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映画『パリ、憎しみという名の罠』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『パリ、憎しみという名の罠』の概要:事業に失敗したロカは、二酸化炭素の規制枠が売れることを知り、金儲けのチャンスに気がつく。海外を経由することで高い税金を逃れ、莫大な利益を上げることに成功したロカだったが、転落するのは時間の問題だった。

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映画『パリ、憎しみという名の罠』の作品情報

パリ、憎しみという名の罠

製作年:2017年
上映時間:104分
ジャンル:サスペンス、フィルムノワール
監督:オリヴィエ・マルシャル
キャスト:ブノワ・マジメル、グランジ、イディル・シャンデ、ローラ・スメット etc

映画『パリ、憎しみという名の罠』の登場人物(キャスト)

アントワヌ・ロカ(ブノワ・マジメル)
父から継いだ会社を経営していたが失敗。二酸化炭素の規制枠が売買できることに気がつき、それで一儲けしようと画策する。妻のダナとは不仲になり、自分を信頼していないことに苛立っている。息子のトムを溺愛している。
アロン・ゴールドシュタイン(ジェラール・ドパルデュー)
ダナの父親でロカの義父。たいへんな金持ちだが、ロカのことを認めておらず、いつも冷たい態度でいる。規制枠の売買を始めたロカに監視を付け、脱税の証拠を握ると、それを警察に暴露した。
エリック・ウィズマン(イディル・シャンデ)
ロカのポーカー仲間で一緒に規制枠の売買を行う。薬物中毒で感情をコントロールすることができず、問題を起こすことも多い。
ロラン(ミカエル・ユーン)
ロカの会計士。規制枠が売買可能なことを教え、彼と共に新たなビジネスを始めていく。警察が動き出した後は、真っ先に逮捕されていった。

映画『パリ、憎しみという名の罠』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『パリ、憎しみという名の罠』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『パリ、憎しみという名の罠』のあらすじ【起】

父親から譲り受けた会社を経営しているアントワヌ・ロカだったが、業績は思わしくなかった。租税総局から脱税を指摘され、100憶ユーロを支払わなくてはならなくなる。義父のアロン・ゴールドシュタインは金持ちだったが、ロカとは反りが合わなかったため、困っていることを言いだせない。妻のダナが父親の肩ばかりを持つことにも苛立っていた。

会計士のロランと話し合った結果、破産申請をすることを勧められる。その時、財務省から二酸化炭素の規制枠の通知が来たことを話すと、余っている規制枠は売ることができるのだと説明された。

自分を認めてくれないダナと喧嘩したロカは、家を飛び出してしまった。翌朝、破産申請にサインした彼は、ロランから規制枠が16000ユーロで売れたと報告される。規制枠はオンラインで簡単に売ることができた。国内では高い税金がかかってしまうのだが、海外での売買は免税されるのだそうだ。そこに目を付けたロカは、ロランに海外にダミー会社を作ってくれと言った。これは税金を逃れる脱税行為だったが、彼は構わずに指示した。

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映画『パリ、憎しみという名の罠』のあらすじ【承】

ポーカー仲間のエリックとシモンというウィズマン兄弟の家に転がり込んだロカは、早速、ネットで規制枠の売買を始めた。わずか一週間で4万ユーロを稼ぎ出した彼は、これが金儲けのチャンスだと確信する。ウィズマン兄弟と彼らの母親・ドリーも巻き込み、ダミー会社を増やして荒稼ぎしようと企む。

事業拡大には金が必要だ。だが、ロカを気に食わないゴールドシュタインが彼の悪評を流したせいで、金を貸してくれる者は少なかった。ゴールドシュタインは、息子の親権と引き換えに金を渡すと言ってきたが、ロカはそんな取引には応じられなかった。

