この記事では、映画『パトリオット・デイ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『パトリオット・デイ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『パトリオット・デイ』の作品情報

上映時間:133分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:ピーター・バーグ
キャスト:マーク・ウォールバーグ、ジョン・グッドマン、ケヴィン・ベーコン、J・K・シモンズ etc
映画『パトリオット・デイ』の登場人物(キャスト)
- トミー・サンダース(マーク・ウォールバーグ)
- ボストン警察・巡査部長。懲戒処分中。粗野で乱暴な言動が目立つが、負傷した被害者に寄り添う優しい一面も持っている。
- リック・デローリエ(ケヴィン・ベーコン)
- FBI特別捜査官。ボストンマラソン爆弾テロ事件の指揮を担当する。
- タメルラン・ツァルナエフ(セモ・メリキッゼ)
- ボストンマラソン爆弾テロ事件を起こす。結婚しており、妻と子供がいる。怒りやすく、高圧的な性格。
- ジョハル・ツァルナエフ(アレックス・ウルフ)
- タメルランの弟。兄と共にテロ事件を起こす。19歳・大学生。兄から子供扱いされており、そのことに不満を抱いている。
映画『パトリオット・デイ』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『パトリオット・デイ』のあらすじ【起】
ボストン警察・巡査部長のトミー・サンダースは懲戒処分を受けていた。警視総監のエド・デイヴィスは最後のお仕置きとして、明日のマラソンの警備をするよう命じた。
午後10時16分、ケンスキーとダウンズの家。2人はピザを食べながら歓談していた。午後11時28分、マサチューセッツ工科大学。学生のリーが友人達とロボットの製作を行っていると、警官のショーンがやって来た。リーはショーンとライブに行く約束をしており、そのことについて話した。午前0時55分、サンダースの家。トミーは自宅に帰り、明日の警備の準備を行おうとした。だが、物音を立てたせいで妻のキャロルを起こしてしまい、怒られてしまう。
2013年4月15日月曜日、愛国者の日。トミーはキャロルに見送られ、会場へと向かった。午前7時54分。ピュジリーズの家。ウォータータウン警察・巡査部長のジェフは、妻にキスをしてマフィンを買いに出かけた。午前8時42分、トミーはゴール地点の警備を担当することになり、配置に就いた。すると、警視正のビリー・エヴァンスに声を掛けられ、ヘマをするなと忠告される。その後、マラソンに参加する予定のビリーは、スタート地点に向かった。
マラソン大会が始まり、沿道には多くの観客が集まった。数時間後には、続々とランナー達がゴールを始めた。すると、突然沿道で2度の爆発が起こり、ゴール付近まで煙が充満した。人々は何が起こったのか分からず困惑した。トミーは爆弾による爆発が起こったことに気づく。負傷者が多数いたため、救急車が来られるよう無線で指示を出した。警備の者達は手分けをして負傷者の手当てを行うが、人手が足りなかった。現場は混乱していた。

映画『パトリオット・デイ』のあらすじ【承】
午後3時14分、マサチューセッツ総合病院。爆発によって怪我を負った人々が、病院に運び込まれた。通路まで人が一杯で、医師達は手当てに奔走した。親達は子供とはぐれてしまい、手当てを受けながらも子供のことを探していた。午後3時37分、爆発の47分後。FBI特別捜査官のリック・デローリエとマサチューセッツ州知事のデヴァル・パトリックが現場に駆けつけた。
現時点で分かっている死者の数は3人だった。その中には小さな子供も含まれていた。警官は子供の遺体を運ぼうとするが、FBIに止められる。遺体に残った破片は重要な手がかりになるため、動かすのは得策と言えなかった。トミーは親の心情を考えてリックを怒鳴りつけるが、他の警官に止められる。
リックは今回の事件がテロであると判断し、捜査本部を設置することにした。エドは会見を開き、マラソン大会の写真や動画の提供を求めた。午後4時38分、ボストン医療センター。28歳のジェシカ・ケンスキーの手術が行われていた。損傷が激しく、足を膝の下から切断しなければならなくなる。午後4時39分、ベス・イスラエル病院。身元不明の患者(パトリック・ダウンズ)の手術が行われていた。足の血管を繋いだが血が通わなかったため、切断することになった。一方、子供の遺体を運ぶことができなかったため、警官は遺体の傍に立ち続けていた。
