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映画『モニタリング』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『モニタリング』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『モニタリング』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『モニタリング』の結末までのストーリー
  • 『モニタリング』を見た感想・レビュー
  • 『モニタリング』を見た人におすすめの映画5選

映画『モニタリング』の作品情報

モニタリング

製作年:2018年
上映時間:101分
ジャンル:SF、サスペンス
監督:ルート・マーダー
キャスト:フリッツ・カール、カタリーナ・ローレンツ、フローリアン・タイヒトマイスター、ニコラス・ヤロシュ etc

映画『モニタリング』の登場人物(キャスト)

アレクサンダー(フリッツ・カール)
投資会社に勤めるエリートサラリーマン。妻アンナ、息子フランツと優雅な暮らしを送っている。日常を送る中、社会の仕組みに違和感を覚え自由を求めて足掻く。
アンナ(カタリーナ・ローレンツ)
アレクサンダーの妻。夫を労わる貞淑で美しい妻を演出しつつ、実は夫を監視している。監視社会に洗脳され、疑うことを知らない。
ファインマン(フローリアン・タイヒトマイスター)
ライフ・ガイダンスの社員。社会不適合と認定されたアレクサンダーの担当者であり、常に監視、尾行を行っている。イリスの担当でもあり、心のケアを行っていた。
フランツ(ニコラス・ヤノシュ)
アレクサンダーとアンナの息子。母アンナと共に父を監視している。監視社会に洗脳され、疑うことを知らず、指示に従って淡々と行動する。
イリス(ペトラ・モルツェ)
元研究員で、夫と訴訟を起こし社会不適合者と認定された女性。アレクサンダーと接することで、癒しを得ていくものの命を奪われてしまう。実は2児の母であったが、本人にはその記憶がない。

映画『モニタリング』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『モニタリング』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『モニタリング』のあらすじ【起】

言動、行動、生活態度、全てにおいて最適であることを求められ監視される世界。大企業のエリートとして中産階級に属し、妻アンナと一人息子フランツの3人で優雅な生活を送っていたアレクサンダー。この世界では、低所得者は存在する価値が軽いものとして、眠りの城塞と呼ばれる場所へ隔離されていた。

ある日、アレクサンダー一家の元へライフ・ガイダンスのファインマンという男が訪ねて来る。彼は父親であるアレクサンダーが自宅のソファーで横になっている姿を常日頃から子供に見せていることを指摘し、怠惰な姿は子供に見せるべきではないと忠告。ライフ・ガイダンスとは住民を監視し指導を行う支援会社であるものの、アレクサンダーはファインマンの忠告を無視し、追い返すのだった。

ところがその日以来、ファインマンは何かとアレクサンダーの前に姿を現すようになる。どうやら忠告を無視したことで、目を付けられてしまったようだ。そこで、アレクサンダーは適応テストを受けライフ・ガイダンスの執拗な監視をやめてもらうよう依頼。だが、数日後に届いた通知書には、重度な適応障害であると診断されため、ライフ・ガイダンスの支援が必要不可欠だと書かれているのだった。

アンナと相談した結果、拒否するのは得策ではないとして、ひとまずは時間稼ぎのため、指示に従うことに。アレクサンダーはライフ・ガイダンスの自己啓発訓練へ参加することになった。
立派な大人たちがまるで子供だましの工作作業を黙々と行う。休日でも常にファインマンが付きまとい、疎ましいことこの上ない。アレクサンダーはどうにか逃れる術はないかと、密かに方法を探し続けた。

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映画『モニタリング』のあらすじ【承】

会社でも同僚から避けられる中、フランツまでもがファインマンに懐き始め、危機感を募らせたアレクサンダー。そこで、彼は逆にファインマンを尾行し、一人暮らしの女性イリスから話を聞くことができた。ファインマンは担当する人の自宅を訪問し、心のケアも行っているようである。アレクサンダーはイリスからライフ・ガイダンスの本社の場所を聞き出し、直接乗り込んで企業主と会うことにした。

