映画『パスト&フューチャー 未来への警告』の概要:友人が重傷を負った事件に遭遇したジョンは、同じ場所で何度も事件が起きていることに気がつく。調査をしたジョンは、10年後に再び事件が起きることを突き止め、それを止めようと奮闘するのだが……。
映画『パスト&フューチャー 未来への警告』の作品情報
上映時間:93分
ジャンル:SF、ミステリー、サスペンス
監督:ダニエル・カルパルソロ
キャスト:ラウール・アレバロ、アウラ・ガリード、ベレン・クエスタ、ウーゴ・アルブエス etc
映画『パスト&フューチャー 未来への警告』の登場人物(キャスト)
- ジョン(ラウール・アレバロ)
- 天才数学者。親友のダビッドがコンビニで撃たれたことにより、この場所にまつわる奇妙な謎に気がつく。ダビッドの婚約者・アンドレアとは以前に付き合っていた。精神的な疾患があり、精神安定剤を服用している。
- ニコ(ヒューゴ・アーバス)
- 10歳の少年。両親は離婚しており、母親と暮らしている。おとなしく、イジメっ子から標的にされている。脅迫状のようなメモを受け取ったことで、不安を募らせていく。
映画『パスト&フューチャー 未来への警告』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『パスト&フューチャー 未来への警告』のあらすじ【起】
天才的な数学者で数々の賞を受賞したこともあるジョン。ある日、彼は親友のダビッドとガソリンスタンドに隣接した24時間営業のコンビニに買い物に行く。ダビッドはジョンを車に残し、一人でコンビニに行った。そこに一台の車が現れ、降りてきた男が店内で発砲。店にいた仲間を狙った犯行だったのだが、流れ弾に当たったダビッドは重傷を負ってしまう。
ダビッドは一命を取り留めたが昏睡状態となってしまった。銃弾で脳が損傷したが、手術をすれば、まだ回復の可能性はあると説明される。この事件は記事になったが、その記事を読んだジョンは、32年前の1976年にも同じ場所でテロ事件が発生していることを知った。その時は現場にロペスという名の10歳の少年がいたが、助かったのだという。
ダビッドが撃たれた時のコンビニの防犯カメラ映像を見る機会を得たジョン。現場に10歳の少年がいたと知って疑念が湧いてくる。76年の生存者、ロペスに会いに行った彼は、1955年の4月12日にも、同じ場所で事件が起きていることを教えられ、疑念を強めていった。
映画『パスト&フューチャー 未来への警告』のあらすじ【承】
ダビッドの事件と76年、55年の事件を調べたジョンは、あることに気がついた。ダビッドの手術で皆が集まった時、ジョンは自分の仮説を話し出す。現場には必ず5人の人物がおり、それぞれ53歳、42歳、32歳、21歳、そして10歳と年齢がピタリと一致すること。事件発生の日付は必ず4月12日であることを説明する。
だが、ダビッドの事件は4月2日に起きていた。ジョンは精神安定剤を服用していたが、最近は飲んでいなかった。そのせいで突飛な考えを巡らせているのではないかとアンドレアに指摘されてしまう。ただ、ひとつ気がかりだったのは、4月12日はジョンの誕生日だったということだ。
仕事にも行かず、調査に没頭するジョンは、1913年にも事件が起きていることを突き止める。当時は銀行だった。関係者に接触したジョンは、その時に4人の人物が殺され、犯人が自殺したことを知る。
ダビッドの手術は成功したが、意識は戻らなかった。医者から安楽死を勧められたことを告げに来たアンドレア。生命維持装置を外す日は4月12日だった。それを聞いたジョンは確信する。最初の事件は1913年に53歳の男が4人を殺して死亡。その42年後の1955年に42歳の女性が死亡。21年後の1976年に21歳の男性が死亡。そして、32年後の今、2008年に32歳のダビッドが死んだとしたら、事件に共通点が生まれると。
ジョンはひとつの魂が輪廻転生しているのだと推測した。殺されて次が生まれてくるのだとしたら、あと1回生まれ変われば、ひと巡りする。ダビッドが死ねば、魂を受け継いだ新しい子供が生まれ、その子が10歳になった時、あのコンビニの場所で死亡するのだとジョンはアンドレアに語った。
それを止めなくてはと言ったが、アンドレアはジョンの思考について行けず、ダビッドを失う悲しみから泣きながらその場を去っていった。
映画『パスト&フューチャー 未来への警告』のあらすじ【転】
2018年、10歳の少年のニコはイジメっ子に命令されて、24時間営業のコンビニから本を盗んでこいと言われる。そのコンビニは、ダビッドが撃たれた、あのコンビニだった。盗みを店主に見つかってしまったが、店主は内緒にしてくれた。ニコはゲーム雑誌を買って、母親と店を後にした。
