12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『パッション(2004)』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『パッション(2004)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『パッション(2004)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『パッション(2004)』の結末までのストーリー
  • 『パッション(2004)』を見た感想・レビュー
  • 『パッション(2004)』を見た人におすすめの映画5選

映画『パッション』の作品情報

パッション

製作年:2004年
上映時間:127分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:メル・ギブソン
キャスト:ジム・カヴィーゼル、マヤ・モルゲンステルン、モニカ・ベルッチ、ロザリンダ・チェレンターノ etc

映画『パッション』の登場人物(キャスト)

イエス・キリスト(ジム・カヴィーゼル)
本作の主人公で拷問を受け続ける辛い運命に合います。鞭で叩かれても十字架を背負わされても、歩き続ける強い人です。
マリア(マヤ・モルゲンステルン)
イエス・キリストの母親です。受難を受け続けるイエスをずっと頑なに見続けます。涙を流す事もあります。
イスカリオテのユダ(ルカ・リオネッロ)
イエス・キリストの使徒でしたがイエスを裏切ります。金貨を貰いますが、その後の人生は暗い物になります。

映画『パッション』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『パッション(2004)』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『パッション』のあらすじ【起】

イエス・キリストは奇跡を起こす者として皆から尊敬し、敬われていました。今日もキリストは奇跡を起こし、信者を増やしていました。

しかし、やはりどんな時代にも嫉妬深い傲慢な者は存在します。国を治める者達です。その王族達は代々伝わる王族で偉そうに生きてきたのですが、イエス・キリストが人々から尊敬されている事を面白く思っていません。王族達は「イエス・キリストは危険な存在だ、人々を先導しかねん」と言い、話し合いをしていました。「イエスを捕らえて人々からの信仰を奪わねば王家が危うい」などと言い、理由を付けてはイエスを貶めようとしていました。しかし、イエスの居場所が分からない王族達は考えあぐねていました。

そんな中、一人の家来が口を開きました。「イエスの使徒の誰かを買収して居場所を聞き出したらどうですか?」と言いました。そして「居場所を教えてくれたら金貨を寄越すと提言していれば一人ぐらいの信徒は喰らいつくでしょう」とも言いました。そしてその家来は少し自慢げな表情をしていました。

映画『パッション』のあらすじ【承】

ある日、その情報を知った一人の男がいました。彼の名前はイスカリオテのユダです。イエス・キリストの使徒をしていますが、最近のイエスの動向には少し不安を感じていました。「イエス・キリストは巨大になり過ぎている」そして「信徒が増え過ぎて教えがちゃんと伝わらないしイエスの説教も伝わっていない」と感じていました。そしてユダはイエスを裏切る事にしました。大きくなり過ぎたイエスは自滅すると思ったのです。「自滅するならば自分が終わらせてやる」とユダは考えました。そしてユダは王族達にイエスの居場所を教える事にしました。

ユダは王族達にイエスの居場所を教えにいきました。王族達はユダを歓迎し、イエスの居場所を教えてくれた事に大層喜びました。そしてユダに金貨を大量に渡しました。ユダはその金貨を受け取ると逃げる様に王族達の前から走り去りました。王族達はそんなユダの姿をあざ笑っていました。ユダは「自分は恐ろしい事をしてしまった」と思い、酷い表情を浮かべていました。

映画『パッション』のあらすじ【転】

一人走り続けたユダは誰も居ない場所に辿り着きました。そしておもむろに金貨を地面に投げつけました。ユダは金貨欲しさに密告し、裏切った訳では無かったのでお金など要らなかったのです。そして地面に倒れ、泣き続けました。自分の罪にユダは泣き続け、イエスがこれから受けるであろう受難の事を思い絶望しました。そんなユダにこれからも生きていく気力がある筈も無く、ユダが選ぶ道は一つしかありませんでした。

ユダは自殺する意思を固めました。そしておもむろに近くにある丈夫そうな木の枝に、縄を縛りつけ始めました。縄をきつく縛りつけながらユダは今までの事を思い返していました。そして涙と鼻水でクチャクチャになった顔をぬぐい、ユダは縛りつけた縄を見つめました。見つめながらユダは手ごろな足場を探し、木の枝の下に持って行きました。そしてその足場の上に昇り、ユダは縛りつけた縄の輪っかの中に首を通し、そのまま命を絶ちました。ユダの死は誰にも気付かれる事無く終わりました。

映画『パッション』の結末・ラスト(ネタバレ)

