映画『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』の概要:「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの第三作目。第二作、「デッドマンズ・チェスト」の続きとなっており、より早くに第三弾を公開する為に、制作は第二弾と同時に行われた。この後第四弾も発表されるが、登場人物も変わる為に事実上の第一部完結作品と言える。
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』の作品情報
上映時間:170分
ジャンル:アクション、ファンタジー、アドベンチャー
監督:ゴア・ヴァービンスキー
キャスト:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ジェフリー・ラッシュ etc
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』の登場人物(キャスト)
- ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)
- 大海原をまたにかける大海賊。飄々とした性格をしており、どこか掴みどころのない憎めない性格をしている。第二作目で死んだとされていたが・・。
- ウィリアム・ターナー(オーランド・ブルーム)
- 海賊の父親を持つ青年。エリザベスと恋に落ち、エリザベスを助けるべくデイヴィ・ジョーンズの心臓を狙っている。
- エリザベス・スワン(キーラ・ナイトレイ)
- ウィリアムの恋人で、勇敢な性格をした美女。ウィリアムを助ける為ならば犠牲も厭わないといった性格で、二作目におけるジャックの死因を間接的に作ったのも彼女である。
- デイヴィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)
- ジャックを含む多くの海賊から恐れられる伝説の海賊。心臓を繰り出した過去があり、その心臓が破壊されない限り息絶えない。
- ティア・ダルマ(ナオミ・ハリス)
- 謎の呪術師の女性。今までジャックたちに幾度も予言をしてきたが、今回その本来の姿が明らかになる。
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』のあらすじ【起】
先の戦いでデイヴィ・ジョーンズの心臓を手に入れたベケット卿は、その心臓を人質にデイヴィを掌握していました。その強大な力を手にしたベケット卿は、この世から海賊という存在を根絶する為に、デイヴィの船であるフライングダッチマン号に次々と他の船を襲わせていきます。
一方、『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』で復活が確認されたバルボッサは、そんなベケット卿を止めるべくエリザベスを連れてインドネシアへと向かいます。そこで、9人の選ばれし船長達による評議会を開き、この状況を打開する為の策を練ろうと考えたのです。しかし、その9人のうちの1人であるジャックは、先の戦いでクラーケンに食べられ死亡してしまっています。
そこでバルボッサは、”死んで”しまったジャックを見つけ出す為、海図の果てにある”ワールズ・エンド”、つまり世界の果てまで向かい、死の世界からジャックを再びこの世へと引きずりあげようと考え、船を出しました。
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』のあらすじ【承】
ようやくワールズ・エンドまで辿り着いた一行は、無残な姿で打ち上げられているクラーケンを発見します。多くの海賊達に恐れられてきたあのクラーケンを、ジャックが返り討ちにしたのでした。ジャックを見つけ出すバルボッサ一行は、彼を死者の世界から生者の世界へと連れ帰りました。そして、今度こそ評議会を開くべく再びインドネシアへと戻ります。
しかしその矢先、ここまでバルボッサ達を手助けしてくれた9人の船長のうち1人、サオがベケット卿の手先に殺されてしまいます。サオは死の間際船長の役目をエリザベスに託し、エリザベスが9人の船長の一人として名を連ねる事となりました。そしてとうとう評議会が開かれます。
力を持った9人を取りまとめるべく、代表となる船長を選出する事となりましたが、全員自分に投票するばかりで一行に話が進みません。しかし、そんな中ジャックがエリザベスに投票、エリザベスが全海賊達の代表となりました。エリザベスはバルボッサに聞かされていた通り、女神”カリプソ”という存在を解放し、ベケット卿を退けるという命を出しました。
