映画『陰陽師:とこしえの夢』の概要:作家、夢枕獏の人気小説『陰陽師』を中国が映画化。天地開闢以来の禍を成す生き物、禍蛇の復活を巡っての陰謀を解き明かすため、陰陽師の清明と武人、博雅が奔走する。迫力あるアクションとVFXによる映像にて、新たな陰陽師が誕生する。
映画『陰陽師:とこしえの夢』の作品情報
上映時間:132分
ジャンル:アクション、ファンタジー、アドベンチャー
監督:グオ・ジンミン
キャスト:マーク・チャオ、ダン・ルン、ワン・ツィウェン、ジェシー・リー etc
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映画『陰陽師:とこしえの夢』の登場人物(キャスト)
- 清明(マーク・チャオ)
- 狐の子と噂される稀代の陰陽師。基本であり最強と言われる守護呪が使えず、師匠からは真の陰陽師ではないと否定される。天地開闢以来の生き物、禍蛇を討伐するため、天都へと赴く。飄々としており、賢く強い。博雅とぶつかり合いながら親交を深める。
- 博雅(ダン・ルン)
- 天都を守護する静雲台の武人。陰陽師とはまた別の術が使える。母親を狐の妖魔に殺されたことから妖魔に恨みを抱えている。妖魔を式神として使う清明が許せず、何かと敵視している。真っすぐで強い心を持っている。
- 長平公主(ワン・ズーウェン)
- 天都城に住まい、女帝からの信任も厚い人物。30歳を過ぎても降嫁せず、女帝の右腕として名高い。実は女帝であり禍蛇を封印されている不老不死の女性。元々は芳月という名で、清明の師匠と恋仲にあった。鶴守月と画策し、禍蛇を復活させてしまう。
- 鶴守月(ワン・ドゥオ)
- 清明の師匠の式神。主から公主を守れと命じられており、禍蛇を取り込み不死となり、公主を守ろうとする。
- 殺生石(サン・チェンジェン)
- 清明に助けられたことにより、自ら式神へと志願した妖魔。触れる物や攻撃した者の命を吸い取る力がある。武に長けた式神。
- 狂画師(シュー・カイチェン)
- かつては師匠の式神であったが、現在は清明の式神。結界を張る能力がある。
- 雪天狗(オウミッド)
- かつては師匠の式神であったが、現在は清明の式神。白い翼を持ち、氷を操る。
映画『陰陽師:とこしえの夢』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『陰陽師:とこしえの夢』のあらすじ【起】
狐の母を持つ清明は幼い頃より陰陽師となるべく師によって厳しく育てられた。だが、清明は陰陽師として最も基本であり最強の守護呪の印が結べず、その理由も全く分からなかった。故に、師匠からは守護呪が使えない清明は真の陰陽師ではないとまで言われてしまう。
清明と師匠が修行をする修練場に、天地開闢以来より存在する禍を成す大蛇、禍蛇(かだ)が現れる。師匠は清明を逃がし3体の式神を召喚。そこへ、弟子たちを伴った清明が戻って来る。師匠は全員に守護呪を張れと命令したが、清明だけは張ることができない。師匠は愛弟子を守るために守護呪を張り怪我を負ってしまう。そこで、式神の1体は主を救うため、自らの命を賭して大蛇を退治するのであった。
怪我を負った師匠はその身に毒を受けてしまい、静かに命が終わるのを待つばかり。禍蛇はこの世の執念と欲を糧として衰えることがなく永遠に生き続ける厄介な生き物。解毒方法もない。そして、禍蛇の本体は天都城(てんとじょう)にいるある者の身体に封印されており、式神が倒したのはただの影であった。
