映画『プリンセスと魔法のキス』の概要:E・D・ベイカーの児童小説「カエルになったお姫様」を2009年に長編アニメ化。結婚ではなく夢に生きる少女ティアナの物語。出演は、アニカ・ノニ・ローズ。監督はジョン・マイカー&ロン・クレメンツ。
映画『プリンセスと魔法のキス』 作品情報
- 製作年:2009年
- 上映時間:97分
- ジャンル:ファンタジー、コメディ、ラブストーリー
- 監督:ジョン・マスカーロン・クレメンツ
- キャスト:アニカ・ノニ・ローズ、ブルーノ・カンポス、ピーター・バートレット、キース・デヴィッド etc
映画『プリンセスと魔法のキス』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★★
[miho21]
映画『プリンセスと魔法のキス』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『プリンセスと魔法のキス』のあらすじを紹介します。
ジャズが流れる街、ニューオリンズ。ティアナ(アニカ・ノニ・ローズ)とシャーロット(ジェニファー・コーディ)は幼馴染。シャーロットの屋敷で衣装制作を生業とする、母ユードラ(オプラ・ウィンフリー)から2人は、いつもグリム童話「カエルの王子さま」を読んでもらっていた。
シャーロットが”私の王子さまならカエルとキスしてもいい”と考えるのに対して、ティアナは”気持ち悪い!絶対にキスしないわ”と言う。ティアナには、得意の料理を生かしてレストランを開く夢があった。今は亡き父の、”星に願うだけじゃダメだ!本気で頑張るんだよ”という言葉を励みにしています。
ティアナは成長し、レストランを開くために朝も晩も働いていた。ある日、幼馴染のシャーロットに、ナヴィーン王子(ブルーノ・カンボス)をもてなす宴を開くため、料理を作って欲しいと依頼されます。もう少しでレストランを開店できるティアナは喜び、母からは父のスープ鍋を譲ってもらいます。
ラバン邸での宴の夜。ティアナは、魔術師ファシリエ(キース・ディビッド)によってカエルの姿に変えられてしまったナヴィーン王子と運命的な出会いをします。しゃべるカエルに驚き、人助けの為と嫌々ながら王子とキス。すると、ティアナの姿もカエルになってしまいました。こうして、2人で人間に戻るための試練が始まります。
沼地で出会ったのは、トランペットが得意なワニのルイス(マイケル=レオン・ウーリー)と案内役でホタルのレイ(ジム・カミングス)。魔術師ママ・オーディに会って人間に戻るために奮闘する2人に様々な困難が襲う!2人は人間に戻れるのか?夢を叶えることができるだろうか?
映画『プリンセスと魔法のキス』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『プリンセスと魔法のキス』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ディズニー史上初の黒人ヒロイン、ティアナ。働く女の子への応援歌!
あなたの夢はなんですか?医師や宇宙飛行士、というように職業について考える人もいれば、世界の平和が守りたいと言う人もいるでしょう。これまでディズニーで描かれるヒロインは皆、王子様を夢みるステレオタイプばかりでした。ところが、本作は、恋愛ではなく夢に向かって頑張る女の子が主人公です!
結婚してもうまくゆかない人が増えているから?時代にやっと追いついたのかもしれません。自分の夢実現に対して、現実的にコツコツ頑張るティアナの姿勢に共感します。王子様だと分かっているのに、嫌いだとキスした方もカエルになってしまうのが面白い!グリム童話「カエルの王子さま」を基にひとひねり以上の設定を加えたE・D・ベイカーの原作もさすがです。
人間は基本的に欲張り。夢が叶ったら次は恋愛も形にしたいと忙しくなります。たとえ、夢が実現しても独りで生きてゆくのは寂しい。ティアナの父は、夢に向かって努力する事と愛が大切だと説きました。なかなか両方を両立させるのは難しいでしょうね。一度、カエルになったつもりで真剣に生きてみますか?
ホタルのレイとワニのルイスにみる、本当の願いとは?
カエルになった2人を支え、導いてくれる2匹を紹介しましょう。ホタルのレイとトランペットを吹く、ワニのルイスです。レイはホタルと言いながらも蚊のようにか細く、お月様をエバンジリーニと呼んで片思い中。ルイスは、人間と一緒にジャズのセッションをしたいと夢みています。恋愛と夢にそれぞれ情熱を燃やす2匹。とても人間的で好感が持てます。恋愛と恋の比率は難しい。
ホタルは小さく、ワニはとても大きいので、ティアナの恋愛と恋の比重に似ています。ラスト近くで、残念なことにホタルのレイが魔術師ファシリエによって命を奪われてしまいます。その後、大好きな月の隣で輝く星になります。占星術では、伝統的な解釈として月を幻想や憧れの象徴とし、結婚とは一度相手に失望し、それを受け入れることによって成長すると言われています。
大切なことは、憧れではなく愛だということを象徴しているように感じます。
映画『プリンセスと魔法のキス』 まとめ
「私の夢はあなたがいないと叶わないの。」と愛が幸せのカギだと気づいたヒロイン、ティアナの言葉です。仕事を楽しんでいるけど、結婚はまだ考えられないと思っている女の子に観てもらいたいアニメです。ディズニーアニメのヒーローやヒロインはいつも同じでツマラナイと思っていた人も、本作を観ればディズニーアニメの良さを再発見できますよ。
ディズニー史上初の黒人のヒロイン、ティアナの奮闘ぶりや夢に共感します。嫌だと思ってキスすると、カエルになってしまうのが面白い。時代によって価値観は変わり、生き方も多様化しています。できれば、偏見や思い込みではなく、広い視野と心で歩んでゆきたい。それは、ただ王子様を待つのではなく、出会った縁を大切にすること。
大切な人の夢が自分の夢になったら、とても幸せです。ディズニーの幸せになれる魔法を感じてみて。
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