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映画『プール(2016)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『プール(2016)』の概要:過去に起きた火災にて蟠りを抱えた姉妹が、プールとプールカバーの間に閉じ込められる。姉妹は脱出の方法を探りつつ、互いの本心を語り合い徐々に蟠りを解いていく。日本ではあり得ないシチュエーションによるサスペンス映画。

映画『プール』の作品情報

プール

製作年:2016年
上映時間:86分
ジャンル:サスペンス
監督:マット・エスカンダリ
キャスト:アレクサンドラ・パーク、ノラ=ジェーン・ヌーン、ダイアン・ファール、トビン・ベル etc

映画『プール』の登場人物(キャスト)

ジョナ(アレクサンドラ・パーク)
言葉遣いが悪く、ひねくれている。ブリーの妹で黒髪の長髪。姉ジョナの婚約を僻んでいる。幼い頃、父親により性的虐待を受け、身の内に深い闇を抱えている。
ブリー(ノラ=ジェーン・ヌーン)
黒髪の優しそうな相貌の女性。ジョナの姉。右腕の肘から手首にかけて酷い火傷の痕がある。優秀で品行方正。恋人と婚約したばかり。重度の糖尿病を患っている。
クララ(ダイアン・ファール)
市民プールにパート勤務として働いている女性。保護観察期間にあり、盗難癖がある。館長の厳しい監視により、チャンスを得られずに焦りを募らせていた。
館長(トビン・ベル)
謹厳で強面の男性。クララを雇うにあたり監視も兼ねている。厳格な様子で実直。

映画『プール』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『プール(2016)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『プール』のあらすじ【起】

祝日前の週末。姉ブリーの呼び出しにて市民プールへやって来た妹のジョナ。閉館時間までの束の間、姉妹は久方ぶりの逢瀬を楽しんだが、閉館間際になってブリーが婚約指輪を紛失。プールの底の網に嵌っているのをジョナが発見し、姉妹が取りに潜っている間、館長は見回りを済ませプールの電動カバーを閉めてしまう。

カバーは樹脂素材で固く、悪戯防止のためなのか隙間なく閉じるタイプのもの。姉妹は焦って脱出する方法を探ったが、カバーには隙間もなく破壊も難しい。頭1つ分の隙間と呼吸は可能であるが、肩から下は水中に浸ったまま。姉妹は口論を始め、ブリーの婚約を僻んだジョナが指輪をプールに投げ捨てたことが判明する。

姉妹には過去、命に関わる何らかの事故に巻き込まれたことがあるらしく、ジョナは長期に渡っての入院の末、リハビリをしていたことがあるようだ。リハビリが終わり自宅へ戻った折、待っていてくれるはずのブリーは既に実家を出て独り立ちした後だった。妹はそのことで姉に恨みを抱いており、今回の件へと繋がった様子。

しばらくして、タイマーにより室内の電気が消灯。姉妹の荷物はプール脇の客席に置いてあり、スマホに誰かから何度も着信が入ったが、取りに行ける状態でもない。カバーに覗き穴程度のスペースを発見した姉妹は、何かのカバーを壊してそこから脱出しようと足掻いていた。

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映画『プール』のあらすじ【承】

更に時間が経過。暗くなった室内で諦めずに脱出を試みる妹。そこでブリーの体調に異変が発生する。ブリーは数年前に糖尿病を発症しており、血糖値を測った上でインシュリン注射を定時に行わなければならなかった。低血糖になってしまえば、命に関わる病気である。離れて暮らしていたせいでジョナはそのことを知らず、自分がしでかしてしまったことを反省。今すぐにどうこうなるわけではないため、ブリーはそのことよりも早く脱出しようと考えるのだった。

姉妹は絶えずどちらかが話し続ける。ブリーがカバーの破壊を試みている間、話は過去に起きた重大な事件のことへ。当時、妹はまだ幼く事件の詳細を断片的にしか覚えていない。
事件があった日の夜、姉妹の父親は酷く酒に酔っていた。彼は煙草に火を点けたまま寝入ってしまい、煙草から周囲の家具へ火が移ってしまったのだ。家は火事となり、父親は寝入ったまま焼死。火事に気付いたブリーは必死に父親を起こそうとして右腕に酷い火傷を負った。

その時、プールの外で物音を聞いた姉妹。職員がまだ残っていることに気付き、助けを呼ぼうとした。だが、職員のクララには盗難癖があり現在、保護観察期間にあった。館長は彼女を更生させようとしているようだったが、クララ自身にはその気が全く無い。彼女はブリーの鞄からスマホを取り出し、助けを求める姉妹へ脅しをかける。クララは姉妹を脅迫して金を引き出そうと画策。だが、ブリーは銀行口座の暗証番号を教えなかった。

その腹いせなのか、クララはプールのヒーターを切り更に追い込みをかける。そうして、ブリーから暗証番号を聞き出すと、姉の荷物を持って去った。
徐々に水温が下がる。クララは夜になると骨身に染みるほど寒くなると言っていたが、その通りで姉妹は水に浸かったまま助けられることもなく、震えるばかり。その上、ブリーは低血糖で意識を失う寸前にある。ジョナは助かる方法を探したが、一向に見つけられない。

