この記事では、映画『プラットフォーム(2019)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『プラットフォーム(2019)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『プラットフォーム(2019)』の作品情報
出典:U-NEXT
製作年 | 2019年 |
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上映時間 | 94分 |
ジャンル | スリラー SF ホラー |
監督 | ガルデル・ガステル=ウルティア |
キャスト | イバン・マサゲ アントニア・サン・フアン ソリオン・エギレオル エミリオ・ブアレ アレクサンドラ・マサンカイ |
製作国 | スペイン |
映画『プラットフォーム(2019)』の登場人物(キャスト)
- ゴレン(イバン・マサゲ)
- 自ら”穴”の中に入った男。
- トリマガシ(ソリオン・エギレオル)
- ゴレンと最初に同室になった老人。
- ミハル(アレクサンドラ・マサンカイ)
- “穴”の中で息子を探す女。毎月プラットフォームに乗って下の階へ行く。
- イモギリ(アントニア・サン・フアン)
- トリマガシの次にゴレンと同室になった女。元”穴”の管理職員。
- バハラト(エミリオ・ブアレ)
- イモギリの次のゴレンと同室になった男。”穴”からの脱出を目論む。
映画『プラットフォーム(2019)』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『プラットフォーム(2019)』のあらすじ【起】
ある日、ゴレンは目を覚ますと”穴”と呼ばれる建物の中の一室にいた。そこは部屋が階層に連なっており、真ん中に四角い穴が空いている場所であった。ゴレンは”穴”を半年間耐え抜いた証明書を貰う目的で、自ら”穴”に入った。同室の老人はトリマガシという男で、人を死なせてしまった結果ここに来たと話した。トリマガシは、ここではひと月ごとに人々の階層が変えられ、上下の部屋での会話は厳禁であり、食事は”プラットフォーム”という部屋の真ん中の穴を通過する台座の上にあるものを食べるのだと説明した。台座には豪勢な食事が用意されているが、一番上の階から順に食べた食べ残しがやってくるため、階層が低ければ低いほど飢えに苦しむのであった。
残飯を食べることに抵抗があったゴレンは食事を拒否するが、空腹に耐えかねてリンゴを一つ台座から取った。しかしゴレンがリンゴを食べずに持っているうちに、室温がどんどん上昇し、食べ物を保存しておくことも死に繋がることがわかった。
映画『プラットフォーム(2019)』のあらすじ【承】
“穴”には一つの物だけ持ち込みが許可されており、ゴレンはドンキホーテの本、トリマガシはナイフを持ち込んでいた。
ある日、”プラットフォーム”に乗ってミハルという女性が降りてきた。ミハルは自分の子供を探していると言うが、ミハルを襲う男がいれば彼女は相手を殺してでも反撃していた。ゴレンは彼女を助けたいと思ったが、自分に出来ることは何もなかった。
一ヶ月後、ゴレンとトリマガシが目を覚ましたのは171階であった。目を覚ましたゴレンは、ベッドに縛り付けられていた。171階来る食料はほとんど残らず飢えを待つだけだと思ったトリマガシは、ゴレンの体を食べようとしていた。トリマガシが死なない程度に切り取ると言いゴレンにナイフを突き刺そうとした瞬間、”プラットフォーム”に乗ってきたミハルが現れ彼を助けた。ゴレンはトリマガシを殺し、ミハルは171階に残って怪我を負ったゴレンを看病した。しかし二人は餓えによる命の危機を感じ、殺したトリマガシを食べることにした。
映画『プラットフォーム(2019)』のあらすじ【転】
再び気を失って目を覚ましたゴレンは33階にいた。同室にはイモギリという女性がおり、彼女は飼い犬を持ち込んでいた。イモギリは自分は元々ここの管理職員であり事情に詳しく、階層は200階まで存在していることを話した。そして与えられる食事は一人一人が適切な量だけを食べることで、最下層まで行き渡ることができると言った。
そこに再び”プラットフォーム”に乗ったミハルが降りてくるが、イモギリはここに16歳以下は入れず、そもそも彼女に子供はいないということをゴレンに教えた。
そして次に目を覚ましたゴレンがいたのは202階であった。イモギリの言う200階よりさらに下の階層が存在したことに絶望したゴレンは、首を吊ったイモギリの死体を見つけた。ゴレンは飢えに苦しみ、持ち込んだ本をちぎって口に入れるが飢えを凌げなかった。ゴレンは生き延びるためにイモギリの死体を食べることにした。
映画『プラットフォーム(2019)』の結末・ラスト(ネタバレ)
次にゴレンが目を覚ますと、そこは6階であり同室はバハラトという男であった。”穴”からの脱出を試みようとするバハラトに、ゴレンは下の階の人々に均等に食事を分け与えようと提案した。了承したバハラトとゴレンは”プラットフォーム”に乗り階下へと進んでいくが、二人を攻撃してでも食事を奪っていく者もいた。その中で出会ったある男が、誰も手をつけていない食事を一品でも一番上に返すことができれば、”穴”の管理者へメッセージとして送ることができると言った。それを聞いたゴレンはパンナコッタを一品隠し持った。
