この記事では、映画『MONSTERZ モンスターズ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『MONSTERZ モンスターズ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『MONSTERZ モンスターズ』の作品情報
上映時間:112分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:中田秀夫
キャスト:藤原竜也、山田孝之、石原さとみ、落合モトキ etc
映画『MONSTERZ モンスターズ』の登場人物(キャスト)
- 超能力を持っている男(藤原竜也)
- 視界に入る人間を自由自在に操る能力を持っている男。人に知られず孤独に暮らしていたが、唯一操れない人物と出会うことで、恐ろしい行動に出る。
- 田中終一(山田孝之)
- 驚異的な回復力をもつ男。超能力をもつ男にとって唯一操れない人間。通事故をきっかけに働き始めたギター店で、店主の娘を好きになり守ろうとする。
映画『MONSTERZ モンスターズ』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『MONSTERZ モンスターズ』のあらすじ【起】
自分の視界に入る人間を自在に操る能力を持った男がいた。彼は少年時代、その能力の恐ろしさから実の父親に捨てられそうになる。少年を庇う母に、父は暴力をふるった。そんな父を、少年は操って自殺させた。それを見た母も怖くなり、少年の首を絞め始めた。そのため母のことも操って殺そうとしたが、出来なかった。少年は母の前から姿を消し、人を操ることで現金を得てホテル暮らしをし、そして大人になった。
ある日、彼はいつもの様に視界にいる人々の動きを止めて、食べ物を頂戴していた。しかし、道路の反対側で自由に動いている男がいた。田中終一だ。終一は引越業者で働いており、その日もトラックで荷物の積み下ろしをしていた。彼が何度も試みても、終一の動きが止まることはない。しかし、次の瞬間、終一は偶然にも通りがかった軽トラックにはねられた。彼は、唯一操れない人物が死んだのだと思い安心して去って行った。
しかし、終一は生きていた。周りの人間は奇跡だと思ったが、終一は昔から身体が異様に丈夫で、驚異的な回復力を持っていた。入院している終一のもとに同僚が現れ、当分は出勤できないだろう終一がクビになったと告げる。生活の糧を失った終一は、退院するとすぐに交通事故を起こした運転手の元を訪ね、慰謝料を請求しようとした。運転手は小さなギター専門店の店主で、その娘・叶絵が退職金をはたいて慰謝料を支払おうとしていた。その様子を心苦しく思い、終一はそのギター専門店で働かせてもらうことにして、退職金は受け取らなかった。

映画『MONSTERZ モンスターズ』のあらすじ【承】
ギター専門店で楽しく働いている終一だが、彼がその姿を発見してしまう。死んだはずの男が生きていた。そして、また操ろうとしても操れない。焦った彼は、終一の店を訪ねた。その頃、終一の友達と店主、叶絵が、店主の誕生日パーティを開いていた。しかし、パーティの途中で終一以外の人達の動きが止まる。そのまま彼は店に侵入してきて、店の中の人達を操った。まず、終一の友達に終一を拘束させ、叶絵が持っていた包丁で終一の脇腹を刺させた。腹を刺さされた終一が倒れ込んでいる間、店主を窓際で前のめりにさせ、その背中を叶絵に押させた。店主が窓から落ちた後、叶絵にスタンガンを持たせ、終一を気絶させた。
終一が病院で目が覚めた時には、店主は既に死んでいた。娘の叶絵は何が起こったのか分かっておらず、ただ泣いていた。唯一、その場で意識があった終一は警察から事情聴取を受けたので、人を操る男がいたこと等すべて本当のことを話した。ただ1つ、叶絵が店主の背中を押したことだけは言わなかった。
映画『MONSTERZ モンスターズ』のあらすじ【転】
パーティでは終始、タブレットで動画撮影をしていた。それを警察に提出する前に、叶絵が店主を押した瞬間だけは編集しようと、お店に戻る終一。しかし、彼は格闘家2人を引き連れて、また終一を殺そうとやってきた。しかし、彼の弱点が視界を奪うことだと分かり反撃し、なんとか彼を捕まえることができた。
警察署に連れてこられた彼は、隙をついて警察官達を操り始める。そして、また終一を襲い始める。大きな鉢植えの下敷きになり、大量の血を流した終一。彼は、今度こそ操れない相手はいなくなったと思った。しかし、周囲の人間を操る度に、彼の身体は少しずつ壊死し始めていた。
