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映画『ペンギン・ハイウェイ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ペンギン・ハイウェイ』の概要:ある日、住宅街に突然、ペンギンが多数現れるという怪現象が発生。小学生のアオヤマ君は、この謎を研究しようと調査に乗り出す。彼は歯科医院に勤めるお姉さんに想いを寄せていたが、このペンギン騒動はお姉さんも関わっていた。

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映画『ペンギン・ハイウェイ』の作品情報

ペンギン・ハイウェイ

製作年:2018年
上映時間:118分
ジャンル:SF、アニメ
監督:石田祐康
キャスト:北香那、蒼井優、釘宮理恵、潘めぐみ etc

映画『ペンギン・ハイウェイ』の登場人物(キャスト)

アオヤマ君(北香那)
小学四年生。研究熱心で、常に新しい知識を得ようと勉強を欠かさない。歯科医院のお姉さんに好意を寄せている。情報を整理し、仮説を立てることが得意。
お姉さん(蒼井優)
歯科医院に勤める歯科助手。アオヤマ君と親しくしており、チェスのコーチをしている。物質をペンギンに変える力を持っており、自分でもなぜそんな力があるのか分かっていない。
ウチダ君(釘宮理恵)
アオヤマ君の同級生。彼と一緒にプロジェクト・アマゾンという水源を見つける研究をしている。
ハマモトさん(潘めぐみ)
美人で頭の良い少女。チェスも強く、相対性理論にも興味がある。父親は研究員をしている。森の中で“海”と呼ばれる球体を見つけ、その研究にアオヤマ君たちを誘う。

映画『ペンギン・ハイウェイ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ペンギン・ハイウェイ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ペンギン・ハイウェイ』のあらすじ【起】

アオヤマ君は日頃から研究熱心な小学生だった。毎日、知識を身につけ、将来は偉く立派な人になるという目標があった。彼には心に決めた人がおり、それは歯科医院で歯科助手として働くお姉さんだった。お姉さんの大きなおっぱいにも、とても興味があった。お姉さんとは親しくしており、歯の治療のほか、行きつけの喫茶店でチェスのコーチもしてくれていた。

ある朝、彼は空き地にペンギンがいるのを発見する。ペンギンは町のあちこちに出没し、住民たちを驚かせた。南極周辺にしか生息しないペンギンが、なぜ住宅街に現れたのか。興味が湧いたアオヤマ君は、ウチダ君と一緒にこの謎を研究してみることにした。

ペンギンについて調べたアオヤマ君は、ペンギンたちが海から陸に上がる際、一列に歩くことで“ペンギン・ハイウェイ”という道ができることを知る。この言葉を気に入った彼は、この研究のタイトルを“ペンギン・ハイウェイ”と名付けた。

アオヤマ君とウチダ君はプロジェクト・アマゾンという研究も行っていた。水路を辿って水源を見つけようというものだ。それを保留にし、ペンギンについての聞き込み調査を開始した。だが、翌日にはペンギンの姿は全く見かけなくなってしまった。二人はプロジェクト・アマゾンに切り替え、水路を辿りながら林を抜け、随分と遠くまでやってきた。

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映画『ペンギン・ハイウェイ』のあらすじ【承】

ペンギンを発見した二人は後を追いかけたが、森の奥へと逃げて行ってしまう。その森は、見ると病気になると噂される“銀の月”がある森だった。だが、アオヤマ君はお構いなしに入っていこうとする。しかし、そこにクラスのガキ大将・スズキ君が子分を連れて現れた。ウチダ君は逃げたが、アオヤマ君は捕まり、自販機に縛りつけられてしまう。

偶然に通り掛かったお姉さんに助けられたアオヤマ君。グラつく歯を糸で抜いてもらうことになり、お姉さんは注意を逸らそうと缶ジュースを空中に放り投げた。すると、缶はみるみるペンギンに変化していった。この間のペンギン騒動は、お姉さんの仕業だったのだ。お姉さん自身も、なぜ自分にこんなことができるのか不明だった。驚くアオヤマ君に、君にこの謎が解けるかい、とお姉さんはいたずらっぽく言った。

謎を解くため、お姉さんに色々な物を投げてもらったが、どれもペンギンにならない。そんな時、ウチダ君が一匹のペンギンを発見。ペンギンはずっと何も食べないという。心配になった二人は電車に乗って水族館に連れていくことにした。だが、町から離れるにつれ、ペンギンは弱っていき、遂には缶ジュースに戻ってしまった。

