映画『ロスト・メモリー』の概要:約25年振りに再会した幼馴染に誘われ、幼い頃に過ごした島を再訪した主人公。島で過ごす内に、忘れ去っていた恐ろしい記憶を思い出し始める。主人公がした仕打ちに対し、周到に練られた復讐計画を遂行するサスペンスホラー。
映画『ロスト・メモリー』の作品情報
上映時間:102分
ジャンル:サスペンス
監督:アレックス・シュミット
キャスト:ミナ・タンデル、ラウラ・デ・ブーア、カタリナ・タルバッハ、マックス・リーメルト etc
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映画『ロスト・メモリー』の登場人物(キャスト)
- ハンナ(ミナ・タンデル)
- クラリッサの幼馴染で医者。昔は悪ふざけが過ぎる少女で、物語を作り聞かせることが得意だった。島での事件については、記憶を忘れ去っている。1児の母親で娘を守るために奮闘するも、マリアの罠に貶められる。
- クラリッサ(ラウラ・デ・ベーア)
- ハンナとは幼馴染でモデルをしている。実はガブリエラの娘のマリア。ハンナに裏切られ、復讐心に燃えている。全てを計画してハンナを罠に落とす。1児の母。
- ガブリエラ(カタリナ・タルバッハ)
- マーコスとマリアの母親。島で唯一の鮮魚店を経営している。娘の計画を知りながらも、止める術を持たずに加担している。
- マーコス(ナックス・リーメルト)
- 鮮魚店の息子で漁師。気の良い青年だが、復讐心に燃える姉に恐怖を抱き、ハンナを助けようとするも海で溺死する。
映画『ロスト・メモリー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ロスト・メモリー』のあらすじ【起】
医者であり一人娘の母親でもあるハンナは、誕生日に病院からの呼び出しで仕事へ向かった。運び込まれた女性はモデルのクラリッサ。彼女はハンナの幼馴染だった。
クラリッサは何週間も眠ることができず、睡眠薬を多めに服用してしまったと言う。自殺が目的ではなく、ただ気を鎮めたかったらしい。
ハンナは久しぶりに会った幼馴染に夫の浮気について相談。夫はやり直したいと言っているが、ハンナは思いあぐねていた。
そこで、クラリッサが気分を変えるため、昔よく家族で過ごしていた島へ行ってみようと言う。ハンナはクラリッサの誘いに乗り、娘を含めた3人で懐かしい場所へと訪問するのだった。
島の別荘へとやって来たハンナ。楽しかった記憶が蘇る。日中は浜辺を散歩したり、村に唯一ある魚屋へ寄ったりしてみた。そこで、若い漁師マーコスと出会う。
その夜、親友とアルバムを開き思い出話を語り合った。だが、アルバムの中に覚えのない少女が写っていることに気付く。クラリッサには少女の記憶があるらしく、名前はマリアだと言う。しかし、名前を聞いてもハンナは少女のことを思い出せなかった。更に、外で一服するハンナの元へ別荘の管理人が密かに訪れ、今すぐ帰れと言われる。
翌朝、娘が人形を魚屋に忘れて来たと言うため、魚屋へ立ち寄ったハンナ。しかし、店主のガブリエラは姿が見えず、ハンナは店の奥に続いている住居スペースへ。どことなく見覚えのある部屋へ入る。
そこは見るからに少女が住んでいたであろう部屋だった。その部屋でハンナは、確かにマリアという少女がいたことを思い出す。マリアはガブリエラの娘だった。娘は昔、死んだと言うガブリエラ。
その後、人形を返してもらったハンナは娘とクラリッサの3人で、マーコスの船で遊覧を楽しんだ。だが、ハンナはマリアが死んだ理由が気になって仕方がない。彼女はマーコスにそのことを聞こうとするも、どのように亡くなったのかまでは分からなかった。
映画『ロスト・メモリー』のあらすじ【承】
その後、森を散歩していたハンナは見覚えのある廃墟へ辿り着き、そこでマリアと思われる少女を目撃。廃墟での記憶を一部思い出し、倒れてしまう。ハンナは寝る前に必ず睡眠薬を服用する。その日も薬を服用し、クラリッサに森の廃墟とマリアについて話した。
