカ社会に根深く残っています。
人間のサガと言ってしまえばそこまでですが、こういう映画を観て、どういう事が起こっているのか知るということが大切です。(女性 40代)


追悼アラン・パーカーとして、そしてKKKの勉強のために鑑賞した。率直にいい映画だと思ったし、アメリカの歴史を深く知るきっかけにもなる。公民権運動時代にどんな事件があったのか、実話ベースなストーリーは衝撃的だった。

ウィレム・デフォーが善人として出演しているのは珍しくて面白かったし、ジーン・ハックマンの、冷静を装いつつ保安官に尋問していくところは、アクターとしてのプロさを見せつけられた。(女性 20代)


アメリカ南部の深い闇を、これほど生々しく描き出した作品はないと感じました。FBI捜査官たちの視点を通して、差別と暴力がいかに根深いものかが痛感できます。ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド演じる女性が、恐怖と正義の板挟みで苦悩する様子には心が締めつけられました。エンディングでは正義が勝ったように見えますが、根本的な問題は解決されていない現実を突き付けられた気がして、後味は決してスッキリしませんでした。(20代 男性)


公民権運動を題材にした映画は多く観てきましたが、『ミシシッピー・バーニング』は群を抜いて衝撃的でした。暴力描写も容赦がなく、目を背けたくなる場面も多々ありましたが、それがリアルさを増していたと思います。特に、白人至上主義者たちの狂気に満ちた行動が、社会の病理を象徴していて恐ろしかったです。ジーン・ハックマンの熱演にも圧倒されました。正義とは何かを考えさせられる一作でした。(30代 女性)


観終わったあと、しばらく立ち上がれないほどの衝撃を受けました。暴力だけでなく、沈黙する善人たちの存在が、問題をさらに深刻にしていることがリアルに描かれていました。捜査の過程で正義感だけでは通じない現実に直面するFBI捜査官たちの葛藤にも共感しました。最後の制裁シーンは一種のカタルシスを与えてくれますが、それでも人間の醜さは拭えないと痛感しました。(40代 男性)


重厚なテーマながらも、エンターテイメント性をしっかりと持っている点が素晴らしかったです。『ミシシッピー・バーニング』は、単なる社会派映画ではなく、サスペンスとしても完成度が高いと感じました。ウィレム・デフォー演じる若い捜査官と、ジーン・ハックマン演じるベテランの対比も物語に深みを与えていました。実話をもとにした物語だからこそ、より一層心に刺さる作品でした。(20代 女性)


時代背景を考えると、本当に恐ろしい現実だったのだと思わされました。正義の側にいるはずの人たちですら、立場や恐怖に屈してしまう状況がリアルでした。特に、黒人の人たちが一言も声を上げられないシーンには、胸が苦しくなりました。差別問題は今でも続いていますが、この映画を見ることで、少しでも過去を知り、考えるきっかけになればと思いました。(50代 男性)


社会派映画をあまり観たことがなかったのですが、圧倒されました。淡々と進む捜査の中で、暴力が日常になっている町の異様さがじわじわと伝わってきて、本当に怖かったです。特に、地元警察が差別側に加担している描写はショックでした。エンドロールの後も、しばらくその世界観から抜け出せなかったです。これをきっかけに、他の公民権運動に関する映画も観たいと思いました。(10代 女性)


あまりにもリアルな差別描写に、正直、観るのがつらくなる場面もありました。ただ、それが本作の意図でもあるのだと思います。暴力の連鎖、無関心な人々、そして正義を貫こうとする少数の人々の姿が強烈に胸に刺さりました。特に、最後に地元住民の一部が裏切り者として描かれるあたりが非常に印象的でした。正義とは簡単なものではないと改めて感じました。(30代 男性)

映画『ミシシッピー・バーニング』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ミシシッピー・バーニング』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

『セルマ(原題:Selma)』

この映画を一言で表すと?

歴史を動かした「血の行進」を描く、魂を揺さぶる感動作。

どんな話?

1965年、アメリカ南部アラバマ州セルマで起こった黒人の選挙権獲得運動を、マーティン・ルーサー・キング牧師の視点から描いた実話ベースのドラマ。理不尽な暴力と闘いながらも、非暴力を貫き通す人々の姿に胸を打たれます。

ここがおすすめ!

キング牧師を演じたデヴィッド・オイェロウォの圧巻の演技と、歴史的背景を丁寧に描いたストーリーが見どころ。公民権運動のリアルな過酷さと希望が交錯するドラマに、観る者の心が熱く震えます。

『ドゥ・ザ・ライト・シング(原題:Do the Right Thing)』

この映画を一言で表すと?

猛暑の街で爆発する人種問題、スパイク・リーの社会派エンタメ!

どんな話?

ニューヨーク・ブルックリンを舞台に、猛暑の中で次第に高まる人種間の緊張を描く社会派ドラマ。平穏だった一日が、些細なトラブルをきっかけに暴動へと発展していく様子を、スタイリッシュな映像で見せる異色作です。

ここがおすすめ!

音楽、ファッション、色彩演出すべてが強烈で独特な世界観を生み出しています。重いテーマながら、エネルギッシュでポップな表現が光る名作。観た後、正義とは何かについて深く考えさせられる一作です。

『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~(原題:The Help)』

この映画を一言で表すと?

抑圧の中でも笑いと勇気を忘れない女性たちの物語。

どんな話?

1960年代のミシシッピ州を舞台に、白人家庭で働く黒人メイドたちの実情を、若き白人女性作家が世に伝えようと奮闘する感動ドラマ。人種差別という重いテーマを、ユーモアと優しさを交えて描いています。

ここがおすすめ!

エマ・ストーン、ヴィオラ・デイヴィス、オクタヴィア・スペンサーら豪華キャストの熱演が光ります。理不尽に耐えながらもユーモアを忘れない女性たちの姿に、涙と笑顔が同時にこみ上げる素晴らしい作品です。

『フルートベール駅で(原題:Fruitvale Station)』

この映画を一言で表すと?

たった一日の、忘れられない悲劇。

どんな話?

2009年にカリフォルニア州で実際に起きた、黒人青年オスカー・グラント射殺事件を題材にした作品。大晦日から新年にかけてのたった一日を描きながら、差別と暴力の現実を静かに、しかし強烈に突き付けてきます。

ここがおすすめ!

主演マイケル・B・ジョーダンの演技が圧巻で、オスカーの人間らしい日常を丁寧に積み重ねた末のラストが心に突き刺さります。社会問題に無関心な人にも、強く訴えかける力を持った作品です。

『マルコムX(原題:Malcolm X)』

この映画を一言で表すと?

激動の時代を駆け抜けた革命家の壮絶な人生。

どんな話?

アメリカの黒人解放運動を代表する指導者、マルコムXの生涯を描いた伝記映画。差別と闘いながらも思想を変遷させ、最期まで信念を貫いた彼の壮絶な人生を、デンゼル・ワシントンが圧倒的な存在感で演じています。

ここがおすすめ!

スパイク・リー監督によるスケールの大きな演出と、デンゼル・ワシントンの魂のこもった演技が光る一作。マルコムXの複雑な人物像と激動の時代背景が、リアルに迫ってきます。社会派映画好きには必見です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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