映画『オールド・ボーイ(2013)』の概要:広告マンのジョーは、ある日突然監禁された。訳の分からないまま、20年もの長い年月を監禁部屋で過ごした後、いきなり解放される。彼は自分を陥れた犯人を捜すことにした。
映画『オールド・ボーイ』の作品情報
上映時間:103分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:スパイク・リー
キャスト:ジョシュ・ブローリン、エリザベス・オルセン、シャールト・コプリー、サミュエル・L・ジャクソン etc
映画『オールド・ボーイ』の登場人物(キャスト)
- ジョー・デュセット(ジョシュ・ブローリン)
- 広告代理店で働くビジネスマン。だらしない性格と酒癖の悪さで妻とは離婚。一人娘とも離れて暮らす。そんなある日、何者かに監禁される。
- マリー・セバスチャン(エリザベス・オルセン)
- 移動診療所で働く看護師。解放された後のジョーの傷の手当てをするうちに親しくなり、犯人捜しを手伝うようになる。
- エイドリアン / 謎の男(シャールト・コプリー)
- ジョーの同級生で、彼を監禁した黒幕。ある恨みを晴らすために、20年がかりの計画を実行する。
- チェイニー(サミュエル・L・ジャクソン)
- 監禁部屋を管理する男。依頼人から金を受け取り、ジョーを20年間監禁した。
- チャッキー(マイケル・インペリオリ)
- ジョーの高校時代からの幼馴染みで、酒場を経営。ジョーを監禁した犯人捜しを手伝う。
映画『オールド・ボーイ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『オールド・ボーイ』のあらすじ【起】
1993年。広告マンのジョー・デュセットは、社長から託された商談を台無しにした。妻とは別居中で、一人娘のミアは妻が育てている。何もかもうまくいかない彼は、ヤケ酒を飲んだ。千鳥足でふらついていると、黄色い傘の女が近寄り、気を失った。
彼は見覚えのない部屋で目覚めた。十字架と聖書、タンスには着替えがある。テレビはあるが、流れるのは古い映像ばかり。ドアは開かない。彼は監禁されたと気づいた。食事はギョーザやラーメンなど、同じものの繰り返しだった。
ある日、催眠ガスで眠らされ、指紋や唾液を採取された。その後、妻が殺されたというニュースを見る。容疑者は元夫のジョー。彼は罠にはめられたと苛立つが、何の抵抗もできなかった。
5年が経過。テレビで犯罪追跡番組「犯罪ミステリー」が流れ、ミアの現在の映像が流れる。里親に引き取られ、チェロを演奏する娘の姿を見て、彼は涙を流した。
娘の存在が、彼の唯一の心の支えだった。彼は恥ずかしくない父になることを決意。なまった体を鍛え始め、提供される酒は捨てた。いつか逃亡する時のために、シャワールームの壁のタイルを少しずつ剥がし始めた。
映画『オールド・ボーイ』のあらすじ【承】
2013年。監禁されてから20年が経過した。彼は脱出を決意。娘に書いた手紙を持って脱出しようとするが、ガスで気を失った。
しかし、今度は解放された。ボサボサの髪は短髪に刈られ、全身黒いスーツ。ポケットには現金と携帯電話、娘への手紙もあった。目の前を、監禁直前に見た黄色い傘の女が通る。彼は追いかけたが、ホームレスの移動診療所で見失った。看護師のマリーが彼を心配し、何かあったら電話するようにと名刺を渡す。
彼は唯一の友であるチャッキーの酒場を訪問し、20年ぶりに再会。その時、透明人間と名乗る男から電話があり「自ら起こしたことの責任を取るべきだ」と言った。二人は犯人捜しを始めるが、ジョーに恨みがありそうな人物は見当がつかなかった。
翌朝。ジョーが栄養失調で倒れたため、チャッキーはマリーを呼んだ。彼女は手当てを終えると、彼の手紙を無断で読んでしまう。娘への愛情が詰まった手紙に感動した彼女は、彼を手伝うことにした。
