映画『オキュラス 怨霊鏡』の概要:「未体験ゾーンの映画たち2015」で公開された49作品の中の1本。呪われた鏡に幸せだった子供時代を奪われ、その鏡を壊そうとする姉弟に襲い掛かる恐怖を、過去と現在の2つの視点から描いた。
映画『オキュラス 怨霊鏡』 作品情報
- 製作年:2013年
- 上映時間:103分
- ジャンル:ホラー
- 監督:マイク・フラナガン
- キャスト:カレン・ギラン、ブレントン・スウェイツ、ケイティー・サッコフ、ロリー・コクレイン etc
映画『オキュラス 怨霊鏡』 評価
- 点数:65点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『オキュラス 怨霊鏡』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『オキュラス 怨霊鏡』のあらすじを紹介します。
子供時代に父親が母親を殺害し、その父親を拳銃で撃ってしまったティムは精神病院で長年治療を受けてきた。
ティムの姉ケイリーは施設で育ち、現在は恋人と暮らしながらオークションに携わる仕事をしていた。
21歳の誕生日、ティムは退院して数年ぶりにケイリーと再会。
時を同じくして、父親を殺人鬼に変えてしまった元凶である呪われた鏡をケイリーが発見する。
幼い頃の約束通り、幸せだった生活を悪夢に変えた鏡を壊そうとする姉弟。
ケイリーは大きなアンティークの鏡を修復すると偽って、遺産を使って買い取ったかつての自宅へ運び込む。
たくさんのライトやカメラ、パソコンが異様に並ぶ室内で、“ラッサーの鏡”の悲劇とその魔力について証明すると語りだすケイリー。
ラッサー鏡の持ち主や家族たちは全員不可解な死を遂げていて、側には枯れた植物と行方不明になった持ち主のペットという共通点があり、ケイリーとティムの家族も同じだった。
やがてケイリーとティムは、その家で起こった惨劇を思い出し始めていた。
現実的に考えようとケイリーを諭すティムだったが、ケイリーの暴走は止まらない。
恋人からの定期連絡が途絶え、何台もあった電話が繋がらなくなり、逃げようとしても家から脱出できなくなる。
さらには現実と幻覚の区別がつかなくなり、鏡の力に支配されていくケイリーとティム。
そして過去と現実が入り混じった恐怖の一夜が始まろうとしていた。
映画『オキュラス 怨霊鏡』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『オキュラス 怨霊鏡』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
過去と現在と幻が巧妙に練られたストーリー
巧妙に作られたストーリーであり、鏡に魅入られた父と母が不仲になり、父から監禁されて暴力を受けるようになった母の死と、家から出られなくなった姉弟の過去の回想。
そして現在、鏡のせいで幸せな子供時代を失った姉が弟を巻き込み、鏡の魔力を証明しようとさまざまな仕掛けやカメラをセットしたものの、いつしか鏡に操られるようになっていき、昔の自分たちが目の前に現れ始めて過去と現在の区別がつかなくなっていく様子が上手く描かれている。
ポルターガイストのように勝手にものが動いていると思ったら、カメラに映っていたのは無意識に物を動かしている自分たちの姿だったという、とんでもない展開が恐ろしい。
カメラを通せば現実と鏡の見せる幻覚の区別がつくと信じたケイリーが、恋人を殺害しても鏡の幻覚だと信じる部分はホラーであり、サイコスリラーのような不気味さもある。
クライマックスに過去と現在が重なり、ティムが鏡の前で父の幻を射殺したはずが、鏡の中に両親の幻想を見たケイリーが自分が仕掛けた罠によって絶命してしまうという最悪な現実に戻ってしまう驚きの展開もある。
だが複雑すぎるストーリーで、ついていくのが難しいために万人受けはしないだろう。
たくさんの視点を使った演出
“ラッサーの鏡”という呪われたアンティーク鏡が元凶になっているが、なぜ呪われてしまったのかという事は不明。
だがアンティークの鏡には不気味な話がつき物で、日本にも鏡にまつわる不吉な話は多い。
タイトルの“オキュラス”というのは「目」という意味で、ケイリーがセットした何台ものカメラやスマホのカメラ、過去や現在、幻覚に現実というさまざまな視点を切り替えながら恐怖をあおっていくという演出は斬新。
リンゴをかじりながら同じくらいの大きさの電球を取り替え、リンゴを再び口にしたはずが電球だった。と認識したがよく見ればリンゴだったという演出は上手いが、残酷描写が苦手な場合は耐えられないだろう。
弟が理不尽にも再び逮捕されてしまうエンディングは後味が悪すぎる。
ホラーと言うよりも謎解きやサイコパス的な要素が面白く、最後まで夢中になって見てしまいました。両親の不仲から始まり、自分たちも鏡に呪われていたというストーリーですが、何故その鏡が呪いを持っているのか、どうして彼ら家族が持ち主となったのかは詳しく描かれていないので、その辺りが少し気になりましたが、それ以外のストーリーはテンポも良く、ドキドキしながら見られるので十分満足できると思います。
過激な描写もあるので、苦手な方は注意が必要かもしれません。(女性 30代)
映画『オキュラス 怨霊鏡』 まとめ
ミステリー映画によくある大どんでん返しをホラー流にアレンジしたような作品になっていて、過去と現在と鏡の見せる幻の区別が次第につかなくなっていくという捻られたストーリーになっています。
ホラー映画はそんなに見ないという方よりも、ホラー映画を多く見る方や捻られたストーリーに耐性がある方のほうが恐怖感を感じるストーリーだと思います。
幽霊が出てきて襲われることはなく見えるだけなのですが、そういったものに振り回されていく姉弟、そして過去の姉弟の両親の、まるで歯車がかみ合わなくなるかのような様子が怖いです。
ケイティがリンゴと間違えて電球をかじってしまう幻覚を体感するシーンを見た後は、自分の行動を確認せずにはいられなくなってしまうでしょう。
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