そんな時、キャメルという男から金を借りようという提案が上がる。キャメルは悪党だったが、三ヵ月後には金を倍にして返すと説得し、大金を借りることに成功する。香港やキプロスを飛び回り、海外の口座に入金すると、ホテルの一室をオフィス替わりにビジネスを始めた。誰もこの市場に参入していなかったおかげで、彼らはあっという間に急成長し、大金持ちになる。

映画『パリ、憎しみという名の罠』のあらすじ【転】

モゼールという刑事がドリーの所にやってきたが、彼はドリーに借りがあったため、多くは追及しなかった。キャメルは危険な人物なので、早く手を切れと警告していった。

租税総局の目を欺くため、ドリーの紹介で中国人とも繋がりを作り、金をロンダリングすることにした。ビジネスは順調だったが、ロカは次第に恐怖を感じ始める。エリックは薬物のせいで問題ばかりを起こすようになり、心配のタネにもなっていた。

キャメルへの返済日がやってきた。ロカは借りた金の倍額を返済したが、金持ちになった彼らを羨んだキャメルは、儲けの半分を寄こせとゆすってきた。ロカはモゼールに電話し、彼を金で抱き込むと、協力を要請。

ロカが愛人と贅沢に暮らしていることを知ったダナは、怒ってロカの留守中に押し入り、愛人の髪を切って痛めつけるという暴挙に出る。激怒したロカは、ダナから息子の親権を取り上げる裁判を起こし、勝訴した。だが、このことがゴールドシュタインの逆鱗に触れ、密かに得ていたロカの情報を警察に暴露。規制枠の売買で脱税していることを密告する。遂に警察が動き出し、ロランが逮捕されてしまった。

映画『パリ、憎しみという名の罠』の結末・ラスト(ネタバレ)

モゼールから密告の話を聞いたロカは悩みだす。規制枠の売買は今や誰もが知るところとなり、儲けも少なくなっていた。会社を畳み、海外に逃げることが一番だったが、愛人や息子を残してはいけなかった。

キャメルの手が回り、金を盗まれる事態が発生。ロカ達は食事中に襲撃を受け、シモンの妻が死亡する。それに怒ったエリックは、キャメルの仲間を銃殺してしまった。エリックの軽率な行動のせいで、モゼールもかばいきれなくなってしまう。ロカはエリックに逃亡の準備をさせた。

しかし、キャメルに捕まったロカは、愛人を人質に取られ、エリックを奴らに売らなくてはならなくなってしまう。彼はしぶしぶエリックに電話し、指定の場所におびき出す。だが、そこに現れたのはシモンだった。シモンはエリックの代わりに撃ち殺されてしまった。

ロカは愕然としたが、キャメルが捨てていった銃を拾いあげると、それを手にゴールドシュタインの屋敷へと忍び込み、彼を暗殺。彼の手元にあった書類のいくつかを暖炉で燃やし、その場を去って行った。その後、エリックはキャメルの部下に発見されて殺害された。

シモンの葬儀に出席したロカは、現れた警察によって連行されていった。彼は司法取引を持ちかけ、モゼールの犯罪への関与を暴露して釈放される。だが、早朝に自宅へと戻ってきたところを撃ち殺されてしまった。撃ったのは息子たちを殺された恨みを持つドリーだった。

映画『パリ、憎しみという名の罠』の感想・評価・レビュー

ロカ達が悲惨な末路を辿るのは、実際に欧州で起こった規制枠の脱税事件の被害がとても大きかったことに由来するのかもしれない。だが、犯罪者は逃げきれないのだというメッセージを込めるには、キャメルやドリーがお咎めなしなのが気になる。物語的に考えるなら、金を稼ぐための理由が必要だが、そこも少し弱い。例えば、親から継いだ会社を立て直したい。ゴールドシュタインの鼻を明かしたい。政府を出し抜きたいなどの目的があったらよかった。それらを気持ちよく達成した後に転落していったほうが、より悲惨さが増して良かったかもしれない。(MIHOシネマ編集部)

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