映画『プール』のあらすじ【転】

姉妹は互いに励まし合いながら、どうにもできずに凍えている。妹は過去の事件のせいで身の内に闇を抱え、その苦しみに耐えきれず何度も自殺を図ろうとしていた。ジョナの苦しみを理解したブリーだったが、そこへクララが戻って来る。どうやらブリーの口座には、さほど金が入ってなかったらしい。そのせいで、彼女は怒っている。ジョナは姉が糖尿病であることを明かし助けてもらうよう話したが、クララは信用せず2人を放置。

しばらくして、ジョナがプラスチックの欠片で武器を作り始めた。そうして、泣き真似をしてクララの興味を誘う。助けを求めているのに助けてくれない上に姉妹を脅しつけるクララに対し、ジョナは武器で彼女へと攻撃を加えた。
時刻はすでに真夜中。ジョナの仕業に激怒したクララは、清掃システムを作動しプールに高濃度の塩素を噴射。激しい水流に晒された姉妹は更に追い詰められ、必死に許しを乞うた。

クララは姉妹を許し、更にブリーの婚約指輪を要求。姉は命に代えられないとクララに指輪を渡すのだった。
それからしばらく後、意識を失っていたブリーは物音に気付く。プールのカバーが開いたのだ。ようやく助けが来たのだとジョナに声をかけたが、妹からの反応がない。外はすでに明るくなっている。プールへと婚約相手が飛び込んできてブリーを抱き締めた。そうして、彼はジョナを1人にしてはいけないと囁く。

映画『プール』の結末・ラスト(ネタバレ)

ふと、目を覚ましたブリー。助かったと思ったのは夢だったことに気付いたが、自分の行いのせいで更に状況を悪化させてしまったことを悔いたジョナが、今にも自殺しようとしている。狂った父親の血を引き胸の内に深い闇を抱えた妹は、自分を酷く卑下している。彼女はこれ以上、愛する家族に迷惑をかけたくないと思っているのだ。ブリーは必死に妹を説得し、どうにか自殺を思いとどまらせた。

姉妹の話を密かに聞いていたクララは、ブリーの婚約指輪を眺めプールへと戻って来る。どうやら会話を聞いている内にほだされた様子。姉妹とクララは互いに謝罪し合い、助けてくれることになったが、館長から聞かされていたコードを入力してもカバーを開くことができない。これ以上はクララの進退に関わるため、彼女は刑務所に戻りたくないあまり、早々に職場から去ってしまうのだった。

結局、姉妹はプールに閉じ込められたまま。翌日は祝日であるため、通報がなければカバーが開くことはない。いよいよをもってブリーの身に危険が迫る。彼女は震える声で事の真相を妹に明かした。実は火に巻かれた父親を助けに行ったのではなく、動かなくなるまで起き上がらないよう押さえつけていたのだと。ブリーは幼い妹が父親に性的虐待をされているのを知っていた。故に、ジョナのために怪物と化した父を殺害したのだ。ジョナは今にも意識を失いそうになっている姉を労り、今度は自分が姉を救うのだと決心。

ジョナは排水溝へ向かい、鉄網を開こうと奮闘。時折、姉の容態を気にしながら、何度も水中へ潜ってようやく鉄網を外した。その頃には姉はとうとう意識を失い、力尽きている。ジョナはブリーに人工呼吸をして姉を助けた。その後、鉄網を使ってカバーを破壊。更に傷つくことを恐れずに手を突っ込んで割れたカバーを外し、ようやく姉を救出した。

ブリーにインシュリンを注射し、どうにか息を吹き返したので安心したジョナ。しかし、そこへ銃を構えたクララが姿を現す。彼女は自分の行いを姉妹によって明かされるのではないかと恐怖を抱き、戻って来たのである。クララは泣きながらも姉を必死に庇う妹へ迫ったが、そこまで悪になれきれず。彼女はとうとうブリーの婚約指輪を返した。ジョナはスマホから助けを呼び、クララに逃げるよう促す。朝方、姉妹は無事に助かり互いに蟠りを解いて、絆を深めるのであった。

映画『プール』の感想・評価・レビュー

幼少期に起こった事件によって蟠りを抱えた姉妹がプールのカバーに遮られ、閉じ込められてしまうというシチュエーション。日本では考えられないが、海外ではよくある装置なのだろう。そこへ、保護観察期間にある女性が加わり、よりスリルを高めている。

恐らく、妹のジョナは幼少期、父親に性的虐待を受けていたと思われ姉妹にとっては父親という存在は怪物と認識されている。そこへ保護観察期間の女性を加え、彼女の中にいる怪物をも姉妹で倒し、救済するという上手く掛け合いを持たせた作品。(MIHOシネマ編集部)


閉所恐怖症には恐ろしい作品。実際に閉じ込められたら…と、想像したくないけれど想像してしまいました。プールにカバーがあるなんて、危険だと思います。9ヶ月前に出所した職員の女をひとり残しておくのもどうなんでしょうか。
せっかく助けてもらえると思ったのに、現れたのは前科のある女でなかなか外に出しもらえない悲惨な状況。でも、女はそこまで悪人でもなかったので、ホラーというほどの怖さは感じません。姉妹と同様、女も過去に何かを抱えていそうでしたが、その辺りまでは明かされないので少し中途半端な気がしました。(女性 40代)

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