映画『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』の概要:2008年に公開された、北村拓司監督、市原隼人主演の青春映画。原作は滝本竜彦のライトノベルで、角川学園小説大賞の特別賞を受賞、ラジオドラマ化、マンガ化もされた作品である。
映画『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』 作品情報
- 製作年:2007年
- 上映時間:109分
- ジャンル:青春、アクション
- 監督:北村拓司
- キャスト:市原隼人、関めぐみ、浅利陽介、三浦春馬 etc
映画『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』 評価
- 点数:60点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★☆☆☆
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映画『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』のあらすじを紹介します。
友人の能登がバイク事故で命を落としてからというもの、彼の死と生き様に憧れを抱くようになった山本陽介。
平凡な高校生だった陽介の日常は、夜の公園で謎のチェーンソー男と戦いを繰り広げる女子高生、雪崎絵理に出会ってから一変する。
冷たくあしらわれながらも、絵理とチェーンソー男との戦いの手助けをするようになった陽介。
絵理がチェーンソー男と出会ったのは3ヶ月前。
不思議な事に自分の体が軽くなり、超人的な身体能力を発揮できるようになった彼女は、不死身のチェーンソー男と毎晩のように死闘を繰り広げるようになったのだという。
だが、毎晩遅くまで出歩いているために成績はボロボロの2人。
しかも寮生活の陽介には門限があり、友人の渡辺に協力してもらう事も多かったが、楽しい日々を過ごしていた。
そんなある日、北海道で出した店が軌道に乗った陽介の両親から、引っ越してくるようにと連絡が入る。
もう手伝えなくなると絵理に告げ、危ないことはやめて欲しいと頼み込む陽介。
しかし絵理の家族は交通事故で亡くなっており、チェーンソー男を倒す事だけが彼女の目標で、幸せだったのだ。
引越しの日、いろんなものに手を出して何もやり遂げることが出来なかった渡辺が、完成させた曲を陽介に聞かせる。
歌詞を書いたのが能登だと知った陽介は絵理の元へと急ぐ。
その頃、絵理はチェーンソー男と決着をつけようとしていた。
映画『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
入りやすいがラストの展開が急すぎるストーリー
若年層向けのライトノベルが原作ということもあり、親しみやすい平凡な主人公や、絵に描いたような過去を背負いながらも格好よく生きるヒロインなど、入り込みやすい世界観が完成されている作品。
一種のステイタスとして”能登を超えるような死”を望むという後ろ向きな一面と、とぼけた性格を持ち合わせた陽介の突飛な行動は笑いを誘う。
絵理の手伝いをするようになった陽介がテストで0点を取った際、心の中で担任にツッコミを入れたり、真面目な雰囲気の絵理も実は成績がボロボロだという、不死身で神出鬼没なチェーンソー男という奇抜な設定以外は、ごく自然な設定が多い作品。
チェーンソー男に関しては一切謎のままで、残した歌詞から能登もチェーンソー男と戦っていたと連想させるなど、意味深なストーリーをまとめず放り投げているのにはツッコミたくなる。
残り15分程度でチェーンソー男を倒し、引越しを取りやめた陽介と絵理が付き合うようになってハッピーエンドになるのも、慌ててまとめた印象が強い。
チェーンソーで殺されたはずの絵理が生きていたのは陽介のプレゼントの効果だろうが、それをつけているシーンが無いために生きていた理由が不自然になっている。
アクションシーンやCGが大雑把
小説、写真、音楽など、何もやり遂げることが出来なかった渡辺の部屋のインテリアも、映るたびに夢中になっているものを示すものが登場し、ちょっとした見どころになっている。
また、彼の作った曲がどうしようもなく笑いを誘う。
芸人で俳優業としても活動している板尾創路の、どこか冷めた教師役の本音が出るシーンは、年代によってはとても共感できるだろう。
ヒロインの絵理が木刀を持って登場するシーンは格好良いが、アクションシーンに工夫が無くスピード感が感じられない。
バイクで絵理の元へ向かう陽介の隣にバイク事故で死んだはずの能登が出てきて会話をしながら走るシーンにも、スピード感が無い上に意味もわからない。
絵理役の関めぐみは、主演の市原隼人や渡辺役の浅利陽介、能登役の三浦春馬と比べるとだいぶ大人びた印象が強く、重い過去や過酷な日々を過ごしているからといっても強引なキャスティングだ。
映画『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』 まとめ
友人の死を超えるような最期を望む主人公と、謎のチェーンソー男を倒すことに命をかける幸薄なヒロインの、「誰でも一度は死にたがる・・・なんとなく」というキャッチフレーズそのままに、ひたすらに後ろ向きな青春映画。
重くなりがちな設定やストーリー展開だが、要所要所にギャグを入れることによって、青春の1ページに変化させるという工夫がされている。
比較的入り込みやすい世界観や、親しみやすいキャラクターが多く登場する。
若者に合わせたスタイルを持つ教師や、どこかずれた性格の寮母など、チェーンソー男以外にも奇妙な登場人物が多い。
原作はライトノベルを中心に扱った角川学園小説大賞の特別賞を受賞しており、「このライトノベルがすごい!」にもランクインするなど、高い人気を持っている。
今作公開前にはラジオドラマ化、マンガ化もされた。
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