映画『男はつらいよ 寅次郎夢枕』の概要:1972年公開の日本映画、渥美清主演の人気シリーズの第10作品目である。ヒロイン役に八千草薫が出演している。
映画『男はつらいよ 寅次郎夢枕』 作品情報
- 製作年:1972年
- 上映時間:92分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
- 監督:山田洋次
- キャスト:渥美清、倍賞千恵子、松村達雄、三崎千恵子 etc
映画『男はつらいよ 寅次郎夢枕』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『男はつらいよ 寅次郎夢枕』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『男はつらいよ 寅次郎夢枕』のあらすじを紹介します。
いつものように突然柴又に戻ってきた寅次郎(渥美清)。
突然同級生の千代(八千草薫)がとらやを訪れた。
聞くと2年前に離婚し近くに美容院を開業したという。
見違える程美しくなった幼馴染の千代に心を奪われた寅次郎は、毎日のように千代の美容院に通うようになる。
そんな時、とらやの2階に間借りしている大学教授の岡倉も千代に惚れてしまいアメリカ留学を諦めても良いというほどまでになり寝込んでしまった。
正直に相談してきた岡倉の願いを無下にもできず、寅次郎は渋々承諾し、千代にそのことを伝えようとする。
しかし、何となく違和感を覚えた寅次郎の態度を寅次郎のプロポーズだと勘違いした千代は「寅ちゃんとなら一緒に暮らしても良い」と返事をする。
まさか自分に好意を寄せていたとは思ってもみなかった寅次郎は後悔するが、その事実を岡倉に伝えに行く。
その後千代から正式に断りの返事を受け取った岡倉、アメリカ留学に行くことを決意。
後ろ髪引かれる思いで旅立つのだった。
一方で寅次郎もまたどこかにふらっと旅立つのであった。
映画『男はつらいよ 寅次郎夢枕』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『男はつらいよ 寅次郎夢枕』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
いつもの恋模様とは一味違うのが見所
寅さんと言えばヒロインに恋をして実らず旅に出るのが定番。
大抵初めて会うヒロインに一目惚れする設定になっているのだが、本作は幼馴染と再会するという従来のシリーズとは違う展開が見ものである。
しかも千代の方は寅次郎に満更でもなく、わかっていても「この展開はもしかしたら?」と思わされてしまう面白さが新鮮であった。
ヒロイン八千草薫の魅力満載
今では美しく可愛らしいお婆ちゃん役が定着している八千草薫。
悪い役柄はあまり見たことが無く、人の良さがそのまま顔に出ているような女優さんである。
この作品でもその容貌は女性らしく魅力的で、作品を大いに盛り上げている。
「男はつらいよ」のシリーズはどの作品もヒロインは旬の女優さんを起用しており、公開当時から今までその人気は変わらない。
ヒロインで観るか観ないか決めるというほどの重要事項なのである。
本シリーズは現在でも人気が高い作品の1つに入っている。
BGMにセンスの良さが光る
本作のBGMではクラシックの名曲ヴィヴァルディの四季やベートーヴェンのクロイツェルソナタなどが使用されている。
特に四季に関しては劇中の情景を実に見事に表現しており、自然に耳に入ってくる良さがある。
クラシック音楽に縁が無さそうな作品だけに意外性もあり、新鮮味がある。
あの誰もが聞いたことのあるテーマソングからは、まさかのクラシックである。
しかし、これがまた哀愁を漂わせて味があり惹き込まれてしまう。
映画『男はつらいよ 寅次郎夢枕』 まとめ
国民的人気シリーズ作品「男はつらいよ」の最大の魅力は毎回違うヒロインとの寅次郎の恋模様の行方ではないだろうか。
旬の女優さんを起用し、決して実ることがないお馴染みの展開が非常に心地よい。
男性なら風来坊の寅次郎に誰もが密かな憧れを感じ、ヒロインに恋心を抱いてしまうといっても過言ではなくそれが楽しみの1つでもある。
また人情味溢れるストーリー構成が昔ながらの日本の良さを表現しており、下町柴又を魅力的に表現している。
核家族が増えている中で親戚や他人との関わりが素晴らしいものだと感じさせてくれる映画の原点であり、まさに日本を代表する作品となっている。
独特のスタイルも今となっては親しみ深く、よく最初にこの仕上がりを頭に描けたものだといつも感心してしまう。
みんなの感想・レビュー