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映画『ニューオリンズ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ニューオリンズ』の概要:ジャズの神様ルイ・アームストロングが本人役で登場し、伝説の歌姫ビリー・ホリデイがメイド役を演じた音楽ドラマ。1910年代を舞台に白人の恋愛物語を軸にしながら、ジャズ音楽の興隆を描いている。

映画『ニューオリンズ』の作品情報

ニューオリンズ

製作年:1947年
上映時間:89分
ジャンル:ラブストーリー、ミュージカル
監督:アーサー・ルービン
キャスト:ルイ・アームストロング、アルトゥーロ・デ・コルドヴァ、ドロシー・パトリック、ビリー・ホリデイ etc

映画『ニューオリンズ』の登場人物(キャスト)

ニック・デュケーヌ(アルトゥーロ・デ・コルドヴァ)
ニューオリンズ、ベイスン通りの「オーフィウム・キャバレー」の経営者。店の表向きはクラシックを奏でるカジノバー、裏では黒人音楽の生演奏で客を楽しませている。
メラリー・スミス(ドロシー・パトリック)
資産家令嬢のオペラ歌手。エンディのブルースを聞いたことをきっかけにその音楽性に惹かれ、ニックのバーでラグタイム(ジャズの前身)に出会いすっかり夢中になる。やがてニックと恋仲になる。
ラトリッジ・スミス婦人(アイリーン・リッチ)
メラリーの母。上流階級の資産家でカジノの常連客。音楽はクラシックしか認めておらず、娘がバーに通うことを毛嫌いする。
ファーバー(リチャード・ヘイゲマン)
メラリーの初公演で伴奏を行うクラシック音楽のピアニスト。友人のルイ・アームストロングとジャンルを超えたセッションを楽しむ。
ルイ・アームストロング(本人役)
愛称はサッチモ。ニックの店のバンドマスターであり、誰からも愛されるトランペット・コルネット奏者&ヴォーカリスト。エンディと恋人同士。
エンディ(ビリー・ホリデイ)
スミス家で働くメイド。サッチモの恋人。ブルースをメラリーに披露し、ニックのバーに連れて行く。店では哀愁漂う歌声で「ニューオリンズ」を披露し、客を魅了する。

映画『ニューオリンズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ニューオリンズ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ニューオリンズ』のあらすじ【起】

1917年。ニューオリンズのベイスン通りにある「オーフィウム・キャバレー」。オーナーのニック・デュケーヌは、表向きには上流階級を相手にカジノバーを経営し、裏側では庶民相手の音楽バーを営んでいた。バンドマスターはトランペット(コルネット)奏者のサッチモことルイ・アームストロング。バンドの陽気な音楽は多くのファンを虜にした。

上流階級の娘メラリーは、母のスミス婦人が住むニューオリンズにやって来た。屋敷に向かう途中で車がエンストし、ニックの車に乗せてもらう。屋敷に到着すると、メイドのエンディが口ずさむブルースに魅了された。メラリーはオペラ歌手であり、クラシック音楽家のファーバーの伴奏でデビュー公演を行うことが決まっていた。

ある夜、ファーバーはお忍びでキャバレーを訪れ、サッチモとラグタイム(ジャズの前身となるピアノ音楽)のセッションを楽しんだ。ラグタイムはまだ世間で認められていなかったが、ファーバーは心を元気にする音楽は必ず世界に広まると確信した。

メラリーもエンディに頼んでキャバレーを訪問。エンディは「ニューオリンズ」をしっとり歌い、続いてサッチモもヴォーカル曲を披露する。メラリーは彼らの音楽にすっかり心を奪われ、自分の進むべき道が見つかったと感じるのだった。

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映画『ニューオリンズ』のあらすじ【承】

キャバレーで黒人音楽を聴き続けたいメラリーだったが、ニックは良家の令嬢が来るような場所ではないと言って彼女を帰宅させる。メラリーが店を訪れたことは、クラシックしか音楽と認めない彼女の母、スミス婦人にも伝わった。彼女はニックに、娘が入店しないよう1万ドルを渡そうとするが、ニックは受け取ることを断る。

