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映画『おいしい生活』あらすじネタバレ結末と感想

映画『おいしい生活』の概要:今なお作品数の衰えない現代映画界のシェイクスピアことウディ・アレンによる、2000年のロマンチックなクライム・コメディが今作。義銀行強盗を題材にしながらも、終始笑いの絶えない画面作りは彼のオリジナル脚本作品ならでは。今作から特にコメディ色の強くなったアレン作品に注目です。

映画『おいしい生活』 作品情報

おいしい生活

  • 製作年:2000年
  • 上映時間:95分
  • ジャンル:コメディ、ラブストーリー
  • 監督:ウディ・アレン
  • キャスト:ウディ・アレン、トレイシー・ウルマン、ヒュー・グラント、エレイン・メイ etc

映画『おいしい生活』 評価

  • 点数:60点/100点
  • オススメ度:★★☆☆☆
  • ストーリー:★★☆☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★☆☆☆
  • 設定:★★★☆☆

[miho21]

映画『おいしい生活』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『おいしい生活』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『おいしい生活』 あらすじ【起・承】

かつて銀行強盗を計画するも、全員が同じマスクをかぶったことで誰が誰だかわからなくなり、そのすきに逮捕されるというヘマで服役していたレイは、現在は皿洗いとして安月給に苦しんでいます。

そんな日々に鬱屈した彼は、とある作戦を仲間とフレンチーに持ち掛けます。その計画とは、銀行の二つ隣の店舗を借りて商売をし、商売を隠れ蓑に穴を掘り、地下から銀行に忍び込むというもの。おバカな仲間たちと化粧の濃い若妻はこの話に乗り、さっそく行動に移します。

フレンチーがカモフラージュのために始めた商売はクッキー屋「サンセット・クッキー」。彼女の手作りクッキーは近所でも評判の味だったからです。
レイをはじめとする仲間たちの穴掘りはなかなか進まない中、フレンチーのクッキー屋は評判を呼びます。大行列になった店が切り盛りできず、従妹のメイも雇います。店の人気はどんどん上がり、その裏で穴を掘り続けるレイたちは、地図を逆さに見たりと、てんやわんや。

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映画『おいしい生活』 結末・ラスト(ネタバレ)

ついに辿り着いた先は、銀行ではなく服屋。間違ったと焦る彼らに警官が待ち構えていました。しかし彼は、黙っていてやるかわりに仲間に入れろと持ち掛けます。彼が仲間に入れろと言ってきたのは強盗計画ではありません。クッキー屋の商売だったのです。

警官のアドバイスに従いフランチャイズ化したサンセット・クッキーは一年後、目覚ましい成長を遂げていました。すっかり大富豪となったフレンチーは、大富豪の生活に興味を持ちだします。成金である彼らは、上流階級のマナーをことごとく間違え、恥をかいて回ります。

そんな折、スマートな美術商デヴィッドが二人の前に現れます。途端に夢中になるフレンチーでしたが、デヴィッドはフレンチーのことをお金持ちのパトロンくらいにしか見ません。そうとは知らずフレンチーは彼に入れあげ、高価なプレゼントをして、ついには長期の旅行の約束を取り付けるのです。

旅行直前、フレンチーに一本の電話が入ります。会社の経理が不正を働き、会社が倒産したという電話でした。急いで帰ってみると、財産の全ては消え、レイとフレンチーは一文無しになってしまっていたのです。
しかしそうなってやっと、夢から覚めたフレンチー。財産を失って初めて、それでも隣にいてくれるレイへの愛を思い出したのでした。

映画『おいしい生活』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『おいしい生活』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

大量生産コメディ

多作で知られるウディ・アレンなのですが、その作風にはあまり幅がありません。その中でも特に今作は、ただバタバタしているだけで、彼の作品の本来の持ち味である知的さが感じられません。テーマが「下流の幸せ」なので、仕方ないとは思うのですが…。
正直、彼のこの手の作品には飽きがきているな…と思ってしまいました。

また、クライム・コメディと銘打たれているわりには、クライムがほとんどおまけですし、まあくだらない。このシーンを軽んじてしまっているからこそ、全体に漂うチープさが悪く作用してしまっているような気がしました。

上流階級のくだらなさ

とは言っても、ウディ・アレンが得意とする皮肉なテーマはピリリと効いていました。成金としてなりあがったレイとフレンチーの二人が社交界でフィンガーボウルの水を飲むなど恥をさらすシーンも、よくよく考えればそんなルールの何がそんなに重要なのか、レイの台詞から考えてしまいます。
「僕は、やっぱりジャンクフードを食べて安酒をあおって、バクチしたりしたいんだ。」
彼がメイに吐露するシーンでは、幸せとは個々の価値観で決まるということが如実に表れています。庶民である私のような観客からしたら、なんだか安心できるそのようなテーマが、ウディ・アレン作品が愛されるゆえんなのかもしれません。

サンセット・クッキー

今作のタイトルにも挙げられる通り、今作に登場するクッキーがとても美味しそう。このクッキー、日本で売られている小ぶりなものとは少し違い、大ぶりで柔らかい触感のものです。日本でも「ステラおばさんのクッキー」などで、少し前から人気のある、このアメリカンスタイルのクッキー。ぜひ、今作を観ながら食べてみてください。
アメリカでは、コーヒーよりも牛乳を合わせるのがポピュラーだそうです。


どんなストーリーでも、どんな結末でも見ている人に「ウディ・アレンだからね…」と納得させてしまうのが彼の作品の凄いところです。今作も彼らしい皮肉や独特のテンポのゆるっとしたストーリーはクッキーを食べながらのんびり見るのにぴったりの作品でしょう。
お金持ちに憧れる人は少なくないし、お金持ちになることを目標としている人もいると思います。しかし、この作品が教えてくれるのは近くにある幸せを忘れないでねってことだと思うんです。
お金があってもなくても、美人でもそうでなくても変わらずにそばに居てくれる人を大切にしたいなと思わせてくれる素敵な作品です。(女性 30代)


本作は、下流階級の中年夫婦の幸せをテーマに、夫婦が銀行強盗する様子を描いたラブコメディー作品。
銀行強盗のカムフラージュとして妻が始めたクッキー屋が思いの外繁盛して、美味しい生活を続ける夫婦が微笑ましく、何よりも2人のテンポの良い漫才のような掛け合いが面白い。
お金に目がくらんでも、隣にいてくれる人の大切さに気付く結末にほっこりした。
アメリカンスタイルのクッキーを食べたくなること間違いなし。(女性 20代)


銀行強盗を試みたら、開店したお菓子屋が大当たりでお金持ちになったお話。流石ウディ・アレン監督が手掛けたコメディ映画です。要約すると意味が分からないですね。登場人物皆ポンコツでたまりませんが、監督の他作品と比較すると今作品はかなりお馬鹿な仕上がりです。軽いノリで鑑賞できる作品ですが、チラホラ皮肉も込められていますね。金持ちになったとて幸せは訪れず、上級な暮らしに合わせる姿は滑稽そのもの。(男性 20代)

映画『おいしい生活』 まとめ

今作の主人公はいわゆる「下流」で、頭もよくありません。暮らしぶりも良くなければ、美男美女でもありません。ですが、行動がコミカルで憎めなかったり、純粋であったり、バイタリティに溢れていたりして、実にチャーミングです。

今の生活を壊してしまうから、と挑戦をためらいがちなひとに薦めたいウディ・アレン作品。めちゃくちゃやっても、10年後には良い思い出になっているかもしれない、と思わせてくれるパワフルなコメディ映画です。

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