監禁生活で食べたギョーザを探すため、中華店を何軒も回った。そして同じ味の店を発見。大量のギョーザを購入する男の後を追った。
映画『オールド・ボーイ』のあらすじ【転】
ジョーは薄暗いビルに潜入。受付には複数の監禁部屋のモニターが並んでいた。監禁ビジネス代表のチェイニーを脅し、自分が監禁された理由を聞くが、依頼人から金で雇われただけだと関与を否定。その後、チェイニーの手下に追われるが、力でなぎ倒してビルを出た。倒れ込むと何者かに車に乗せられ、チャッキーの店の前で下された。
チャッキーの店に黒幕の男が現れ、20年前の妻殺害の動画をジョーに見せた。彼がジョーを20年監禁させて、彼の妻を殺した男だった。だがジョーは彼に見覚えがない。「俺は誰で、なぜお前を監禁したか答えろ。答えが分かれば娘を解放する」と男は言った。
その後、ジョーは暴行されそうになったマリーを救った。二人は彼の高校の校長宅で卒業アルバムを盗み、怪しいと感じたエイドリアン・プライスの画像を、チャッキーに送った。帰宅した二人は、裸で抱き合った。彼女の部屋には監視カメラが取り付けられていて、エイドリアンは二人が体を重ねる様子を感激しながら見入っていた。「やつの妹は娼婦だ!」とジョーに伝えたチャッキーは、電話を切った直後に殺された。
映画『オールド・ボーイ』の結末・ラスト(ネタバレ)
ジョーはマリーと学校に侵入。敷地内を歩きながら、高校時代を思い出した。エイドリアンの妹のアマンダが、校内で中年の男に抱かれるのを目撃したことを。その後、「アマンダは娼婦だ」と学校中に言いふらしたことを。そこに新聞記事を見つけ、プライス一家はルクセンブルクに引っ越し、父親が一家を殺したと書いてあった。その父親の顔写真は、あの夜に見た男だった。
ジョーはエイドリアンに答えが分かったと言い、彼の家に入る。エイドリアンは「私の本当の楽しみが分かるか?」と謎の言葉をかけ、ミアのいる場所に彼を案内した。もうすぐ娘に会えると喜ぶジョーだったが、着いたのは「犯罪ミステリー」のスタジオだった。彼が監禁部屋で見ていたのは、でっち上げの番組だったのだ。そこにチェロを弾く女性がいたが、ミアではなくエイドリアンが用意した役者だった。
エイドリアンは本物のミアの成長記録をジョーに見せた。それはマリーだった。彼は自分が愛して抱いた女が、実の娘であると分かると泣き崩れた。彼に自分と同じ苦しみを味わわせたエイドリアンは、「この瞬間に立ち会いたかったのだ」と満足して自害した。自分の生き方を恥じたジョーは、マリーに別れの手紙を書くと、自らの意志で監禁部屋に戻るのだった。
映画『オールド・ボーイ』の感想・評価・レビュー
韓国の大ヒット映画を、スパイク・リー監督がハリウッド・リメイクした作品。誰がジョーを監禁したのか、最初から謎だらけの展開で始まる。監禁された理由も分からないまま、20年間もたった一人、監禁部屋で過ごすという惨さ。突然解放され、そこから彼のリベンジが始まるのだが、謎の男に振り回されてしまう。犯人捜しの面白さと、散りばめられたヒント、意外過ぎるどんでん返しのエンディングに、最後まで目が離せなかった。(MIHOシネマ編集部)
この気持ち悪さ、癖になります。長い間、意味もわからず監禁され続けた男の復讐の物語。誰が、何のために?何も分からないまま監禁され続けるという、考えただけでゾッとするお話です。その意味を知るためにもがき、謎を解こうとしますが全く先の読めない展開に不快で不気味な雰囲気が漂います。いい意味で気持ち悪く、癖になる作品。
だんだんと謎が解け、最後に全てを理解した時「大切なもの」を奪われたような気持ちになりました。(女性 30代)
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