ゴレンは途中の階で重傷を負ったミハルに出会うが、彼女は死んでしまった。
そしてゴレンは最下層である333階に着いた。そこは暗闇が続く何もない空間であった。途中で致命傷を負ったバハラトは死んでしまった。333階には一人の子供がいた。お腹を空かせていた子供にゴレンはパンナコッタを与えた。ゴレンはそこで、子供を一番上の階まで戻すことが真のメッセージになるという幻覚を見た。ゴレンは”プラットフォーム”に子供を乗せると上に行かせ、ただ一人最下層に残ることを決意した。
映画『プラットフォーム(2019)』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
上下階層で食料が奪い合われるという設定が、現代の社会格差を強烈に風刺していて衝撃的でした。最初は抽象的な設定に戸惑いましたが、観進めるうちにその構造が持つ意味にハッとさせられます。最下層に近づくほど人間性が崩れていく描写はリアルで、倫理や正義とは何かを考えさせられました。ラストの“子ども”という希望の象徴に、何とも言えない感情が残ります。(20代 男性)
最初はただのサバイバル映画かと思って観ていたけど、どんどん倫理と哲学の話になっていって圧倒された。とくに階層がランダムに変わる設定は秀逸で、「昨日の善人が今日の加害者になる」不条理さが深かった。主人公がパナコッタを“メッセージ”として上層に戻すのを諦めて、子どもを希望として送り出す終盤には胸が締めつけられました。(30代 女性)
『プラットフォーム』は、極限状態に置かれた人間の本性を描くのに非常に成功している作品でした。生き残るための暴力や裏切り、利己的な行動が「仕方のないもの」として描かれていて、怖いけど現実味があります。社会階層、資源配分、そして無関心というテーマを、物語全体で強烈に表現しているのが見事。見終わった後も心に重さが残ります。(40代 男性)
全体的にかなり暴力的でグロテスクだけど、それを通じて描かれるメッセージが鋭い。誰かが犠牲にならなければならないこの“タワー”は、現代社会の縮図に見えた。ラストの子どもが実在するかすら曖昧で、幻想のようにも思えるけど、あえて答えを明確にしないことで、観る側に解釈を委ねているのが良かった。思考型の映画が好きな人にはぜひおすすめしたい一本。(20代 女性)
異様な世界観と緊張感ある構成に引き込まれた。特に、上にいるときは傲慢になり、下に落ちればすぐに野蛮になるという描写が恐ろしくリアルだった。途中で登場するミハルというキャラクターがもたらす混乱と狂気も不気味で印象に残る。最後の“子ども=希望”という描写が少し救いだったけど、果たしてそれが上層に届いたのかどうか…考えさせられる作品でした。(50代 男性)
この映画、ものすごく重かった。富や食料の不平等が、極端なまでにシンプルな構造で表現されていて、それゆえに一層強烈。特に「1階にいたら全部食べられるけど、333階では餓死寸前」ってシステムが狂ってるし、あまりにも現代的すぎる。自分ならどの階層でも人間性を保てるのか、考えるだけでゾッとする。映像のインパクトもすごい。(30代 男性)
見終わった後、しばらく言葉が出なかった。社会の構造に対する怒り、希望、絶望…全てが渦巻いている映画。ゴレンが“教育”や“正義”を持ち込もうとするけど、それが通用しない現実に叩きのめされる過程が悲しい。どんな理想も、空腹には勝てない。そんな厳しい現実を突きつけてくる。スリラーとしてもサスペンスとしてもよくできてる。(40代 女性)
この映画は、ただのホラーやスリラーではなく“寓話”に近い。台詞や行動のすべてに意味が込められていて、観る側の読解力が試される。パナコッタや子どもなど、象徴的なモチーフが多く、一回観ただけでは理解しきれない深みがある。暴力描写に耐性があれば、ぜひ挑戦してみてほしい。後半の“下層への旅”は、まさに人間の精神を削る儀式のようだった。(20代 男性)
食べ物という一番身近なものを使ってここまで壮大なメタファーを描けるのがすごい。まさに“食べる=生きる=奪う”という構図がむき出しで、社会批判の側面がとても鋭い。人間同士が協力しようとしても制度がそれを許さない仕組みで、絶望的だけど現実と地続きに感じた。子どもが最後に“上へ向かう”ことで、ほんの少しの希望が提示される構成も好きでした。(50代 女性)
近年で一番インパクトがあった映画かもしれない。とにかく設定が斬新で、しかもそれが社会風刺としても完璧に機能していた。ゴレンという人物が“善意”や“理想”を持ち込むものの、段階的にそれが打ち砕かれていく展開に深く共感した。現代の格差社会や、人間の欲望と無関心の問題を突きつけるラストは衝撃的。観る価値ありです。(30代 男性)
映画『プラットフォーム(2019)』を見た人におすすめの映画5選
キューブ
この映画を一言で表すと?