トミーは殺人課の刑事として、目撃者の情報が何よりも重要だとリックに進言した。午後6時48分、爆発の4時間後。トミーや他の警官達は病院を訪れ、負傷者達に話を聞いて回った。一方、子供の遺体が運ばれることになった。警官は涙目で敬礼をしながら見送った。
映画『パトリオット・デイ』のあらすじ【転】
4月16日火曜日、爆発の17時間後。トミーがジェシカの病室を訪れると、彼女の父親がいた。本人は眠っていたため、何か事件について言っていなかったか父親に確認した。父親は何も言っていなかったと答えた。ジェシカが夫のパトリックの行方を気にしていたため、父親はトミーに行方を探して欲しいと頼んだ。トミーはそれを承諾した。
トミーは自宅に帰り、キャロルに心情を吐露した。気丈に捜査を行っていたが、悲惨な現場を見たため精神的にはボロボロだった。キャロルもその場にいたため、トミーの気持ちは痛いほど分かった。キャロルとトミーは寄り添い合いながら涙を流した。
現場付近に詳しい者として、トミーはリックから呼び出しを受ける。FBIは監視カメラの映像を確認し、白い帽子を被った人物が犯人だと特定していた。トミーは町の地図を思い浮かべながら、犯人の逃走経路を考えた。逃走経路にある監視カメラの映像を確認し、犯人に仲間がいることが分かった。
1人の犯人の顔は映像の角度が悪くもう1人の犯人はサングラスをかけていたため、顔認証でヒットしなかった。リック達は顔写真を公表するかどうか話し合った。協議の結果、公表は待つことになった。
4月18日木曜日、午後3時30分。爆発の73時間後。犯人とは違う人物の写真が、「FBIが追う2人」という見出しで雑誌に掲載された。エドは写真を公表するべきだと訴えるが、リックは下手に動くべきでないと否定した。そんな中、テレビ局が2人の写真を入手し、20分後に公表すると連絡してきた。どこから漏れたのかは分からなかった。リックは腹を立てながらも、テレビ局よりも先に写真を公開することにした。
映画『パトリオット・デイ』の結末・ラスト(ネタバレ)
タメルラン・ツァルナエフと弟のジョハルは拳銃を奪うため、警官のショーンを襲った。ショーンは必死に抵抗するが、タメルランに撃たれてしまう。ジョハルが拳銃を奪おうとしたとき人が現れたため、2人は逃走した。その後、ショーンの元に救急車が駆けつけるが、亡くなってしまう。
タメルランは車に乗っていたダン・マンに銃を突きつけ、人質に取った。タメルランはダンからキャッシュカードを奪い、ジョハルに金を下ろしに行かせた。恐怖に震えながらダンは車を降ろしてくれと訴えるが、タメルランは許可してくれなかった。ガソリンスタンドに寄ったとき、ダンは隙を突いて逃げ出した。そして、店の中に逃げ込み、店員に助けを求めて警察に通報した。ダンは駆けつけたトミーに、タメルラン達がマラソン事件の犯人だと言っていたことを伝えた。
午前0時43分、ウォータータウン。ダンの車のGPSを追って、警官が周辺を捜索していた。ジョーイ警官はダンの車を発見し、追跡を開始した。すると、タメルランが運転席から降りて、銃を乱射してきた。ジョーイや同僚の警官達は必死に反撃するが、爆弾を投げられ攻撃される。ジェフやトミーは無線を聞き、現場に急行した。
ジェフは裏から回り込み、犯人を狙撃した。弾はタメルランの足に当たった。タメルランはジョハルにニューヨークへ行って大勢の人を殺すよう頼み、ジェフに向かって行きながら銃を乱射した。ジョハルは車に乗り込み、タメルランや警官達を撥ねながら逃走した。警官達は後を追うが、ジョハルに逃げられてしまう。午前1時35分、爆発の82時間後。タメルランは病院に運び込まれるが死亡する。
4月19日金曜日、爆発の89時間後。ボストンは安全が確認できるまで外出禁止令が出されることになった。ジョハルを見つけるため、静まり返った町の中を警官達はくまなく捜索した。午前11時26分、爆発の93時間後。タメルランの妻のキャサリンが逮捕された。爆弾の在処を聞くため尋問が行われるが、キャサリンは決して口を割らなかった。
ジェシカの病室にパトリックが運び込まれ、2人は再会を喜んだ。午後6時35分、爆発の100時間後。男性は庭に置いてあるボートの覆いの留め具が外れていることに気づき、様子を伺った。人の気配がしたため、警察に通報した。トミーは仲間の警官と共に現場に駆けつけ、ボートの覆いに血が付着していることに気づく。中を確認するとジョハルがいた。爆弾を持っている可能性があったため、近づくことができなかった。
警官やFBIがボートを取り囲む中、威嚇射撃として閃光弾が撃ち込まれた。ジョハルに投降を促すと、ボートの中でジョハルが手を上げた。ジョハルは逮捕され、連行された。報告を受けた住民達は、歓声を上げて喜んだ。