ユダに密告され居場所を知られたイエスの元に、王族の兵隊達がやってきました。そしてその兵達に手荒く捕らえられたイエスは連行されていきました。イエスはその間、全く焦る事も無く、終始穏やかな表情をしていました。抵抗すらする事も無く、ゆっくりと連行されていきました。

その後イエスは裁判にかけられました。しかしその裁判は仕組まれたものであり、イエスの言う事は何も伝わらなく罪人となりました。神の冒涜者として断罪されたイエスは拷問されてから死刑になる事が確定しました。その判決にイエスは全く顔色を変えませんでしたが、イエスの母のマリアは泣き崩れました。

イエスはまず裸にされ、頭に茨の頭飾りを付けられました。その頭飾りはイエスの頭に深く突き刺さり、イエスの頭からは血が止めどなく流れ出しました。そしてその後は様々な鞭で叩かれ続け、最後は重い十字架を背負い自分の墓場まで歩かされました。

イエスは十字架に張付けにされ、そのまま命を落としました。そして王族達の部下達に手より、丁寧に地上に降ろされました。その後、丁重に葬られたイエスですが次の日の朝、聖書の話の通り奇跡的な復活を遂げました。

映画『パッション』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

観た瞬間、本物だと思った。
イコンも絵画も顔立ちがバラバラなのに、この人だと直感するキリストがそこにいた。
俳優だと分かっているのにとても神々しくて、また拝みたいと思ってしまう。
リアリティを追求した作品で、背中に鞭の楔が食い込んでいくシーンなどはとても直視できなかった。
でも、その壮絶な生きざまは一度観ただけでは足りないと感じるほど、惹きつけるものがある。
恐ろしいけど、きっとまた観ると思う。(女性 30代)


メル・ギブソン監督による圧倒的な映像美と暴力描写は、心に深く突き刺さりました。イエス・キリストの最後の12時間を徹底して描く姿勢は、宗教映画という枠を超えて、観る者に苦しみと愛の意味を問いかけてきます。特に鞭打ちや十字架を背負って歩く場面のリアリティは息を呑むほどで、痛々しくも目を逸らせませんでした。信仰の有無に関係なく、人としてどう生きるべきかを考えさせられる重厚な作品です。(30代 男性)


キリスト教徒ではありませんが、宗教的背景がなくとも十分に心を揺さぶられる映画でした。イエスの苦難を克明に描くことで、彼の愛と犠牲が視覚的に、そして感情的に伝わってきました。マグダラのマリアの視点や母マリアの悲しみが丁寧に描かれていて、母親として強く共感しました。あまりに生々しい描写に目を背けたくなる瞬間もありましたが、それだけに強烈なメッセージを感じます。観てよかったと思える一作です。(40代 女性)


イエスの物語は知っていましたが、ここまで生々しく描かれるとは想像以上でした。暴力描写に批判があるのも納得ですが、だからこそ彼が何を背負い、どんな思いで十字架を背負ったかが痛感できます。映像と音響の迫力が相まって、まるで自分もその場にいるかのような臨場感がありました。信仰心のある方にとってはもちろん、歴史的観点から見ても価値のある作品だと思います。(20代 男性)


本作は単なる宗教映画ではなく、人間の極限と許しを描いた壮絶なヒューマンドラマとして心に残ります。言葉を使わずとも、表情や目線、沈黙が語るイエスと周囲の人々の感情が非常に深く、演技力の高さを感じました。中盤の鞭打ちの場面は正直、観るのがつらかったですが、その過酷さが彼の犠牲の大きさを物語っていました。魂に響く作品です。(50代 女性)


グロテスクな描写が続きますが、それは決して無意味ではなく、キリストの受難をリアルに伝えるための演出だと感じました。ラテン語とアラム語による会話が神聖な空気を醸し出し、まるで過去にタイムスリップしたかのような没入感がありました。歴史映画としての完成度も非常に高く、宗教に詳しくなくても理解できるよう作られている点が好印象でした。(30代 女性)


暴力の連続に目を覆いたくなる一方で、なぜそこまでしなければならなかったのかというテーマが明確でした。イエスの最後の道のりは、単なる苦しみの連続ではなく、人々への愛と赦しが根底にあると伝わってきます。特に十字架上での「彼らをお赦しください」という台詞には涙が止まりませんでした。観終わった後の余韻が非常に深かったです。(60代 男性)


宗教に対する先入観があったのですが、この映画を観てその考えが変わりました。イエスという一人の人物がなぜ処刑されたのか、そしてなぜ人々に影響を与え続けるのかが非常にリアルに描かれています。俳優陣の鬼気迫る演技もさることながら、映像の美しさと対比する痛々しさが印象的でした。歴史を知るうえでも価値のある映画です。(20代 女性)