翌日、朝のジョギングをしたハンナ。マーコスを見かけたため、声を掛けて話を聞く。マリアが亡くなったのは確からしいが、遺体は発見されていないらしい。
その夜もハンナは睡眠薬を服用。しかし、喉が渇いたため、飲み物を取りにキッチンへ向かい、廊下の向こうに少女を垣間見る。地下の貯蔵庫へのドアが開いていたため、そこへ入ると少女によってドアが閉められてしまう。恐怖に陥ったハンナだったが、クラリッサが助けてくれた。
記憶が蘇るにつけ、徐々に怖くなってきたハンナ。幼い頃、廃墟でクラリッサとマリアの3人で何かがあった。それは確かなのだ。寝る前の睡眠薬ももう無くなっている。
ハンナは別荘の隣に住む管理人の元を訪ねた。すると彼は、ハンナは彼女を連れて来た。大変なことになると言う。怯えて外へ出ると、森の入り口に少女が立っている。マリアなのだろうか。
ハンナは少女を追いかけ、森の廃墟へ。中に入り記憶をたぐり寄せ、地面に扉があることを思い出す。扉を開けようと必死になったハンナは、ここで何があったかを思い出すのだった。
映画『ロスト・メモリー』のあらすじ【転】
朝、クラリッサが目覚めるとハンナが娘と共に荷物をまとめていた。朝食後に帰ると言う。クラリッサとハンナは口論になる。また逃げるのかと言われるも、ハンナは娘を連れて港へ。その前にガブリエラを訪ね、マリアのことを話した。遺体は恐らく、森の廃墟にまだあるのだろうと。カブリエラは、今度はあの子の番だと謎の言葉を言うのだった。
娘の身に危険が迫っていると思ったハンナ。急いで港へ向かうも休航の札がかかっている。マーコスに船を出してもらおうと自宅を訪ねるも、マーコスの船も修理中らしい。そこで、ハンナはマーコスがマリアの弟であったことを思い出す。幼い頃、事件後に帰る際、桟橋にいた彼にマリアの居場所をこっそりと教えていたことを思い出したハンナ。なぜ、そのことをすぐに大人達へ知らせなかったのかと彼に詰め寄ると、マーコスは自分のせいにされると思ったと言うのだった。
マーコスも信用ならないと判断したハンナだったが結局、帰路につけず別荘へ戻った。ハンナはクラリッサにこのことを話す。マリアの亡霊に付きまとわれているような気がしている。明日には帰りたいと話した。
その夜、3人で眠りについたが、ふと目覚めると娘がいない。家中を探して地下室にいるのを発見した。そこへ、マーコスが訪れる。船の修理が終わったため、すぐにでも出発できると言うが、彼はドアを開けたハンナを羽交い絞めにしてしまう。クラリッサが駆けつけ、包丁で脅したため、マーコスは逃げて行った。
憔悴したハンナを休ませたクラリッサ。彼女はハンナの携帯にかかってきた夫からの着信へ勝手に出て話をした。睡眠薬のせいで幻覚や妄言があると。
翌朝、ハンナの携帯が行方不明になる。外へ出て港を通りかかると人だかりがあった。近寄るとマーコスが遺体で発見されている。ハンナはマリアの亡霊がマーコスを殺したと思い込んでしまう。
今すぐにでも島を出なければと焦るハンナ。別荘へ戻ると管理人が娘を攫ったと頭から血を流したクラリッサに告げられる。2人は急いで管理人の家へ。管理人の男は娘を守ると言う。クラリッサと格闘する管理人。助けようとハンナも奮闘し、管理人を斧で攻撃。その反動でハンナは突き飛ばされ、意識を失ってしまう。
映画『ロスト・メモリー』の結末・ラスト(ネタバレ)
その頃、血塗れになったクラリッサは別荘へ戻り血を拭った後、準備を進めていた。物音がしたため、玄関ホールへ。マリアと思われる少女を捕まえ、強い口調で詰問した。少女はクラリッサの娘であった。だが、母親は娘にきつく当たり、手を上げるのだ。
意識の戻ったハンナ。手には斧を持っていた。側には管理人の死体がある。管理人の家にはガブリエラがおり、何人の人生を壊せば済むのかと言う。母親はマリアのことを語り出した。優しい子だったが、ハンナのせいで人生を壊された。この計画はマリアが立て、遂行している。次はハンナの娘の番だと言うのだった。