映画『パトリオット・デイ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
この作品は実際に2013年に起こった、ボストンマラソン爆弾テロ事件を元に制作されている。映画を見ながら、当時のニュースのことが思い起こされた。映画というよりも、ドキュメンタリーを見ているかのようなリアルさがあった。爆弾によって負傷した人達の様子は痛々しく、事件の悲惨さがダイレクトに伝わってきた。警官達の必死の捜査活動は本当に素晴らしいものであったが、何よりも子供の遺体に寄り添った警官の行動に涙が零れそうになった。(MIHOシネマ編集部)
マラソン大会を襲った爆弾テロ事件を題材にした本作は、実際の事件を忠実に再現しながら、緊迫感あふれる追跡劇を描いていました。特に犯人兄弟の逃走劇や市街地での銃撃戦は、まるでドキュメンタリーを観ているかのようなリアルさで心臓が締め付けられました。テロによって傷つけられた人々の姿を映すことで、「恐怖」だけでなく「連帯」と「希望」を描いている点が印象的です。マーク・ウォールバーグ演じる警官の視点を通じて、事件の混乱と人間の強さが伝わってきました。(20代 男性)
被害者や市民一人ひとりの視点を丁寧に描いていたのが印象的でした。テロの恐怖を煽るだけではなく、現場にいた人々がそれぞれ苦しみや悲しみを抱えながらも前に進もうとする姿に胸を打たれました。特に足を失った被害者夫婦のエピソードは涙なしでは見られません。犯人逮捕に至る過程のスリルと、事件後の人々の再生の物語を両立させた作品で、観終わった後も深く考えさせられました。(30代 女性)
アクション映画としてのスピード感もありつつ、社会派ドラマとしての重みも兼ね備えたバランスの良い作品でした。銃撃戦やカーチェイスはまさに迫力満点で手に汗握りますが、それ以上に印象に残ったのは「普通の市民」が持つ勇気です。事件を機に人々が一致団結し、恐怖に屈しない姿がしっかり描かれていました。特に終盤、警察と市民が協力して犯人を追い詰める場面は感動的でした。(40代 男性)
リアルタイムで事件を知っていた世代としては、映画で改めて映像化されることに複雑な気持ちがありました。しかし、映画はセンセーショナルに描くのではなく、被害者や捜査官たちへのリスペクトを込めて作られているのが伝わってきました。犯人の非道さと、それに立ち向かう人々の勇気を対比させることで、事件の本質を冷静に突きつけてきます。重いテーマながらも、最後には「人間の強さ」を信じられる作品でした。(50代 女性)
冒頭のボストンの穏やかな日常描写から一転して、テロ事件の衝撃的なシーンへと突入する構成が非常に効果的でした。観客を安心させてから突き落とすような演出は、事件の残酷さを一層引き立てていました。特に爆発の瞬間の音響と群衆の混乱は恐ろしいほどリアルで、観ている側も恐怖を体験させられるようでした。それでも最後には、人々の結束が強調されることで救いがありました。(20代 女性)
主人公の警官トミーを通じて描かれる現場の混乱と捜査の緊迫感が凄まじかったです。彼のキャラクターは実在の人物をモデルにしながらも、複数の警官の要素をまとめた架空の人物だと知り、逆に「象徴的な存在」として受け入れられました。彼が抱える葛藤や、仲間と共に戦い抜く姿はフィクション的要素を超えて説得力があり、作品全体の軸になっていました。(30代 男性)
事件の記録映画という側面も強く、実際の映像が挿入されるシーンは鳥肌が立ちました。再現ドラマのような生々しさと、実際のニュース映像が融合することで、観客は「これは映画ではなく現実だった」と強く意識させられます。ハリウッド映画的な演出をしながらも、決して派手すぎず、史実に敬意を払っている点が高く評価できます。観ていて辛い部分もありますが、意義のある映画でした。(60代 男性)
爆弾テロという残酷な事件を扱いながらも、暴力の快楽を描くのではなく「痛みと立ち直り」に焦点を当てていた点に好感を持ちました。被害者家族や市民の視点を挟み込むことで、単なる犯人追跡ものではなく「人間ドラマ」として成立していました。特に、事件後にボストンの人々が掲げる「We are Boston Strong」のスローガンに涙しました。(40代 女性)
サスペンス要素としても完成度が高く、FBIと警察が犯人を突き止めていく過程は息を呑む緊張感でした。監視カメラの映像を分析し、決定的証拠を積み上げていく描写は地味ながらもスリリング。実際にこんな風に犯人が追い詰められていったのかと驚きました。エンタメ性と記録性を両立した作品として、多くの人に観てもらいたい映画です。(20代 男性)
映画『パトリオット・デイ』を見た人におすすめの映画5選
ゼロ・ダーク・サーティ
この映画を一言で表すと?