この作品は映画というよりも一種の精神体験でした。セリフよりも表情や音、沈黙で語る演出が多く、何度も胸が締め付けられるような感覚を覚えました。特に母マリアがイエスの苦しむ姿を見守るシーンは、母と子の絆の深さが感じられ、思わず涙がこぼれました。重たい内容ですが、観る価値のある素晴らしい映画です。(50代 男性)


この映画の最も衝撃的だった点は、イエスの肉体的な苦しみをここまで克明に映像化したことです。宗教的な意味合い以上に、極限の人間ドラマとして胸に迫ってきました。カメラワークも緻密で、音楽の使い方も見事。静かに流れる涙や祈りのシーンが、暴力とのコントラストでより際立っていました。観る人を選ぶ映画ですが、深いです。(40代 女性)

映画『パッション』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『パッション(2004)』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

沈黙 -サイレンス-(2016)

この映画を一言で表すと?

信仰とは何かを問う、静かに魂を揺さぶる壮絶な人間ドラマ。

どんな話?

17世紀、日本で布教活動を行うポルトガル人宣教師たちが、禁教下の日本で過酷な迫害に直面しながら、信仰を守ろうと苦悩する物語。沈黙する神に向き合うその姿は、観る者にも深い問いを投げかけてきます。

ここがおすすめ!

マーティン・スコセッシ監督の手による繊細で重厚な演出が光る本作は、宗教と信仰、そして人間の弱さを真正面から描いています。日本が舞台でありながら国際的視点で構築されたドラマは、世界に通じる深さを持つ一本です。

ベン・ハー(1959)

この映画を一言で表すと?

圧巻のスケールで描く、友情・裏切り・赦しの叙事詩。

どんな話?

ローマ帝国時代、ユダヤ人貴族のベン・ハーが親友に裏切られ、奴隷として過酷な運命に巻き込まれていく中で、復讐と信仰の間で揺れる壮大な人生を描いた名作。イエス・キリストの存在が物語の中で象徴的に現れます。

ここがおすすめ!

アカデミー賞11部門を制した歴史的超大作であり、戦車競走のシーンは映画史に残る名場面。壮大なストーリーに加え、信仰と赦しのテーマが『パッション』と通じるため、精神的な感動を求める方にぴったりです。

復活(2016)

この映画を一言で表すと?

キリストの復活をローマ兵の視点から描いた異色の聖書映画。

どんな話?

キリストの処刑後、その遺体が忽然と消えた謎を追うローマの百人隊長クラヴィウスが、調査を通じて奇跡と信仰に触れ、次第に心を揺さぶられていく姿を描いた作品。聖書の物語をミステリー風に再構成しています。

ここがおすすめ!

宗教色が強いながらもサスペンス要素があり、信仰をテーマとしながらも物語としての魅力に富んでいます。『パッション』で描かれたイエスの受難の「その後」を、異なる角度から見られる点がとてもユニークです。

アポカリプト(2006)

この映画を一言で表すと?

文明崩壊の直前を描く、命と自由をかけたサバイバル巨編。

どんな話?

マヤ文明末期、平和に暮らしていた青年ジャガー・ポウが捕らえられ、逃亡と復讐、そして家族を守るための過酷な闘いに挑む物語。セリフはすべて先住民の言語で描かれ、圧倒的な没入感を生み出しています。

ここがおすすめ!

メル・ギブソン監督のもうひとつの傑作。宗教的テーマはありませんが、人間の根源的な生命力と勇気、そして文明の闇を描き出しており、『パッション』同様、映像と感情の激しさで観る者を圧倒します。

最後の誘惑(1988)

この映画を一言で表すと?

神と人の狭間で揺れるイエスを描いた問題作。

どんな話?

イエス・キリストが神の子としての運命と、人間としての感情や欲望の間で葛藤しながら生きる姿を描いた作品。架空の「もしイエスが普通の人生を選んでいたら?」という大胆な仮定に基づいたストーリーが展開されます。

ここがおすすめ!

信仰と疑念、人間性と神性のせめぎ合いを通じて、イエスという人物の内面に迫る異色の宗教映画。マーティン・スコセッシ監督らしい哲学的で挑戦的な作品で、『パッション』とは異なる角度から信仰を見つめられます。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

影山みほをフォローする
ヒューマンドラマ映画

みんなの感想・レビュー