300年前、東西南北にある4つの流派が力を合わせて禍蛇を天都城に封じ込め、青龍・朱雀・白虎・玄武の四神像が今も天都を守護している。そして、禍蛇の影が出現するたび、各流派の最強の法師が影を退治してきた。時代に合わせて蛇を斬るものは常に存在する。師匠はそれが清明なのだと言う。師匠は最後の教えとして誰もが知る陰陽師になれと告げ、天都城へ向かえと言うのであった。
師匠の遺言により、天都城へやって来た清明。妖魔の気配を察知し、直ちに向かうことに。すると、そこへ弓を携えた男も現れる。だが、男は妖魔の言い訳も聞かず問答無用に向かって来る。そこで、清明は間に入って妖魔を助け、男を軽くいなし早々に姿を消すのであった。
清明が逃がした妖魔が恩義を感じ式神になりたいと後を追って来る。清明は殺生石という名の妖魔を式神として受け入れることにした。
その後、天都を守護する静雲台より、禍蛇討伐の命が下される。清明は招集に従い宮廷へと向かったが、そこで妖魔を巡って戦った男、博雅と再会。祭天大典には女性法師と天都の内廷、司天監を統べる鶴守月(かくしゅげつ)という人物も参加。清明は鶴守月に違和感を覚え訝しく思うのだった。
集められた法師は東西南北で最強と言われる法師4人。彼らは長平公主との面会を許される。ところが、集まった法師は3人。残りの1人は何者かに殺されてしまったと報告が入る。女帝は法師殺害の調査と禍蛇討伐の全てを長平公主へと一任した。
映画『陰陽師:とこしえの夢』のあらすじ【承】
清明は禍蛇の本体が女帝に封印されていることを師匠から聞いていた。女帝も老いを気にする年齢となり、四神像の力も弱まっている。ひとまず、一行は殺された法師の遺体を検分することに。遺体に残された傷痕から妖魔の仕業と分かるが、鶴守月曰く司天監の結界が破られたという報告もないらしい。そうなると、妖魔の仕業に見せかけた法師の仕業ではないかと疑念が巡る。そこで、妖魔を見つけ出すべく女性法師の術が施されるが、清明の他に公主にも妖魔反応が出てしまい、微妙な空気になってしまう。
その夜はそれぞれに天都に蔓延る妖魔を退治し、その核を四神像へ奉納。博雅は玄武へ、女性法師は白虎へ、鶴守月は朱雀へと力を注いだ。だが、清明は出掛けもせず自室で式神を相手に酒を飲んでばかり。その様子に博雅は苛立ちを募らせる。そんな中、清明は鶴守月へと直接、話を聞きに向かっていた。
死んだ法師の任をそのまま受け継いだ鶴守月は、実は清明の師匠の式神だった。師匠は禍蛇が封印された女帝を守るよう命じていたらしいが、主である師匠が死んでしまったため、式神である鶴守月もまたじきに消える運命だった。
四神像への奉納が進む中、それでも清明は酒を飲んでは遊び惚けている。ところが、清明は都での噂を収集し一網打尽とする策を考えている。清明が担当する青龍は生半可な奉納では力を取り戻せないと分かっていたからだ。呆れ果てた博雅だったが、そんな時に司天監へ妖魔が侵入したと知らせが入る。
慌てて公主の室へ向かったが、すでに公主は妖魔に襲われ倒れているのだった。そこで、清明は公主の身体に入った妖魔を自らの身体へ呼び込むことに。博雅は清明に言われたことを行い、妖魔を退治することができた。公主に憑りついた妖魔は彼女の執念に引き寄せられて来た大物だった。清明はこの妖魔の核一つで青龍像を覚醒させる。
このことをきっかけに、博雅と清明はようやく和解。博雅は母親を狐に殺され妖魔を憎むようになったが、清明は狐の子と呼ばれ人に害され生きて来た。互いに正反対な生き方をして来たが、どこか相通じるものを感じる2人。更に清明は師匠との最期のやりとりを博雅に見せた。師匠は自らの式神と芳月剣を清明に渡し、自分の命を絶つよう愛弟子に命令したのだった。
