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映画『長いお別れ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『長いお別れ』の概要:認知症を患い、老衰していく父を持つ家族。その家族が、父からたくさんの愛を与えてもらい、変化していく7年間を描く。感動の家族映画『湯を沸かすほどの熱い愛』などの、中野量太監督がメガホンを取る。

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映画『長いお別れ』の作品情報

長いお別れ

製作年:2019年
上映時間:127分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:中野量太
キャスト:蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山崎努 etc

映画『長いお別れ』の登場人物(キャスト)

東昇平(山崎努)
認知症の父。以前は中学校の校長をしていた。認知症になる前は頑固で厳格な性格だったようだ。7年のうちに徐々に物事を忘れていくが、根本的な愛ある人間性は変わらず、様々な発言で家族に愛を伝えていく。
東芙美(蒼井優)
東家の二女。料理が好き。自分の料理屋を持つことを夢見ているが、惣菜屋やレストラン、ケータリングなど仕事を転々としている。サバサバしていて、人に弱みを見せたくないタイプ。あまり見せないが家族思いで、麻里と仲がいい。男運が悪い。
今村麻里(竹内結子)
東家の長女。結婚して旦那と息子とカリフォルニアに住んでいるが、英会話ができないため馴染めずにいる。旦那は麻里に無関心で、息子ともうまく付き合えず悩む。家族思いで、父の容態の変化のたびに日本に戻ってきている。芙美と仲がいい。
東曜子(松原智恵子)
東家の母。家族のことを一番に考えている温かい人。旦那が認知症になったことを受け入れており、悲しむそぶりはなく変わらず接する。おっとりしているが辛い時でもパワフルで、場を和ませる必要不可欠な存在。
今村崇(幼少期:蒲田優惟人 / 高校時代:杉田雷麟)
麻里の一人息子。カリフォルニア生活が長いため、日本語と英語のバイリンガル。小学生の頃からアメリカ人の彼女がいたプレイボーイ。認知症のおじいちゃん(昇平)とそりが合う。高校時代になるとグレ始め不登校になってしまうが、家族思いではある。
磐田道彦(中村倫也)
芙美の元同級生。離婚した妻と娘がおり、芙美と再開して2人は付き合うことになる。優しい雰囲気であったが数年後に芙美を裏切り、結局前妻とよりを戻してしまう。

映画『長いお別れ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『長いお別れ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『長いお別れ』のあらすじ【起】

遊園地にてメリーゴーランドに乗りたいが、年齢制限で乗れない小さな姉妹。見知らぬおじいちゃんに同乗してもらうため、声をかける。

2007年秋。娘に何度も留守電を吹き込んでいる初老の母。その娘・芙美は彼氏と同棲している家で、別れて家を出る彼氏に最後の朝ごはんを出している。彼女はレストランを出すのが夢で、彼はいつか農家の実家からジャガイモを送ると言い去る。その姉・麻里は旦那と息子と共にカリフォルニア移住をしており、英語も話せず旦那は家庭に無関心で居心地が悪い。

実家にて両親と姉妹の4人は、芙美の料理で食卓を囲む。約1年ぶりに父に会った姉妹は、父の以前とは違った様子に動揺を隠せない。母曰く、半年前から認知症になり始めたようだ。本を貸すと言って書斎に行った父を芙美が呼びに行くと、父はお勧めの本だと言って芙美に国語辞典を渡す。

2年後、2009年・夏。ケータリングカーでカレーを売っている芙美。母から電話で、父の大学の同級生・中村さんの葬儀に行く父に連れ添うように言われる。父は家にいるのにも関わらず「帰る」と言い出す認知症ぶり。母はそんな父を優しくなだめている。

麻里の息子・崇は小学生で、アメリカ人のベスと付き合っている。麻里の家にて、彼女に夢中の崇はカリフォルニアを離れることを拒む。旦那は自分が研究中の適応力のある魚の話で、麻里が海外に適応できていないことを揶揄する。中村さんの葬儀にて、大学の柔道部の同期と再会する父。まだ元気な同級生とは裏腹に認知症になった父を、不憫に思う芙美。