宿題をしようとしたニコは、雑誌からメモが落ちたことに気がついた。メモには、“2018年4月12日の誕生日にコンビニに行くと死ぬ”と書かれていた。母親はイジメっ子たちがやった悪戯だと憤慨し、校長に抗議した。だが、筆跡鑑定を行った結果、彼らではなく大人が書いたものだと説明される。
コンビニの店主を怪しんだニコの母親は、息子に脅迫状のようなものが届いたと話した。すると店主は、脅迫状ではなく警告かもしれないと答えた。そして、店主からも4月12日には店に来ないほうがいいと忠告される。
ニコは自分以外にも警告された子供がいると友達から教えられた。その子の親は警戒し、当日は家から出さないのだそうだ。それを聞いたニコは自分もそうしたいと思うようになるが、母親は嫌なことから逃げてはいけないと言い、当日はコンビニに一緒に行こうと言いだす。
映画『パスト&フューチャー 未来への警告』の結末・ラスト(ネタバレ)
2008年の4月12日。ジョンは誕生日を迎えた。ダビッドの生命維持装置を外す場に立ち会った彼は、次は必ず救うとダビッドに約束した。装置が外された後、産科病棟に向かったジョンは、たった今、出産を終えたばかりの夫婦がいる分娩室に飛び込み、2018年の4月12日にコンビニに行ってはいけないと叫んだ。だが、彼らは当然、理解できるはずもなく、その場から引きずり出されてしまった。
雨の中、コンビニにやってきたジョンにアンドレアから電話が入った。その電話は、ダビッドが奇跡的に息を吹き返したというものだった。それを聞いたジョンは、死ぬのはダビッドではなく自分なのだと確信する。ジョンは大急ぎで店のノートに“2018年4月12日の誕生日にコンビニに行くと死ぬ”と書くと、そのメモを店主に押し付けた。
店主に、10年後に自分と似た10歳の少年が店に来たら、メモを渡してほしいと説明するジョン。店内に少年と21歳ほどの青年の姿を確認したジョンは、もうすぐ青年が強盗を起こすと店主に説明した。だが、店主はジョンを警戒し、防犯用の拳銃を取り出す。ジョンは銃を奪って青年に向けたが、彼は強盗でもなんでもなかった。
現場には四人しか人間がおらず、辻褄が合わなかった。ジョンが疑問を抱いていると、そこに警官がやってきた。5人の人物、ピースは揃った。その時、ジョンは防犯用のミラーに未来が映っていることに気がつく。ミラーには、ニコの姿が映っていた。ジョンは咄嗟にニコに向かって、すぐに逃げろと大声で叫んだ。だが、その時、銃を持ったジョンに対し、警官が発砲。ジョンはその場に倒れこんでしまった。
2018年の4月12日。母親に連れられてコンビニにやってきたニコ。母親は車に残り、ひとりで店に行かされる。いつもの店主は休みで、20代ほどの若い店員がいた。店には男がおり、銃を隠し持っていた。外にはニコの母親。そこに、男の仲間と思われるバイカーが店の前に乗りつけてきた。これで5人、ピースは揃った。
その時、ニコは防犯用のミラーを見上げた。そこには過去の世界から、必死に叫ぶジョンの姿が映っていた。ジョンの声は聞こえなかったが、ニコは危険を察知し、店から飛び出した。強盗が銃を抜き、反撃した店員も銃で応戦。店内には銃弾が飛び交い、騒然となる。強盗はバイクで逃げていったが、ニコはジョンの警告のおかげで無事だった。
2008年、警官に撃たれて瀕死のジョンの元にアンドレアが駆けつけた。ダビッドが意識を取り戻したことを聞いたジョンは、安心したように息を引き取った。同じ頃、病院の産科病棟ではニコが生まれ、母親の腕に優しく抱かれていた。
映画『パスト&フューチャー 未来への警告』の感想・評価・レビュー
設定はなかなか面白く、パズル的な要素が強い。『ファイナル・デスティネーション』のような、ある種のルールで事件が起こっていることを解き明かしていく部分は良かった。ただ、ダビッドではなくジョンが死ぬだろうことは見ていてすぐに分かるし、オチのつけ方はやや強引でお粗末な感じが漂った。魂が輪廻転生しているのだから、その辺を上手く活かしてニコに危険を伝えられたら、もっと良くなったかもしれない。(MIHOシネマ編集部)
事件が起こり、同じ日付に誰かが死んでしまう。設定としてはおもしろいが、SF要素が入ると強引に謎が解明されてしまうのでどこか冷めた気持ちになってしまう。SF要素抜きで見てみたかったなと思った。けれども、そこまで悪い作品ではなかったと思う。主人公が必死に未来の被害者を救おうと頑張る姿に気持ちが引っ張られて、物語に集中できた。どれにしようか迷って困っているときに、気軽な気持ちで見るのにちょうど良い作品だと思う。(女性 30代)
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