深夜、突如として宮廷の結界が破られる。異変を察した清明と博雅は、即座に行動を開始し鶴守月と女法師と遭遇。互いに疑念を募らせ四巴の攻防を展開したが、そこへ公主も駆け付ける。ところが、女法師は髪を操る妖魔によって絞め殺されてしまう。今わの際、女法師は清明に遺言を残した。
このことで博雅は警戒を強め、清明の言葉も信じてくれなくなる。清明は全てを彼に明かし、公主が禍蛇を解放しようとしていることを告げたが、博雅は信じてくれなかった。
映画『陰陽師:とこしえの夢』のあらすじ【転】
翌朝、清明は博雅に陰陽符を渡し、鶴守月を試せと告げた。嫌がることを命令し拒否すれば式神としても失格であり、師匠の命に背いたことになる。そこで、博雅は清明に鈴を渡し、危険が迫った時は呼べと言う。代わりに清明は自分の符を渡すのだった。
清明はその足で公主の元へ。彼女へ師匠から芳月剣を授かったことを明かし、彼女の反応を窺う。芳月剣は前回の祭天大典の折、禍蛇を斬った剣であるため、禍蛇の気配を察知することができる。公主はこの話にまんまと乗ってきた。彼女は清明が去った後、自室の奥の引き出しを開ける。中には小刀が入っていた。そこへ、清明が背後から忍び寄り公主に何者かを問う。しかし、彼女から答えを聞く前に髪の妖魔が現れ公主を殺してしまう。
一方、博雅は鶴守月の元へ。清明に言われた通り陰陽符を使って命令を下した。
髪の妖魔を追い詰めた清明は、妖魔から話を聞くことに。妖魔は恨みを晴らしたと消えてしまう。残ったのは長い髪と陰陽符、そして公主の絵だった。急いで鶴守月の元へ向かった清明は、倒れている博雅の記憶を読み取る。鶴守月に命を下した博雅だったが、そこへ公主が現れ形勢が逆転してしまい意識を奪われてしまったのだった。
鶴守月と公主が結託し、禍蛇を復活させようとしている。2人は共に手を取り合い儀式へ向かおうとしていた。そこへ、清明と博雅が駆け付ける。公主は18歳で宮廷へ戻って来たことになっていたが、実は彼女こそが禍蛇を身の内に持つ女帝であった。これまでの現象は2人が画策したことであったのだ。
公主は禍蛇を封印し続けるため、人魚の肉を食し不老不死となったが、そのせいで彼女は天都から出ることができなくなってしまった。数百年の時を生き、宮廷に入ったことで女帝となったが、容貌を誤魔化すため、公主となって再び宮廷へ戻ったのだった。全てを諦めかけた時、清明の師匠と出会い鶴守月が残される。師匠の死と共に式神も消える運命を知った2人は禍蛇の力を取り込むため、策を弄したと言うのだった。
しかしそこで、公主に異変が発生。咄嗟に走り出した清明と博雅だったが、鶴守月が放った通り抜けの術によって別々の場所へ転送されてしまう。清明は術が使えるため、すぐに戻れたが、博雅は術が使えない。清明は鈴で交信し、符を使うよう促し博雅をどうにか助けることに成功した。
その頃、公主は痛みに呻いていた。しばらくして大量に出血した彼女の股から蛇が出て来る。禍蛇が覚醒したのだ。
芳月剣が光り輝き禍蛇の元へ飛んで行く。鶴守月はその剣を投げ捨て、禍蛇を身の内に宿し式神から妖魔へと成ってしまった。しかし、禍蛇はまだ足りないと呟きかつて芳月という名であった公主と共に都へと向かう。清明と博雅が駆け付けた時にはすでに遅く、大蛇を追いかけることができなかった。そこで、清明は四神像の守護を発動させようとしたが、鶴守月のせいで朱雀像の覚醒ができず、守護陣も発動できない。蛇は天都の外を目指していた。