老人介護施設にて漢字テストで満点をとる父。雨が降り出すと何かを心配して1人で帰ろうとする父は、スタッフに優しくなだめられる。父は施設の人によって家に送り届けてもらい、崇が出迎え2人で留守番をする。難しい漢字が読めるおじいちゃん(父)を崇は「漢字マスター」と呼び、おじいちゃん(父)もまんざらでもない様子。

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映画『長いお別れ』のあらすじ【承】

崇がうたた寝している間に父はいなくなってしまう。「家に帰る」と言って頻繁にいなくなる父と、海外生活に慣れず帰る場所が分からない自分を、重ね合わせる麻里。一方芙美はカレーのケータリングが終了になり、ケータリングカーの中でいたたまれず涙を流していると、川辺に父を探しに行くように連絡が来る。

川辺では、父にたまたま出くわしたという芙美の中学の同級生・道彦と崇が、連れ添ってくれていた。父は、芙美のケータリングカーを見て「立派だ」と言ってくれる。そう言ってもらえたことが嬉しくて、芙美が父のためにカレーを温めていると、父が後ろに行列を作って待っている。久々に再会した同級生の道彦は、芙美のカレーの販売を手伝ってくれる。崇は、おじいちゃん自身も崇も、今のおじいちゃんが好きだというメッセージをベスに送る。

麻里・崇・母は父を連れて父の実家を訪れ、母は父と出会ったときのことを麻里に話している。麻里は母に、自分と旦那のことを重ね、父のことを嫌になったことはないかとさりげなく聞く。もっと連れ添わないとわからない、と穏やかに話す母。崇は、ベランダにぼーっと座るおじいちゃん(父)に、帰ってきて嬉しくないのかと話しかける。おじいちゃん(父)は、いろいろなものが遠く感じると話す。

帰りの新幹線で父は母に、そろそろ両親に紹介したいとプロポーズをする。認知症になってしまったことを悲しむ反面、認知症になっても変わらず愛してくれている気持ちに母は幸せを感じる。

2年後、2011年・春。母のことをもはや憶えていない父に向かって、当たり前のように妻だと自己紹介をする母。芙美は勤務先のレストランすずらんにて、店のおかみさんに、芙美の彼氏でもある息子・道彦と結婚して店を任せたいと頼まれる。芙美は家に帰ると道彦に、1年半記念日のプレゼントを渡す。道彦は、前妻との間の娘の誕生日祝いと勘違いしてしまう。

映画『長いお別れ』のあらすじ【転】

3月11日。東日本大震災が起き、海外で暮らす麻里は旦那に家族が心配だと話すが、冷たく突き放される。崇も反抗期に入り、家族とは何なのかを疑問に思う麻里。芙美は道彦から、娘に会うから今日は帰らないと連絡を受ける。父と母は震災のために買い出しに行くと、父はジャガイモとシャケとボンタンアメを万引きしそうになる。

道彦と暮らす家で芙美は、娘と前妻に会いに行く道彦を送り出す。道彦は芙美のことを見向きもせず、帰ってくるかどうかも曖昧である。芙美が道彦に忘れ物を届けにいくと、道彦は前妻と娘と楽しく遊び、道彦の母が、道彦の前妻に深く頭を下げていた。

震災をきっかけに人々が繋がりを求めるなか、繋がりを失った芙美。父が「帰りたい」と言ってやまないからと実家に呼び出され、父に心情を話してみる。父は意味不明な励ましの言葉を芙美にかける。しかし、その言葉のおかげで芙美は気持ちがほころび、救われる。麻里は、父が心配で日本に帰ってくる。再び家を出てしまいGPSを付けられた父は、1人で電車に乗って遊園地に向かっていた。

遊園地で父は、メリーゴーランドに乗りたいと小さな姉妹に話しかけられる。父を探しに遊園地まで来た母と姉妹は、メリーゴーランドに乗っている父を見つける。母は、昔姉妹を連れてここに来たとき途中から雨が降り、父が3人の傘を持って迎えに来たと話す。あのお父さんがまさか、と疑う麻里。母曰く当時の父は、芙美が風邪をひいていたことを心配して、傘を届けてくれたのだった。今や認知症になった父はこの日も、3人分の傘を持って遊園地に来ていた。