密室と謎解き、極限状態で試される人間性がスリリングなサスペンススリラー。
どんな話?
見知らぬ人々が目を覚ますと、無数の立方体の部屋が連なる迷路に閉じ込められていた。罠を回避しながら脱出を目指す中で、次第に人間関係が崩れていく…。密室劇の中で心理と社会構造を描いた異色作です。
ここがおすすめ!
極限状態に置かれた人々の行動や心理の変化がリアルで、『プラットフォーム』と同じく“人間の本性”がテーマ。シンプルな設定ながら緊迫感が高く、考察要素も豊富。ラストのメッセージにも深い余韻があります。
スノーピアサー
この映画を一言で表すと?
走り続ける列車内で繰り広げられる、階級闘争と反逆のSFアクション。
どんな話?
氷河期に突入した地球で、生き残った人類は1台の列車で暮らしている。しかしその中には厳格な階級制度があり、最下層の人々が反乱を起こし前方車両へと進んでいく。格差と革命がテーマのSF作品です。
ここがおすすめ!
列車という限定空間での階層構造や暴力の描き方が『プラットフォーム』と酷似。ビジュアルとテンポの良さに加え、社会への鋭い風刺が光ります。監督は『パラサイト』のポン・ジュノで、完成度も抜群です。
ハイライズ
この映画を一言で表すと?
近未来の高層マンションで崩壊していく階級社会と人間の狂気を描く異色ドラマ。
どんな話?
超高層マンションに引っ越してきた医師ロバートは、快適な生活の裏にある階級差と人間関係の歪みに気づく。やがて建物内で秩序が崩れ、住人たちは本能むき出しの混沌とした生活へと堕ちていく。
ここがおすすめ!
閉鎖された空間で“文明”が崩壊していく様子が不気味かつ美しい。視覚表現が芸術的で、暴力や狂気の描写が強烈に印象に残ります。『プラットフォーム』の世界観にハマった人にぴったりな一本です。
ソウ
この映画を一言で表すと?
極限状態での選択と葛藤、衝撃の結末が待つサイコロジカル・スリラーの金字塔。
どんな話?
見知らぬ部屋で目を覚ました2人の男。彼らは謎の人物“ジグソウ”によるゲームに巻き込まれており、生き延びるには“選択”が必要になる…。徐々に明かされる過去と仕掛けに引き込まれていきます。
ここがおすすめ!
密室のサスペンスと倫理的な葛藤が『プラットフォーム』と通じる部分が多く、単なるホラーではない知的刺激があります。ラストのどんでん返しも衝撃的で、思考型サスペンス好きにはたまらない作品です。
神さまの言うとおり
この映画を一言で表すと?
不可解なデスゲームの中で生き残りをかけた高校生たちの狂気のサバイバル。
どんな話?
突然学校に現れた巨大な“だるま”による謎のゲームに巻き込まれた高校生たち。次々に課せられる“遊び”をクリアしなければ死ぬという理不尽な状況の中、主人公は生き残りをかけて戦う。
ここがおすすめ!
理不尽で不条理な世界観と、ゲームを通じて試される人間性が『プラットフォーム』に通じるポイント。ビジュアルのインパクトやテンポの良さも相まって、一気に観られるエンタメ性の高い作品です。
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