警察での騒動の後、彼は指名手配されていた。彼が滞在していたホテルも抑えされ、母親が住んでいる家も警察が待ち構えていた。彼は母親に売られたのかと考えるが、やはり母親は殺せない。少年時代に過ごした家を、過去に何度も訪ねていたのだと告白し、その場を去って行った。母はその後、自殺した。
映画『MONSTERZ モンスターズ』の結末・ラスト(ネタバレ)
パーティの日の動画は、まだ編集を終えていなかった。それを偶然、叶絵が見つけてしまい、自分が父を突き落したのだと知って泣き崩れる。終一がそれを慰め、叶絵を守ると誓っていると、そこに彼から電話がかかってきた。新宿の劇場で会って決着をつけようと言うのだ。
終一が劇場につくと、そこにいる客たちは次々に飛び降りて死んでいった。彼が操って殺していたのだ。そして、大勢の人間に終一を襲わせた。大勢を操り身体に限界が近付いてきた彼は、警察とともに駆けつけた叶絵を人質にして逃げ始めた。らせん階段に着く頃、彼の身体は限界に達していた。彼は少年時代から大切にしていたマンガ本を落としてしまう。母から与えられた物だった。そこには彼の名前が記されており、追いかけてきた終一がそれを拾った。彼の名前を知った終一は、化け物と呼ばれてきた彼に話しかける。ちゃんと名前があるではないか、と。そう言われた時、彼の身体はふらつき、らせん階段の手すりが壊れ、彼は落ちて行った。しかし、もう誰も死なせたくない終一は、彼とともに落ち、彼の下敷きになった。
彼は終一のおかげで生き延び、警察に拘束された。目隠しされ、手足も動けなくされたが、終一の「死ぬまで生きろ」という伝言を聞いた時に涙した。一方、終一もやはり生きており、叶絵や友人とともに平和な生活へと戻っていった。
映画『MONSTERZ モンスターズ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
藤原達也と山田孝之演じる特殊な能力を2人が対峙する内容なのだが、そもそも力の根源的なものなどはあまり描かれて折らず、設定が飛びぬけているのでちょっとのめり込みづらい印象を持った。視界に移る人間を操り、殺人を犯させたり、自らを殺害させたりとやりたい放題な事が出来てしまうのだが、特にそれを使用して大きな犯罪を犯すわけではなく、ただ自分の思い通りにならなかった人物が登場したせいで、半ば意地のような感情で行動しているような所があり、少し浅はかに感じてしまう。キャストは良いだけに惜しい作品である。(男性 30代)
日本映画界をけん引している二大俳優の競演によるSFサスペンス映画。映像的な見せ場がそれなりに多くて楽しめる。見せ方はそれなりにいいんだけど、脚本から人間性が非常に薄っぺらでせっかくの俳優の演技がそれの埋め合わせに翻弄されているように感じる。本音を言うと、もういい加減子供っぽいクレイジーな連続殺人犯のようなキャラクターは止めてほしい。対照的なただただ善良な主人公像にも共感が持てないのでストーリーが遠い世界に感じられすぎて入り込めない。(男性 30代)
キャストは豪華だがそれだけに期待が大きくなってしまう分、少しがっかり感が強かった。映像も迫力があるし脇役から主役まで全ての俳優が素晴らしい演技をしている。しかし脚本があまり面白くない。ハラハラしないのだ。特殊能力を持つもの同士の対決なのに、全体的に戦いが地味というのも盛り下がるポイントだった。主人公に対して感情移入もできないので、映画にあまり入り込めなかった。
しかし、さすが日本を代表する俳優陣というだけはあり、演技は素晴らしかった。藤原竜也の自分を痛めつけながら能力を行使する姿や、山田孝之の正義感などは痛いほど伝わってきた。それだけに脚本が少し残念な作品だった。(男性 20代)
人を意のままに操る力を持つ男と、それが効かない唯一の男。設定は非常に魅力的で、二人の対決構図には緊張感がありました。藤原竜也さんの狂気じみた演技が光っていて、終盤に向かって加速する感情の暴走は圧巻。山田孝之との対比が見事で、能力モノでありながら人間の孤独や絶望を深く描いています。ラストはやや唐突でしたが、切なさが残る良い余韻でした。(30代 男性)
ホラーでもなく、単純なSFでもない。能力というファンタジー要素を通して“人と人が分かり合えない苦しさ”が描かれていて胸が痛くなりました。特に、藤原竜也演じる“男”が徐々に壊れていく様は見ていて辛かったです。ただの悪役ではない複雑さが魅力。愛を知らない彼が最後に見せた涙に不意打ちで泣かされました。(20代 女性)
韓国映画『超能力者』のリメイクと聞いて鑑賞。オリジナルに比べてテンポが落ち着いていて、日本独自の人間ドラマに寄せた印象。藤原竜也の怪演が本作の肝だと思いますが、山田孝之の“普通の男”感も意外とハマっていて面白かった。能力バトルというより、感情のぶつかり合いを楽しむ作品でした。(40代 男性)
