映画『プリンス・オブ・エジプト』の概要:出エジプト記の史実を忠実に描いた長編ミュージカルアニメーション。モーセの十戒を描いている。奴隷の子であったモーセは赤子の頃、エジプト女王に拾われ王子として育てられるが、後に神の啓示を受け奴隷解放を行い、ヘブライ人を安住の地へと導く。
映画『プリンス・オブ・エジプト』の作品情報
上映時間:99分
ジャンル:アニメ、ミュージカル
監督:ブレンダ・チャップマン、スティーヴ・ヒックナー、サイモン・ウェルズ
キャスト:ヴァル・キルマー、ミシェル・ファイファー、レイフ・ファインズ、サンドラ・ブロック etc
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映画『プリンス・オブ・エジプト』の登場人物(キャスト)
- モーセ(ヴァル・キルマー)
- 後のイスラエル人であるヘブライ人の子。奴隷の子であったが、エジプト女王に拾われ王子として育てられる。賢く容量が良い。神の啓示を受け、ヘブライ人の奴隷解放を成す。
- ラメセス(レイフ・ファインズ)
- モーセの兄として育つエジプト王。王としての威厳を保つため、モーセの申し出を頑なに断り続けエジプトに災厄を招き入れてしまい、多くの民の命と1人息子の命をも失う。真面目な性質で容量が悪い。父王に厳しく躾けられたため、心に闇を抱えている。
- ツィッポラ(ミシェル・ファイファー)
- 遊牧の民ミディアン人。集落の長の娘で気が強く、愛情深い。モーセの妻となり、彼と共に行動し支え続ける。
- ミリアム(サンドラ・ブロック)
- モーセの実姉。王子として育てられるモーセを、奴隷として陰ながら見守っている。後に真実を明かし、モーセの導きによりエジプトを脱出する。
映画『プリンス・オブ・エジプト』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『プリンス・オブ・エジプト』のあらすじ【起】
古代エジプト。王であるファラオは、奴隷であるヘブライ人の人口増加に懸念を覚え、統制のために残酷な命を下す。それはヘブライ人の新生児を殺すことだった。
1人のヘブライ人女性は、3人目に産まれたばかりの男児を兵により殺されることを危惧し、籠に収め川へと流す。助かれば良し、もしも亡くなるのであれば、それも神の思し召しと男児の命を神に託したのだ。
籠は川を下りやがて、王宮の水場へと到達。そこで水浴びをしていた慈悲深いエジプト女王により拾われる。画して、ヘブライ人の男児はモーセと名付けられ、第2王子として育てられることになった。
年数が経ち、2人の王子は仲の良い兄弟として青年へと成長。モーセは賢く容量が良く、いたずらが好き。彼はいつも兄であるラメセスをけしかけていたずらを決行する。そして、怒られるのは真面目で容量が悪い兄であった。
ラメセスは次期王として期待されていたが、容量や賢さに関してモーセに勝てたためしがなかった。
ある日の夜、宴会にてラメセスはファラオから摂政に命ぜられる。その祝いとして献上された女性をラメセスから貰い受けたモーセ。彼は兄からエジプトの建造物建設責任者へと任命されるのだった。
宴会後、部屋へ戻ったモーセだったが、献上された女性が逃亡していることを知り、彼女が無事に逃げられるよう手を貸すことにする。逃げて行く女性の後をこっそり尾行したモーセは、町の外へ出るところで2人の奴隷と出会う。
奴隷のヘブライ人女性ミリアムは、モーセの姿を見止め戻って来たと歓喜に沸くが、本人には何のことか分からない。そこで、ミリアムは彼に出生の秘密を明かす。モーセはヘブライ人でミリアムとは兄妹だと言う。その事実に耳を疑うモーセ。
彼は宮殿へ戻り、ファラオである父親がしてきたことを壁画にて確認。愕然とするモーセはヘブライ人を奴隷と呼び蔑む父親に不信を抱き、思い悩むことになる。
映画『プリンス・オブ・エジプト』のあらすじ【承】
後日、神殿の建設現場へやって来たモーセは、同じヘブライ人が奴隷としてこき使われる様に心を囚われる。彼は鞭打たれる奴隷を庇い、エジプトの兵を誤って殺害。もうここにいられないと感じたモーセは、ラメセスの必死の制止を振り切ってエジプトから逃亡を図るのだった。
たった1人で広大な砂漠を放浪するモーセ。彼は砂漠嵐に身を任せることにするも、通りかかったラクダに助けられる。辿り着いた先には遊牧の民ミディアン人の集落があった。
そこには、献上され逃がした娘ツィッポラが住んでいた。
娘を逃がしてくれたと、ツィッポラの父であり集落の長に気に入られたモーセは、集落に歓迎され共に暮らすことになる。
やがて、モーセはツィッポラと恋に落ち結婚。幸せな日々を過ごした。
そんなある朝、モーセははぐれた羊を追いかけ、洞窟の中へ。そこで彼は不思議な白い炎を目にする。白い炎はヘブライの神と名乗り、奴隷として囚われている民を救い出し安住の地へと導くことを彼へ命じるのだった。
神の啓示を受けたモーセは、神から与えられた杖を手に妻と共に再び、エジプトへと旅立つことにする。
映画『プリンス・オブ・エジプト』のあらすじ【転】