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』のあらすじ【転】
しかしその矢先、ベケット卿の軍が膨大な戦艦を引き連れ評議会を襲います。海賊達はその力に対抗するべく、女神カリプソを解放する事としました。カリプソとは、今迄ジャック達に幾度もアドバイスを送ってきたあのティアの事で、普段は人間の姿をしていたのでした。
また、まだ人間だった頃のティアはデイヴィのかつての想い他人でもありました。再び女神としての姿を取り戻したティアは、その巨大な姿で海上に大きな嵐を巻き起こします。その嵐の影響で生じた渦に船を流されながら、ベケット卿達と海賊達との激しい戦いが繰り広げられます。
そしてその戦いの最中、とうとうジャックがデイヴィの心臓をベケット卿から取り戻し、心臓に刃を突き立てました。流石のデイヴィも心臓を破壊された為に生き絶え、船から転落し荒れる海の中へと消えていきました。ベケット卿達は強大なフライングダッチマン号を操る力を失い、全ては海賊達の描いていた通りとなったように見えました。しかし、デイヴィは死の直前に、ウィル・ターナーの脇腹に剣を突き刺していたのでした。
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』の結末・ラスト(ネタバレ)
最早死は免れないと言った状態のウィルに対して、彼の父親であるビルは、かつてデイヴィがした事と同様に、ウィルの止まりかけている心臓を抜き出しました。こうしてウィルは、デイヴィに代わる新しいフライングダッチマン号の船長を務める事となったのでした。
そしてウィルが率いるフライングダッチマン号と、ジャックが率いるブラックパール号による猛攻が、ベケット卿を乗せた船へと襲い掛かります。二つの力に為すすべもないベケット卿は、そのまま海底へと沈んでいきました。こうしてベケット卿達の海賊の戦いは海賊達の勝利で幕を下ろしました。
しかし、フライングダッチマン号の船長となってしまったウィルには、10年に一度しか陸に上がれないという厳しいルールが課せられました。それでも変わらない愛を誓ったウィルとエリザベスは、10年後再び出会う事を誓い、エリザベスは陸に残りウィルは海へと消えていきました。一方のジャックは、ブラックパール号をバルボッサに盗まれ、小さなボートで大海原へと乗り出しました。
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』の感想・評価・レビュー
デイビィジョーンズとの争いも本作品で完結となる。
前作ラストでジャックがクラーケンに飲み込まれ、死亡してしまっている事実や、そのジャックを再び現世に連れ戻す為の旅、伝説の9人の海賊+ジャックの父親の登場、さらには海の女神カリプソや、ウィルがデイビィのフライングダッチマン号の船長となるなど、とにかくファンタジーをこれでもかという程、詰め込んだ内容。細かい事は考えず、次から次へと出てくる海の伝説を楽しんだもの勝ちといった作品である。(男性 30代)
ジョニー・デップ主演のファンタジーアクション作品の第3弾。世界の果てに幽閉されるジャックの救出と前作で登場したデイビィ・ジョーンズとの対決、決着を描く。
一つの呪いを巡る騒動から海賊達の存亡を巡る大きな戦いへと発展していく壮大なストーリー、世界観がよい。その過程で様々なキャラクターの思惑が交錯し先の読めない展開物語に深みを持たせ見る人が引き込まれていく良作。
最後にウィルを助けたジャックの心中は果たしてどうだったのか考えてしまう。(男性 20代)
前回から続くデイヴィ・ジョーンズとの戦いに幕が下りるこの作品。
デイヴィの心臓を手に入れたベケット卿は海賊を絶滅させるため、次々に海賊を襲います。ブラックパールの船員は無事ジャックを見つけ、再び航海を始めます。
ジャックが心臓を取り返し、デイヴィを倒し無事海賊たちの勝利に見えた結末かと思いきや、ウィルが刺され瀕死の状態に。命を救うためにライングダッチマン号の船長となってしまったウィル、10年に1回しか陸に上がれなくなってしまうという実に切ないエンディングです。(女性 20代)
パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズの第3作目。
