映画『モンスター上司』の概要:ニックとデールとカートの仲良し3人組はそれぞれ傍若無人な上司に悩まされており協力して上司暗殺を企てる。しかし事態は思わぬ方向へ進展し意外な結末を迎える。2011年公開のアメリカ映画。
映画『モンスター上司』 作品情報
- 製作年:2011年
- 上映時間:98分
- ジャンル:コメディ
- 監督:セス・ゴードン
- キャスト:ジェイソン・ベイトマン、チャーリー・デイ、ジェイソン・サダイキス、ジェニファー・アニストン etc
映画『モンスター上司』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『モンスター上司』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『モンスター上司』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『モンスター上司』 あらすじ【起・承】
ニック(ジェイソン・ベイトマン)は昇進を目指して8年間早朝から深夜まで黙々と働いている。しかし彼の上司である取締役のハーケン(ケヴィン・スペイシー)はネチネチとニックをいじめ続け、ニックの我慢も限界を迎えていた。
歯科助手をしているデール(チャーリー・デイ)は歯科医のジュリア(ジェニファー・アニストン)の過激なセクハラに悩まされている。夫になるのが夢でステイシーという可愛い彼女と婚約中のデールは、ジュリアの猛アピールに多大なストレスを感じていた。
カート(ジェイソン・サダイキス)の勤める薬品会社では、信頼する社長が突然死してしまい息子のボビー(コリン・ファレル)が新社長となる。しかしヤク中のボビーは会社のことなど何も考えていない大バカで、カートは困り果てていた。
ニックとデールとカートは仲良し3人組であり、毎晩互いに上司の愚痴を言い合う。もし辞職しても再就職は難しいし、いっそ上司を殺してしまいたいと冗談交じりで話す毎日だった。しかし、3人ともいよいよ我慢の限界を超え、本気で上司殺しを考え始める。
3人は上司を殺してくれる凄腕の殺し屋を求めて黒人バーへ行く。しかしそこで声をかけてきたのは自らをマザー・ファッカー・ジョーンズ(ジェイミー・フォックス)と名乗る胡散臭い男だけだった。ジョーンズは5000ドルの報酬で、いい加減な殺しの方法を教えてくれる。
お人好しの3人はジョーンズに言われた通り、上司の行動パターンと弱点を探り交換殺人をすることにする。
映画『モンスター上司』 結末・ラスト(ネタバレ)
最初に忍び込んだボビーの家には大量のコカインがあり、それを撒き散らしてしまったデールはすっかりラリってしまう。しかしボビーの携帯を盗むことには成功し、3人はハーケンの自宅へ向かう。
ラリっているデールは車に残し、ニックとカートがハーケンの自宅へ忍び込む。ところがジョギングから帰ってきたハーケンはデールが投げ捨てたピーナッツパンでアレルギー反応を起こして倒れる。デールがハーケンを救うために注射をしているのを見て殺していると勘違いしたニックとカールは、ボビーの携帯をハーケン宅に置き忘れて逃げ帰る。
ニックはボビー、デールはハーケン、カートはジュリアを殺すため、それぞれの持ち場へ向かうが、結局3人ともいざとなると何もできなかった。しかし、自宅でボビーの携帯を見つけたハーケンが彼を妻の浮気相手だと勘違いし、ボビーを射殺してしまう。現場を見ていたニックは大急ぎでその場から逃げ出す。
ところがニックの車が現場から急発進する様子を防犯カメラが捉えており、3人に殺人容疑がかかる。3人は無罪を立証するため、ハーケンの自白をこっそり録音しようと試みるが、逆にハーケンから命を狙われ追いかけられる。
追いつめられた先で、ハーケンは自ら自分の足を銃で撃ち、3人がボビー殺しの犯人で自分も殺されかけたと自作自演する。カーナビガイドの通報でやってきた警察はハーケンの訴えを信じそうになるが、ナビには全ての音声が録音されており、3人の無実は証明され、ハーケンは逮捕される。
悪徳上司がいなくなり、ニックとカートは安息の日々を得る。デールもジュリアにしっかりとお灸をすえることができ、3人の復讐劇は大成功で終わる。
映画『モンスター上司』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『モンスター上司』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
潔いほどバカらしい
ニックとデールとカートの3人は、毎晩集合するほど仲がいい。ニックは慎重で現実的、カートはとにかく女好きで能天気、デールはいわゆるボケの役割を果たす天然キャラだ。それぞれに個性は違うが、共通しているのは3人ともかなりのお人好しであること。そこがこの3人組の間抜けさとおかしさの根本になっている。
大の男が3人もいて明らかに胡散臭いマザー・ファッカー・ジョーンズの話を鵜呑みにすることなんて、バカバカしくてありえない展開なのだが、その善良さとゆるさがいかにもコメディなので、何が起こっても笑って見ていられる。
徹底的にバカらしいという潔さには、ある意味安心感がある。
悪役ケヴィン・スペイシー
3人を悩ませる上司の中でも最も怖いのがニックの上司であるハーケンだ。欲求不満を丸出しにしてセクハラをしてくるジュリアや、ヤク中のボビーは正真正銘のバカなのでイライラはしても恐ろしくはない。しかし、ハーケンの場合は頭の切れるネチネチとした悪人なので、身近にいると一番嫌なタイプだ。
この粘着質で自信家の嫌味な上司をケヴィン・スペイシーがバッチリはまり役で演じている。ケヴィン・スペイシーは複雑な内面を持つ癖のある人物を演じるのがうまい。「アメリカン・ビューティー」でも、娘の友達と本気でセックスをしたがる癖の強い父親を好演し、アカデミー主演男優賞を受賞している。
本作でも異常に利己的で嫉妬深くて冷酷な鬼上司を気持ち悪く演じており、彼の悪役ぶりがこの作品をぐっと引き締めている。器用な俳優さんだ。
映画『モンスター上司』 まとめ
いわゆる超アメリカ的なブラックコメディで、下品な下ネタも満載。ただ具体的にエロいシーンがあるわけではないので、そこはくどさがなくていい。
エンディングのNG集を見てもわかるが、現場にいるキャストやスタッフがみんな楽しそうだ。作品に“お!ノリノリだね!”と声をかけたくなるような勢いがある。物語そのものも話の展開もかなり強引だが、あまり細かいことをどうこう言うような作品でもないので、あえてツッコむこともないだろう。
ゆるゆるのブラックコメディなので、とにかくどこまでも気楽に脱力して見られる。結末もサッパリしているし、何も考えたくない時にはこういう映画もいいかもしれない。
関連作品
次作 モンスター上司2
みんなの感想・レビュー