ツィッポラと共にエジプトの宮殿へとやって来たモーセは、ファラオになった兄ラメセスと対面。だが、ラメセスはモーセの言うことを信じず、奴隷解放には応じなかった。しかも、奴隷の仕事を更に増やすとまで言う始末である。
そのせいで街では、奴隷たちに泥を投げつけられるモーセだったが、ミリアムの言葉により神の力を示すことにする。川へ向かったモーセは、川遊びをしていたラメセスに奴隷解放を唱える。しかし、兵を差し向けられたため、杖で川を奴隷たちの血で満たすのだった。
モーセが示した力により、奴隷たちが彼を信じるようになる。モーセはヘブライ人にファラオは全てを奪うことができる。だが、信仰だけは奪うことができないと言い、勇気づけるのであった。
その後、エジプトには災厄が降りかかる。水は毒となり食べ物が腐る。虫の群れが襲来し、家畜が次々と斃れ、火の雨が降った。麦は虫に食い荒らされ、流行病が往行。民は飢えと病で次々と斃れていくのだった。
モーセは再び、宮殿へと向かう。次々に降りかかる災厄により、頭を悩ませるラメセスの説得へ向かったのだ。しかし、ラメセスはモーセの言うことを聞き入れず、頑なに拒絶。
モーセは心を痛めつつ、最後の手段へと出ざるを得なくなった。
その夜の内に準備を済ませたヘブライ人。深夜、エジプトへ神の手が入った。
白い炎は戸口に印がある家には入らず、印のないエジプト人の家へ入り、長子の命を奪い去る。ラメセスの息子も例外ではなかった。
翌朝、息の無い息子を胸に抱いたラメセスはとうとう、奴隷解放に応じるのである。兄弟の縁もこれで潰えた。
映画『プリンス・オブ・エジプト』の結末・ラスト(ネタバレ)
兄の息子の命を奪うなど、残酷なことまでしたくなかったモーセ。致し方ないこととは言え、心を酷く痛める。妻と姉や同じヘブライ人たちに寄り添われ、モーセは彼らを連れてエジプトを旅立つことになった。
ヘブライ人一行はモーセを先頭に先を進む。そうしてやがて、海へと到達。しかし、そこへエジプト兵の軍勢が現れる。指揮を執るのはラメセスだった。
その時、海から巨大な火の柱が立ち上がり、軍勢の足止めをする。モーセは神に祈りを捧げ、杖を海に突き立てた。すると、驚いたことに海が割れ1本の道を作り始める。ヘブライ人はその道を進み、海の向こうへと渡るのである。
しかし、火の柱をやり過ごしたラメセス軍が海の道へと進軍。モーセはしんがりを務め、民たちを急がせる。いよいよ、向こう側へと到達するという寸前、海の道が閉ざされる。エジプト軍はラメセスをも含め、海の中へと沈むのであった。
呆気にとられるヘブライ人。尋常ではない現象である。これらすべてが、神の所業だと信じざるを得なかった。
モーセは兄であったラメセスへ別れを告げ、新たなる地へと民を導く。そうして、民は安住の地へと辿り着くのだった。
映画『プリンス・オブ・エジプト』の感想・評価・レビュー
エジプトの有名な神話モーセの十戒をミュージカルアニメーションとして描いた作品である。ファラオ王がヘブライ人を奴隷として扱ったり、幼子を殺すといった何とも残酷な規律の中、川に流され、運良く生き延びたモーセが、ヘブライ人の解放を行うという展開。意外と勘違いしがちなのだが、モーセの十戒というのは、あくまでもモーセが考案した十の戒めの文言を差すものであり、海を割り奴隷を逃がしたという行為を差すものではない。なかなか辛辣なシーンが多いが、歴史を程良く省みる事が出来るので、エジプト関連や神話が好きな方は是非見て頂きたい。(男性 30代)
旧約聖書の『出エジプト記』に記されるイスラエル人のエジプト脱出を描いており、モーセを主人公に義兄のラメセスとの葛藤を描いている。
かなりセンセーショナルで残酷なシーンもあり、アニメだから緩和されているような場面もある。
いくつかの場面で交渉に応じていれば、悲惨なことにはならなかっただろうと思うのに、そうできない事情やプライドもあって拒絶してしまうラメセスの心の闇も描かれている。モーセと言えば海を割るシーンが有名だが、今作では彼が提示した十戒が重要なのだと分かる。真の歴史とは残酷なことも多くヘブライ人は神の加護を得て約束の地へと辿り着くが、モーセ自身は神との約束を違えたことで約束の地の手前で辿り着くことなく命を落とすという結末。アニメとは言えなかなかの作品だった。(女性 40代)
比較的原作に忠実である点が好感度を持てるドリームワークスの長編アニメーション。流石スティーンブン・スピルバーグの関わった映画だ。原作にはラメセスとの友情は描かれていないのだが、話の本筋を大きく変えるものではないので許容範囲。
映像面でも良い点が多く、特に紅海が分けられるシーンはアニメーションならではアイディアと迫力に満ちている。神殿や壁画の描写も綺麗でとても良い。
そして忘れてならないのが主題歌であるホイットニー・ヒューストンとマライア・キャリーが歌う『When you believe』。この曲の美しさと印象の強さは、この作品の質を押し上げている。(男性 30代)
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