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映画『8 1/2』あらすじとネタバレ感想

映画『8 1/2』の概要:「8 1/2」(原題:Otto e mezzo)は、1963年のイタリア・フランス合作映画。監督は「」、「甘い生活」などのイタリア映画の巨匠フェデリコ・フェリーニ 。主演は「白夜」、「女と男」、「甘い生活」などのイタリア映画の名優マルチェロ・マストロヤンニ。共演には「モンパルナスの灯」、「甘い生活」などのアヌーク・エーメ。「若者のすべて」、「ビアンカ」などのクラウディア・カルディナーレ。音楽はフェリーニの片腕とも言えるニーノ・ロータ。本作は1964年の第36回アカデミー賞で、衣裳デザイン賞と外国語映画賞を受賞した。

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映画『8 1/2』 作品情報

8 1/2

  • 製作年:1963年
  • 上映時間:140分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:フェデリコ・フェリーニ
  • キャスト:マルチェロ・マストロヤンニ、アヌーク・エーメ、クラウディア・カルディナーレ、サンドラ・ミーロ etc

映画『8 1/2』 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

映画『8 1/2』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『8 1/2』のあらすじを紹介します。

著名な映画監督のグイド(マルチェロ・マストロヤンニ)はベッドの中で悪夢にうなされていた。診察をする医者は疲労の蓄積と判断し湯治を勧める。しかし湯治場に来ても彼は取り巻き連中から逃れられず、新作のシナリオが頭から離れずにいた。そしてそこへやってきたのが愛人のカルラ(サンドラ・ミーロ)だったが、彼女はまるでリゾート気分だった。妻のルイザ(アヌーク・エーメ)との関係は冷めてはいたが、時にはその存在が必要でもあり、もどかしい間柄に区切りを付けられずにいた。グイドの心を占領しているのは若い女優のクラウディア(クラウディア・カルディナーレ)の存在であったが、あらゆるイメージでグイドの前に登場する彼女も、いつしか空しく姿を消してしまう。彼の周辺人物がありとあらゆる相談や懇願を持ちかけてきてはグイドに取りすがってくるが、それも現実なのか虚構の世界なのかが次第に曖昧になって行く。やがて彼は想像の中で過去の記憶へ辿り着き、次々と古い思い出の中を彷徨い始める。ヒッピー女とのダンスの後、海岸で神父に追いかけられ教会で懲罰を受け嘆く母親。マリア像の前で懺悔をした後、再び海岸のヒッピー女のところへ向かう白日夢。そして再び現実に戻り大きな共同浴場で枢機卿から受ける説諭。そして保養を終えたグイドは元の生活に戻り、慌ただしい取り巻きたちが再び波のように押し寄せ、撮影現場でも何もかもがうまくはかどらず彼は途方に暮れる。やがて妄想の中で自分に携わった女たちが全て登場し、各々が好き勝手放題に彼を罵倒し始め修羅場と化してゆく。そして再び撮影現場に戻ったとき、グイドの眼前にサーカスの楽隊が現れ、大きな天蓋の中から自分に関わった全ての人々が現れ、皆が手を取り合い楽しげなカーニバルが始まる。グイドはメガホンを取りカーニバルの指揮を始めるのだった。

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映画『8 1/2』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『8 1/2』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

表現者の苦悩と葛藤を白日夢的に描いた傑作

フェリーニ監督が次回作の構想で苦悩していた自らの葛藤を、そのまま映画として表現した私小説作品。冒頭から摩訶不思議な悪夢のシーンの連続で、車に閉じ込められたり、空の上から落下したりと、ユングやフロイトの夢判断に出てくるような妄想のオンパレードである。どこまでが現実でどこまでが妄想なのか、ボーダーラインも曖昧な表現なのだが、それを細々と分析する必要はなく、ただ単にその制作での苦悩を心理的に描いた作品なので、世間で言われるような難解というイメージなどは取り払って観るべき作品である。簡潔に言えば、断片的で捉え所のない夢や妄想を映像化した作品であり、映画監督が観た夢や妄想だから特別というものではなく、誰しもが同じような夢や妄想を観ているのだ。そのイマジネーションの切り口を表現者としてストレートに描いた作品であり、フィルムの中で繋げて行くと「8 1/2」という作品が出来たというくらいのニュアンスが丁度いいのである。理解するのではなく、フェリーニの脳内を体感する映画なのである。

誰もが同じような夢を見て、妄想している日常

ストレートでドラマチックな作品を好む人にはフェリーニやアントニオーニ、フランスのヌーヴェルバーグ作品は敬遠してしまうところかも知れないが、そういった人にも、難解と言われている芸術作品のお勧めの見方は「あぁ、そういえば自分も同じような夢を見たことがある」と思いながら観るといいかも知れない。自分の見た夢や、学校とか職場とか家族の中で日常的に「頭の中で何かを思い描く」事は誰もが行うことである。画にすることは難しいが、そのイマジネーションは断片的であり、ストーリーも無い一瞬の出来事が多い筈なのである。そこに後付でリアルなキャラクターを投入することにより映像というものができあがるのだ。理解出来るとは少し違った視点で観れば。以外と共感できる部分は多いのである。


圧倒的文化の違いから突き放されるが、だからと言って決して途中で観たく無くなったりしないし、決してつまらない映画ではないのが不思議だ。フェデリコ・フェリーニ自身も、「これは個人の物語であり異人種異文化の人間には理解し難いかもしれない」と言っているのを本で読んだ。

それなら何に惹かれるのだろうと考えたときに、その芸術性とグイドという映画監督に反映されたフェリーニ自身に興味があるのだと思った。自伝的な部分を理解できないと突き放すか、1人の監督の葛藤と人生を垣間見るかで随分面白さが変わってくる映画だ。(女性 20代)

映画『8 1/2』 まとめ

心理学や哲学という厄介な分析をすると面白さは半減してしまうので、本作を観てどうしても理解出来ないと脳が拒絶するなら、観るのを辞めればよい。不思議というものは不思議なままでおいておく方がよいのである。本作の中でも哲学的考察が成されていないとか、したり顔で話す人物が登場してくるが、そう言ったものを嘲笑うかのように監督の妄想は止まらないのである。追い込まれた行く末に出て来たものこそが答えだというところの発想は、追い込まれた人間にしか理解出来ないのであるが、その苦悩のプロセスの描き方と、開き直った後のエンディングが何ともユニークとしか言いようがない。正しく究極の不自由さから解放された「自由」という映像ではないだろうか。

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