そのことから、アオヤマ君はペンギンの動力源は、町自体か、もしくはお姉さんから発せられるペンギン・エネルギーで、離れすぎると元に戻ってしまうのだと推測。だが、お姉さんは眠そうにその話を聞いていた。読んだ本の挿絵にジャバウォックという怪物が出てきて、それが怖くて眠れなかったという。

お姉さんが暗闇でチェスの駒をコウモリに変化させたのを見たアオヤマ君は、あることに気がつき、再び実験をしてみた。太陽が出た時を狙ってお姉さんに缶ジュースを投げてもらうと、それはペンギンに変化した。変化には光が必要なようだ。

お姉さんは、以前は海辺の町に住んでいた。アオヤマ君は海を見たことが無かったので、今度、一緒に行こうと約束する。その後、しばらくお姉さんと会えない日が続いた。

アオヤマ君は父親と世界の果てについての話をした。父親から、世界の果ては内側に折りたたまれているという考え方を教えられるが、アオヤマ君には少し難しく、ピンとこなかった。

チェスが得意な同級生・ハマモトさんに勝ったアオヤマ君は、彼女から放課後に付き合ってほしいと声をかけられる。ウチダ君も誘い、三人で“銀の月”の森へやってきた。噂はハマモトさんが流したもので、彼女は二人を連れて森の奥へ進んで行った。その先には広大な草原が広がっていた。そして、そこには水のような物質でできた大きな球体が浮かんでいたのである。

ハマモトさんは、その球体を“海”と呼んでいた。夏休みを利用して、三人で“海”を研究しないかと話を持ちかける。興味津々のアオヤマ君とウチダ君は、それに賛成した。“海”は膨張や収縮を規則的に繰り返していた。

映画『ペンギン・ハイウェイ』のあらすじ【転】

夏祭りで久しぶりにお姉さんと遭遇したアオヤマ君は、元気そうな姿にホッとする。

探査船を組み上げたアオヤマ君は、それで“海”の中の温度を計測しようとするが、探査船は“海”に吸い込まれて消えてしまった。そこにスズキ君たちがやってくる。彼らはアオヤマ君に飛びかかってきたが、お姉さんがたくさんのペンギンを連れて現れ、助けてくれた。

ハマモトさんは、お姉さんとペンギンの秘密について教えてくれなかったアオヤマ君に腹を立てていた。アオヤマ君は、お姉さんに協力してもらってはどうかと提案するが、ハマモトさんはこの研究に大人を参加させたくなかったので反対した。

ペンギンが“海”に近づいた時、互いに反応し合っていた。ペンギンは“海”がまき散らした水滴を破壊していたが、ペンギン・エネルギーの源は“海”ではないかとアオヤマ君は考えていた。しかし、それでは矛盾が生じてしまう。

次第に、町では怪物のような生き物が目撃されるようになった。森にやってきたアオヤマ君とウチダ君は、ペンギンを食べる怪物を目撃。その姿は、お姉さんに見せられた本の挿絵のジャバウォックそっくりだった。

森の秘密が大人たちにバレつつあった。大学の研究員たちが森に来るようになったのだ。彼らが草原に辿り着くのは時間の問題だった。“海”はとても大きくなってきていた。アオヤマ君は危険を感じ、手に負えなくなる前に研究を凍結し、大人たちに任せようとハマモトさんに提案する。だが、研究を続けたい彼女は怒り、お姉さんを守りたいだけでしょうと言って去って行った。

ハマモトさんの父、ハマモト先生は研究員だったが、娘の研究ノートを覗いた際、“海”の存在や、お姉さんとペンギンの関係に気がつく。ハマモト先生はお姉さんの元を訪ね、協力してくれないかとお願いした。

映画『ペンギン・ハイウェイ』の結末・ラスト(ネタバレ)

お姉さんに会いに行ったアオヤマ君は、明日、海辺の町へ行こうと誘われる。だが、電車に乗って町から離れていくと、お姉さんはペンギンと同じように、どんどんと体調を悪くしていった。その時、アオヤマ君はジャバウォックもお姉さんが作り出していることに気がつく。お姉さんがこの数日、何も食べていないことも知り、心配を募らせていった。

夏休みが終わった。スズキ君たちが森の中で小さなジャバウォックを捕まえてきて、皆に見せびらかしていた。そのことで彼らから情報を得ようとした研究員に連れて行かれてしまう。焦ったハマモトさんは森へと急いだが、入り口は閉鎖されていた。スズキ君の暴露を許せなかったハマモトさんは、彼を平手で叩いてしまう。