映画『長いお別れ』の結末・ラスト(ネタバレ)

2年後、2013年秋、そして冬。病院にて、網膜剥離という症状を患った母に、目の手術をするように説得する芙美。母の入院の間芙美は、父の面倒を見ることを申し出る。実家で父の世話をする芙美は、作った料理を吐き出されうんちの処理し、母の苦労を知る。麻里にテレビ通話で苦労を話していると、芙美は「家族っぽくなった」と言われる。芙美の傍らには、カフェ開業に関する本が積み上げられている。

母は手術後、目を回復させるために病室のベッドでうつ伏せの状態を義務付けられていた。ほとんど喋らなくなってしまった父は大腿骨を骨折し、母と同じ病院に入院することになる。母は顔だけうつ伏せたまま院内を歩き、父の病室に向かう。2人はまるで青春のカップルのように初々しい気持ちで再会を果たし、父の膝にうつ伏せになる母。

麻里は旦那と崇の担任教師と3人で、不登校となった崇に関する面談を行っていた。崇の状況は夫婦関係の問題が原因かもしれないと言われると、麻里の旦那の放任に対する我慢が限界に達し、先生が見ている前で麻里は旦那に熱いキスをする。

麻里はテレビ通話で父に、自分の家族とうまくいかず、父と母のようになりたかったと泣きじゃくる。父はもはや会話はできない。麻里が通話したまま寝ていると、崇はコートをかけてあげる。崇はおじいちゃん(父)との通話に気づき、笑みを浮かべ片手をあげて挨拶する。父も崇に向かって片手をあげる。

容態が急変した父が心配で泣き出す麻里を、親身になって心配してくれる旦那。彼は日本に行く麻里に、帰りはどんな時でも空港まで迎えに行くと言ってくれる。

母と姉妹は医師との面談で、のちに呼吸困難になる父に人工呼吸器をつけるかどうかの相談を受ける。病室で意識のない父を囲んだ家族は、人工呼吸器をつけない決断を下す。これは延命をせず、死を待つという選択でもある。父の誕生日でもあるこの日、父が眠る病室でパーティーのとんがり帽子を被ってお祝いをする家族。お祝い事の時にとんがり帽子をかぶる家族の決まりを作ったのは、父だった。

芙美が実家を出る支度をし、父から借りた国語辞典を書斎に返していると、ダンボールの荷物が届く。それは、昔の彼氏から届いた大量のジャガイモだった。芙美は嬉しそうな様子で実家を出る日を延期し、母にポテトサラダを作ると話す。

崇は退学を希望しており、カリフォルニアの学校で校長に呼び出されていた。崇は、おじいちゃん(父)が死んだ話と、おじいちゃんを「漢字マスター」と呼んでいたことを話す。校長は認知症のことを「長いお別れ」とも呼ぶと教えてくれた。崇が退室するとき校長は、片手をあげて挨拶をする。崇も以前おじいちゃんにテレビ電話越しにしたように片手をあげ、「さよなら、マスター」と挨拶する。

映画『長いお別れ』の感想・評価・レビュー

穏やかな家族の話であるが見事な伏線が多く、記述するべき点が大変多いと感じる作品であった。お年寄りを「高齢者」と呼び邪険に扱う傾向がある現代の風潮とは異なり、認知症になったお年寄りの温かみを感じられる本作。若者に観てもらい、是非お年寄りへの敬意を感じてほしい。認知症になった父や、穏やかで凛々しい母の放つ言葉は、大変温かく心に残るものばかりである。中野量太監督の、温かい人間性を映像から伝える力が素晴らしいとも感じた。(MIHOシネマ編集部)


本作は、認知症を患い老衰していく元中学校校長の父を持つ家族の変化していく家族愛を描いたヒューマンドラマ作品。
父親の認知症の進行と同時に、娘たち自身の問題も描かれている。
意思疎通が困難を極めていく中、戸惑いながらも認知症になった父に寄り添い、離れ離れだった家族が1つになっていく過程とその家族の形が素敵だった。
病気の進行や日常生活の困難、周囲の対応、いつ誰がなってもおかしくない病気であることに考えさせられ、温かさと切なさで胸が一杯になる物語だった。(女性 20代)

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