ところが、現れた人物は企業主ではなく更にファインマンも現れ、企業にはトップなどなくスタッフ全員で指導を行っていると笑顔で追い返されてしまう。やむなく退散したアレクサンダーだったが、監視は執拗さを極めどこに行ってもライフ・ガイダンスのスタッフが目につく。その後、アレクサンダーは以前、出口を求めているかと記載されたカードをくれた聖職者を訪ねたが、カードに記載された礼拝堂もカードをくれた人物もすでに姿を消した後だった。

自分が抱える疑惑を友人に相談したアレクサンダー。だが、友人はライフ・ガイダンスをただの支援会社だと言う。疑う方が間違っていると言われては、反論もできない。
友人との食事を終えたアレクサンダーだったが、駐車場ではファインマンが待っており見せたいものがあると言うため、ついて行くことに。

映画『モニタリング』のあらすじ【転】

向かった先は小規模なシアタールーム。アレクサンダーのためだけに作られた映画で、彼の願望を描いたとされるショートフィルムを見せられた。取引先相手と荒野のレストランで食事を摂っていたアレクサンダーは、食事を抜け出し袋へと無造作に詰められた現金を先住民族へ分け与えるといった内容だった。

ファインマンから解放された後は、イリスを訪ねる。だが、彼女は自宅の車庫にてすでに息絶えていた。ライフ・ガイダンスの陰謀ではないかというアレクサンダーの疑惑は深まるばかりである。彼は警察にライフ・ガイダンスの危険性を訴えたが、民間企業に確証もなく警察が関わることはできないとすげなく断られてしまう。

そこで、アレクサンダーは自らライフ・ガイダンスへと潜入することにした。スタッフから奪った社員証で中へ入り、会社の地下へ。巧妙に作られた寝室のセットが設置された部屋を目にし、更に奥へ進むと録画ディスクが大量に保管された場所へ。そこで、イリスと自分の記録を見つけ出し、内容に目を通すことにした。

すると、そこには驚くべき内容が録画されている。イリスのものにはレイプされた事実と、2人の子供の存在が。アレクサンダーのものには、フランツが生まれたばかりの子供を殺害する様子と、それを容認するアンナの様子が記録されていたのである。

映画『モニタリング』の結末・ラスト(ネタバレ)

アレクサンダーの記憶には一切、残されていない事実だった。恐らく、ライフ・ガイダンスが記憶を消しているのだ。アレクサンダーはそれらの記録を手にライフ・ガイダンスから逃走したが、すぐに捕まってしまい再び記憶を消されてしまうのだった。

ディスクの件について記憶を消されたアレクサンダーだったが、アンナとすれ違いで帰宅後、キッチンに置かれたままの赤いノートを発見する。彼はノートを開き愕然とした。ノートはライフ・ガイダンスから支給されたもので、アンナが夫の様子について詳細に記録をつけていたのである。それを呼んだアレクサンダーは家を飛び出し、下層地域の町へと向かった。

場末の食事屋へ入った彼は、その店で出会った女性の家へ。彼女の話によると、ライフ・ガイダンスが記憶を消す作業を再編成と呼ぶらしく、女性はすでに19回も編成を繰り返され現在に至っているらしい。その日は女性の家のソファーで休ませてもらった。

翌日、会社へ向かったアレクサンダーは、ふとオフィスへと向かわずに踵を返す。車のワイパーに百合の花が挟まっていた。どこへともなく発車させた彼に1本の電話が入る。遺体を教会に安置したという知らせだった。
指定の教会へ向かったアレクサンダーは、入院中だった父の亡骸を前に涙を流す。彼はその後、会社重役や企業主が集まる狩猟クラブへ。命を懸けて銃口の前へ飛び出し、彼らへと抗議しようとしたものの、重役たちは統制することの何が悪いのかと笑うばかり。

懊悩を抱えたアレクサンダーは山中を彷徨い、迎えに来ていたファインマンと遭遇。彼と殴り合いを展開し、勝利後に再び歩を進めた。そうして、迎えに現れていた車に乗り込み自宅へと帰宅。
家族は再び元の姿へと戻り、アレクサンダーはアンナを胸に抱き愛していると淡々と告げるのであった。

