映画『モンスター・ハウス』の概要:2006年公開のアメリカの3Dアニメーションで、製作総指揮はロバート・ゼメキスやスティーヴン・スピルバーグなど名立たる監督による物である。少年DJの不審な向かいの家への思いと恐怖を描いたホラー映画。
映画『モンスター・ハウス』 作品情報
- 製作年:2006年
- 上映時間:90分
- ジャンル:ホラー、アニメ
- 監督:ギル・キーナン
- キャスト:ミッチェル・ムッソ、サム・ラーナー、スペンサー・ロック、スティーヴ・ブシェミ etc
映画『モンスター・ハウス』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『モンスター・ハウス』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『モンスター・ハウス』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『モンスター・ハウス』 あらすじ【起・承】
DJは怪しい家のネバークラッカーを望遠鏡で観察していた今日は小さい女の子の三輪車が敷地に乗り込み没収されてしまった
親友のチャウダーが来て、明日のハロウィンの話などして励ましてくれるがDJは元気がない。しかも一緒にバスケットボールを少しいじっていた際にボールが思わぬ方向に転がり、件の屋敷の庭に入ってしまった。新しいボールなので惜しくてしょうがないチャウダーと、入りたくなくて仕方ないのでボールは消滅したと思い込ませ留まらせようとするDJ。
しかしさんざん家のお手伝いをして貯めた28ドルで買ったボールだと泣くチャウダーを前に、DJはネバークラッカーが姿を見せないのを確認し、意を決してボールを拾おうとする
ボールに近づくといないと思っていたネバークラッカーが現れ、慌てたDJは芝生でつまずき毟ってしまう。
芝生が削れた事に怒ったネバークラッカーはDJをつかまえ抱えるが、発作を起こし倒れてしまう。救急車で運ばれていったネバークラッカーだが、家の鍵を落としていったのをDJは無言で拾う。
走り去る救急車のサイレンが鳴らないのを見て、助からないであろうと自分が人殺しになってしまったと落ち込むDJ。
両親は出かけてしまい、シッターのエリザベスが来るがマイペースな上にいい加減な性格の為、規則破りもして男友達のボーンズまで家に呼び寄せる。不安でネバークラッカー家を不審に感じたDJは、チャウダーに電話し呼び出しをかける。
エリザベスを怒らせ追い出されたボーンズだが、ネバークラッカーの家で自分が昔無くした凧がはためくのを見かけ、吸い寄せられてしまう。
チャウダーと合流したDJは、ネバークラッカー宅の鍵を拾った事で家に入ってみようとする。
チャウダーがふざけて呼び鈴をならすと、家が生き物の様に襲ってきた。
部屋で、徹夜で監視をしていたDJとチャウダーだが、望遠鏡で覗く際に美少女がネバークラッカー家にわからないで向かう姿を目にし、慌てて助け出す。家に少女を向かい入れると彼女は名門校の優等生でジェニーと名乗った。
警察を呼んだが大人の前では家は何の反応も無く、相手にされない。モンスターに詳しいと言うスカルに相談し、攻略法を3人で練る。
ボイラー室に鍵があると睨んだ3人は、囮を使い家に薬を飲ませる計画を立てる。
映画『モンスター・ハウス』 結末・ラスト(ネタバレ)
あと少しで囮を家に飲ませる所で先ほどの警察2人が通りかかり、不審な行動をした為に留置所へ連れて行かれそうになる。しかし怪しい音を聞いた警察2人は家に飲み込まれ、パトカーの中に連れ込まれていた3人は車ごと家に飲み込まれてしまう。
家の中で壊れたパトカーから出た3人は、静かに室内を探索する。
写真からネバークラッカーが元は軍の爆撃係であった過去など知りつつ進んでいくと、今迄家が人々から取り上げてきた品々の落ちている部屋へと辿り着いた。
すると鍵のかかったコンスタンス巨女と書かれた部屋があり、DJは拾った鍵で開けてその地下牢へと入る。そこにはセメントで固められたコンスタンスが仰向けで居た。
しかし転んだのをきっかけに見つかってしまい、チャウダー、ジェニーは次々と捕まる。
しかし家の口蓋垂に当たる所を刺激し、くしゃみと共に家の外に吐き出された。