怖いというより切なかった。力を持つがゆえに孤立し、誰にも愛されないまま歪んでいった男。その心の叫びが、後半に進むにつれて痛いほど伝わってくる。藤原竜也さんの“壊れゆく演技”が圧倒的で、映画を引っ張っていました。邦画としては珍しいジャンルで、もっと評価されてもいい作品だと思います。(30代 女性)
能力モノが好きで観たけど、予想以上に内面的なドラマだったのが良かった。映像は派手じゃないけど、その分役者の演技が際立っていた。特にラスト、山田孝之が「それでも守る」と言い切る場面にぐっときました。“人を信じる力”と“人に絶望する力”のぶつかり合い、これは能力ではなく人間の問題なのだと感じた。(20代 男性)
能力を使えば何でもできる、と思いきや、実際は一番孤独な存在。そんな“男”の哀れさと悲しさを真正面から描いていて、予想以上に感情を動かされた。藤原竜也の演技がかなりエモーショナルで、観ていて心が苦しくなるくらい。山田孝之との対比もすばらしく、抑えた演技が光っていた。(40代 女性)
最初はただの超能力対決かと思っていたら、どんどん深い人間ドラマになっていって驚きました。藤原竜也の「なぜお前だけ…」という叫びに、思わず感情移入してしまうくらい演技がリアル。全体的に重いけど、見応えありました。中盤のビル崩壊シーンのスケール感も邦画にしては迫力があり、引き込まれました。(50代 男性)
映画『MONSTERZ モンスターズ』を見た人におすすめの映画5選
超能力者(原題:Haunters)
この映画を一言で表すと?
運命に引き寄せられた二人の男が交差する、静かなる超能力バトル!
どんな話?
人を自在に操る能力を持つ“男”と、その力が効かない青年。全く正反対の存在が出会い、逃れられない対決の渦に巻き込まれていく。静かに、そして激しくぶつかる二人の魂の物語です。
ここがおすすめ!
『MONSTERZ』の原作にあたる韓国映画。よりダークで重厚な雰囲気が漂い、キャラクターの孤独と暴力性が際立っています。比較して観ると、リメイク版との演出の違いも楽しめます。
ミスター・ガラス(原題:Glass)
この映画を一言で表すと?
“異能”を持つ者たちの存在意義を問う、リアル志向のスーパーヒーロー論!
どんな話?
特殊な力を持つ男たちが精神病院に収容されるが、そこには彼らの存在を否定する巨大な陰謀が隠されていた…。『アンブレイカブル』シリーズ完結編として、能力者たちの真実に迫る一作。
ここがおすすめ!
超能力を“現実的に存在したらどうなるか”という視点で描くM・ナイト・シャマランらしい世界観。『MONSTERZ』と同じく、力を持つがゆえに“異物”として扱われる者たちの葛藤が胸を打ちます。
アジョシ(原題:The Man from Nowhere)
この映画を一言で表すと?
孤独な元工作員が少女を救うため、再び闇に身を投じるハードボイルド・アクション!
どんな話?
過去を隠して静かに暮らす男が、唯一心を通わせていた少女を誘拐されたことをきっかけに、自らの過去と向き合いながら命を懸けた戦いに挑む。韓国発の超感動サスペンス。
ここがおすすめ!
能力ではなく“人間の強さ”を描いた作品ながら、『MONSTERZ』同様、孤独な男と弱い存在との絆に涙。アクションもシビれるレベルで、感情と肉体のぶつかり合いが熱い!
X-MEN:ファースト・ジェネレーション
この映画を一言で表すと?
能力を持つ者たちの友情と決裂の始まりを描く、原点にして至高の一作!
どんな話?
人類から異端視されるミュータントたち。彼らが最初に出会い、仲間となり、やがて異なる信念により対立していくまでを描いた“X-MEN”誕生前夜のドラマ。友情、裏切り、そして選択。
ここがおすすめ!
能力者たちの苦悩と葛藤、そして仲間と敵に分かれていく過程が丁寧に描かれていて見応え抜群。『MONSTERZ』の二人の対立と心理的な距離感が好きな人には絶対刺さります。
デスノート(2006・邦画)
この映画を一言で表すと?
「力」を持った者の正義は本当に正しいのか?天才同士の知能バトルが熱い!
どんな話?
名前を書いた相手を殺せるノートを手にした天才・夜神月と、それを止めようとする名探偵L。人間の正義と欲望がぶつかる知略戦。能力と倫理の線引きを問うスリリングな物語。
ここがおすすめ!
“力を持った者が孤独になる”という構図はまさに『MONSTERZ』と通じる部分。藤原竜也の怪演がこちらでも炸裂しており、狂気と孤高を同時に体現する演技に再び圧倒されます。
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