映画『モニタリング』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

ストーリーは淡々と進むものの、余計な説明はなく音楽と映像、俳優達の演技に少ないセリフだけで状況を描いている。高レベルの映画と感じた。登場人物は全員がほとんど無表情で感情がまるで感じられない。幸せとは何かを考えさせられる。

主人公は満たされた生活の中で、自由を求めようと足掻き支援会社の闇を見てしまう。そのせいで懊悩を抱えることになるのだが、山中で送迎車に乗った際、記憶を消したのかは描かれていない。故に、ラストシーンの主人公の表情が非常に印象に残る。自由とは何か、幸せとは何か、家族の在り方とは、社会の在り方とは何かを強く問いかけるシーンだと感じた。(MIHOシネマ編集部)


物凄く静かな作品。悪く言ってしまうと地味な作品です。無機質な暮らし、少ないセリフ、BGMは流れずたまに響く効果音。観ているだけで息が詰まりそうになります。設定は個人的に無理やりすぎる印象です。もしも貧富の差がハッキリしていて、エリートには最適な行動が求められる社会だったら。そういう意味でのモニタリングもあるのでしょうか(笑)。説明も少なく淡々と物語が進んでしまい、全体を通して話が何が何だか分かりませんでした。雰囲気を楽しむ映画かと。(男性 20代)


近未来の社会を舞台に、「完璧な人生」を強要される恐怖を描いた作品。最初はSF的な設定に興味を惹かれたが、徐々に明らかになる“人間の自由を奪うシステム”にゾッとした。主人公が管理社会から逃れようともがく姿は、まさに現代社会の縮図。効率と幸福の関係を問い直させる、哲学的な一作だった。(30代 男性)


人工知能が人間の“正しい生き方”を導くという設定がリアルすぎて怖い。ライフギダンス社の“幸福プログラム”は一見合理的だが、実は人間性を奪う支配そのもの。主人公がそれに気づき、最後に自我を取り戻す瞬間は胸が熱くなった。管理社会への警鐘としても秀逸。(20代 女性)


映像の冷たさと静寂が印象的。登場人物たちが全員“幸福”に見えるのに、どこか不気味で息苦しい。その違和感が少しずつ崩れていく展開が見事だった。特に主人公が家族さえもシステムの一部と気づいた場面は衝撃。人間とは何かを突きつける、ヨーロッパらしい社会派SF。(40代 男性)


結婚や仕事、幸福まで国家に管理される世界――まさにディストピアの極み。表面上の幸福の裏に潜む監視の恐怖がリアルで、見終わった後もしばらく息が詰まる。女性視点で観ると、家族という制度や母性の押し付けにも通じるテーマが見えてくる。怖いけれど、美しい映画だった。(30代 女性)


最初は淡々と進むが、途中から一気に心理スリラーに変わる展開に引き込まれた。主人公が「自分で考えること」を取り戻す過程が感動的。あの無機質な世界で流れる一筋の涙がとても印象的だった。『ガタカ』や『1984』が好きな人には刺さると思う。(20代 男性)


観ていてまるで現代のSNS社会を見ているようだった。評価されるために自分を作り上げる世界と、「正しい生き方」を押し付けるこの映画の世界は同じ構造。主人公の混乱や孤独に強く共感した。監視というより“同調圧力”を描いた作品としても秀逸。(40代 女性)


哲学的なSFとしても社会批判としても完成度が高い。人間が自分の意思を持たなくなった世界は、一見平和に見えて恐ろしく虚しい。監視システムの美しいデザインが、逆に不気味さを強調しているのも巧みだった。静かな怒りが心に残る。(50代 男性)


主人公が「理想の市民」から逸脱していく描写にゾクゾクした。ライフギダンス社の職員たちの笑顔が怖くて、人間よりもプログラム的に見えた。最後に主人公が“自由”を手に入れても、それが幸せかどうか分からない結末が深い。観る人を選ぶが、刺さる人には深く刺さる映画。(20代 女性)

映画『モニタリング』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『モニタリング』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

ガタカ(1997)

この映画を一言で表すと?