娘の居場所をガブリエラから聞いたハンナ。森の廃墟へ向かうまでの間、様々な人が言っていた言葉を反芻し、クラリッサが実はマリアであることに思い至る。
廃墟の中にはクラリッサという名のマリアがいた。ハンナの娘が攫われて廃墟の地下へ閉じ込められたと言うマリア。ハンナは助けを呼ぼうと言うマリアを殴りつけ、話を聞いた。
その昔、ハンナとクラリッサを追いかけて来たマリア。3人は森の廃墟の地面に扉を発見する。中に入って何があるかを見て来いと、ハンナがマリアを扉の下へと降ろした。井戸のような作りになっていた深い穴の下。10を数えたら助けてあげると言うハンナの言葉を信じたが、マリアは置き去りにされてしまう。夜になってようやく、ハンナとクラリッサが戻って来て、マリアを引き上げようとしたが、ロープが切れ少女は穴の底へ。意識を失ったマリアが死んだと思ったハンナは、クラリッサと2人で帰路に就いた。
マリアが発見されたのは、それからしばらく後。暗闇に取り残されたマリアは正気を失い、精神を病んでいた。その後、精神病院へ入院するも、男性看護師に犯され妊娠。世間体を気にしたガブリエラは、娘を死んだことにしたのである。
それからは復讐だけを胸に生きてきたマリア。全てを計画して実行した。
ハンナは幼い自分がしたことを謝り、娘の救助を行うも拘束から逃れたマリアに穴の底へ突き落される。上から見下ろされ、これでおしまいかと思われた。
意識が戻ったハンナ。そこは病院のベッドで傍らには夫がいた。助かったと安堵したのも束の間、ハンナは夫からなぜこんなことをしたのかと詰問される。どうやら全ての罪を被せられているようだ。娘の安否を確認したハンナの前に、クラリッサと名乗るマリアが登場。彼女は今後もハンナの家族とハンナ自身を苛み、人生を破壊するつもりらしい。今後、ハンナは薬物依存による妄想と妄言により、精神病院へ入院することになるのだ。
そうしてマリアの復讐は、一先ずの成功を遂げたのである。
映画『ロスト・メモリー』の感想・評価・レビュー
味方のように振舞っていた身近な人間による復讐劇といった内容の映画である。大前提として、主人公の何気ないいたずら心から発生した悲劇が引き金ではあるが、それだけの事がありつつ、記憶自体忘れ去っているという部分はどうしても共感できないところであり、自らの子供を守る為に奮闘するシーンも根本の原因が分かってから考えると、そこまで感情移入が出来ないというのも正直な所。ラストに向かうにつれて、釈然としない気持ちになってくる映画である。(男性 30代)
本作は、ある出来事をきっかけに過去に消した記憶が蘇った少女を描いたドイツのサスペンス作品。
内容に既視感があり、どう見ても自業自得でモヤモヤが残る結末だったが、ラストで一気に伏線回収されて、しっかり復讐を果たしたところに人間の真の怖さを感じれて面白かった。
観終わった後に自分の記憶は本物か疑問が頭を過った。
人の痛みが分からない子どもの残酷さや大人のずる賢さなど、人間の色んな面が詰まっていてスッキリしない余韻の残る作品。(女性 20代)
非常に秀逸なサスペンス映画だと思う。ヒロインが島での出来事をすっかり忘れてしまっているということは、本人にとって友人を突き落して放置したという事柄は大したことではなかったのかもしれない。その後の友人がどうなったか周囲の大人がきちんと子供の時に教えていれば、違った未来になっただろう。今作はヒロインに復讐を遂げる内容となっており、その計画が非常に緻密で分かりづらい。これこそが周囲を欺く完全なる復讐ではないかと思えるほどだ。ヒロインが追い詰められていく様子も恐怖を煽られたし、徐々に秘密も明かされていくのでより引き込まれる。結果的に復讐は成し遂げられ、ヒロインは逃げ場を失う。観終わった後の疲労感もなかなかのものだった。(女性 40代)
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