9.11後のアメリカが追い続けた“世界一の標的”を描く緊迫の諜報サスペンス。
どんな話?
CIAの女性分析官マヤは、同時多発テロの首謀者オサマ・ビンラディンの行方を執念深く追う。数年にわたる情報戦の末、ついに彼が潜伏する場所を突き止め、特殊部隊による急襲作戦へとつながっていく。史実を基にした濃密な捜査ドラマ。
ここがおすすめ!
緻密な調査過程の描写が非常にリアルで、観客を情報戦の最前線へ引き込みます。単なるアクションではなく、諜報員たちの葛藤や執念も描かれ、社会派サスペンスとしても一級品。息を呑む作戦シーンは必見で、ラストの緊張感は圧巻です。
ボストン ストロング 〜ダメな僕だから英雄になれた〜
この映画を一言で表すと?
テロ事件の被害者が、再生の道を歩む感動のヒューマンドラマ。
どんな話?
ボストンマラソン爆弾テロで両足を失ったジェフ・ボーマン。絶望の中、彼は再び立ち上がるためにリハビリと向き合う。家族や恋人の支えを受けながら、苦しみを乗り越え、人々に希望を与える存在になっていく実話を基にした物語。
ここがおすすめ!
事件を「被害者の目線」で描く点が『パトリオット・デイ』とは対照的。生々しい苦悩と再生への一歩一歩が胸に迫ります。ジェイク・ギレンホールの熱演が光り、人間の強さと脆さをリアルに表現。涙と感動が心に残る一作です。
ユナイテッド93
この映画を一言で表すと?
9.11の空に消えた“最後の飛行機”を完全再現した衝撃の実録劇。
どんな話?
2001年9月11日、テロリストにハイジャックされたユナイテッド93便。乗客たちは自らの命を懸けて反撃し、テロを阻止しようとする。わずか90分の出来事を、ほぼリアルタイムで描いた作品。
ここがおすすめ!
観る者に容赦なく緊迫感を突きつけるリアルさが圧倒的。ドキュメンタリーのような演出で、登場人物の恐怖と勇気を同時に体感できます。感傷を排した冷静な映像だからこそ、最後に残る衝撃と敬意は強烈です。
13時間 ベンガジの秘密の兵士
この映画を一言で表すと?
リビアでの大使館襲撃事件を描く、極限の戦場アクション。
どんな話?
2012年、リビア・ベンガジでアメリカ大使館が武装集団に襲撃される。守るのは正規軍ではなく、わずか6人の民間警備チーム。圧倒的不利な状況で、彼らは仲間を守るために命を賭けて戦う。実際の事件を基にした物語。
ここがおすすめ!
マイケル・ベイ監督による迫力の戦闘シーンが見どころ。爆発、銃撃戦、混乱が続く中で浮かび上がる兵士たちの絆と責任感が胸を打ちます。単なるアクションではなく、現代の戦場のリアルを体感できる重厚なドラマです。
フライト93
この映画を一言で表すと?
テロに立ち向かった人々の“勇気”を静かに刻む群像劇。
どんな話?
9.11テロの際に墜落したユナイテッド航空93便を描く別視点の作品。乗客や乗務員の心情を丁寧に描きながら、彼らが最後に選んだ行動へと至る姿を克明に追う。悲劇でありながら、人間の勇気と希望が浮かび上がる。
ここがおすすめ!
ドキュメンタリータッチで派手さを抑えつつ、人々の人間性や思いを強く映し出します。登場人物たちの小さな決意や勇気が積み重なり、クライマックスは心を揺さぶられること必至。静かに、しかし深く心に残る一作です。






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