数か月後、しばらくキャバレーに行けなかったメラリーは、ファーバーの協力でようやく来店した。久々に聞くサッチモの音楽に心の底から喜ぶメラリー。この街は最高だと言う彼女の言葉を聞いたニックは、この街の本当の姿を見せるため彼女を外に連れ出した。売春婦が客引きをし、酔っ払いが暴れる光景を目の当たりにした彼女は、すっかり興覚めする。ニックは彼女を家まで送り、別れ際にキスをするのだった。

2人のキスを目撃したスミス婦人は、知人の大佐にニックの永久追放を依頼した。大佐は新聞社や市の厚生課に働きかけて、秩序回復という名目でニックを追い出そうとするが失敗する。

映画『ニューオリンズ』のあらすじ【転】

ニックの元恋人のグレースがカジノ前で交通事故死したことが裁判沙汰となり、ベイスン通りは海軍によって一掃されることになった。ニックの店も閉鎖が決まる。

この街を愛するサッチモは、最後は歌いながら店を出ようと提案。エンディが先頭で「さよなら、ストーリーヴィル」を歌いながら店を出ると、他の店からも住民が次々に現れて合唱に参加。住民たちは堂々と練り歩いて街を去って行った。

メラリーはニックと一緒に街を離れようと決めていた。オペラ公演の日、ニックはスミス婦人に会い、メラリーを連れて行くのを諦める代わりに、2万ドルの資金を要求する。しかしそれは、メラリーにわざと嫌われるための嘘だった。何も知らない彼女は公演の終盤を迎えており、ファーバーの伴奏で「ニューオリンズ」を熱唱。クラシックを聴きに来た客の多くがホールを退場する中、彼女は残ってくれたファンのために最後まで歌い切った。

メラリーは楽屋に戻るとニックは去った後で、母との取引を知ってショックを受ける。ファーバーはクラシック音楽協会に辞意を伝えた。

映画『ニューオリンズ』の結末・ラスト(ネタバレ)

ニックはシカゴで「ニューオリンズ」というカジノバーを開店しようとした。ルーレット台が届かない中、サッチモたちが店で演奏の練習をしていると、待ちわびていた客が詰めかけて曲に合わせて踊り始めた。ニックは音楽だけで成功すると確信。音楽バーとして店をオープンすると瞬く間に人気店となった。店名を「ニューオリンズ・ジャズバンド」に変え、ジャズを大流行させると、サッチモはニューオリンズ時代の仲間や、農場で働いていたエンディを呼び寄せた。

一方、メラリーとファーバーはヨーロッパに拠点を移し、クラシックオペラの演奏会を行っていた。サッチモはヨーロッパ公演中にメラリーの楽屋を訪問。彼はエンディと結婚したことを報告し、ニックがメラリーのためについた嘘の真相を明かした。

ニックはジャズの音楽会社の社長として多忙な日々を送っていた。スミス婦人は彼の成功を認め、シンフォニー・ホールで行われるメラリーの公演のチケットを渡した。そして公演当日。メラリーはニックが来てくれたことに感激し、彼のためのアンコール曲「ニューオリンズ」をフルオーケストラで熱唱するのだった。

映画『ニューオリンズ』の感想・評価・レビュー

ジャズの大御所ルイ・アームストロング、ビリー・ホリデイが演技をしながら曲を披露するという、こんな豪華な映画があることに驚き、動画配信されていることにさらにびっくりした。映画の主人公は白人の美男美女であり、ラストシーンが白人のオーケストラで締めくくられるのは、この時代では仕方がないのだろう。

脇役とはいえ、黒人ミュージシャンたちの存在感は圧倒的だ。ジャズの名手たちが実際に演奏し、ビリー・ホリデイの哀愁漂う歌声や、サッチモのしゃがれ声の歌が聴けるなんて、なんという贅沢!ジャズファンだけでなく、いろんな人におススメしたくなる名作だ。(MIHOシネマ編集部)

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