法科の女子学生が書いたレポートが偶々最高裁判事連続殺人事件の核心をついていたことから、国家的陰謀に巻き込まれる女子学生と敏腕新聞記者の奮闘を描くサスペンス映画。主演はジュリア・ロバーツ、デンゼル・ワシントン、監督はアラン・J・バクラ、原作はジョン・グリシャムのベストセラー小説。1994年公開のアメリカ映画。
映画『ペリカン文書』 作品情報
- 製作年:1993年
- 上映時間:141分
- ジャンル:サスペンス
- 監督:アラン・J・パクラ
- キャスト:ジュリア・ロバーツ、デンゼル・ワシントン、サム・シェパード、ジョン・ハード etc…
映画『ペリカン文書』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『ペリカン文書』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ペリカン文書』のあらすじを紹介します。
ニューオーリンズのテューレーン大学の法科の女子学生ダービー・ショウは、最高裁判事がテロリストによる連続殺害された事件のリーサーチを行い、そのレポートを担当教授で恋人のトーマス・キャラハンに見せた。その内容はルイジアナ湿地帯のペリカン生息地の環境保護問題に関わるものだった。その湿地帯では石油開発が進められようとしていたが、環境保護団体が反対し対立していた。殺害された最高裁判事はいずれも環境保護擁護派であった。判事の一人が自分の師であったトーマスはダービーのレポート内容が連続殺人事件の核心を付いてるのではないかと直感し、そのレポートをFBIの顧問弁護士ヴァーヒークに見せる。ヴァーヒークからFBI長官に渡ったレポートは大統領補佐官にまで知れ渡ることになり、ダービーの人生を変える程の騒動に発展していく。
トーマスがダービーとディナー後に車に仕掛けられた爆弾でダービーの目の前で爆死する事件が起き、ダービーは自分のレポートが何らかの理由で自分たちに危険を及ぼしていることは察知し身の安全を模索している時に、FBI最高顧問より連絡を受け会うことになるが、最高顧問は暗殺者に殺され、暗殺者は最高顧問になりすましダービーへ近づく。しかしその暗殺者もダービーの目前で射殺される。
ダービーは最高判事連続殺事件を追っているジャーナリストのグレイに事の顛末を打ち明け、グレイを頼りにしながら真相追及を2人で進めていく。
映画『ペリカン文書』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ペリカン文書』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
石油開発利権に潜む国家的陰謀を女子大生が暴く
ペリカン文書とはヒロインの法科の学生ダービーの最高裁判事連続殺人事件に関する考察のレポートである。事件は絶滅寸前のルイジアナ・ブラウン・ペリカンが生息するルイジアナ湿原の保護のために戦っていた若手弁護士が死んだところまで遡る。自殺とされていたが、背景には湿原で石油が採掘されたことによる利権がらみが関係しているのではとダービーは推測したのだ。石油開発の利権者であるマーティスは湿原を石油開発のために工事を着手しようと企てたが、環境保護団体に反対されていた。しかし裁判で争った結果、地元との利権を優先した裁判所はマーティスを勝訴させたが、すぐに上告され最高裁ではマーティスの逆転敗訴が濃厚の状況となる。判事はローゼンバーグ。若手弁護士、判事のローゼンバーグと開発の邪魔になる人物をマーティスが暗殺したのではないかとダービーのレポートは示唆していた。このレポートを読んだダービーの指導教授のトーマスはローゼンバーグの弟子なので、ある程度ダービーと同じ疑いを抱いていたと思われる。なので一読して事の重大を悟ったトーマスはこのレポートをFBIの法律顧問弁護士ヴァーヒークに預ける。そしてローゼンバーグの遺稿を出版することを検討するが、そのことがトーマスの寿命を縮めることになった。ダービーの目の前で爆死するのだが、ここから一気に物語は急展開する。ダービーはヴァーヒークとコンタクトを取るが、ヴァーヒークは暗殺者に殺される。
そして暗殺者はヴァーヒークに成り済ましダービーと会う。しかし暗殺者はダービーの目の前で射殺される。暗殺者はマーティスの手先なのか?CIAとFBIも登場するが、しっかり見ないと関係性が分かりづらい。最後は司法取引ともいえる取引でダービーはグレイと共に安全を手に入れる。
映画『ペリカン文書』 まとめ
ジュリア・ロバーツが初々しく法科の学生を演じていて、彼女の出世作の一つになった。相手役のグレイを演ずるデンゼル・ワシントンは原作では白人という設定だが、黒人のデンゼルが演ずるということで、ジュリア・ロバーツ演ずるダービーとの仲は淡いものに変えられている。これはデンゼル・ワシントンが白人男性ファンと黒人女性ファンの反発を気遣ったためということだ。そのことは特に映画の出来に左右していない。むしろサスペンスとしてすっきりした出来になってよかったと思う。
謎解きやどんでん返しを楽しむストーリーではなくジュリア・ロバーツとデンゼル・ワシントンが危機をどう乗り越えていくか、ハラハラドキドキを楽しむ映画だと言える。
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