しかし、公主は都を進む蛇に恐れ戦き、逃げ惑う民に心を痛める。彼女は鶴守月と共に蛇から逃れようとした。そこで、清明は式神を召喚。雪天狗と狂画師、そして殺生石である。3人の式神は主の命に従い、攻撃を開始。公主は大蛇の体内へと取り込まれ、鶴守月が式神との攻防を展開したが、清明一人だけの力では敵いそうにない。
博雅はそこで、自分の体を使って朱雀を覚醒させればいいと提案。彼は自分を式神にし、四神像の守護陣を発動すればいいと言う。狂画師が自らの命を挺して大蛇の囮となった。殺生石が禍蛇の相手をしている間、雪天狗が氷の結界を作る。そうして、主に博雅の元へ行けと促すのだった。
映画『陰陽師:とこしえの夢』の結末・ラスト(ネタバレ)
朱雀像の元へ向かった清明は、博雅が自らの血で像の覚醒を促し意識を失うのを目撃する。2人になってしまった式神が奮闘する中、ようやく朱雀像が覚醒し守護陣が発動。すると、朱雀像が崩壊し中から博雅の姿をした者が現れる。清明は彼を式神として禍蛇の元へと送り込んだ。
黒朱雀となった博雅は禍蛇と互角に戦いを展開。清明は大蛇の体内へ入り、公主の説得を試みることにした。清明は師匠の遺言を見せる。彼はかつて芳月であった公主と恋仲にあったが、叶わぬ恋でもあったために別れるしかなかった。その際、師匠は名もない短刀を彼女に送っている。その剣が芳月剣である。師匠の死を目の当たりにした公主は現実を受け止め、清明と共に大蛇の体内から脱出した。
芳月剣を博雅へ渡し、更なる力を送り込む。だが、禍蛇であり師匠の生き写しでもある鶴守月は守護呪でもって攻撃を防いでしまう。公主は禍蛇がいなければ、不老不死ではないと告げ自ら首を斬って命を絶ってしまった。
このことで鶴守月に隙が生じ、芳月剣が突き刺さる。大蛇は最後の足掻きとして攻撃を発し砂となって砕け散った。黒朱雀は主を守るため、身を挺して消えてしまう。愕然とした清明だったが、禍蛇本体を宿す鶴守月はまだ健在である。奴は博雅を狙って芳月剣を差し向ける。清明は咄嗟に前へ出て守護呪を張った。それは5陣にもなる強力なものだったが、剣は守護呪を突き破って清明を貫いてしまう。彼はかつて師匠が言っていた言葉を思い出した。陰陽師の本質は守ることにあり、故に基本である守護呪が最強なのだと。清明は未だかつてない強力な守護呪でもって禍蛇を滅した。
博雅は一命を取り留め、無事に回復した。清明は彼に師匠と公主の馴れ初めから、鶴守月が禍蛇を取り込むことになった経緯を話して聞かせた。それは悲しくも強い絆と愛の話だった。画して、清明と博雅は友情を深め親友となった。彼らは強い絆で結ばれたが、それぞれに帰る場所がある。ひとまずは別れを告げ、自分達の居場所へと戻って行くのだった。
映画『陰陽師:とこしえの夢』の感想・評価・レビュー
中国版『陰陽師』であるが、衣装や演出、VFXは正に中国ならではと言ったところ。日本映画とは違った壮大なアクションや解釈が面白かった。博雅のキャラが不器用な武人然としていて新たな魅力を醸している。こういう尖った博雅もいい。日本映画とはまた違った魅力があり、式神の登場シーンや戦闘、主思いで忠実な態度がとても感動的。非常に内容が濃く、展開もスピーディーなので、もう一度観たいと思わせる。続編があるならぜひ観たいと思わせる作品だった。(MIHOシネマ編集部)
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