新しいキャラクター、新しい戦い、そして新しい仲間。駆け引きや戦いが絶えない船上で、またたくさんお物語が繰り広げられる。今は仲間でもいつ的になるかわからない状況が、ストーリーをさらに面白くさせている。それぞれの隠された想いを秘めながら物語は進行していく。一筋縄ではいかない戦い、そして思惑通りにならない苦悩がある。それでも先に進まなければならないそれぞれの道があり、その先がとても気になってしまうだろう。(女性 30代)
シリーズ3作目。前作『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』はジョニー・デップ演じるジャックの過去を知るデイヴィ・ジョーンズが登場し、そのあまりの怖さに観るのを躊躇ってしまったのを覚えています。今回はそのデイヴィ・ジョーンズと世界制覇を目指す東インド会社が手を組みます。これがだめなんですよねえ。深海の悪霊と言われたデイヴィ・ジョーンズが弱みを握られ、簡単に言いなりになってしまう。
しかし、今作はあの夫婦が全て持っていきます。オーランド・ブルーム演じるウィルとキーラ・ナイトレイ演じるエリザベス。特にエリザベスはとにかく強い。好奇心が強すぎて女ウケは最悪です。でも、必ずエンドロールの後まで見逃さないでください。全て許してしまうはずです。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
「ようやくワールズ・エンドまで辿り着いた一行は、無残な姿で打ち上げられているクラーケンを発見します。多くの海賊達に恐れられてきたあのクラーケンを、ジャックが返り討ちにしたのでした。」
ジャックはクラーケンに完敗してます。クラーケンは厄介になるとしてベケットがデイヴィ・ジョーンズに殺すことを命令しました。そのためジャックは無関係です。
シリーズ3作目で、物語の一区切り的な作品である。海賊船同士が
巨大な渦の中で衝突しながら、マストで剣を交え、その下では即席
の結婚式が行われるという、シリーズ1カオスな戦いが繰り広げら
れていたと思う。
エリザベスを海賊王に仕立て上げたり、海賊の掟を逆手に取り、ベ
ケットとの交渉に持ち込もうとするところなど、さすが海賊、さす
がジャックと思わせられる場面が多々あり、敵が敵なだけにいつも
よりも知略を尽くした戦闘が多かったと感じた。
一作目から続いてきた『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの、完結編。今後もシリーズは続いていくが、ウィル・エリザベスが揃って登場するのはこれが最後だ。
二作目がかなり中途半端なところで始まり終わった分、今回に期待を寄せていたが、完結編らしい最後だったと思う。
『ワールド・エンド』というタイトルにふさわしく、まさに大航海時代の海賊の危機的状況の話。伝説の海賊九人というのも夢があっていい。
このいつもは対立する海賊たちが、今回ばかりは総力をあげて敵に立ち向かっていく姿は観ていてスカッとする。
今までの悪役たちが仲間になるのって、実力が分かっているだけ頼りになるし、本当にオールスターが揃ったスペシャルだ。
東インド貿易会社側の人間がシリーズはじめから一貫して悪役に徹しているのも良かった。
今回は海の女神まで現れて、この作品のファンタジーもついにここまで来たかと思った。欲するものを示す羅針盤とか、亡霊船とかはまあファンタジーとして許容できるのだが、いまいち理解できないことも多い。
人の生死にかかわることがあっさりととんでもないことになっているのが気になる。前作から続いて、ウィルの父親ビルは契約によって死者同然に奴隷として働かされているというが、それって本当は死んでるの?生きてるの?という疑問。また、クラーケンに食われたジャックがいたのは恐らく死の世界の入り口みたいなところだと思うが、死んだ人間があっさり生き返るのもわからない。ウィルは死ぬかと思えば心臓を取り出して契約することで生きているし、これも本当は死んでるのか生きてるのか……。
契約に縛られて10年に一度しか陸に上がれないということは、死んだも同然ということだと思うのだが。亡霊船ということだし。
そもそもジャック・スパロウっていくつなのか。この人に限っては不死身だと言われても驚かない。
この生死についてはっきりしないところが少々引っかかった。
シリーズ一応の完結で、ラストもきれいな終わり方でいい。10年に一度しか会えないって織姫と彦星以上の苦行である。分かりやすいハッピーエンドではないというところも良さなのだと思う。ウィルは亡霊同然だが、それでも10年に一度はエリザベスと息子に再開できる。ウィルの苦行はこれで終わりじゃないし、ジャックもまだどこかで懲りずにバルボッサと船を奪い合いながら海賊を続けている。