「完璧に設計された社会で、遺伝に抗う人間の静かな反逆劇」

どんな話?

遺伝子操作によって人間の能力や将来が決められる未来社会。主人公ヴィンセントは“欠陥人間”として差別されながらも、宇宙飛行士になるという夢を諦めない。完璧な社会の裏で抑圧される人間の意志と希望を描いた、静かながらも胸を打つSFドラマ。

ここがおすすめ!

『モニタリング』と同じく「管理された幸福」に疑問を投げかける作品。洗練された映像と音楽、美しい構図の中に人間の尊厳と自由への情熱が宿る。ジュード・ロウとイーサン・ホークの名演も見どころ。理想と現実の狭間でもがく人間の姿に深く共感できる。

エクス・マキナ(2015)

この映画を一言で表すと?

「AIと人間、どちらが“本物の意識”を持つのかを問う心理SF」

どんな話?

若きプログラマーのケイレブが、天才CEOのもとで開発された美しいAI“エヴァ”のテストに参加する。しかし、次第にエヴァの行動が彼の理性を揺さぶり、やがて予想を超える結末へと導かれていく。知性と感情の境界が曖昧になるスリリングな物語。

ここがおすすめ!

『モニタリング』が描く“幸福の管理社会”をAI視点で深化させたような内容。極限まで洗練された演出と、エヴァの存在がもたらす不気味な美しさが圧巻。観る者に「意識とは何か」「人間とは誰か」を深く考えさせる傑作SFスリラー。

THX 1138(1971)

この映画を一言で表すと?

「ジョージ・ルーカスが描く、感情を奪われた未来社会の黙示録」

どんな話?

人間の感情が薬によって抑制され、政府がすべてを監視する未来社会。主人公THXはある日、薬の服用を止め“愛”を知ってしまう。だがその行為はこの社会では犯罪だった――。逃亡と覚醒を描く、冷たい世界の中の人間讃歌。

ここがおすすめ!

『モニタリング』同様、秩序と幸福の裏に潜む恐怖を描いたディストピアの金字塔。無機質な白い空間、規則的な生活、感情の禁止など、現代にも通じる不気味な予兆がある。静謐ながらも強烈に印象に残る、ルーカスの原点的SF作品。

エターナル・サンシャイン(2004)

この映画を一言で表すと?

「記憶を消しても消せない、愛の痛みと人間の愚かさ」

どんな話?

恋人との辛い別れを忘れるため、記憶を消す手術を受けたジョエル。しかし、記憶の中で再び彼女と向き合ううちに、彼女への愛がどれほど深かったかに気づいていく。記憶と感情の狭間で描かれる、切なくも美しいラブストーリー。

ここがおすすめ!

『モニタリング』が「幸福の正体」を問うのに対し、本作は「苦しみを消すことの意味」を問う。幻想的な映像と繊細な心理描写が心を揺さぶる。ジム・キャリーとケイト・ウィンスレットの演技が圧巻で、記憶と愛の儚さに涙すること必至。

未来世紀ブラジル(1985)

この映画を一言で表すと?

「官僚主義に支配された世界で夢見る男の皮肉なディストピア」

どんな話?

近未来の超管理社会。無数の書類と機械に囲まれた官僚サムは、ある日夢で見た女性を現実に探し始める。しかし彼の行動は次第に国家を敵に回すこととなり、幻想と現実が交錯していく。風刺と狂気が入り混じるブラックユーモアSF。

ここがおすすめ!

テリー・ギリアム監督による独特のビジュアルセンスと、ユーモラスで皮肉な社会批判が冴え渡る。『モニタリング』の“完璧な社会への皮肉”をよりアナーキーに描いた作品。笑いながらも背筋が寒くなるような、奇妙で忘れがたい傑作。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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