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映画『ミスター・グッドバーを探して』あらすじネタバレ結末と感想

この記事では、映画『ミスター・グッドバーを探して』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ミスター・グッドバーを探して』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『ミスター・グッドバーを探して』の結末までのストーリー
  • 『ミスター・グッドバーを探して』を見た感想・レビュー
  • 『ミスター・グッドバーを探して』を見た人におすすめの映画5選

映画『ミスター・グッドバーを探して』 作品情報

ミスター・グッドバーを探して

  • 製作年:1977年
  • 上映時間:135分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:リチャード・ブルックス
  • キャスト:ダイアン・キートン、リチャード・ギア、ウィリアム・アザートン、チューズデイ・ウェルド etc

映画『ミスター・グッドバーを探して』 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★☆☆☆
  • ストーリー:★☆☆☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★☆☆☆☆

[miho21]

映画『ミスター・グッドバーを探して』 あらすじネタバレ(起承転結)

映画『ミスター・グッドバーを探して』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『ミスター・グッドバーを探して』 あらすじ【起・承】

1975年アメリカ。テレサ・ダン(ダイアン・キートン)は聾唖学校の教師になるため大学へ通っていた。テレサは脊髄側曲症という先天性の病気で11歳まで足が不自由だった。大手術をして背骨を矯正し現在は歩けるようになっていたが、腰の痛みは今も続き、背中には大きな傷が残っていた。

テレサは教授のマーティンに憧れており、彼に処女を捧げる。マーティンには妻子がいたが、2人の不倫関係はしばらく続いた。しかしマーティンはテレサとのセックスに飽きると一方的に彼女を捨てる。

テレサの両親はカトリック教徒で、特に父は厳しかった。姉のキャサリン(チューズデイ・ウェルド)は美人で優秀だったが男にだらしなく、離婚してすぐに再婚する。キャサリンの新居を訪ねたテレサは、マリファナと酒とセックスに溺れる退廃的な姉夫婦の姿に衝撃を受ける。

父と衝突したテレサは家を出て、姉の夫が所有するアパートの一室で一人暮らしを始める。昼は聾唖学校で熱心な教師として働き、夜になるとバーへ繰り出す。バーで知り合ったトニー(リチャード・ギア)と刺激的なセックスを楽しみ、テレサは深みにはまっていく。

テレサは学校の生徒を通して知り合ったジェームズ(ウィリアム・アザートン)と親しくなり、実家に招く。両親はまじめなジェームズを一目で気に入り、テレサとの結婚を望むようになる。ジェームズは乗り気だったが、テレサは彼に冷ややかだった。

映画『ミスター・グッドバーを探して』 結末・ラスト(ネタバレ)

トニーに振り回され、テレサはコカインにも手を出すようになる。そのせいで昼の仕事にも支障をきたすようになり、テレサの生活はどんどん荒れていく。ジェームズはそんなテレサを心配し、彼女の行動を見守り続ける。

トニーが姿を見せなくなり、寂しさに耐えかねたテレサはジェームズとセックスしようとする。しかし避妊具をつけようとしたジェームズを見てテレサは笑い出し、ジェームズを深く傷つける。その後もテレサの男漁りはますますひどくなっていく。

ある晩、トニーが突然姿を見せる。金がなくなり自分を頼ってきたトニーをテレサは強く拒絶し、暴力を振るわれる。キャサリンが来てその晩は無事だったが、その後もトニーはテレサを脅迫してくるようになる。

テレサは自分の体の歪みが先天性であることに絶望し、避妊手術まで受けていた。自分に明るい未来はないと思い込み、自暴自棄になっていたのだ。父はそのことで胸を痛めており、それを知ったテレサも変わろうと思い始める。

テレサが酒場通いをやめようと思っていた夜。彼女はゲイのヒモだったゲーリー(トム・ベレンジャー)と知り合い、家まで送ってもらう。セックスがうまくいかなかったゲーリーは突然暴れ出し、抵抗するテレサを抑えつけ彼女をナイフでメッタ刺しにする。テレサの絶叫はやがて消え、静寂の闇にあどけないテレサの顔が浮かび上がる。

映画『ミスター・グッドバーを探して』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ミスター・グッドバーを探して』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

テレサは特別な女性ではない

テレサは生徒たちから慕われる熱心な聾唖学校の教師だ。優しい微笑みをたたえ、子供たちに言葉を教えるテレサの姿は、どこから見ても清潔で神々しい。しかし夜になると彼女はバーで酒を飲み、ドラッグをやり、初対面の男と簡単にセックスをしてしまう。この極端な二面性がやがて悲劇的な結末を招くことになるのだが、それを自業自得だとはどうしても思えない。なぜならテレサは決して特別な女性ではないからだ。