チャウダーと軽く口論になった矢先に救急車が目の前に現れるが、中から出てきたのは死んだと思われたネバークラッカーだった。
家に愛おしそうに語りかける姿を見て、DJはネバークラッカーがあの家は奥さんなのだと思い知り、「あなたは彼女を殺してはいない」と話す。それを聞いたネバークラッカーは、彼女は肥満すぎる故にサーカスで見世物になっていた、愛していた彼は彼女を引き取ったが、家を建設中に事故で死亡。家は完成したが、家に彼女の意思は残り、ハロウィンには彼女が襲い始めるので神経を尖らせないといけないと話し始めた。
今迄家に襲われないように子供達を家から遠ざけていた事を知ったDJは、これからは自分達がそばにいる、と話し家を壊す事を提案する。しかしその思いに気付いたコンスタンスの家は家ごと動き出し4人を追い始める。
ネバークラッカーは、隠していた爆弾を取り出し、家を爆破しようとするが捕まってしまう。
そこにトラクターで応戦しながら、煙突が心臓に繋がっていると睨み、家を壊しにかかる。クレーン車をはしご代わりに登り煙突内に爆弾を投入、爆破。
すると成仏した姿で最後の別れをネバークラッカーに告げていたコンスタンスと泣き崩れるネバークラッカーが居た。45年もあの家に囚われていてようやく自由になれたとお礼を言われたDJ達。
今迄に家が奪ってきたおもちゃを返しながら、お菓子タイムにはしゃぐDJとチャウダーは楽しくハロウィンを迎えるのだった。
映画『モンスター・ハウス』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『モンスター・ハウス』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
家への思いが如実
子供向けアニメかと思いきや、日常での小骨の様にささる不快さをうまく表現しているホラーの為、大人でも観ていてリアリティを感じてしまう。
家はよく人を表す、家は人自身、と言う言葉を耳にするがまさにそれを如実に映画としてうまくまとめている。
高齢の人こそ住む場所や地域にとらわれてしまうので、この作品を見て「恐怖」を抱いてしまうのは大人の方が感じる物が強いはずである。
大人でしかわかりえない「家」への思いを、自分の「思い」と絡めながらアドベンチャー風味に構成されている。
「家の中での探索時間」より、外での「家に対してどう向き合うか、攻略法」を検討する時間の方が長い事が、サスペンスの様な緊張感と未知の恐怖が感じられて良い。
最後まで丁寧な作り
EDの最後まで、きちんと考えられて作られており、最後にビーンズや警察官達も無事に家から抜け出ていく姿なども観られる。
笑えるのが、男友達のボーンズに嫌気のさしたベビーシッターのエリザベスが、ちゃっかりゲーマーでモンスターに詳しいスカルと良い感じになっているのが抜け目無い。
計算されている流れで、最後には最初のもじもじした内気な雰囲気のDJではなく、成長した姿が好感を抱く。
無事に家を破壊し、怯えていた相手であるネバークラッカーとも友人になり、タイプの少女とも仲良くなれた自信がみなぎっていてチャウダーとの絡みも友情度の深まりを見せており、DJに対して親心を抱きそうになる。
家に捕らわれ、室内に滞在していた時間こそそこまで多くはないが、家と向き合う姿勢がうまく描かれていたので、子供よりは大人が観ると清々しくなれる作品だと言える。
映画『モンスター・ハウス』 まとめ
子供向けのほのぼの冒険アニメーションかと思いきや、ロバート・ゼメキスやスティーヴン・スピルバーグ監督が製作総指揮をとっただけあり、きちんとした構成のホラーなので要注意である。
子供向けにしてはトラウマになる要素が多い上に、大人でも少し拳を握りながら観る緊張感がある映画。
冒頭から、自分を説教していた高齢者が怒り狂ったまま亡くなってしまったりすると、子供でなくてもトラウマ級の恐怖を感じるであろう。
しかもベビーシッター達の性格や行動が胸糞悪いので序盤から早くも気分が悪くなる人が少なくないはず。
モンスター的な家と言う設定の前に起こる出来事が日常でありそうな不快感を表現しているのですごくリアリティを感じる。
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