自分もお姉さんの苦しみを理解したく、断食をすることにしたアオヤマ君。だが、雨の中を濡れて帰り、栄養も摂らなかったせいで風邪をひいてしまう。悪夢に目を覚ました彼のところに、こっそりとお姉さんがお見舞いに来てくれた。彼女は一週間も食べていないという。それを聞いたアオヤマ君は、ある仮説に辿り着き、思わず涙する。そんな彼にお姉さんは、“泣くな、少年”と優しく言葉をかけた。

元気になったアオヤマ君が登校すると、巨大になった“海”に研究員が飲みこまれたというニュースが飛び込んできた。ハマモト先生も飲み込まれてしまったことから、ハマモトさんは動揺する。アオヤマ君はハマモトさんとウチダ君を保健室に連れていくと言って教室を出ると、罪滅ぼしで手を貸してくれたスズキ君たちと共に学校を脱出。彼らが追手を足止めしている間、アオヤマ君はお姉さんのところへ走った。

辿り着いた答えをお姉さんに伝えるアオヤマ君。“海”はこの世界にできた穴で、内側に存在する世界の果てだという。ペンギンたちは“海”を壊していたのではなく、世界を修復していたのではないか、そして、お姉さんは人間ではなく、ペンギンと同じ、世界を修復するために存在する使者なのではないか、と彼は答えた。

お姉さんは色々な物質から何千匹、何万匹というペンギンを作り出し、アオヤマ君と共に“海”の中に突入していった。“海”の中は、まさに世界の果てという言葉がぴったりな不思議な場所だった。二人はペンギンたちが導く先で、無事にハマモト先生たちを見つけ出す。

“海”が消えればペンギンもお姉さんも消えてしまう。その事実にアオヤマ君は俯いたが、お姉さんは覚悟を決めていた。笑顔を作ると、ペンギンに指示を出し、“海”を閉じていった。無事に“海”から研究員を救出し、脱出した二人はいつもの喫茶店へと走っていった。

アオヤマ君はお姉さんが淹れてくれたコーヒーを飲んだ。彼女はアオヤマ君を胸に抱きしめると、偉くなって私を見つけてね、と呟いた。アオヤマ君は、あなたを探しに行きますと答えた。ペンギンたちは全て消えてしまった。店を出たお姉さんは、空き地から笑顔で手を振った。そして、煙のように消えていった。

世界の果てを目指すことに決めたアオヤマ君。世界の果てを目指す道、ペンギン・ハイウェイを辿れば、きっとお姉さんに巡り合えると彼は信じていた。彼にはお姉さんに伝えたいことがたくさんあったのだ。空き地にペンギンのような影を目撃し、アオヤマ君は駆け寄った。それはただの猫だったのだが、草むらには“海”に吸い込まれていった探査船が、ひっそりと転がっていた。

映画『ペンギン・ハイウェイ』の感想・評価・レビュー

かなり謎を残して終わるが、爽やかなジュブナイル作品でラストも気持ちがいい。年上のお姉さんへの憧れや、小学生ならではのスケール感が良く、アニメだったことで更に引き立ったように思う。アオヤマ君が謎を解いていく過程は面白いが、できればおっぱいから答えを導き出す展開もほしかった。あそこまでおっぱい推しするのだったら、そういったシーンが入っていてもいいと思う。(MIHOシネマ編集部)


良い意味で思っていたのとは全く違う話だった。ファンタジーの部分に説明がつかないことが多いとしても、ファンタジーの部分は全て「幼年期の終わり」への途中の何かのメタファーと思えばそのまま受け入れられた。始めの内は御託の多い主人公が苦手かもと心配したが、お姉さんの胸への執着を見て頭でっかちではないのだなと安心した。(ちょっと胸推しを強調し過ぎなのは軽く引きそうになるが)
どうしてもジュブナイルは夏休みと共に始まり共に終わりがちだが、もはや画面の中でしか味わえない「夏休み」はそれはそれで尊い。(男性 40代)


全ての謎が解けてすっきりしたいという人にはお勧めできない作品である。なぜなら、「おお姉さんは一体何なのか?」「ペンギンは何なのか?」「海は?」という謎は解明されないからだ。

けれども、この作品で伝えたい事は恐らくそういうことではない。子供の頃に過ごしたひと夏の感じ。大好きなお姉さんとアオヤマくんとの関係性。そこから感じられるエモい感じが映画全体として伝わってくるのがいい。そして最後には切なさで幕を閉じる。それが個人的にこの映画を見て感じた魅力だった。(男性 30代)

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