テレサが極端な二重生活を送っていた期間は2年弱だ。長い人生の中で自分を見失い、崩れてしまう時期というのは誰にでもある。しかしほとんどの人はそこを乗り越え、更生していく。実際にテレサもこの生活を改めようと考えていた。その矢先に彼女は命を落とす。本作は実在する殺人事件をもとに製作された映画であり、事件当時も彼女が殺害された事実より、まじめな女教師の二面性がセンセーショナルに報道されたようだ。

同じ女性として、私は彼女に同情を禁じえない。程度の差はあれ、テレサのような女性はいくらでもいる。現在は涼しい顔で貞淑な妻として生きている女性でも、誰にも言えない過去を抱えているかもしれない。不条理に殺害されたことで、テレサの秘密は世界中に暴露されてしまった。そのことでテレサは2度殺されている。そこに強い怒りを感じる。実際に亡くなった女性のためにも“テレサは特別な女性ではない”ということを強く訴えておきたい。そして、あくまで彼女は被害者であることを忘れないでほしい。

ダイアン・キートンの頑張り

映画が製作された背景や結末を考えると受け止め方が非常に難しく、どう批評すべきか悩んでしまうのだが、ダイアン・キートンの頑張りだけは素直に認めたい。彼女がテレサをナチュラルに演じたことで、テレサに悪印象を持つ人は大幅に減ったはずだ。そこは高く評価できる。

本作で唯一笑えたのはバーでダイアン・キートンが「ゴッドファーザー」を読んでおり、リチャード・ギアの演じるトニーから“アル・パチーノはかっこいいよな”と声をかけられるシーンだ。ダイアン・キートンは「ゴッドファーザー」でも私生活でも(これより後のことではあるが)アル・パチーノの恋人だった。ここだけは和んだ。


テリーの生き方は、70年代アメリカの女性の自由と孤独を象徴していた。昼は教師、夜はバーで出会った男と関係を持つ彼女の姿は、解放のようでありながらどこか自滅的。ラストで彼女が無残に殺される展開は衝撃的だが、それ以上に彼女が“愛ではなく刺激”を求め続けた生の終焉として痛々しい。ダイアン・キートンのリアルな演技が忘れられない。(30代 女性)


最初は都会的な恋愛ドラマかと思いきや、次第に闇へ堕ちていくテリーの姿が恐ろしくも切ない。性的解放が自由ではなく孤立へと向かう描写が痛烈。ラストの惨劇は唐突ではなく、彼女の空虚さの果てとして納得できる。70年代の時代背景が生む退廃的な空気感がリアルで、観終わった後に重い沈黙が残った。(40代 男性)


テリーという女性の生き方は今でも議論を呼ぶと思う。彼女は決して“堕落した女”ではなく、自分の欲望に正直だっただけ。しかし社会も、男たちも、そんな彼女を受け止められなかった。最後の殺人シーンは、まるで女性の自由が暴力によって抑え込まれる象徴のよう。フェミニズム的な視点からも非常に重要な作品。(20代 女性)


自由を求める女性の悲劇というより、人間の“空虚さ”を描いた作品に感じた。テリーが求めていたのは愛ではなく、存在の実感。だからこそ危険な夜遊びを繰り返したのだろう。最後の結末はショッキングだが、同時に予感めいた必然性があった。都会の孤独と退廃を描いた映画として、今見てもリアルだ。(50代 男性)


ダイアン・キートンの演技が圧倒的。彼女の表情一つひとつに、解放と不安、希望と絶望が同居していた。テリーが堕ちていく過程は美しくも恐ろしく、まるで時代に取り残された魂のようだった。彼女が最後に見せる“笑顔の幻影”のようなシーンには、背筋が凍るほどの哀しみがあった。(30代 女性)


この映画は単なる殺人事件ではなく、社会が作り出した「孤独の構造」を描いている。テリーは愛を求めていたが、夜の街で出会う男たちは彼女を欲望の対象としか見なかった。だからこそ、彼女の最期は個人の悲劇ではなく、時代全体の病の象徴に思える。70年代の価値観と女性の葛藤が生々しい。(40代 男性)


観終わったあと、胸がざらつくような虚無感に包まれた。テリーの生き方には共感も反発も覚えるが、彼女が“孤独を抱えながら生きるしかなかった”ことが痛いほど伝わる。彼女を殺した男は狂気の象徴ではなく、彼女を取り巻く社会の縮図だと思った。観る者に問いを突きつける、非常に苦く重い作品。(20代 男性)


テリーの行動を“自業自得”と片付けてしまう人もいるかもしれないが、それではこの映画の本質を見失う。彼女は生きる意味を必死に探していた。性も仕事も自由に選べるはずの時代に、なぜ彼女は孤独だったのか。ラストの暴力は、女性の自由を恐れる社会そのものの暴力だと感じた。今観ても痛烈。(30代 女性)


