映画『ニック・オブ・タイム』の概要:ジョン・バダム監督、ジョニー・デップ主演のアメリカ製作作品(Nick of time )。元妻を亡くした主人公が人質に取られた娘を取り返すため知事暗殺を命じられる、アクションサスペンス映画である。
映画『ニック・オブ・タイム』 作品情報
- 製作年:1995年
- 上映時間:89分
- ジャンル:サスペンス、アクション
- 監督:ジョン・バダム
- キャスト:ジョニー・デップ、クリストファー・ウォーケン、チャールズ・S・ダットン、マーシャ・メイソン etc
映画『ニック・オブ・タイム』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ニック・オブ・タイム』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ニック・オブ・タイム』のあらすじを紹介します。
元妻の葬儀から戻ったジーン(ジョニー・デップ)と娘のリンは、駅に着くと同時に何者かに車に押し込まれてしまう。
娘を人質に取られたジーンが車内でスミスという男から渡されたもの。
それは次の演説中に暗殺して欲しいという女性知事エレノアの写真と拳銃だった。
車内から一人放り出されたジーンは、何とかエレノアにこの事を伝えようとする。
しかしジーンはスミスに後をつけられ、おかしな事が出来ないようにされていた。
だが監視の目をかいくぐりついにエレノアの側近クリスタに接近できたジーンは、この事実を伝える。
半信半疑ながらもエレノアの旦那に会わせてくれたクリスタ。
しかしやって来たスミスにクリスタは殺害されてしまう。
実はエレノアの旦那もこの事件に関わっていたのだ。
策が無くなったジーンは、知り合いの元負傷兵ヒューイに相談しに行く。
面倒なことに関わりたくないヒューイは一旦断るも、何とかジーンをスミスから逃がしてくれる。
ヒューイは人脈を使い、ジーンをエレノアのところに連れていった。
そこで説明をしたが、エレノアは半信半疑。
しかし、その日に予定していた演説を中止にしようかと相談するエレノアに、夫は無理にでも決行しようと躍起になる。
遂に演説の時がやってきた。
場所を指定されエレノアを暗殺するように命じられたジーンは、構えた銃を発砲しスミスを狙う。
このことで銃を撃ったスミス。
弾はエレノアのボディーガードに当たった。
この騒ぎの間に娘を助けに走るジーン。
車にはヒューイが向かってくれていた。
娘を殺そうとするスミスにジーンは、銃を向ける。
そして止めをさした。
こうして、無事に知事暗殺は防ぐことが出来たのだった。
映画『ニック・オブ・タイム』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ニック・オブ・タイム』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
臨場感のあるタイムリミット
本作品の見所は映画の中で進んでいる時間と、実際の映画の長さが同じだということ。
そのおかげでジョニー・デップ演じる主人公ジーンと同じ世界観を共有出きる仕組みになっている。
本作品はスケールとしては小さく、アメリカ大作のアクションムービーという雰囲気は無い。
どちらかというと身近にありそうな事件である。
ハリウッド大作のようにどこでもここでも爆発し、大きなビルが崩壊、ヘリコプターで逃げるというようなお約束のアクション映画だったら、全く自分とは縁の無い世界の事として楽しむだけで終わる。
しかし本作品はなぜか自分に重ねてしまうような作りであり、それがこの映画の評価を分ける重要ポイントなのだ。
90分で起こりうる想定内の動きしかしていないため、それが映画のスケールを小さくはしているがよりリアルさが出ていてそれが良い。
昔のジョニー・デップを堪能
まだパイレーツをやる前のジョニーの頃の演技。
本作品は眼鏡をかけた娘思いの税理士役という、コスプレ主流の今のスタイルではあまり見ることが出来ない姿を堪能することができる。
アクションこそは他の俳優には勝てない。
しかし自分の足で走り、挑戦した銃アクションに関しては、そこらの会社員の父親が実際にこんなめにあったらこうなるだろうという必死さが伝わってくる。
悪役の上手さ
本作の肝となる悪役を演じているのがクリストファー・ウォーケンである。
この俳優はどんな役所も自分の物にする演技の上手さに定評がある。
特に今回の役は、彼だからこそ絵になったと言っても過言ではない。
もう少し柔らかい人物でも、もう少し強面でも駄目だった。
俳優自体にインパクトが無かったとしたら普通のサスペンス映画で何の面白みも感じなかったかもしれない。
映画『ニック・オブ・タイム』 まとめ
ジョニー・デップは今や世界中の大スターである。
シザー・ハンズで一躍スターの仲間入りを果たし、ティム・バートン監督によりその名が徐々に広められる。
極めつけはパイレーツ・オブ・カリビアンである。
あのコスプレと独特なセリフ回しは子供にも大人にもうけたのだ。
そんな彼にも当然下積み時代がある。
彼は元々国民的な映画に出るような俳優ではなく、どちらかというと単館公開の映画に出るのを好んでいるようだった。
それは今でも変わらず、たまにわけのわからない映画に出演したりもするのだが。
そんな彼の清純派とも言うべきまともな映画がこれである。
娘のために命をかけて犯人と戦う様はリアルであり、誠実な父親像を見事に演じている。
この時代の彼の作品も是非鑑賞してほしいものである。
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