静かに始まり、終盤で一気に奈落へ落ちる構成が見事。テリーの“二重生活”は刺激的だが、次第に彼女の空虚さをあぶり出していく。ラストの殺人シーンはあまりに突然だが、それが逆に現実の残酷さを突きつける。照明や音楽も不安を煽るように構成されていて、70年代特有の生々しい空気が漂っていた。(50代 男性)


『ミスター・グッドバーを探して』は、女性の欲望と孤独を真正面から描いた稀有な映画。テリーは愛されたいのに誰とも繋がれず、最後には暴力によってその欲望すら奪われる。彼女の死は悲劇だが、同時に“時代に殺された女性”の象徴でもある。今観ると、彼女の孤独が現代にも通じると痛感する。(20代 女性)

映画『ミスター・グッドバーを探して』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ミスター・グッドバーを探して』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

ブルーバレンタイン(Blue Valentine)

この映画を一言で表すと?

愛の始まりと終わりを、痛いほどリアルに描いた現代のラブストーリー。

どんな話?

出会いと恋に落ちる瞬間の幸福、そして冷え切った関係の崩壊――。ラブストーリーでありながら、恋愛の“現実”を容赦なく描く。過去と現在を交互に見せる構成で、愛が生まれ、壊れていく過程を観客に突きつける。ライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズの演技が圧巻。

ここがおすすめ!

『ミスター・グッドバー』同様、女性の孤独と心の空洞を描いている。華やかさではなく、人間関係の“真実”を見せつける映画で、観る者に深い痛みを残す。リアルすぎて苦しいが、だからこそ胸に刺さる。

ブラック・スワン(Black Swan)

この映画を一言で表すと?

完璧を求めるバレリーナの狂気と崩壊を描いた、美しくも恐ろしい心理スリラー。

どんな話?

バレエ団で主役を得たニナは、純白の白鳥と妖艶な黒鳥の両方を演じるプレッシャーに苦しむ。完璧を求めるあまり、現実と幻想の境界が崩れ、次第に自分自身を壊していく。ナタリー・ポートマンが極限まで追い詰められた女性を熱演。

ここがおすすめ!

『ミスター・グッドバー』のテリーのように、理想と欲望の狭間で揺れる女性の心理を描く。美と狂気が紙一重の映像世界に引き込まれる。ラストの“美しすぎる破滅”が観る者の心を焼き付ける。

アメリカン・ビューティー(American Beauty)

この映画を一言で表すと?

平凡な人生の裏に潜む空虚と欲望を描いた、現代社会への風刺劇。

どんな話?

中年男レスターは、妻との関係に倦み、職場に疲れ、娘の友人に心を奪われる。平凡な郊外の家庭が、次第に崩壊していく様子をブラックユーモアを交えて描く。表面的な幸福の裏にある人間の欲と孤独を暴く。

ここがおすすめ!

『ミスター・グッドバー』と同じく、“自由”を求めた先に見える虚無を描く作品。サム・メンデス監督の演出とケヴィン・スペイシーの演技が絶妙で、社会的成功の裏に隠された「生きづらさ」を見事に表現している。

ラストタンゴ・イン・パリ(Last Tango in Paris)

この映画を一言で表すと?

愛でも欲でもない、孤独を埋め合うための危険な関係の物語。

どんな話?

妻を亡くした中年男ポールと、若い女性ジャンヌが出会い、互いの名前も知らないまま肉体関係を持つ。愛ではなく孤独を共有する二人の関係は、やがて暴力的な結末を迎える。性と死、孤独を赤裸々に描いた問題作。

ここがおすすめ!

『ミスター・グッドバー』と同様に、“夜の自由”が破滅に変わる物語。人間の孤独と欲望の本質をえぐり出すような映像と、マーロン・ブランドの圧倒的な存在感が観る者を圧倒する。

クロエ(Chloe)

この映画を一言で表すと?

愛と嫉妬が生み出す嘘と罠――美しく危険な心理サスペンス。

どんな話?

夫の浮気を疑う医師キャサリンは、若い娼婦クロエを雇い、夫を誘惑させて真実を探ろうとする。しかし、クロエの思惑は別にあり、二人の関係は思わぬ方向へと進んでいく。愛、欲望、そして支配の物語。

ここがおすすめ!

『ミスター・グッドバー』のように、愛と性の境界線が崩れていく過程を描く。美しくも危うい女性同士の心理戦が緊張感を生み、アマンダ・セイフライドの妖艶な演技が圧巻。観終わった後も心をざわつかせる。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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